妻の感想は「どうやらトモダチの正体はコミックとは違うようになるかも・・・」とのこと。
この後の文はネタバレがあるんで
まだ観てない人は
読まないでね。
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なんでそう思ったかっていうと
ジジババの駄菓子屋で「バッジの万引き犯人」にされたのは「ヨシツネ」の子ども役だったかららしい。
ん?
ということは、カツマタくんは出てこないって事なのかな?
ボク自身は、漫画のほうの決着のつけ方にイマイチな気がしたんで
映画は観にいくつもりはないんだけど、ね。
映画の方のストーリーを変えるって事は作者の浦沢氏自身、漫画は失敗したって思ってるんだろうなあ。
あれから何度か、チョロチョロと漫画を読み直したりしてるんだけど
あの漫画で浦沢氏が伝えたいことは
・過去のことは取り返しがつかない
・嫌なことから逃げても結局どこかでその嫌なことと向き合っていかなくちゃならない
・そうすることによって、本当の意味で前に進んでいくことができる
ということなのかなあって気がしてる。
ただ、これはあくまでストーリーの横糸であって
縦糸は「トモダチの正体は誰?」っていうものだから、これをハッキリさせることはすごく大事なことだったんじゃないかって思う。
トモダチは結局「フクベエ」と「カツマタくん」だったんだけど
フクベエはともかく、カツマタくんのほうは
どんな人柄で、なぜ覆面をするようになったのか、ケンヂとの関係や、万引き事件以外にどんな感情をケンヂに抱いてたのか、どうしてフクベエと同じ顔、声なのか、等が全く描かれてなくて
唐突に種明かしの段になって現れた、いわば「新キャラ」だから
推理作家としては「禁じ手」を使っちゃってる気がしたんだよね。
浦沢氏本人は「推理物じゃない」って主張してるみたいだけど、それだったらトモダチに覆面なんかかぶせない方が良かったんじゃないかな。
どう考えても、読み手には「トモダチの正体は誰?」っていうのを意識させてるから
もし、浦沢氏がそう主張してるんだったらちょっとズルイよって気がするね。
こんな終わり方をするくらいなら、もっと長くなってもいいからフクベエとカツマタくんのことをじっくり描いてほしかったよ。
最初は、「フクベエ」と「サダキヨ」をトモダチに想定してたんだけど
途中で路線変更したため、ばら撒いた伏線を回収できなくなって
名前だけは出てきてた新キャラ「カツマタくん」に押し付けて、話を強制終了させたってのが真相って気がするけどね。
話の持っていき方はすごく面白かったし、
ちょっと中だるみはしたけど、最後まで「どうなるんだろう」ってハラハラドキドキさせてもらえた分、「ホント惜しい作品だな」っていうのが正直な感想ですわ。