先日、知り合いのケアマネージャーから僕にある事を依頼された。
内容は、入院している、体が不自由で寝たきり状態の患者さんが間もなく退院するが、自宅が特殊な造りをしていてその自宅に帰るのに力を貸して欲しいというものだった。
その自宅というのは階段を登って家の中に入るのだがその階段がとても狭くかなりの勾配。自分たちの力だけでは家に帰してあげる事ができないようであった。
知り合いは市役所の福祉課や介護タクシーなどにお願いしてみたが無理という返事だったらしく僕が山岳救助隊に入っているので困り果てて連絡してきたようだった。
しかし、僕は山でレスキューに行ったことは何度もあるが町の中で、しかも建物でなんかやったことはない。しかも、その作業中に患者さんに何かあったらとても責任取れないので安請け合いなんかとてもできない。
初めはお断りしたが他に頼る人もいないので責任はこちらで持つとま言うので、じゃあ出来る範囲でやってみようと受けた。
そこで準備したのが遭隊協から借りてきたバーティカルストレッチャー!まだ新品のピカピカを事情を話しお借りした。
助っ人は悪友とhoriさん。horiさんはレスキューのスペシャリスト。百人力である。
三人で患者さんの自宅へ赴き現場を確認したがやはり大変そうだ。
患者さんが自宅に到着し早速準備をして搬送することにした。患者さんは胃ろうをしていて背負うことができない。
バーティカルストレッチャーを伸ばし患者さんを寝かせる。horiさんは患者さんに温かい言葉を掛け安心させる。怯えているようだった。
装着完了したので3人で搬送開始。階段は狭く急だが山に比べれば何て事はない。しかもこのストレッチャーは柔らかいので狭い階段でも丸まってスムーズに搬送できた。
患者さんを寝なれたベットに問題なく寝かせることができてホッとした。
搬送成功である。強張っていた患者さんの表情も笑顔になっていた。
今回のようなことは初めてだったがとても勉強になった。
バーティカルストレッチャーの機能の高さも分かったし患者さんへの接し方もhoriさんから学んだ。
何よりも患者さんが最も安心できる自宅へ送り届けることができて僕も嬉しかった。
悪友、horiさんご協力ありがとうございました。