博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『梁山伯与祝英台』

2006年10月17日 | 映画
『梁山伯与祝英台』(凌波・楽蒂主演、1962年、香港)

数年前にNHK-BSの『香港映画のすべて』という番組で紹介されてからずっと気になっていた作品ですが、最近ようやっと入手して鑑賞。

中国の説話を映画化した作品です。祝英台は女性ながら学問をするために男装して杭州の学校に入ります。そこで梁山伯という男性と出会って仲良くなり、自分が女性であることを明かして結婚を誓い合います。しかし祝英台は頑固な父の命によって権門の子弟に嫁ぐことになり、泣く泣く梁山伯との結婚を諦めますが、梁山伯はこのことにショックを受けて病死してしまいます。祝英台は輿に乗って嫁ぎ先に向かう途中で梁山伯の墓に立ち寄りますが、この時に突然嵐が吹き荒れて墳墓が真っ二つに裂け、彼女がその中に吸い込まれます。その後二人の魂は二匹の蝶となり、ようやく添い遂げることができたという内容です。

このうち祝英台は当然女優さんが演じているのですが、この作品では本来男性であるはずの梁山伯や、その他の学生も女優さんが演じています。だから女優さんが演じている梁山伯が、祝英台が実は女性だったと知って驚くという訳の分からない場面も出て来るわけであります(^^;) 『香港映画のすべて』によると、当時の香港では若い男女が撮影場や舞台で共演しあうのは風俗上よろしくないとされていたということですが……

物語はミュージカルのように歌を交えて進んでいくので、(学生が師匠の講義を受ける場面では『論語』や『大学』の句に曲をつけて斉唱したりします。)イメージとしては宝塚歌劇に近いですね。上映時間は122分とショウブラ作品にしてはやや長めですが、不思議と見ていてダレませんでした。

キングレコードの黄金のシネマシリーズ第3弾がもしリリースされるなら、是非こういう古典物もラインナップに加えてほしいところです。
コメント (4)
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