前回の測定では、「デフォルト状態のホイップアンテナを取り付けてみただけだったら、どう出るか?」を確認した。要するに、2本の同じ(モデルの)ホイップアンテナをMAV-2W(V型ダイポール基台)に取り付けてアンテナアナライザーで測定した訳だが、インピーダンスが低めに出てしまったためボトムSWRが高い値になるという結果であった。
恥ずかしながら、今まで使ったことがあるダイポールは無調整orモードに合わせて整合点を2択するモデルのみだったため、整合点を探しながら調整するのは初めてだ。なので、上記への対策も初めてだったので、少し調べてみた。
その結果、幾つか出てきた方法の中で、後々の再現性が確保できる&複数のバンドでMAV-2Wを使う場合でも手間にならない方法として「“オフセンター給電(オフセンターマッチング)”が有効!」と判断した。簡単に言うと、左右の電気的なエレメント長さに意図的な差を付ける(非対称にする)ことで、インピーダンス50Ωに近づけてSWRを下げるという方法だ。
と言うことで、早速これを試してみる。ちなみに、測定条件は以下のとおり。
・ホイップアンテナ :第一電波のHF○○CLシリーズ
・同軸ケーブル :7MHz用アンテナチェックケーブル(コネクターがMP&MP仕様)
・アンテナ地上高 :バラン給電部で5m弱
・アンテナアナライザー:COMETのCAA-500
また、エレメントの状態は以下のように表現した。
・左右:MAV-2Wのバラン側と向かい合うように見た方向
・長さ:ホイップアンテナ本体から突き出しているエレメント長さ
■7MHz@オフセンター給電
・1回目【130°V、左1104mm、右1183mm】:f0≒6.947MHz、SWR≒1.4、Z≒46Ω
・2回目【130°V、左1052mm、右1183mm】:f0≒7.007MHz、SWR≒1.18、Z≒48Ω
・3回目【130°V、左1183mm、右1052mm】:f0≒7.007MHz、SWR≒1.13、Z≒48Ω
・4回目【130°V、左1052mm、右1255mm】:f0≒6.921MHz、SWR≒1.00、Z≒51Ω
■14MHz@オフセンター給電
・1回目【130°V、左1052mm、右1149mm】:f0≒14.233MHz、SWR≒1.7、Z≒44Ω
・2回目【130°V、左1052mm、右1255mm】:f0≒13.981MHz、SWR≒1.33、Z≒43Ω
前回とは異なり、SWR値1.x台になってきた。それに、まだf0は低い値だが“落し所”がちゃんと有ることも分かった。ちなみに7MHzの2回目と3回目は、同じエレメントのまま左右のエレメントを入れ替え、つまり同軸ケーブルの芯線側と網線側をチェンジしただけであるが、f0に変化は無かった。と言うことは、一度完成してしまえばホイップアンテナの取り付け位置、要するに「どっちが右で、どっちが左か?」は意識しなくても良さそうだ。
また今回は、現地でエレメントの加工は行わずに、手元にある長さの組み合わせ&取り付け時の挿入量だけで傾向を確認した。次回は組立の再現性を確保しながら狙い周波数まで追い込むことと、やはり本命角度の90°Vでもトライしたい。
それと2本の14MHzホイップアンテナ@HF20CLには、以前の簡易チェックで個体差が見つかっている。なので、今後の処遇と言うか「ホイップアンテナでも使う余地が残っているのか?」も、ダイポール化する前に見極めておきたい。う~ん、何かやること多いな…。やわやわとやっていきますね。
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