はぐくみ幸房@山いこら♪

「森を育み、人を育み、幸せ育む」がコンセプト。株式会社はぐくみ幸房のブログです。色々な森の楽しさ共有してます♪

バクチノキ

2024年10月25日 | 樹木・草花のお話

 樹皮が特徴的な樹木「バクチノキ」。

 バクチノキは、バラ科の高木性常緑広葉樹で、樹高10~15m・直径60~70cmくらいまで育ちます。

 本州は関東地方南部より以西、四国、九州、沖縄に分布し、山間の谷筋や沿海地に自生しています。

 

 バクチノキの樹皮は特徴的で、一度、出会うと忘れないんじゃないかな~ と思います。

 バクチノキは、成長(樹齢を重ねる)とともに、樹皮が部分的に剥がれ落ち、剥がれ落ちた部分から見える紅黄色の木肌が、まるで「博打に負けて身ぐるみを剥がされた様」の例えから、「バクチノキ」と名付けられたそうです。 (゚Д゚;)

 

 樹皮が部分的に剥がれ落ちるタイプの樹木って、バクチノキ以外にもリョウブやヒメシャラがあり、別名「サルスベリ」と呼ばれていますが、バクチノキはどうなんだろう? (^_^;) 

 

 

 バクチノキの葉は、厚くて硬く、形は長楕円形で、葉には毛が無く、縁にはギザギザの鋸歯をもちます。

 葉の生え方は互生(葉が互い違いに生えている)です。

 

 葉の葉柄には蜜腺があり、その蜜に寄せ付けられたアリが、葉を食べる害虫からバクチノキを守ってくれます。

 

 葉の裏は薄い緑色なので、表と裏で緑色の濃淡差も特徴的ですね。

 

 バクチノキの花は9~10月に咲き、当年に伸びた枝葉の脇から長さ3センチほどの花序を出し、白い花を房状に咲かせます。

 

 実は、翌年の初夏(5~6月頃)に、紫色を帯びた黒色に熟します(写真の実は熟していません (^_^;))。

 

 バクチノキは薬木として有名な樹木で、葉が杏仁水(キョウニンスイ)の原料になるそうです。

 バクチノキの葉は、新鮮な葉を揉むと青酸臭があり、この新鮮な葉を枝付きのまま水蒸気蒸留することで、杏仁水の原料とするようです。(ちょっと、いや、かなり雑な説明ですが・・・(-_-)。)

 

  樹皮が部分的に剥がれ落ちてる常緑広葉樹と言えばバクチノキ。というくらい限定される特徴なので、非常に覚えやすい樹木ではないかなと思います (^_-)-☆ 。

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ベニナギナタタケ

2024年10月24日 | キノコ・菌類のお話

 猛毒キノコ「カエンタケ」によく似た赤いキノコ「ベニナギナタタケ」。

 こんな感じに赤いキノコが生えていたら、「カエンタケ!」と思ってしまうのも無理ないですよね・・・ (^_^;)。

 僕自身、まだカエンタケに出会ったことはありませんが、ベニナギナタタケは、それはもう頻繁に (^_^;)。

 

 

 ベニナギナタタケは、夏~秋にかけて、林内に発生するキノコです。

 キノコの形状が薙刀(なぎなた)に似ていること、キノコの色がピンク色~淡い赤色であることから、見た目そのままに「ベニナギナタタケ」と名付けられたそうです。

 森や山の中を歩いていて、地面から非常に鮮やかな赤色系のモノが発生していたら、ものすごく目立つので、自然と目を向けてしまいますよね。

 

 この形状で赤色系のキノコを見つけてしまうと、真っ先に「カエンタケ」という猛毒キノコの名前が浮かぶ方も多いと思います。

 ちなみに、ベニナギナタタケは、一応食べられるキノコとして紹介されているので、カエンタケと間違って食べてしまうというような事故もあるようです。

 ベニナギナタタケを食べた方の感想では「特に味も香りもなく、可もなく不可もなく。」ということなので、カエンタケと間違って食べてしまうかもしれないというリスクを考えると、採取してまで食べる必要はないな~と個人的には思います。

