湿地にて・・・エゾミソハギ

エゾミソハギ［蝦夷禊萩］（ミソハギ科）
北海道～九州の湿原に生える多年草。ユーラシアやアフリカ、北アメリカの温帯でも見られ、世界的に広く分布しているそうです。
高さ50～150㎝になり、茎には毛があります。7～8月、穂状花序をつけ紅紫色の花を咲かせます。
この花は、今がちょうど盛りだったようで、この湿地では多くの花を見ることができました。草丈も高いので、とても目立っていましたよ。

８月中旬　長野県内にて

湿地にて・・・アサマフウロ

アサマフウロ［浅間風露］（フウロソウ科）
本州中部の山地の湿った草地に生える多年草。茎や葉の裏面脈上には、圧着する細毛だけがあり、托葉はすべて合生します。8～9月、茎頂や葉腋から長い花柄を出し、濃紅色の花を咲かせます。花弁は蕚片の約2倍で、基部に白毛があります。
この花は林の中の遊歩道沿いにありました。辺りは湿地で、色々な花が咲いていましたが、足元でひと際鮮やかに咲いていたのです。花は終わりかけていましたが、綺麗な花でした。その色がうまく写っていないのが残念です。
ここでは、2株ほどしか見かけませんでした。絶滅危惧IB類(EN)に分類されているそうですが、いつまでも咲いていてくれるといいですね。

８月中旬　長野県内にて

少数派・・・ハンゴンソウ

ハンゴンソウ［反魂草］（キク科）
北海道～本州（中北部）の山地の湿った草原や森の縁に生える多年草。葉は羽状に中～全裂し、1～2対の裂片からなります。7～9月、舌状花と筒状花からなる頭花を多数咲かせます。
この花は、林縁の道端に咲いていました。先日載せたキオンとは同属で、花の様子も似ています。
キオン同様、ハンゴンソウも在来種ですが、その姿を見かけることはあまりありませんでした。この辺りの林では、名前の似ている帰化植物のオオハンゴンソウが、あちらこちらで群生していました。オオハンゴンソウが花を咲かせている姿はきれいですが、特定外来生物にも指定されています。法で規制されていても、防除がまったく追いついていないんですね。

オオハンゴンソウの花　キオンの花

８月中旬　長野県内にて

モクモクと・・・ハグマノキ

ハグマノキ［白熊の木］（ウルシ科）
南ヨーロッパ～ヒマラヤ、中国原産の落葉小高木。明治時代に日本へ導入されたそうです。
円錐花序をつけますが、花後、花柄が長くのび、羽毛状のものに覆われてきます。その様子が煙のようなので、英名ではsmoke tree（煙の木）と呼ばれるそうです。
また、中国では皇帝の衣服を染めた、黄櫨染(コウロゼン)の原料としたそうです。
このハグマノキは、旭川で食べたスープカレーの店の前に植えてありました。このモクモクに目を奪われて、思わずカメラを向けてしまったのです。一度見たら忘れられない姿ですね。

８月上旬　北海道内にて

花も実も・・・ハマナス

ハマナス［浜梨］（バラ科）
北海道～本州（太平洋側は茨城・日本海側は島根まで）の海岸砂地に自生する落葉低木。
枝は太く、軟毛と刺があり、刺自体にも軟毛が密生します。葉は奇数羽状複葉で、小葉は7～9個、楕円形で厚く、しわがあり、葉裏には軟毛と腺点があります。
6～8月、深紅紫色の花を咲かせます。果実には刺がなく、蕚裂片は狭披針形で伸長し、花時には反曲し、果時には直立して宿存します。
これは公園に植えられていたものなので、自生ではないと思いますが、果実は食用になり、果実酒は疲労回復などに良いそうです。花をよく見るとハナアブの仲間が、無我夢中の様子で蜜を吸っていました。虫たちにとっても貴重な植物なんでしょうね。
先週末、山梨から長野にかけて旅行してまいりました。その時の写真はぼちぼち整理していますので、また載せていこうと思っています。

８月上旬　北海道内にて