この岳に生きる

「この岳に生きる」とは僕の所属する山岳救助隊の記念誌の題名です。 北アルプス飛騨側で山と共に生きている僕の見た風景です。

錫杖岳また1ルンゼ

2012年09月26日 | 山行記録

Nec_0511 フォローでも必死の僕。

長年の夢と言うか、1つの目標と言うか、とにかく一度は登っておかなくてはならないと、自分の中で思っていた1ルンゼをついに昨日完登することができた。

しかし、自分の力ではほとんど無く、team-錫杖のakiさんの絶大なるサポートがあってのことである。

本当は自分が全ピッチリードして登らなければならないが、まだまだ自分にはその力は無かった。

akiさんはクライミングのプロ中のプロで、そのテクニックや知識は並大抵の物ではない。

また錫杖に通っている数は群を抜いて日本一でこよなく錫杖を愛していらっしゃる。

今までの僕の登り方や下降技術がいかに危なっかしいかが好く分かった。

机の上の勉強も大事だがやはり山へ行って実践に勝る物は無い。なんて言ったって命が掛かっているのだから、中途半端なことは1つもないのである。

今回akiさんと完登ももちろん嬉しいが、いろいろ語り合いながら、そして経験から基ずく知識や技術を教わる事が出来たことが何より嬉しい。

僕みたいな素人に毛が生えた程度の人間と一緒にプライベートとして登っていただいて只感謝。

これに懲りず、またお願い致します!ありがとうございました。


2012-09-20 09:19:51

2012年09月20日 | 日記・エッセイ・コラム
16年間入っていた山岳会を辞める事にした。
長い間籍を置かさせて頂いたが、仕事柄土日に休めないので、会の山行や合宿にほとんど参加出来なかった。
会の行事に出る事ができずずっと申し訳なく思っていたが僕の所属する山岳救助隊と飛騨で唯一の地元山岳会と繋がりがあった方が良いと思い続けてきた。

運営されている方々に協力する事ができず心苦しくて相談したら、気にしなくていいって言って頂いたが、そろそろ身を引こうと思った。

いろんな思い出や勉強させてもらい寂しくなるが新たな自分の山を考えるきっかけになると思う。

山岳会の皆さん、大変お世話になりました。
ありがとうございました!



久しぶりの岩

2012年09月14日 | 山行記録

P9130025 また来ます。

昨日(13日)いつものO森君と錫杖1ルンゼに行ってきた。

今回は前回からトラウマの1ピッチ目をなんとかリードできて良かった。

あとは2人とも初めてのルートでルーファイに手間取りハンガー二枚打たれているところのピッチまででよしとした。

次回は絶対上まで抜けてみたい。

O森君いつもありがとう。また行きましょう!


さよならアル。

2012年09月11日 | 日記・エッセイ・コラム

Img_20120908_093135 綺麗にしてからお別れ。

10年間僕たち家族を乗せて走ってくれたアルとお別れをした。

長男が産まれた年、家族が増えれば大きい車も必要だろうと買った車である。

それから娘も産まれ色々な思い出を作ってくれた車との別れは少し寂しかった。

山スキーに行くときは車中泊をして冬の厳しい寒さから僕を守ってくれた。

近年は警告灯もいろいろ点灯したりギズもあったり、足回りもギシギシ音を立てて悲鳴をあげていた。

新しい車はアルと同じような車だが一回り小さくエンジンも小さい。しかし燃費も良く、重心も低くて乗りやすい。

ぶつけないように大事に乗っていこう。


息子と槍ヶ岳登山。最終日。

2012年09月08日 | 子育て

P1130062 槍ヶ岳のシルエットと幻想的な日の出。

槍ヶ岳登山3日目。

今日は下山である。

4時半に起床し準備をして朝食を食べ外へ。御来光を拝もうと外へ出たが薄いガスが掛かっていた。

ガスが取れないまま陽が昇ってきてガスが赤く染まり辺りは幻想的な雰囲気に包まれた。こんな御来光もありか。

しかし、山々は見えなくなってしまった。昨日の約束と違うじゃん!

