まるで雪の大谷
カミさんの実家があるところはとても山深くチベットみたいな所で、日本有数の豪雪地帯である。僕の住む奥飛騨も雪は多いところだと思うが、ここの雪の多さは半端ではない。この時期は夏なら自宅から50分ほどでいけるがその道が除雪されないため冬は1時間半以上掛かる。
そこの地域で冬に昔から作られている寒干大根という保存食があり、カミさんの実家でも親族総出で作っているので僕も今回初めて手伝ってきた。
じいちゃんが今年新調した釜で大根を煮る。
まず、大根の皮をむき、約1.5センチの輪切りにする。それを煮るのであるが煮すぎると柔らかくなりすぎて刺した時に落ちてしまう。じいちゃんが絶妙な茹で加減でざるにあける。
まだ熱い大根を串に決まった数を刺していく。
串に刺さった大根を軒の下に持って行き干すのである。約1ヶ月干すと綺麗な狐色になり嵩も半分以上減り固くなって出来上がり。
子供たちも大根を串に刺す作業を手伝う。
氷点下10度以下になり凍った大根が日中日差しで柔らかくなりまた凍る。その繰り返しで水分が抜け、甘味と栄養が凝縮されとても美味しくなるのである
巨大な屋根の軒の下に干している大根たち。ここの風物詩。
大根約2500本分の寒干大根を作るので本当に大変な作業であるがここの地域の伝統的な大事な仕事の一つであろう。
多分、奥飛騨でも同じように作っても、ここのように美味しいのもはできないと思う。やはりここの厳しい気象条件や空気が育む味であろう。
雪の山と干してある大根。
軒の下が並べて干されている大根。
今日も時折日が差すものの雪がずっと降り続いていた。
僕が住んでいる所と標高はほとんど同じだが雪の質が違い、深々と降る雪で積もりやすい雪だ。気温も若干盆地の地形のせいか、かなり寒い。屋根の雪下ろしもかなりの重労働だったが今は積もると勝手に滑り落ちる屋根になりその労力も必要なくなった。しかし、雪が落ちるときは一気に落ちるので家が地震のように揺れるのである。
奥飛騨に帰ってきて雪の少なさになんとなくありがたい気分になった。