 

 そもそも、「美味しい!キノコ!」であれば、巷で有名になっているでしょう。

 なっていないということは・・・・ (゚Д゚;)

 

 さて、そんなベニナギナタタケとカエンタケの違いについて。

 

ベニナギナタタケは、カエンタケと異なり、軟らかいキノコです。

 カエンタケは触れるとかぶれる・ただれると言われているので、落ちている木の枝などでつっついて、「硬ければカエンタケ / 軟らかいとベニナギナタタケ」 という風に確認できると思います。

 

カエンタケは広葉樹の根株から発生するに対し、ベニナギナタタケは腐植土から発生しています。

 

カエンタケは成長していくと枝分かれしますが、ベニナギナタタケは枝分かれしません

 

 以上の点で判別いただければと思います。

 ですが、ベニナギナタタケ自体は、無味無臭と、決して美味というわけではないそうなので、カエンタケと間違うかもというリスクを背負ってまで食べる必要はないかな~と個人的には思います (^_-)-☆

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キクラゲ

2024年10月22日 | キノコ・菌類のお話

 前回の「アラゲキクラゲ」に続き、今回は、秋の代表的な美味しいキノコ「キクラゲ」。

 コリコリした触感がクラゲに似ているが由来で「キクラゲ」だそうです。

 中国では「木耳」と書くらしく、耳に似ていると言えば、似ているかも (^_^;)。

 

 キクラゲは、初夏~初秋にかけて、広葉樹の枯れ木に発生するお椀型または半円形のキノコです。

 ゼラチン質で柄がないというとっても分かりやすい特徴をもつ、美味しいキノコですね。

 キクラゲはゼラチン質で軟らかいに対し、アラゲキクラゲはキクラゲよりも固く、表面にモフっとしたうっすらした短い毛が密生するので、違いは一目瞭然ですし、触るとその違いは明確です。

 

 キクラゲは枯れ木に発生するキノコなので、下の写真のように生きた樹木の一部に・・・

 キクラゲが発生していると、その部分は枯れていると判断できるため、樹木の強度が大きく低下している可能性があります。

 キクラゲは言わば、それらを示す指標キノコですね。

 というわけで、写真のような枝は、強風や積雪によって枝が折れて、人身事故や物損事故を招く恐れが潜んでいます。

 

 さて、キクラゲは広葉樹の枯れ木以外にも、枯れた竹にも発生します。

 少し湿り気のある環境で伐採した竹を積み上げておくと、キクラゲが発生します。

 

 ちなみに、伐採した竹の切株からも発生します。

 

 竹を伐採する際は、少し高い位置で伐採すると、環境次第ではキクラゲが発生します。

 竹林整備を進める際、キクラゲの発生を楽しみ、期待に胸を躍らせるのもアリですね (^^)

 

 なお、キノコを採取する際は、山の所有者または管理者の承諾を得て採取してくださいね。

 また、森林法という法律で指定されている保安林の場合、キノコの発生場所やその採取方法によっては、許可の申請が必要になるので、事前に管轄する都道府県の出先機関で確認することをお勧めします。

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アラゲキクラゲ

2024年10月09日 | キノコ・菌類のお話

 キノコの季節真っ只中!

 「これは食べられるの?」、それとも「毒キノコ?」みたいなやりとりが増える季節ですね。

 僕自身、警戒心がとても強いので、基本的に、「美味しくて、絶対に毒キノコと間違うことのないキノコ」しか口にしません (^_-)-☆。

 

 というわけで、その中でもお勧めの天然キノコが「アラゲキクラゲ」。

 スーパーでも販売されているキノコ ”キクラゲ” ですね。

 名前にアラゲ(荒毛)と付いているように、実際、手で触ってみるとビロード状の毛っぽいものを感じます。

 

