昨夜、午後8時頃山の中で動けなくなって救助を求めている登山者がいるので助けに行って欲しいと電話が入った。
こんな時間からですか!?外は本降りの雨が降っているが行くしかない。
警備隊員のS村君と二人で行く事にした。遭難者は怪我は無いが雨が酷く、テントが浸水してきたとかで救助要請してきたという。
午後9時、登山開始。もちろん真っ暗闇。雨も強い。登山道もほとんど川状態。正直勘弁して欲しい。
登るにしたがい、雪渓が出てきた。登山道が無い。昼間なら何てことなく分かるのだが、ガスも濃いのでほとんど分からない。GPS持ってきて良かった。それを頼りに進むが途中、藪漕ぎとなってしまった。こんな時間に雨の中藪漕ぎなんて初めてである。S村くんと二人、励まし合いながら何所にいるともハッキリ分からない遭難者を捜したが、上部はまだ雪が多くその都度GPSを頼りにするしかない。
2時間ほど登ると風も出てきた。すでに全身びしょ濡れ。早く見つけたい。ホイッスルや大声で呼びかけながら捜した。S村君が雪を踏み抜いて靴が完全に浸水して泣きが入った頃僕の目の前に光の筋が見えた。見間違いかともう一度確認したら間違いなかった。おった!S村くんと僕は俄然気合が入る。少し藪を漕いだところに遭難者はいた。
良かった!分かっていたが怪我は無いかと問いかける。大丈夫だ。充分歩けるので保護しながらGPSのトラックを忠実に辿って下山する事にした。今回はGPS様様様である。
半分くらい下ったところで応援の二人の警備隊員と合流。仲間は本当にありがたい。安心するがまだ気が抜けない。2時間ほどで指導センターに着いた。
帰宅すると時刻は午前2時。
厳しいレスキューだったが無事終えてよかった。