この岳に生きる

「この岳に生きる」とは僕の所属する山岳救助隊の記念誌の題名です。 北アルプス飛騨側で山と共に生きている僕の見た風景です。

2011-02-27 14:00:14

2011年02月27日 | 日記・エッセイ・コラム

2011022621200000 もみくちゃです。

昨夜は航空隊隊長が定年で勇退されるため送別会が開かれた。

山岳関係者50名ほどが集まった。

現代の山岳救助でなくてはならないヘリコプターであるが、隊長は航空隊発足から北アルプス飛騨側で発生した遭難者の救助30年近くやり続けてきた。

隊長はいつも熱い情熱を持った人で、熱血漢という言葉がピッたりである。その豪快で温かい人柄にファンも多い。

厳しい気象条件の中でのヘリの操縦は困難を極めるが卓越した操縦技術で11000時間以上無事故で今日まで来られたことは素晴らしい。救助した遭難者も700名を越える。名実共に日本一のヘリのパイロットである。

日没寸前に遭難者を救助し暗い中着陸したりアッというまにガスに巻かれ視界不良となり山の中に着陸したり相当大変なことも経験されている。しかし、それも日頃の訓練と冷静な判断が安全に繋がっている。

僕も個人的に非常にお世話になった。僕が入隊した頃から可愛がっていただき鍋平ヘリポートに来る時はいつも声を掛けていただいた。又、色んな遭難現場や訓練に出動させてくれ貴重な経験を沢山積むことができた。僕の結婚式でスピーチしていただいた時の原稿は今でも大切に持っている。

隊長には僕はただ感謝である。一、民間救助隊を本当に大切にしてくれたご恩は絶対忘れない。

本当にお疲れ様でした。ありがとうございました。


ビーコン講習会

2011年02月23日 | 山岳救助

P1060487 電波の出かたの特性を知る 。

今日は雪崩ビーコンの講習会に参加してきた。ピープスを取り扱っている代理店の方と、白馬の山岳ガイド方の二名が講師であった。

最新式デジタルの物からアナログ式の物。1本アンテナから3本アンテナの物。そして各メーカーの物。それぞれの特性や操作の仕方など事細かく教えて頂いた。メーカーやアンテナの形式によって最初に反応する距離が様々である。今まで知らなかったことが沢山有り本当に内容の濃い講習会だった。

P1060492 4mの高さにビーコンを設置しての探査。

午後からは2班に別れ、実際にビーコンを雪の中に埋め探し出す訓練を行った。

雪崩に埋まった人を生きて救出できるタイムリミットは15分だそうである。

ビーコンを4つ埋め全部探し出すまでに10分少々であった。

何回も繰り返し探し出す練習を行ったがやるたびに要領が良くなりスピードは上がっていった。やはり練習は大事である。

バックカントリーにスキーやボードに行くのにビーコンは今や常識である。しかし、その操作や電波の特性を知って使いこなせるには相当の練習が必要である事を改めて実感した。また、プローブの行い方や二次雪崩の対策など雪崩の現場のレスキューの方法をみっちりトレできて有意義な講習会だった。

最低でも一年に一回は訓練したい。


雪で遊ぼう。

2011年02月20日 | 日記・エッセイ・コラム

2011022014370000 今日はスノーシュートレッキングのお客さんのガイドをした。

僕は2時間コースと4時間コースを設定しているが今日のお客さんは4時間コースを御希望だった。

ロングなのでいつもより歩く距離を長くしなければならない。大橋からスタートし鍋平周回コースである。

今日は天気も良く風も無く絶好のトレッキング日和。

途中、コーヒータイムなどを取りながら気持ちよく散策できてお客さんも喜んでくれてよかった。

車で家まで帰る途中坂道を登ってくる対向車がスリップし身動きが取れなくなってしまった。

僕も手伝って押したり雪をスコップで取り除いたりしたが脱出できなかったので一旦家までかえりペイローダーに乗ってきてロープで引っ張り上げてやった。簡単に脱出できた。 

久しぶりのガイドと救助活動の日だった。


2011-02-17 08:00:07

2011年02月17日 | 日記・エッセイ・コラム

2011021611180000 ソリで遊ぶメイとオイ。

昨夜は調子に乗って飲みすぎた。

穂高UJ君の所へ再び、フランス国家山岳ガイドの江本さんが仕事で来ていたので夜、一緒に飲もうと誘っていただいたのである。

江本さんはクライミングも素晴らしい技術も持っているが、スキーも一流の人である。僕も山スキーは大好きなので色々教えていただいた。

また、色んな山岳雑誌の監修やスポーツ用品メーカーのアドバイザーもやっていてとにかく知識が広い。僕みたいな田舎者はこういう方と語り合えることは刺激になってありがたい。

美味しいワインとチーズでツイツイ飲みすぎてしまったが楽しい夜だった。


僅かだけど極上パウ!

