この岳に生きる

「この岳に生きる」とは僕の所属する山岳救助隊の記念誌の題名です。 北アルプス飛騨側で山と共に生きている僕の見た風景です。

2009-10-31 14:16:29

2009年10月31日 | 畑仕事

P1020058_2 でっかい椎茸。

ウチで栽培している椎茸を見に行ったら巨大な椎茸をみつけた。普通の椎茸の6個分くらいはあるだろうか。しかし、出来たのはこれだけだった。今年はキノコ類は不作の年だったらしい。

春に菌を打ったナメコは1年目の今年はほとんど出来なかった。打った年は出来ないと始めから分かっていたので予想道理である。来年は大量に出来るに違いないと思っている。もちろんウチだけでは使い切れないので出荷することにしている。すでに取引先も決まっており来年が今から楽しみである。

畑にしてもそうだが、本業以外にも副業で何か出来ないかいろいろ常に考えている。まだまだいろんな事をやり始めたばかりで、なかなか思うように行かないが試行錯誤しながら考えてやることもまた、楽しい。全くの荒地を肥沃な畑にすることは本当に大変だ。今年はそこにトウモロコシを沢山作ったが初めてにしてはまあまあ良い出来だった。しかし、獣に沢山盗られてしまったので来年は対策を厳重にしようと思っている。この地は高冷地で寒暖の差が激しいからとっても甘いトウモロコシが出来るはずである。特産品とまでは行かないかもしれないが立派なものが出来るように研究して頑張っていきたい。

苦労してこそうまく行った時は嬉しさも数倍大きいだろう。山スキーでも大変な思いで頂上に立てたときは感動も大きい。それと似ているような気がする。


2009-10-29 11:47:33

2009年10月29日 | インポート

P1020043_3 秋空と紅葉と筋雲

秋も深まり、紅葉も終わりになってきた。我が家のモミジも今が盛りだ。

紅葉目当てのお客さんが多く、連日忙しい日が続いているが紅葉が終わると同時に段々静かになっていく。天気予報では来週始めに、強い寒気がやってくるらしい。山スキーの装備もそろそろ整えなくてはならなくなってきた。

冬は冬で、これまた山での遊びが面白い。氷を登るのも楽しいしフカフカパウダーを胸まで浴びながら滑るのも病み付きになる。

冬の岩なんかもこの冬はやってみたい。

P1020054_2

槍ヶ岳も雪が増えたよう。

Pap_0720_2 昼頃鍋平を歩いてきた。

Pap_0722_2 鍋平名物捻じ曲がった木

 


2009-10-22 15:46:41

2009年10月22日 | 山行記録

P1020001_3 頑張る悪友。下を見ると怖いです。

僕といつも一緒に山へ行く悪友だが、昨日のような岩登りは初めてだった。本人は不安だったようだが、僕は悪友の精神力なら登れると思い誘ってみた。やはり僕が確保して、O森君に最後から若干フォローしてもらい見事に登り切ることができた。

P1020015 悪友懸垂下降。

数々の厳しい山を一緒にやってきているから悪友のことはよく分かっている。 (例えばこれ)慣れない岩でも持ち前の根性で登っている姿は素晴らしかった。

さすがに今日は体中が痛いと言っていたが良い経験も出来たと言っていたので、良かった。時には勇気を持ってやってみることも大事である。

P1020011岩壁の向こうに西穂高。

又行こうと言ってみると、しばらくは勘弁してくれと言っていたが、多分来年も行くと思う。そういう男である。

P1020018 ブナの紅葉と前衛壁。


極上クライミング また左方カンテ

2009年10月21日 | 山行記録

P1010991_4 2ピッチ目のビレイ点から眼下に紅葉。

本日、今季2回目の錫杖岳左方カンテへ行ってきた。今日はいつものO森君と本チャン岩登り初体験の悪友も一緒だ。

朝6時中尾口発。この秋1番の寒さで車のガラスが凍みていた。途中おばさん達の3人組に会う。同じく左方カンテへ行くそうだ。1時間半で取り付きへ。

早速したくし、登り始める。今日は全てのピッチで僕がトップを行かせてもらった。セカンドとトップでは精神的に全く違うので緊張感が高い。

P1010995_2 3ピッチ目。先行くおばちゃん。

不安で一杯だった悪友もグイグイ登ってくる。救助隊員としてクライミングの経験は必要だ。3ピッチ目を過ぎると眼下には素晴らしいブナ林の紅葉が広がってきた。薄っすら雪をまとった穂高も見え、まさに極上のクライミングで至福のときである。クライミングは素晴らしいスポーツである。

P1010998_3 高度感が出てくるところ。

僕は初めて一度に二人をビレイしたが、なかなか忙しい。ロープがたるんで二人には怖い思いをさせた。ごめんなさい。

なんだかんだで、最終ピッチ手前まできたが、今日はここでタイムアップ。丁度懸垂下降のビレイポイントがあったので、ここから降りることにする。

2ピッチで下まで降りれた。フー。今日も満足です。と思った瞬間、回収中のロープが浮石に絡み、大きな石が僕たちの方めがけて飛んできた。僕が大きな声を出して二人が気づき避けたので事なきを得たが、冷や汗ものだった。最後の最後までやはり気は抜けない。