 アラゲキクラゲは、1年中出てるって感じのキノコで、特に初夏~初秋にかけての発生が多く、広葉樹の枯れ木に発生します。

 山の中はもちろん、湿気と影のある環境で、広葉樹の枯れ木があれば、畑でも発生するキノコです。

 広葉樹を30~50cmくらいの長さに伐って、日陰と湿気のある場所に放置すると、運が良ければ、大量に発生することもあります。

 ムクノキに発生したアラゲキクラゲ。 

 こんな感じで発生しているアラゲキクラゲを、すべて採り尽くさず、小さいキクラゲを残しておくと、それが大きくなって、継続的に採り続けることも出来ます。

 もちろん、アラゲキクラゲが発生している丸太や枯れ木を持って帰って、枯れ木が乾燥しない様、気をつけて管理すれば、しばらくの間、キクラゲを楽しむことも出来ます。

 

 ただし、キノコを採取する場合、山の所有者または管理者から許可を得た上で、持って帰るようにしてくださいね。

 ちなみに、保安林など法的な制限がある場合は、所有者の許可を得ても、持ち出すことは出来ない、キノコ採取には許可申請が必要な場合があるので、気をつけてください。

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森林管理のマネジメント

2024年09月27日 | 株式会社はぐくみ幸房のお仕事

 弊社では、森林管理に森林整備、森林空間利用のマネジメント事業を行っています。

 「森林管理のマネジメントって、何なの?」と、ちょくちょく聞かれるので、今回は、この場を借りて、説明させていただきます (^_^;)。

 

 事業自体は、ぶっちゃけ、細々と、必要な方にマネジメントするという感じなので、あまり目立った活動はしていませんが、ありがたいことに、色々な問い合わせは続いています・・・。

 大体多い問い合わせは・・・・

 

 「この山、どうしたらいいですか?(写真はイメージです)

 

 「このままじゃ、ダメだと思うんですが、どうしたらいいですか?(写真はイメージです)

 

 というもの (゚Д゚;)。。。

 

 これまで、何十件、同じような問い合わせを受けたことか・・・ (^_^;)

 

 逆に言えば、「このままではいけない!」という認識がある。ということなので、個人的には、この質問をしてくる方は、実に素晴らしいと思っています。 (^_-)-☆

 

 さて、非常に多いこのような問い合わせに対して、実は、定番のパターンがあります。

逆に、お聞きますが、あなたは、どうしたいんですか?

このままじゃダメって、何がダメだと感じているんですか?

 質問に対して、質問で返す、非常に失礼な方法ではあるんですが、実は、この質問返しが非常に重要なんです。

 

 この質問返しの問いに対して、ほとんどの方は、「う〜ん (-_-)」、と考えた後、「下層植生を生やすとか、今より良くしたいですね。」という風な回答が多いです。

 で、ここから、さらに質問攻めに入りします (^_^;)

 「どんな下層植生が生えてほしいのか、希望の種類とかありますか?

 「下層植生が生えれば、どんな種類のどんな植物・樹木でもいいですか?

 「どういう風に下層植生が生えて欲しいですか?

 「ところで、何のために、下層植生を生やしたいのですか?

 

 下層植生に含まれる植物・樹木の種類は色々あります。

 下層植生を生やす方法も色々あります。

 

 この写真のように、間伐をしなくても、下層植生を生やせる方法はあります。

 逆に、間伐をしても、下層植生が生えないこともあります。

 間伐は特効薬ではないし、そもそも100%下層植生を生やすことができる方法ではありません。


 ですが、その方法を示すことややり方を教えることが重要ではなく、どうしたいのか、どうなりたいのか、目的、理想、ゴールを明確にすることが重要です。

 そして、それは、他人に言われ、流されて決めるものではなく、自分で決めないといけません。

 質問返しの質問攻めは、そのために必要なプロセスです。

 時々、「いい加減、教えてくださいよ。(`^´)」みたいなことも言われます・・・。

 しかし、目的が明確にならないと、どんな森にしたいのか、その目標設定が出来ません。

 目的の明確化と目的意識をもつための重要なステップとして、このような対応を取らせていただいています。

 