P1130072 天を突く槍ヶ岳。

仕方が無い。天気が好ければ、大喰岳まで登って景色を見てから帰ろうと思っていたが、そのまま下山することにした。残念。

飛騨側からはドンドンガスが湧いてきて冷たい風も吹きつけている。

息子と話す事も無く飛騨沢を下った。

P1130075 来年はあっちか!

200mくらい下っただろうか。

これまた一気にガスが取れてきた!

マジッすか!辺りは明るくなり風もやんで絶景が広がり始めた。

今ならまだ引き返せる。息子の荷物をデポして、下ってきた道をまた登り始めた。

飛騨乗越まで引き返すとやはりガスは全く無くなっていた。そして大喰岳を登り始めた。

P1130076 この写真が撮りたかった。

大喰岳では素晴らしい展望が広がっていた。

登り返してよかった。

息子も素晴らしい景色に大満足。

ああ、山って素晴らしい。

息子がどうでもいい写真を沢山撮ったのでカメラの電池がギリギリ。でもしっかり撮れました。

もう思い残す事は無い。晴れ晴れとした気持ちで今度こそ本当に下山を開始した。

P1130082 オコジョも顔を出してくれました。                        

槍平ではまたまた沖田さんにお世話になり息子も大喜び。

いつも山岳救助隊でお世話になっているのはこちらなのに、本当にありがとうございました。

帰り、滝谷付近で滝谷の怖い話をしてやった。息子はマジでビビッて絶対に非難小屋を見ようとしなかったのが面白かった。

長い長い右俣林道も元気に歩ききって無事新穂高に帰ってくることができました。

今回の登山は息子の希望だった。しかし、ぼくにとっても一生の思い出となる山行となった。

名峰中の名峰で自宅から見える故郷の山、槍ヶ岳。

今までとは違った眼で見えることだろう。わざわざ学校を休んでいく事ではないかもしれないが、僕たちにとっては思い切って行ってよかった。

自宅に着いたときの充実感に満ち溢れた息子の顔が印象的だった。

長々と読んでいただきありがとうございました。


息子と槍ヶ岳登山。2日目。

2012年09月07日 | 子育て

P1120930 談話室で寛ぐ息子。

槍ヶ岳登山、2日目。この日の予定はのんびり南岳まで行って泊まる予定だった。

しかし。

朝起きてみると前日と同じ辺りは真っ白。残念、何も見えない。しかも風も強く暴風雨である。こりゃあきません。即停滞を決めた。今回のメインは槍ヶ岳。まだ山頂にも立っていない。無理をして行くより槍ヶ岳一本に絞る事にした。

P1120950 親父臭い息子。

僕は登山前から少し風邪気味だったので休息には丁度よかった。しかし、どんどん悪化していき喉がやられて声がかすれて出なくなってしまった。咳も出るが熱は無いし頭も痛くない。持ってきた風邪薬を飲んで横になっていた。

息子はというと売店からサキイカを買ってきて自炊室でストーブで炙って食べていた。美味いと言いながら一人満足そう。そうかと思えば雨なのに外に出て写真を撮ったり、談話室でマンガを読んだり山小屋生活を満喫していた。どこへ行っても楽しむ事の上手い男である。

P1120985 相変わらずガスの槍。

僕はといえば、ヒマすぎてコーヒーばかり飲んでいた。

たまにはこういうふうに過ごすのも悪くない。

たまに外を見て晴れてこないか様子を伺った。

今日もダメか。諦めかけた夕方4時頃。他の登山者の歓声が聞こえたので外を見ると一瞬にしてガスが抜けていた。晴れてきた!周りにもガスは無く一気に安定している。息子に頂上に行くぞ!と声を掛け素早く準備して槍の穂先へ向かった。