2011年02月15日 | 日記・エッセイ・コラム

2011021515110000 青空と白い峰が見えてきた。

今日も激ラッセルに耐え極上パウダーをゲットしてきました。

コースは先週と同じの近所の裏山。

このところの降雪でパウダーが期待できる。登り始め早速膝までのラッセル。そしてかなりの急登。

先週とは全く違う。しかし久しぶりのラッセルは楽しい。ゴローはちゃっかり僕のトレースを利用している。たまにはラッセル代わってくれ。

2011021512450000 トレースを振り返る。

主尾根に登り上げ順調に高度を稼ぐが、雪はドンドン深くなっていく。僕の愛機キロワットでは結構きびしい。O森君のポンか、ヘルベントには最高だろう。

結局、先週は往復2時間だったが今日は登りだけで2時間半かかった。

シールを剥がしてパウダーをいただきます。

胸まで浴びるほどの極上パウである。

楽しい!。幸せを感じるほどのパウである。ゴローは必死に追いかけてくる。

途中谷筋に飛び込んでみる。ここも最高だ。水も全く出ていない。

あっというまに車に到着。

今日は最高のパウだった。登りの辛さなんてすっかり忘れてしまう。

もっと極太ファットが欲しくなりました。


2011-02-11 14:08:02

2011年02月11日 | 日記・エッセイ・コラム

2011021014420000_2スキーには最適

昨日は午後から近所の裏山へ少しだけゴローを連れて山スキーに行ってきた。

のぼり安そうな尾根に取り付いてみたが中々の急登。いいトレになる。

雪が降ったばかりなのでパウダーを狙ったのだが、時間は午後なので重くなっていた。こんな所いつもは貸切なのになんと先客が3名いた。ノートラックにシュプールを描きたかった。

標高差は約650m。降雪直後に気楽に行ける穴場が近くにあっていい。

P1060441 日照岳にあった、トナカイのような木。

見えんかな。


2011-02-10 09:03:47

2011年02月10日 | 日記・エッセイ・コラム

P1060442 山頂へゴール。

飛騨の山スキーのクラッシックルートとされて人気のある日照岳だが、中々侮れない山である。

上部はセッピが張り出して数年前にセッピごと落ちた事故も起きているし、細かい支尾根がいくつもあり帰りに間違った谷に滑り降りてしまうと下部で険しい谷となり行き詰ってしまう。2年ほど前にその間違った谷に下りてしまい事故が起きている。他にもネットで調べると間違った谷に下りて大変な目に遭ったと言う報告もあった。僕たちも間違った方へ行きそうになったがGPSですぐ気づいたので若干上り返し事なきを得た。どこの山でもそうだがツイツイ美味しそうな斜面があるとそちらに引き込まれていくが山スキーでは一瞬の滑りでとんでもないところへ行ってしまう危険がある。

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ミット君の滑りをどうぞ。


今季初。山スキー

2011年02月08日 | 山行記録

Hideridake2_3    今日のトラック。標高差1000m弱。赤登り、青下り。

今日、今季初の山スキーへ白川村は日照岳へ行ってきた。メンバーはいつものO森君、久しぶりに飛騨のスーパーテレマーカーミット君と僕の3人である。

朝、3時半自宅発。ミット君とO森君をそれぞれピックアップし御母衣湖畔の登り口に6時半着。ようやく明るくなりかけた頃出発。

雪はカチカチ。なんだかイメージと違う。とても厳冬期の雪とは思えない。2月に入ってからほとんど雪が降っていないのであろう。まるで春の雪だった。

僕達皆ファットスキー。パウダーはどこに?まあ登るしかない。

P1060431_2 癒しのブナ林。

中々の急登でグングン高度を稼ぐ。

はじめのうち堅かった雪も標高1000m をこえると柔らかくなり帰りが楽しみな雪となった。

ミット君はおろしたてのピカピカのブルーモリスで楽そうに登っていた。

P1060434_2 樹林帯を抜けた。

天気はまずまず。寒くはない。眼下に御母衣湖が見えてきた。

久しぶりの山スキー。自然の中で汗をかきながらモクモクと登ることは本当に楽しい。

ミット君もO森君も楽しそうに登っている。楽しい仲間と楽しい事を共有できることは幸せである。やがて北アルプス故郷の山が見えてきた。

P1060446 遥か故郷の山々。

今日は残念ながらラッセルが全くない。

おかげでペースはメチャ速い。

左側にセッピが張り出して来たところを登り切ると日照岳(ひでりだけ)1751mの山頂である。

3時間20分で着いた。山頂は風は強いがこの時期として寒くない。御岳、乗鞍、剣、穂高、槍、笈ヶ岳、この山がこんなに眺望が良いとは思わなかった。

P1060449霊峰白山。

記念撮影をし、シールを剥がしてあとはスキーで滑り降りるだけ。

今日の雪に今日のスキーは微妙だが楽しい滑りである。

上部は重パウも残っており調子に乗ってきた。トレースを外れしばらくしてGPSを確認したら、あさっての方向に下りていた。やばくならないうちにシールを付け登り返し。修正できた。

P1060451_2 山頂で記念撮影。

ちょっとしたハプニングもあったが僕たちなら難なくクリア。

滑り降りきったところが丁度車でドンピシャ。

お疲れさまでした。今日もたのしかったです。ありやと。


2011-02-03 16:42:25

2011年02月03日 | 日記・エッセイ・コラム

P1060418 巨大な氷の塊。

この1月はは平年より気温が引くい日が続いた。

家の中は温泉のお陰で温かいがその分屋根に積もった雪が溶けて軒に凍み上がりとなって分厚い氷となってしまう。その氷は屋根部分より、1M以上も迫り出しているのである。

そのままにしておくと屋根が傷むのでホースで湯を上げ氷を落とす作業を行った。屋根に雪が残ってとても滑りやすい。こんな時クライミングの技術が役立つ。ロープで確保されながら行わないと危険である。

P1060420 破壊された雨とい。

巨大な氷が落ちるときは地響きをともなって落ちていく。落ちた氷が下の屋根の雨といに当ってぶっ壊れた。悲惨である。

作業もようやく終わろうとした時カミさんが慌てて僕に連絡してきた。なんと家の中が雨漏りしているのである。屋根をよく見るとウチは屋根が二重になっていて上の屋根から落とした氷が下の屋根に大きな穴を開けてしまったのである。

Dsc03793 中の木も折れた。

恐るべし!氷の威力!

こんだけ壊せばやらんほうがよかったりして。