 弊社はコンサルティング事業ではなく、マネジメント事業を行っています。

 マネジメントなので、ご本人は何を目指しているのか、何を望んでいるのか、という点を明らかにしないとマネジメントが出来ません。

 施業方法やノウハウを教えるのではなく、何をどうしたいのか、その「目的」や「ゴール」をしっかりと設定し、そこに向かって取り組みたい!と思うからこそ、施業方法やノウハウを身に付けたいというモチベーションに繋がります。

 ぼんやりした状態のまま、取り組んでも、目的・ゴールがはっきりとしていないので、モチベーションも上がりにくくなります。

 

 森林管理や森林整備などは、基本的な知識は必要になりますが、どんな管理をしたいのか、どんな整備をしたいのか、という思考に知識は必要ありません。

 分からないことがあれば専門家に聞けばいいんです。

 しかし、どうしたいのか、目的やゴールは専門家に聞いても、答えは出ません。

 でも、このような質問をされる方って、実は、自分自身の中に答えを持っている方が多いです。

 ただ、明確になっていないだけなので、質問を繰り返すことで、それが明確になってきます。

 

 それが、弊社が考える森林管理のマネジメント事業です。

 ちょっと営業っぽい内容になってしまいましたが、ちょいちょい「森林管理のマネジメントって、何なの?」と聞かれるので、この場を借りて、ご説明させていただきました (^_^;)。

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針葉樹は年輪幅が狭いと強度が高い、広葉樹は年輪幅が広いと強度が高い。えっ、真逆なのになぜ??

2024年09月25日 | 森林・樹木の基礎知識のお話

 針葉樹は「年輪幅が狭いと木材の強度が高い」と一般的に言われますが、

 広葉樹は「年輪幅が広いと木材の強度が高い」と言われています。

 言ってることは真逆なのに、どっちも強度が高いって、「??」と疑問に思ったことはありませんか?

 

 木材の強度は、厳密に言うと、年輪幅というよりも早材と晩材が大きく関与しています。

 

 というわけで、まずは、早材と晩材について。

 早材は、春から初夏に作られる材で、根から吸い上げられた水分を運ぶ機能を高めるため、導管や仮導管の細胞壁が薄いという特徴があります。

 その結果、材の強度としては、「軟らかい材」となります。

 

 次に晩材。

 晩材は、夏から秋にかけて作られる材で、材の強度を高めるため、細胞壁が厚くなっているという特徴があります。

 早材のように水を通す機能に特化していないため、晩材は「早材より硬く」なっています。

 

 写真で説明すると、赤矢印が早材、青矢印が晩材です。

 

早材は軟らかく、晩材は硬い

 木口を観察して、早材の幅が広く、晩材の幅が狭い場合、春から夏にかけて温暖で湿潤なイイ気候が長かったと考えられます。

 逆に、早材の幅が狭くて、晩材の幅が広いと、春から温暖で湿潤なイイ気候が短く、初夏から秋にかけて冷温(冷夏)または乾燥(雨量が少ない)など、あまり良くない気候が続いた、という風に考えられます。

  早材と晩材の1組で1年になるので、数えればその木の年齢が分かります。

 いわゆる、それが「年輪」ですね。

 

 「針葉樹は年輪幅が狭いと木材の強度が高い」と言われています。

 年輪幅が狭いということは成長量が少ないという事なので、「材が柔らかい早材の幅が狭い」という風に考えられます。

 単純に言えば、早材の幅が広い方と狭い方では、必然的に前者の方が強度は低下します。

 それは、細胞壁が薄い早材の面積が大きいから。

 

細胞壁が薄い早材の幅が広いと材の強度は下がり、細胞壁が薄い早材の幅が狭いと材の強度は上がる

 さらに、付け加えれば、晩材は広い方が良いということになります。

 

 さて、「早材」と「晩材」を理解いただいた上で、次は広葉樹です。

 

 広葉樹は、「年輪幅が広いと木材の強度が高い」と言われています。

 実は、広葉樹全般というよりも、「環孔材の広葉樹」に限定されている・・・と考えた方がわかりやすいかなと思います。

 環孔材とは、導管が環状に配置された木材のことで、ケヤキ、コナラ、クリなどがこれに該当します。

 