P1020030 錫杖よ、今日もありがとう。

天気、紅葉、メンバーに恵まれ、今日も素晴らしいクライミングだった。今シーズンは岩登りはもう無いだろう。帰りはもうすぐ始まる、山スキーの話をしながら下山した。


2009-10-18 09:29:22

2009年10月18日 | 日記・エッセイ・コラム

P1010977 今朝の槍ヶ岳

昨夜は激しい雷だった。北陸で言う「雪起こし」だったのだろう。季節の変わり目、暖かい空気と、冷たい空気がぶつかりあって、大気が不安定となり雷が起きる。この時期、アルプスでは雨ではなく雪が降る。日に日に積もっていくだろう。今朝も2500mより上は真っ白になっていた。山小屋の営業も終わり、山は静かになっていく。

P1010980 今朝の紅葉。朝日に輝いて綺麗でした。


2009-10-13 22:15:39

2009年10月13日 | 山岳救助

Nabeheri12 在りし日の若鮎Ⅱ号の雄姿。

若鮎Ⅱ号の墜落事故から1ヶ月が過ぎて、今日からは機体の収容作業が始まったようだ。雪も降り、とにかく厳しい現場なので慎重に作業を進めてほしい。

墜落の直接の原因はまだ分からないが、この1ヶ月で明らかになってきたこともある。

パイロットの標高3000mでの救助作業の未経験や、一人での操縦。県警が再三、戻るように要請したがそのまま山に向かってしまったこと。防災センターの現場の危険度の認識の無さ、など。

いろんな要因が重なって事故が起きたのだろう。僕もまだ毎日、あの日の事を気がつくと思い出してしまっている。

救助隊や警備隊の仲間と顔を合わせる度にこの話しになってしまうが、結局のところ話の行き着くところは、「山を舐めたらダメだ」というところになってしまう。山は下界と違って怖いところなのだと、改めて肝に皆、命じている。

急峻な岩場、空気の薄さによるヘリの性能の低下、ガスが一瞬にして湧き出し、視界をさえぎられることなどだ。

まだまだ、しばらくは尾を引きそうである。


2009-10-10 21:02:15

2009年10月10日 | 子育て

P1010960 Happy Birhtday

今日は娘の6歳の誕生日だった。夜は仕事が忙しいのでお昼にお祝いをした。

どこで、情報を仕入れたのか知らないが、アイスクリームのケーキがいいと言っていたので、わざわざカミさんと昨日のウチに遠くまで買いに行ってきた。

息子は妹の為に、クリスマスのイルミネーションを引っ張り出してきて、居間を飾っていた。お陰で娘はとても喜んでいた。とにかく健康でこれからも育ってほしいものである。

P1010968 夕方虹が出た。

P1010964_3   


焼トレ(久しぶり)

2009年10月07日 | 山行記録

P1010936_2 故郷は雲の下。

今日は、久しぶりに悪友と焼岳へトレに行ってきた。台風が近づいてきているが、雨は降っていないので行くしかない。

出発は11時15分と遅めだがなんとかなるだろう。早めのペースを保って休まず登りつづける。ガスの中に入り辺りは真っ白で視界が悪いが、登るに従い、薄くなっていき、旧中尾峠に着いたときには雲は眼下で雲海が広がっていた。山頂下のガラ場を登っていいると信州側から飛騨側へ雲が流れ落ちていた。すごい光景である。ピーカンの時に登るより多少天気が悪いほうがドラマチックな景色に出会えるのかもしれない。

P1010947 シラタマノミと黒豆の木(日本のブルーベリー)

2時間弱で焼岳頂上である。のんびりしていたら雨が降ってきた。雨具を着込み足早に下山したが、びしょ濡れになった。今日もいい運動した。

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郷土の歴史

2009年10月06日 | 新穂高の歴史

Pap_0703 杓子の岩屋

昨日、悪友と岩井戸地区にある「杓子の岩屋」を見に行ってきた。

それはどういうモノかというと、今から三百年近く前に、播隆上人がこの地を訪れた際に、この岩屋に籠もり、百日間飲まずくわずの修行を行った窟である。

その後播隆は笠ヶ岳の再興に成功したそうである。

岩井戸地区から始めは細い車道を歩き、途中から山道に入ってゆく。20分程歩くと目の前に突然岩の壁が目に入ってくる。異様な感じに少し威圧感を感じた。

そして、高さ約30mはあるだろうか、巨大な窟の中に祠がある杓子窟があった。まわりにはいくつも同じ様な窟がいくつもある。壁を触ってみるとフレーク状でとても脆い。長年の風雨や風雪で削られていったのだろう。

Pap_0699 下から見上げた窟。

削られているところが、杓子状なのでこの名前だと思う。

この近くは頻繁に車で通っているがこんな近くにこんな場所があるなんて知らなかった。

毎年夏に播隆の祭りがあるらしい。今度はそれも見てみたい。