博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『覚醒年代』その2

2021年05月18日 | 中国近現代ドラマ
『覚醒年代』第12~22話まで見ました。


北京大学紅楼が落成。ここには図書館が大学図書館が入り、李大釗が館長として勤務することになります。作中でもここで勉強会が開かれたりと、舞台となることが多くなります。紅楼は現在は博物館になっているとのこと。

さて、北京大学では不適格教員として外国人教員であるカートライトを解雇しようとしたことがイギリスとの外交問題に発展。自分も不適格教員として処分されそうになった辜鴻銘が軍師役となり、イギリス公使館に談判するという事件が発生しております。

『新青年』の方は、周樹人が気の触れてしまった従兄弟の様子から着想を得て執筆した「狂人日記」が最初の近代的白話小説として評判となります。その原稿を書き上げた際に原稿への署名を求められ、「魯迅」と記入。これが周樹人が魯迅となった瞬間となります。


時を移さず『新青年』の同人たちは北大で新文化運動の連続公開講座を催します。銭玄同はそこで漢字廃止とエスペラントの採用を主張し、物議を醸します。白話詩を推奨する胡適の講座では「文言文の方が電報で簡潔な表現ができる」と守旧派の黄侃が反論しますが、胡適は白話文でも政府の役職への就任を断る電報で「干不了、謝謝」(私には務まりません、ありがとう)ともっと簡潔な表現ができると反撃。胡適の頓智力が光りますw


ここらへんで北京大学の学生として登場する傅斯年。後に「夷夏東西説」など古史研究において重要な業績を残すことになります。このドラマでは李大釗や学生たちとともに学内での運動の担い手としての姿が描かれています。


そして湖南より毛沢東が上京。蔡元培の差配により北京大学図書館の図書館員として勤務する一方で講義の傍聴が許されます。このあたりで彼が作中の主要人物として活躍するようになっていきます。

一方、北京大学では林紓一派による陳独秀へのバッシング運動が過熱。外では第一次世界大戦終結を承けて、戦勝国の一員となった中国ではパリ講和会議で日本との間の山東問題の解決に期待が高まりますが……

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