 次の写真は、コナラの木口で、きれいに並んでいる小さな丸い穴が導管です。

 この導管が年輪に沿うようにグルッと回るように配置されているので、環孔材と言われています。

 

 環孔材の導管は、早材の部分に作られます。

 ただし、針葉樹と異なり、成長の良し悪しに関わらず、広葉樹の早材の幅はほとんど一定です。

 その後に作られる晩材は、成長が良ければ幅が広く成長がければ幅が狭くなります。

 晩材は早材よりも硬い材です。

 硬い晩材の幅が広いということは、硬い晩材の面積も増えるため、材の強度も高くなります。

 なので、「広葉樹の年輪幅が広いと強度が高い」と言うことになります。

 

 早材と晩材の性質という点だけで考えれば、強度が高い木材を生産したい場合。。。

 単純に言えば、スギやヒノキなどの針葉樹は、早材が大きくならないようゆっくりと育て、ケヤキやコナラなどの広葉樹は、晩材が大きくなるよう盛んに成長するように育てる。

 同じ樹木でも、針葉樹と広葉樹の性質の差が、真逆の施業になるなんで、面白い事象ですよね (^^)。

 

 ただし、針葉樹も広葉樹も、年輪幅が広いと、木材を乾燥させた時の狂いが生じやすいので、年輪幅が狭い材の方が好まれます。

 広葉樹の場合、年輪が狭いと強度が下がる...ということになりますが、製材側からすると加工しやすいというメリットがあります。

 

 樹木は生き物です。

 木材は樹木という生き物から採取する素材で、必ず乾燥させてから使います。

 なので、製材・加工する側からすると、強度よりも乾燥時に発生する反り・曲がりなどの変形の方を避けたいです。

 その点から、年輪幅が狭い材は、乾燥による細胞の収縮率が下がるので、結果的に変形が少ない木材になります。

 木材は強度も大切ですが、木材を買う側からすると、強度よりも狂いや変形が少ない木材の方が好みな方が大木のではないかなと思います。

※2019年5月の記事を改編

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エントモファガ・グリリ

2024年09月24日 | キノコ・菌類のお話

 皆さんは、草の先端や木の枝葉などにしがみついたまま息絶えたバッタ、そんなバッタの変死体を見たことはありませんか?

 これは、「エントモファガ・グリリ」(糸状菌の一種)という菌に侵されたバッタです。

 

 寄生されたバッタは、体を操られ、草の先端や枝の先など高い場所にしがみつき、そのまま息絶えます。

 そして、バッタの死体から菌の胞子が放たれ、再び、別のバッタへと寄生し、感染を広げます。

 わざわざ草の先端や枝の先など高い場所にバッタを移動させるのは、「胞子をより遠くへ飛ばせるようにする」菌の戦略のようです。

 

 寄生されたバッタは、

 菌:「高いところへ登れ!」

 バッタ:「はい!了解しました。」

 菌:「よし!ここで待機。」

 バッタ:「はい!了解しました。」

 菌:「胞子の散布が完了するまで、何があっても動くな!」

 バッタ:「はい!了解しました。」 

 と、こんな感じに、忠実に従っていると思います。きっと。 

 人間に置き換えて考えると、おっかないですね・・・・  (゚Д゚;)。

 

 ちなみにエントモファガグリリに寄生され、まだ生きているバッタやイナゴ達。

 指でつつくと、少し逃げようとしますが、大ジャンプ!みたいな逃げ方はしない・・・。

 

 この子は、完全に乗っ取られていました。

 逃げないし、体をピクッとするだけ・・・( ゚Д゚)

 

 植栽されたヒノキの枝に抱き着いたまま離れないイナゴ・・・

 ヒノキ大好き💛!って、くらい、離れない・・・

 

 

 そんな、エントモファガグリリに感染したバッタの動画はご覧になりたい方へ・・・ (-ω-)/

株式会社はぐくみ幸房 | エントモファガグリリ | Instagram

 動画をご覧のとおり、指でつついても、逃げ方が異常ですよね (^_^;)

