この岳に生きる

「この岳に生きる」とは僕の所属する山岳救助隊の記念誌の題名です。 北アルプス飛騨側で山と共に生きている僕の見た風景です。

基本から。

2014年03月14日 | 山岳救助

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昨日は、レスキューの講習会(冬山編)を行った。当初は平湯トンネル付近の急斜面で行う予定だったが雨のため室内に変更。アドバイザーとしていつもお世話になっているラテルネ瀧根氏にお願いした。

朝、9時から開始してロープワークなど基本から復習のつもりで学ぶ。

シート搬送や雪上での支点の構築などをやりたかったが諦めた。参加者皆、真剣にやってくれてありがたい。

何でも技術の習得には一つ一つの積み重ねが大事だと思う。

本を読んだり頭の中で考えるのも大事だがその上で実際にやってみないと自分のモノに中々ならいと改めて感じました。

せっかく1日使った講習会なので無駄にしないようしっかり反復して自分のモノにしたい。


西穂パトロールで。

2013年07月24日 | 山岳救助

1374554007124 ハダシ。オーマイガー!

昨日horiさんと雨の中、西穂へパトロールに行ってきた。

独標まで行って山荘に戻ってきたら裸足の外国人が歩き回っていた。山荘で靴を脱いだのかなって思っていたがその後そのまま走って下山していった。思わず笑ってしまったが、国が替われば色んな方がいますね。 良い子はマネしないように!

取り合えず夏山シーズンが平穏でありますように・・・。


久しぶりの訓練

2013年07月01日 | 山岳救助

1372566115347 新しく考案されたレスキューハーネス

昨日は山岳救助隊の訓練が西穂~焼岳間で行われた。

訓練といっても登山道の整備も含んでいたのでそれほどの内容では無かった。

やはり訓練は訓練、整備は整備で分けてやらないと結局どちらも中途半端になってしまって一日がもったいない。

昨日はほとんどの隊員がただ歩くだけになってしまった。

訓練は難しいもので、あらかじめしっかり内容を練らないと実のある物に中々ならない。同じ隊員でも経験のある者無い者とでは同じことをやっていてももったいないこともある。

僕らの救助隊はそれほど厳しい現場に最近は行かなくなったが最低限のロープワークなどは知っていて当然だし訓練でスキルアップしていきたいと思っている隊員がほとんであると思っている。

自分は下っ端なので訓練内容にケチを付けるつもりはないが、より実践に近い訓練をやりたいと思っている隊員も多い。


夏山警備

2012年07月14日 | 山岳救助

Imgp0937 登山道をふさぐ倒木。

昨日はKOUさんとパトロールで西穂~焼岳の登山道の状態の確認へ行ってきた。

この道以前は僕たちも整備を行っていたが最近は山荘の方たちにお任せでやっていない。

やはり倒木が多かった。いずれも跨いだり横を通れば通過できるが、早めに処理したほうがいい。笹もかなり茂っていて多少草刈も必要だろう。

Imgp0941 ぬかるみも酷かった。

西穂山荘の方と情報交換をさせていただいた。

最近テントでの登山者が急激に増えてきて、幕営地にテントが張り切れないということが夏によくあるそうで、テン場が一杯になったら山荘に泊まってもらうか下山しなければならないということだった。

西穂にテントを張る予定の登山者は行く前に一度、山荘に確認してほしい。


これも訓練

2012年06月27日 | 山岳救助

Img_20120626_104037 サイノ河原から。

昨日は警備隊の訓練に僕たちの山岳救助隊も便乗させてもらって御岳へ行ってきた。

訓練といっても御岳の地形の把握や新隊員の歩行訓練が主で十分御岳を満喫してきた。

朝、4時自宅発。ほとんどアイスクライミングのトレでしか濁河には来る事しかなく、雪が無い時期は初めてきた。

7時、7人で登山口発。途中前日から訓練で入っていた警備隊員が下りてきた。お疲れ様です。

Img_20120626_101226 池の畔に建つ五ノ池小屋。

3時間弱で五ノ池小屋着。

古くからの友達で管理人の市川さんと久しぶりの再開。

しばらく話し込んで剣が峰を目指した。途中、いくつも火口湖がありどれもコバルトブルーがとても綺麗だった。

1時間半ほどで剣が峰着。初めてきました、御岳山頂。今日も頑張って登ってよかった。

Img_20120626_100933 最も大きい三ノ池。

山頂からはガスでパノラマは無かったが、地獄谷の恐ろしい姿が見ることができた。

オドロオドロしいところであった。

Img_20120626_114748 山頂から見下ろす地獄谷。

Img_20120626_121315 二ノ池と小屋。

1時間で五ノ池に戻り、濁河へ下山。新隊員は訓練の為重荷を背負ったいたので足にきていた。

丁度3時に濁河へ戻ってきた。

良く歩いて良い訓練ができました。

お疲れさまでした。


第二回レスキュー講習会

2012年06月16日 | 山岳救助

Img_20120615_112539 まずはロープワークの確認

昨日は第二回目のレスキュー講習会を西穂高独標で行った。

急な呼びかけにもかかわらず前回より多い救助隊の有志が集まってくれた。

講師はいつものラテルネ師匠。

僕たちの山岳救助隊が最もパトロールを行い事故もたくさん起こる西穂の稜線で一度はレスキューの訓練をやってみたかった。

登山道から登山者が転落して引き上げるという想定で急斜面を使っての訓練をメインとしてやってみた。

内容は、1/2、1/3、1/5複雑なシステムは反復しないとすぐに分からなくなる。メインロープでの支点の作り方。などなど。

Img_20120615_130308 天気が良くて助かりました。

何よりも隊員同士、力を合わせて1つの事を一生懸命やること、じっくり話し合って連携を図りあっていく事が大切だとおもった。

今回の講習会で次につながる課題も見つかった。それだけでも意味があったかもしれないし、確実に力が着いてきている。

それにしてもレスキューは奥が深い。

Img_552467_15638063_0どうやって支点を作ろうか思案中。(horiさん撮影。)

参加してくれた隊員の方には改めて感謝したい。

ありがとうございました。


祝賀会

2012年06月09日 | 山岳救助

Img_20120608_213115 おめでとうございます!

