博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『喪男の哲学史』

2007年02月16日 | 世界史書籍
本田透『喪男の哲学史』(講談社、2006年12月)

哲学の歴史はモテない男たちによる葛藤の歴史だった!哲学史を「モテる、モテない」で読み解いた大胆にも程がある入門書です(^^;) (ちなみにタイトルにある「喪男」(モダン)とはモテない男、もしくはモテたくない男の意だそうです。)

しかし内容の方は以前に読んだ『エピソードで読む西洋哲学史』よりも更にわかりやすくなっております。「イエスは、神の国は脳内にあると主張した」とか、「デカルトの二元論は最終兵器彼女が登場しない『最終兵器彼女』の世界」とか、「ニーチェの言う超人とは、この世界をたったひとつの舞台として自分自身に萌え続けろという俺萌え宣言だった」とか、ぶっちゃけすぎる解説のオンパレードです。

本書も『エピソード~』と同様に哲学者の思想とともにその人生を面白おかしく取り上げているのですが、『エピソード~』の方は哲学者の人生とその思想とのつながりがいまいちよくわからない憾みがありました。しかしこちらでは哲学者の思想と人生、いかに女性にモテなかったか、あるいはなぜ自らモテることをを拒否するようになったか、が直結していたのだということが(何でもかんでもモテに結びつけることの当否はさておくとして)明確になっています。

読んでいて時折、そういう理解でいいのかどうか不安になることもありましたが、人類の歴史を階級闘争の歴史ということにしてしまった階級闘争史観がアリならこういのもアリだろうと思いました(^^;)

取り敢えずこれから人に哲学の良い入門書は無いかと聞かれたら、そっとこの本を薦めることにします。
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