当ブログのカテゴリーの1つに“まずは上級ハム”というものがある。最近は“上級ハム”という表現そのものを見聞きしなくなったが、まだ死語ではないと思っている。ご存知だと思うが“上級ハム”とは、2アマ以上の資格者のことで、これに対して3アマ以下の資格者を“初級ハム”と呼ぶ。
さて、カテゴリー命名の理由は2つあり、1つ目に「カテゴリー名そのものをすべて7文字に揃えたかった。」こと。2つ目に「アマチュア無線を長期的に楽しむためには、上級ハムになることが第一歩!」だと考えているからだ。要するに「本当にアマチュア無線を楽しみたいなら、2アマ以上にならないと!」という考えである。
[1]上級資格を取得するためには、各級の国家試験を受験し合格するしかない。
上級ハムの資格を取得する手段に養成過程講習会が無いことは、周知のとおりである。つまりバーゲンセール品?は存在しないということだ。初級ハムの資格にも国家試験はあるが、要求スキルには雲泥の差がある。おそらく3アマから2アマへの昇級が最も大きな努力を要すると同時に、量的に最も知識が身につく過程たと思う。
個人的に感じたことでは、「これってどうしてなんだろう?」と漠然と疑問だったことが試験問題化されていたり、今まで特に気に留めていなかったことでも、「こいつの根拠はそういうことだったのか!」という発見も多くあった。
私の場合、上記は無線工学だけではなく、法規でも同様の展開が存在した。まぁ完全に解決するとは言わないが、踏み込んで理解できるようになる量が初級ハム時代とは比較にならないのは間違いない。知識を身につけた上に実体験を加えることで、初級ハム時代から既にやっていたことでも感じ方に深みが増してくる。
[2]上級ハムは実務面で電波の型式と周波数帯に制限が無くなる。
もちろん、無線局免許状の記載内容を逸脱しないことが条件だが、2アマと1アマでは無線設備の操作範囲の差は、空中線電力だけである。つまり、アマチュア局に許される全ての周波数および電波の型式を取り扱える訳で、取り扱う空中線電力の差を除けば、2アマは1アマと同じアマチュア業務に従事できる。
個人的には、「2アマ以上であれば、1人前のアマチュア無線技士!」と言えるのではないかと思う。(もちろん、性格的に常識人であるべきなのは言うまでもない。)半人前では、全ての周波数帯と電波の型式が許可されないのだ。
また、初級ハムと上級ハムが同じもの(テーマ)に取り組んでいたとして、いつでも全てのことを行える上級ハムが取り組むのと、常に限られたことしかできない初級ハムが取り組むのとでは、全然意味が違う。最悪の場合、“今はこれをやっている。”と“この先もずっとこれしか出来ない。”の差が存在する。資格に関係なく、是非この意味の違いを認識して欲しいと思う。
[3]上級ハムとしての誇りが芽生える。
上級ハムの割合は、アマチュア無線技士の資格者全体の約3%らしい。つまり上級資格を得ることで、100人中第3位になれたと考えることができる。あまりこれに執着しすぎると問題なのだが、そういう誇りを持つことはある程度必要だと思う。実際には、上級ハムである優越感に過ぎないのかもしれないが、何となく心にゆとりが生まれてくる。
このゆとりのお陰で、品格のある落ち着いた振る舞いに結びつくのだと思う。品格は試験勉強で身に付くものではなく、誇りを持つことにより必然的に備わるのだろう。また品格や技術を備えていると、自然に品格や技術を備えた方々が集まり、より深みのある活動に繋がると思っている。
念のために断っておくが、決して自ら過度にひけらかすことは、品格の無い行為である。話の展開上、必要な場合に上級ハムであることを明かす程度に留めることが賢明である。
[4]総括
・2アマを取得するまでの取り組みによって知識量を増やし、今後の実体験を一層深く、より幅広く感じ取ろう。
・法的に常に全周波数帯および全電波型式を取り扱えるようになっておき、思い立ったらすぐに取り組めるようにしよう。
・上級ハムとしての誇りと品格を持ち、長期的にアマチュア無線を楽しもう。
P.S.
個人的に、2アマは本格的なアマチュア無線活動を行うためには、必修的な位置付けと考えている。これに対して、1アマは必要に応じて取得すればよいと思っている。単に向上心の赴くままに取り組むもよし。2アマで何らかの不足を感じて取り組むもよし。動機は何でも良い。
1アマの取得は、2アマの取得以上に心にゆとりが生まれてくるのも事実だ。このゆとりを得たいというのも、立派な動機である。また2アマと同様に、決して自ら過度にひけらかすことを避けるべきなのは、言うまでもない。1アマの取得は2アマ以上の努力を求められるが、必要と感じた方は挑戦を決断し、ご健闘いただきたい。
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