先日、3月に西穂高で行方不明になっていた登山者が3ヶ月ぶりにようやく発見された。

無言の帰宅となってしまったがご家族はホッとし喜んでいたようである。

さて、昨日は岐阜県警山岳警備隊の谷口光洋警部補が「警察庁広域技能指導官指定」の祝賀会が開かれ約60名ほどの山岳関係者が集まり、僕も出席させていただいた。

谷口警部補は現在に至るまでの36年間、山岳警備隊員として北アルプスの遭難事故での救助活動にあたって出動回数は500件にのぼり、岐阜県の山岳警備に関しての第一人者で僕たちの中ではカリスマ的存在となっている。

山岳救助でこの警察庁広域技能指導官の指定は日本で二人目である。

僕も何度も一緒に救助活動に行かさせてもらったが、警部補は山を知り尽くしていて皆頼りにしていて教えてもらう事もたくさんある。

広域指導官は岐阜県だけではなく全国の山岳警備の指導にあたるそうで僕たちもいつまでも頼りにするのではなくもっと力を付けなければと改めて思った。


指導センター

2012年05月02日 | 山岳救助

2012050110280000 対岸のデブリ。

昨日は春山警備で登山指導センターに詰めていた。

昼間、少し周辺を歩いてきたが右俣林道は白出沢までほとんど雪は無し。

左俣林道は穴毛谷出合付近からベッタリ雪があった。

新しい仮の指導センターは皆で住みやすいように整備したので快適だった。

同じく西穂高パトロールに3名に救助隊員が行ってくれた。

雪解けが早いようで山荘から上部は登山道がほとんど出ているようだった。

GW後半、何事も無く過ぎていってほしい。

2012050110290000 林道の雪。


おさらい

2012年04月24日 | 山岳救助

Imgp0760_2  今日はKOUさんと二人、先日のレスキュー講習会の復習をした。

記憶が新しいうちにおさらいして、自分の物にしなければ講習会の意味が無くなる。

さらにKOUさんから新しいロープのテクニックの教わった。中々難しく簡単には覚えられない。

次回のレスキュー講習会は是非、山へ行ってより実践に近い形で行ってみたい。

どなたか、遭難者役お願いしま~す。


山岳レスキュー講習会

2012年04月18日 | 山岳救助

Imgp0752 まずは机上講習。

以前から暖めていた山岳レスキュー講習会を本日行う事ができた。

僕の所属する山岳救助隊のメンバーに声を掛けて個人的にという形で前から一度はやってみたかった。

講師はいつもお世話になっている、現在日本山岳協会副指導委員長で 日本体育協会公認山岳上級コーチ・上級(マスター)指導員 のラテルネ師匠。

山岳レスキューのプロフェッショナルから本物の技術を学べることは中々無いがラテルネ師匠は僕たちの山岳救助隊の活動を大変理解していただいて、今回も僕のお願いを快く受けていただいた。

2012041813380000 懸垂下降も再度確認。

場所は清見の立壁。

午前中は机上講習で近くの休憩所の外で行った。

全く基本的なロープワークから始め、ロープの種類、結束による強度の低下、それぞれのロープの特徴、ヒリクションヒッチ、支点の取り方、流動分散均等加重、動滑車1/2, 1/3,ナドナド解りやすくなぜこうなのかという理由を付けて教えていただく。

昼食後立壁に移動して実際にレスキューの訓練を行った。

始めは懸垂下降。参加者全員懸垂下降は何度も経験しているのでスムーズに下降できた。

Imgp0754 システム構築中。

次はメインのレスキュー訓練。稜線から登山者が滑落したという想定で登山道まで引き上げるという物だ。

まずは1/2でやってみる。フリクションヒッチやタイブロックの使い方が大事。

次はもっと斜度と距離がある壁に移動して今度は1/3での引き上げ。

さらに2段階での引き上げ。とにかくミッチリいろいろやった。

あっという間に時間が過ぎてしまった。Imgp0756

皆真剣です。

今回、こういう試みは始めてだったが内容の濃い充実した訓練ができたと思う。

実際に険しい山で遭難者を目の前にしてスムーズにレスキューできるだろうかという不安はいつもあるが、訓練をしなければいつまでたっても不安はぬぐえない。

また今日はレスキューでのチームワークの大切さも痛感した。レスキューのシステムは複雑で場所によって条件も違う。皆でより良い方法を考え力を合わせてやらなければとつくづく思った。

本を読んである程度は頭に入れても、実際にやってみなければわからないことがたくさんある。

今回を機に次回に繋がって皆のスキルアップを図っていけたらいいなあと思った。

ラテルネ師匠、今日は本当にありがとうございました。

みなさんお疲れ様でした。ありがとうございました。