この岳に生きる

「この岳に生きる」とは僕の所属する山岳救助隊の記念誌の題名です。 北アルプス飛騨側で山と共に生きている僕の見た風景です。

西穂パト

2010年04月29日 | 山岳救助

P1020764 28日、春山警備の西穂パトに行って雪の状態など見てきました。

朝、始発のロープに乗るが激しい雨が降っている。しかし、天気図は急速な回復を示しているので行くしかない。初めから雨の中の訓練と割り切れば気持ちも楽である。標高2156mの山頂駅に着くと雨ではなく、雪が降っていた。雨の中歩くよりよっぽどマシである。

P1020780 晴れてきた!

ここですでに積雪1.5m以上はあるだろう。昨夜から降った雪がさらに15センチほど積もっている。5月になろうとするこの時期にまだ積もるのだから山はあなどれない。40分も登ると次第に雪も止み晴れてきた。周りの景色も見え始め青空も広がってきた。一時は激しい雨でやめようかとも思ったがやはり今日もきてよかった。

P1020782 乗鞍、焼岳も綺麗に見えてきた。

1時間で西穂山荘着。他に登山者はいない。さらに独標を目指す。風も無く穏やかな稜線歩きだ。みるみる内にガスが取れてきて回りの山が雲をまとって雄大な姿を現してきた。山は行ってみなければ分からないこどが多い。

P1020785 独標からの西穂の稜線。左の白いピークがピラミッドピーク。

上部を見ると登山者一人登ってる。山荘に宿泊して登っているのだろう。山荘から1時間弱で独標着。ここから先の稜線にも雪はベッタリ。ここでザイルで結び合いさらにピラミッドピークを目指す。ここからは狭い雪のリッジが続くので慎重に行動することになる。一人の登山者は独標で引き返したようだ。

P1020790 奥のピークが独標。

堅い雪の上に降ったばかりの柔らかい雪がのっかている。トレースも無く、不安定な雪だ。アイゼンを着けた足を慎重に置きながら進む。

30分ほどでピラミッド着。雪のこの時期、日帰りで来るにはここまでが限界である。景色を楽しんで引き返す事にする。雪の状態は把握できたのでGW中の登山者に指導センターで報告できる。

独標からは走るように駆け下りたのであっという間に山荘に着いた。山荘の方に挨拶し、情報交換。コーヒーをご馳走になった。ありがとうございます。

西穂山荘に寄ったら西穂ラーメンがおすすすめです。800円です。しょうゆ味とトンコツがあります。

P1020792 真ん中のピークが西穂山頂。

すっかり良い天気になり春の日差しは暑かったが充実したパトロールに満足である。

とにかくまだまだ不安定な雪だったので、GWは事故が無い事を願うしかない。

P1020797 西穂山荘の様子。


ギリギリ

2010年04月27日 | 山岳救助

Ts3b08152 レスキュー終えて。

夕方、そろそろ消防団の練習に行く準備を仕掛けた頃、遭難の連絡が入った。

えー!こんな時間からですか?

すでに夕闇迫ってる。急いで着替えてヘリポートにむかった。今夜は消防団はお休みです。ごめんなさい。

今回は、現場に行く隊員は一人。僕はヘリポートでサポートに廻った。暗くてもヘリが安全に着陸できるようランタンに電池を急いで入れたとたん、ヘリ着。

間髪いれずに隊員を乗せ飛び立っていった。急がなければ真っ暗になってしまうが、熟練隊員のスピーディーな行動とパイロット卓越した操縦技術ででギリギリ間に合った。

遭難者は怪我ですんだが、あと5分遅かったら暗くて見えなくなってしまい今日中のレスキューは難しかっただろう。

今年は稜線からの滑落者が多いようです。雪の状態もよくありませんがしっかりしたアイゼン技術が必要である。


春山偵察

2010年04月22日 | 山岳救助

21日、北アルプス飛騨側の春山偵察を行いました。

昨日までの雪の状態は4月に入ってからの降雪が多く、積雪量は多いです。中々手ごわい雪の状態なのでそれなりに厳しいと思います。また秩父沢などまだまだ雪崩が出そうな箇所や、セッピの崩落の危険ががありますのでGWに山に入られる人は充分注意願います。

