yabanjin-soulのTシャツ魂

ロック魂を手描きで表現するyabanjin-soulのたわごと・ひとりごと

「ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK ‐ The Touring Years」

2017年04月23日 | 映画
「ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK ‐ The Touring Years」本予告


ビートルズのドキュメンタリー映画「エイト・デイズ・ア・ウィーク」

ビートルズというバンドがものすごく異彩を放っているのは、

もちろんアート性が高かったのが一番だと思うんだけど、

それ以上に他のバンドと明らかに違う点は、

メンバー4人が家族のような結びつきがあったことだと思ってる。



両親に育ててもらえなかったジョン。

14歳で母を乳がんで失くしてしまったポール。

早くに両親が離婚し母親の手ひとつで育てられたリンゴ。

そして最下層の労働者階級で育ったジョージ。




まず、ジョンがバンドを始め、教会でのライブ演奏でポールと出会い、すぐにジョージも参加し、売れない時代を5年ほど過ごす。

相当ひどい状態だったようでメンバーがどんどん辞めていき、

でも、この3人はバンド活動ができない時期でもよく一緒に過ごしてたらしい。

コンテストの類はいいところまで行くんだけどいつも振り落とされるし、

仕事をもらったとしても相当ひどい条件だったり・・・。

ジョージなんかは別のバンドを掛け持ちしたりもしてたらしい。

でも、やっぱりジョンとポールとのバンド活動の方を優先してたとのこと。

どんなにつらくても彼らと一緒に活動しているのが本当に楽しかったんだろうね。

ギター3本という体制が良くないと思ったのか、

ポールがドラムを担当してた時期もあったとのこと。




そうこうするうちに

ドイツのハンブルグでの公演に誘われ、めきめき腕が上達していった。

ここでもやっぱりひどい状況は変わらなかったようで、

風呂もない1部屋にドラマーのピートベスト、ベーシストのスチュアート・サトクリフも含めた5人は宿泊させられていたらしいし、

一日に8時間ぶっ通しで演奏することもざらで、それを乗り切るために薬物にも手を出していたらしい。

女性(ストリッパーたち)とのセックスなんかもこの頃経験したらしく、

ポールやジョージは「世界で一番刺激的な街だった」と回想している。



そういう時代を乗り越え、

ようやくデビューを果たし想像以上の大成功を手にして、ビートルズとしては解散まで8年間活動したけど、

実際はデビュー5年後にはもうすでにメンバーの心はバラバラになっていた・・・。

もちろん仕事としては最後までしっかりとやったみたいだけど、

気持ち的にはもう無理だった様子。



ビートルズの歴史は、

貧乏だけどとても仲が良かった家族が成功を手にすることで少しずつ崩壊していった物語だと感じてる。


こんな一大叙事詩映画のような印象があるバンドはホントに他にはない。

ロン・ハワード監督というハリウッドでも有名な監督が指揮したから、

そういうところも踏まえたそれなりの作品が仕上がると思ったんだけど、

ボクが期待してたものとはちょっと方向性が違ったかな~。



「メンバー間同士の絆」に関してはちょっと触れてるんだけど、

基本的にはあの時代の熱狂を伝えることを第一義にしているような感じだった。

反骨精神があって堂々としていて若者を代表するような存在・・・。

そんなのはもうわかってるし映像は確かに楽しいけど、ビートルズの良さは上手く表現できてないような気がした。

と、いうか、

ボクが思ってる「家族のような結びつきが崩壊していくさま」には全く触れていない。

生存しているメンバーはポールとリンゴしかいないわけだから、

彼らからもっと多くのコメントを取ってほしかったな。





ボクは後追いでビートルズに触れて、いろいろとその当時を調べたからそういう感覚になっているのかもしれないけど

同時代でリアルタイムにファンになった人からしたら、

そんなことはどうでもいいのかもしれないね。(笑)



確かに、

動くビートルズをたくさん見たい方には確かにお勧めできる映画だと思います。
コメント
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