 たま~に逃げるバッタもいますが、再び登り始めるので、ホント、菌に忠実です (゚Д゚;)

 

 ズラ~っと生えたススキの穂先にしがみついたままのバッタ達が、これまた、ズラ~っと並んでる現場に出会えると、「おぉ~」って、テンション上がる(^_^)v。

※2016年9月改編1

※2020年9月改編2

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ハナビラタケ

2024年09月23日 | 山菜・キノコなど食を楽しむお話

 先日、仕事で山の中を徘徊していたら、ハナビラタケに出会いました。 (´▽`)

 スズメバチに刺されたこともあって、こんな感じの球状のものには、ちょっと敏感です。 (^_^;)

 

 ハナビラタケは、ハナビラタケ科の食用キノコで、夏から秋にかけて、モミ・ツガ・アカマツなどの針葉樹の根元や切り株に発生します。今回は、アカマツの根元で発見♪

 

 見つけた現場は、保安林なので、採取せず、撮影だけ。 (-ω-)/

 山主からは、マツタケがあれば採ってもいいよ。と言われていますが、保安林なので (^_^;) 。

 

 ハナビラタケは、市販されるほど食用キノコとして有名なキノコですが、針葉樹の心材を腐朽させるので、樹木医視点でのハナビラタケは、樹幹内部に腐朽が広がっているサインと、受け取ってしまいます。

 食用キノコだ! わ~い。とはならない。。。 (゚Д゚;)

 

 今回のアカマツも、根元から1m付近の高さまで過去に樹幹損傷を受けた痕が見られたので、おそらく1m以上の高さまで樹幹内部の腐朽が広がっているのではないかと思います。

 見た目には、山の中に自生する一般的なアカマツですが、樹幹内部の被害は、見た目以上のダメージが蓄積されていそうです。

 他の樹木たちに守られながら、強風を避けて、倒れずに生き続けてほしいと思います。

 

 さて、ハナビラタケは全体がクリーム色で、パッと見、市販のマイタケに似ています。

 あと、スーパーに売っている波を打ったようなレタスにも似ている。と僕は思っています。(^_^;)

 直径で約10~30cmの塊状で生え、肉質でしっかりとしたキノコです。

 コリコリとした触感のキノコで、シンプルにバターで炒めて、塩コショウで食べても美味しいですね。

 クリーム色なので、シチューやクリームパスタに使ってもいいかも。

 

 ハナビラタケは、特徴的な美味しいキノコなので、是非、覚えて下さいね。 !(^^)! 

 なお、採取する際、山主の承諾を得て下さいね。(山主が分からない場合は、採取しないが原則・マナーです。)

 山主の承諾を得ても、保安林は採取禁止なので、気をつけて下さいね。法令遵守です。

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人材確保・人材不足という問題

2024年09月20日 | 人材育成・コミュニケーションのお話

 弊社の業務は、主に林業関係者に特化していますが、どの業界でも「人材不足」という問題を抱えています。

 林業関係者を対象に人材育成に関する研修をさせていただく際、事業体から「人材確保」とか「人材不足」が課題だという言葉を耳にします。

 人材を確保するために、求人を出したり、林業大学校へ顔を出したり、都市部へのガイダンスに出展したり(-_-)

 

 さて、ここで、次の点について、考えていただきたい。。。

 「人材」と「人手」の違いは何か?

 「人材不足」と「人手不足」の違いは何か?

 ということです。

 

 人材とは、「組織や業界にとって必要な存在」、「能力があり、役に立つ人物」です。

 人手とは、「働く人、働き手、労働力」、「他の人の力、他人の手」です。

 つまり、「人材不足」とは、組織に必要な人物、能力がある人物、役に立つ人物が不足しているということになります。

 加えて、高い専門性や優れたスキルを持ち、仕事の中核を担う「中核人材」と、その中核人材の指示を受けて、事業に不可欠な労働力を提供する「労働人材」の2種類に分かれます。

 ということは、「人材不足」という問題を解決するため、ガイダンスに出たり、林大生を雇用したり、という方法は、どちらの人材不足という問題を解決しようとしているのか、しっかりと把握する必要があります。