合わせて、午後からヘリポートで航空隊、警備隊、救助隊、県警本部の山岳担当者など、20数名で安全会議が開かれて、今後の救助活動のあり方などが話し合われた。

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西穂の稜線。 

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涸沢岳西尾根。

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穂高の様子。

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槍ヶ岳と槍岳山荘。

P1020726

槍ヶ岳、西鎌尾根。

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笠が岳、抜戸の稜線。

P1020745_2 大ノマから双六岳方面。


初心者です

2010年04月21日 | 釣りのこと

息子が川で釣りをやりたいと言うので連れて行ってやりたいが、僕は釣りに関してはずぶの素人である。釣り竿もまともに持っていないのでまずどんなものが必要かさえ分からなかったので、近所の釣り名人で同じ山岳救助隊員のK村さんに教えてもらいに行った。K村さんは釣りが好き過ぎて、川のすぐそばに住んでいる。寝ても覚めても釣りの事を考えている人である。

K村さんはいろいろ教えてくれた。僕が以前から持っていた釣竿は渓流釣りには向いていなかったらしく新しい物を買おうと思っていたら、なんと2本も頂いた。しかけも頂いた。ありがたいことで感謝である。

この日は道具を揃えようと思っていただけだったが、近所の釣り餌を売っている店は休みだったので少し離れた店まで買いに行く事にした。その店に向かっていたら、今度はやはり釣り名人で友人の「匠馬のおやじ」さんが釣りをしているのを見つけたので話しかけてまたいろいろ教えていただいた。「匠馬のおやじ」さんも釣りが好き過ぎて都会からここへ移り住んでいる人である。三度の飯より釣りが好きというのはこの人の事だ。この日は朝早くから釣り初めて50匹くらい釣っているそうだ。

この日は釣りをする気は無かったが、道具がそろうとやってみたくなり一人、よく分からないまま川で釣り糸をたらしてみた。しかし、釣れる気配すら感じられないで、「匠馬のおやじ」さんに頼んで釣れそうな場所や仕掛けの作り方、竿さばきなど細かく教えていただいた。

結局、この日は時間帯も悪かったので、僕は釣れなかったが、「匠馬のおやじ」さんは僅かな時間で5匹くらい釣っていた。やかり名人は凄い。

この日はいろんな人に恵まれていろいろ教えていただいた。ありがたいことで感謝である。

釣りをされる人にはこの辺の川は日本でも有名な川らしい。近くにこんな良い川があるのに釣りをしないのは本当に勿体無いと、「匠馬のおやじ」さんは言っていた。

釣りの基礎知識は大体分かったのでなんとか息子を連れて行けるだろう。

P1020677_3 美しき白馬岳 


自然公園指導員

2010年04月17日 | 日記・エッセイ・コラム

Photo 委嘱状が届いた。

環境省の自然環境局が置いている、自然公園指導員の委嘱状が今年も届いた。

自然公園指導員とは、国立公園や国定公園の保護、動植物の保護や、美化清掃、事故防止など、自然公園の環境の保全に資するために置かれているものである。

なんだか難しいがとにかく国立公園内などの自然を守ることが務めである。

何年か前に東京へ行って1日中講習を受けてきた。

とはいっても法的に権限があるわけでもなく、強制的に何かできる訳でもないので微妙な立場だと思う。

登山者などに注意して逆ギレされたなんて話も聞いた事がある。

登山者や国立公園などの利用者のモラルの低下が最近よく言われるが、美しい自然を目の前にしたとき、それを壊そうなんて思う人はいないと勝手に思ってしまうが、そうとも限らないのでこういう制度があるのだろう。

