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ロック魂を手描きで表現するyabanjin-soulのたわごと・ひとりごと

映画『ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK』

2016年10月10日 | ビートルズ
映画『ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK』日本版特報


物心つく頃にはすでに解散してしまっており、

ビートルズというバンドを知ったのはジョンが射殺されたのがきっかけ、というボクにとっては

こういう映像はとても新鮮だ。


ビートルズを知った中学生の頃は曲を聴くだけで興奮したものだが、

ここ10年ほどはずっとビートルズの背景、メンバーの思い、周囲の人間の様子等々を調べることがメインになっている。

これまでの自分なりの結論としては

ビートルズというバンドはメンバーにとったら単なるバンドではなかったんだということ。

ジョンとポールの出会いからビートルズは始まっているけれど

1年後にはもうジョージが参加している。

それから5年間ほどの食えない下積み生活が続く。

その間、数々のオーディションにトライするも落ちまくり、

ギタリスト3人だけじゃだめだから他のメンバーを入れたり、ポールがドラムをたたいたり。

ハンブルグに行って一日8時間のステージをこなすようになってようやくバンドとしての腕も上がり明るい日差しがさしても来るけど、

スチュアート・サトクリフ(ベーシスト)が脱退したり、ドイツを追放処分受けたりして、なかなか思うようには前に進まない。

そんな中でもこの3人はずっと成功を信じて団結できてた。

デビュー後4年後にはメンバーの気持ちは取り返しのつかないくらいバラバラになってしまい、その後の3年は義務として続けているようなものだった。

デビュー以前の5年間の方が長いんだよね。

食えない時代の方がメンバーの結びつきがすごく強かったわけ。

こういうところからビートルズはメンバーにとって家族みたいな結びつきがあったんじゃないかと想像できる。

ジョンとポールは早くに母親を亡くしているし、ジョンはデビュー前には結婚もしてるし、

自分たちを支える「家庭」が必要だったんじゃないかと思うんだよね。

メンバーにとったらビートルズというバンドが「癒しの場」でもあったんじゃないか。

それが「ビートルズ」だったんじゃないかと思う。

音楽的にも突出してるけど

それだけじゃなく、メンバー同士の結びつきの強さもビートルズというバンドの特殊性が現れている。

そしてそこが他のバンドにはない魅力にもなってる気がするんだよね。

だから後期のメンバーの仲違いが続くビートルズにはイマイチ魅力が感じられない。

音楽的には魅力がどんどん高まるんだけど、それに反比例するかのようにメンバーの心が離れてしまってるからね。

成功したんだからもっと結びつきが強くなってもおかしくないと思うんだけどそうじゃなかった。

ポールが一番遅かったけどメンバーそれぞれが結婚して家庭を持ったというのも大きいんじゃないかと思う。

家庭ができたからビートルズという癒しの場が必要なくなったという感じ。

あと成功してしまったために「成功する」という共通の目標がなくなってしまったというのも大きい気がするね。

成功が「解散」を引き寄せてしまった。

家庭でもよくあることだよ。

安定した生活が倦怠を生み、結局夫婦がバラバラになっていく。

そういうことがビートルズの歴史にも当てはまる気がするからなおのこと飽きないんだよね。

長編の映画を観てるような気になる。

「ゴッドファーザー」みたいな重厚な映画。

このドキュメンタリー映画もそういうところにチラリと触ってるから、そこら辺が良かったかな。

もうちょっと下積み生活のところを掘り下げてくれるとなお良かったんだけど。

まあ、ツアーしていくにつれだんだんとメンバーのココロがビートルズというモノから離れていったような描写だったから、

これはこれでアリなんだけどね。

ロンハワード監督からしたらサージェントペパーズでビートルズは終焉したというような感覚を持っているんだと思う。

さすがハリウッドの監督さんだなと感心するような編集だった。

皆さんもぜひ一度見てみてくださいな。
コメント
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