P1130012_2 穂先の登り。

息子も大喜びで駆け出した。

しかし、浮かれて慌てて登る事は危ないので落ち着いてゆっくり登るように注意した。

それでも登るペースは速い。

岩も濡れているし滑りやすいので気をつけるように叱り付けた。

でも、息子は岩登りがとても楽しそう。今まで見えなかった山々が眼下に広がってくる景色に興奮するのは当たり前なのかもしれない。

そして、ついにまだ誰もいない槍ヶ岳山頂3180mに立つ事が出来た。

やはり、頂上というものは嬉しい。いつものように息子と握手を交わした。

P1130015 ハシゴ登り。

槍ヶ岳から穂高まで続く稜線も、笠ヶ岳も双六岳、薬師岳や鷲羽岳、白山、乗鞍、御岳、見える見える。

P1130017 やりました!

P1130018 穂高をバックに。

P1130022 故郷の山笠ヶ岳、遠くに見えた自宅をバックに。

P1130042 あそこまで登ったんだ。

P1130051 次の日の好天を約束してくれる夕焼け。

山荘に戻ってしばらくすると素晴らしい夕焼けになった。

よかった、晴れてくれて。神様ありがとう。

最終日へと続く。


息子と槍ヶ岳登山。1日目

2012年09月06日 | 子育て

P1120876 滝谷で。

以前から息子と約束していた槍ヶ岳登山へ2泊3日小屋泊まりで学校休ませて行ってきた。

息子も現在5年生。僕も5年生の時、双六~雲の平経由高天原~双六~笠ヶ岳の4泊5日内二泊はテント。という登山を行った歳である。息子にも槍ヶ岳は登れるだろうと今回思い切って連れて行くことにした。

今回の予定コースは新穂~槍ヶ岳(泊)~南岳(泊)~新穂というゆったりのんびり山行を予定していたが果たして計画通りに行くのだろうか。天気はそんなに甘くなかった。

一日目、朝4時前に起床し新穂高を出発。天気はまずまずである。

P1120885 飛騨沢、千丈乗越への分岐。

槍平まで順調に登ってきた。

槍平小屋に着くとオーナーの沖田さんが温かく迎えてくれた。色々な積もる話をして楽しい一時。息子共々お世話になり本当にありがたい。感謝感謝。

時間はまだ8時半。十分槍ヶ岳まで行ける時間である。ここからが登りの本番。息子にココからが厳しいんだぞと言うと覚悟はできているみたいだった。登り始めて1時間千丈乗越分岐手前で雨が降り出した。

マジですか。仕方が無い、あれだけ天気が好かったのにあっという間だった。登山道上でカッパを着る。視界も悪くなり風も出てきた。引き返すかと聞いたが息子は行く気満々。行くしかない。雨は小雨で助かる。

P1120903 槍ヶ岳山荘着。

途中息子が腹が減ってきたので速攻でラーメンを煮て食べた。

ほとんど視界が無く景色も楽しめない中、飛騨沢を必死に登る。カッパを着てるので暑いのか寒いのかよく分からない。息子かなり辛そう。足も痛くなってきた。でもあせらず確実に登る事にした。

午後2時近く、なんとか槍ヶ岳山荘に着いた。よくがんばりました。しかし、相変わらず景色は無し。

P1120904 部屋からたまにウッスラ見える槍の穂先。

息子は疲労困憊で倒れこむだろうかと思ったが、初めての小屋泊まりにかなり嬉しそうで、ワクワクしていた。

広い槍ヶ岳山荘を走りまわってどうでもいい写真を撮りまくっていた。電池が無くなるからやめれ、と言っても撮っていた。

時々見える槍の穂先に感動していた。とりあえずここまで登って今日はよかった。

P1120920 夕食にて。ご飯が出てくるなんてありがたい。

次の日は南岳までの3000m稜線散歩の予定。

果たして予定通り行くのか。

2日目に続く。