美しい日本の自然を守って後世に残せるように少しでも力になれたらいい。


白馬乗鞍山スキー

2010年04月08日 | 山行記録

P1020633 後立山連峰をバックに。

本日、白馬乗鞍岳へ山スキーへ行ってきた。

これ以上無いほどの天気に恵まれ、今日も楽しい1日を送らせてもらいました。

メンバーはいつものO森君と、若きスノーボーダーのM浦君との3人である。朝、3時起床、4時半平湯集合で僕の車に皆乗り、いざ栂池へ向かい、2時間半ほどで着いてしまい、8時半始発のゴンドラだったので1時間半くらい、車の中で仮眠した。

P1020636 コレが白馬乗鞍。小さく人が登っているのが分かるだろうか。

8時も過ぎると続々と山スキーヤーやテレマーカー、スノーボーダーがゴンドラ乗り場に集まってきた。白馬乗鞍方面へバックカントリーに行く人は、切符売り場で登山届けを出さなければ乗車券を売ってもらえない。

ゴンドラとロープウェイを乗り継ぎ、成城小屋前を9時半出発、歩行開始である。40人くらいはいただろうか。ほとんど皆揃っての出発であった。

P1020641 眼下に天狗原。

天気はいいがとても暑い。アウターを脱ぎ登り続けるが天狗原に出ると風が強くなり火照った体をクールダウンしてくれ気持ち良い。

それにしても素晴らしいロケーションである。ここはまさにスキー天国。山スキーヤーの為にあるような山である。登りながらどこを滑ってやろうか悩ませられるほどだった。

登り始めてわずか2時間半ほどで白馬乗鞍山頂に付いてしまった。

P1020644 ボーダーとO森君。遠くに、火打と焼山、高妻山。

素晴らしい景色が広がっていた。6年前に登った雪倉岳も見えるし、白馬岳など白馬三山、五竜、鹿島槍、360度のパノラマであった。

とにかく写真を撮りまくって、滑走準備。とりあえず登ってきたルート沿いを滑る事にした。まだまだ続々と山スキーヤーが登ってくる。滑り始めると皆動きを止め、僕たちを注目している。転んだら恥ずかしいよ。すでに重くなり始めている雪だったのでジャンプターンで滑り降りた。

P1020667 はくのり頂上で。

3人とも天狗原まで降りたが、このまま栂池に下りるのは物足りないので、もう一度ハクノリに登り返すことにした。

O森君も、M浦君も元気である。

30分ほどかけて登り返し、今度は北側斜面を滑る事にした。さっきよりザラメで多少は滑り易くなっていた。かなりの急斜面だが二人ともターンを決めて気持ち良さそうだった。

P1020659 白馬岳と杓子岳。大雪渓も見える。

天狗原から下は雪が腐り始め試練の下降となった。

あっという間にゴンドラ乗り場に着いてしまった。

ここから下は滑走禁止なのでゴンドラに乗って降りるがゴンドラからゲレンデを見ると滑っている人が何人もいる。高いお金を払ってゴンドラで降りている僕たちはバカらしくなってしまった。

P1020657 船越の頭と小蓮華山。

今日はハクノリを登り返して2階滑ったので、まずまず充実した1日となった。

栂の湯で汗を流して帰路に付いた。

6時に自宅着。7時からの会議に間に合った。

今日も楽しい1日でした。明日は動画をのせます。


火山ラーメン

2010年04月04日 | 食・レシピ

Ts3b0808 只今噴火中。

鎌倉からの帰り、平塚市内の国道沿いのラーメン店で昼食とした。何気なく入った店だったが、見たことの無いとんでもないラーメンだった。

その店の名前は石焼らーめん火山

何がとんでもないかというと、300度に熱せられた石焼の中に、麺と具が入れられ、スープは別でテーブルに持って来られる。店員さんが目の前でスープを注いでくれる。モタモタしていると麺が焦げてきそうだ。スープが注がれると当たり前だがグツグツ沸騰してきてスープがあふれ出そうになるので、レンゲですくわなければならない。これが噴火と言うそうである。

待つ事2分、(ちゃんと砂時計で計っている。)できあがりである。そのままでは熱くてやけどするので別皿に取り分けて食べるのである。

味はあっさりしているが具の野菜がとてもうまかった。

関東以北に何店かあるらしいが、所変わればいろんな食べ物がある。