息子が大学の卒業制作で描いた漫画「坂道に建つ家」が
小学館のビッグコミック系列の新人コミック大賞で何と入選したとの報が届いた。
どうやら大学に提出した後に小学館にも送ってみたらしい。
全82作の応募作の中で上位5作品に選ばれたみたい。
なんかスゴイことになっててちょっとビックリする。
内容は、「両親の離婚に傷ついて、この世には確かなものなんて何もないと考えてしまってる『ボク』が恋人とのやり取りの中で少しずつそのトラウマを癒していく」という物語。
卒業制作として読ませてもらったときは作品の完成度の高さにも驚かされたけど、そのモチーフに少し複雑な気分になった。
近所の風景といい、
家の中の様子といい、
出てくる父親の姿といい、
まんま「私」だったからね。
離婚するときにできるだけ傷つけないように心掛けたつもりだったけどやっぱり傷ついちゃったんだな~と少し複雑な気分。
だけど、こうやってマンガにすることができたって事は、
実際少しはその傷も癒えているのかもしれないな、とちょっとは良い方に捉えることもできるけど
やっぱり傷つけたくはなかったな~。
家の外では傷つけられることも多いだろうから家の中では傷つけるようなことはできるだけしたくはなかった。
だから、彼が小さな頃から本当に大事に育ててきたんだよね。
例えば、何があっても決して怒らずにやってきたし、
理解を求めなくちゃいけないときはきちんと説明して協力を求めるという感じで。
でも、
彼には本当に申し訳ないことをしてしまった。
両親の勝手な都合で傷つけてしまったことには本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
*追記*
写真がぼやけているのでここに審査員評を記しておきますね。
【浅野いにお氏】
詩的な内容で序盤は引き込まれました。しかし、中盤以降も語りが多く、ストーリーにリアリティや納得感はあれど面白味という点では弱いという印象です。不安定なバランスで成り立っている「坂道に建つ家」というキーワードはとても良いと感じたので、もっと不安定な人間関係を強調した過激な物語にしても良かったのではないでしょうか。
【石塚真一氏】
普遍的なテーマをまっすぐに描いています。キャラクターの表情も豊かで読みやすい。ストーリーが枝分かれするポイントであらぬ方向に進んでみても良いかもしれません。
【太田垣康男氏】
地味な題材ながら作者の高い画力で情感が伝わり、坂道の町という心象風景も相まって主人公の揺れる気持ちに共感できた。ここまで自在にカメラワークを操り、人物の自然な演技を付けられる新人も珍しい。間違いなく大成する逸材だろう。今後に期待する。