 「中核人材」が不足しているなら、未経験者の雇用は、解決に至りません。

 なぜなら、未経験者が組織に必要な人物になり得ないからです。

 もちろん、時間をかけて、組織に必要な人物に育てることは可能です。

 つまり、中核人材の不足という問題を解決するために、中核人材の育成に取り組むということですね。

 

 ここで重要になるのが、中核人材を育成する人物は誰でもいいというわけではないということです。

 厳しい事を言えば、組織に必要な人物や能力のある人物になり得ない方は、育成にかけるコストと時間が無駄になる可能性が高くなります。

 全員が育てばいいのですが、それが叶わないこともあるので、ある程度の見極めは、必要になります。

 この点に関しては、育成対象となる従業員の意識も重要です。

 そして、従業員が育ちたい!と思えるメリットを目に見える形で示すことも重要です。

 

 足りないのは、中核人材か労働人材か。

 育てたいのは、中核人材か労働人材か。

 

 一方、「人手不足」とは、単に労働力が足りないということになります。

 この場合、臨時で雇用したり、外注に出したり、AIを導入したりなどの方法が考えられます。

 

 人材不足という問題を解決する方法としては、

  ・今の従業員(新人を含む)を育成する

  ・自社に必要な人材を他者から引き抜く

 後者は、お金も時間もかからない方法ですね。

 いわゆるヘッドハンティングというやつです。

 優秀な人材の引き抜きは、会社を発展させていくための手段として、一般的にあることです。

 

 人口減少が進み、色々な業界が人手不足、人材不足と言われる中、今の組織以上に評価をしてくれる組織に移ることは悪いことではありません。

 組織や業界に必要な存在が人材であり、優秀な人材は、それだけ高く評価され、誰からも求められます。

 自社から引き抜かれたくない、やめてほしくないのであれば、優れた人材が評価され、優遇される条件を整える必要があります。

 しかも、ヘッドハンティングは、自社が強化され、ライバル社を弱体化させ、しかも、どこで働き、どこへ転職するかは、個人の自由なので、法的に罰せられません(情報など会社の資産を盗み出して転職することは違法ですが・・・)。

 他社が手掛けた優秀な人材を投資ゼロで得られる方法がヘッドハンティングです。

 ヘッドハンティングは、人材確保と人材不足を解決する手法として、最小限の投資で最大限の効果を発揮できる手法ですね。

 そして、ヘッドハンティングを防ぐ手段は、自社を磨き、ここで働きたい!という職場環境づくりが不可欠です。

 

 林業は、危険、汚い、きつい、給料が安いの4Kと言われています(ほかの”K”があるとも (;゚Д゚) )。

 自然の中で働く魅力を訴えても、この4Kが緩和されない限り、定着しません。

 「自然の中で働く事が出来れば、年収300万円で満足」という方が全てではありません。

 ちなみに、僕自身は、自然の中で働くという言葉に何の魅力も感じません。

 「あなたの会社で働きたい!」

 そう思ってもらえるようになることが、人材確保の第一歩です。

 

 人材不足と人手不足。

 単なる言葉ですが、言葉の違いや本質をしっかりと理解することで、問題を解決するための具体的な手段も浮かび上がってきます。

 「人材不足」をただの言葉として使っている間は、会社が抱えている問題の本質を見落としかねません。

 

 求めているのは、組織に必要な人物である「中核人材」ですか?

 それとも、事業をこなすために必要な労働力である「労働人材」ですか?

 それとも両方ですか?

 

 今、組織に足りていない人材は何か、それとも「人材」か「人手」なのか。

 一度、その点について、向かい合うことが大切です。

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ハチ刺され

2024年09月16日 | 危険な生き物のお話

 先日、キイロスズメバチに刺されてしまいました。

 刺された箇所は、左手の甲。

 

 山の中を測量中、測量の杭になる丈夫な枝を拾うと左手の甲に 激痛 が!!

 一瞬何が起こったのか、分からず、足元を見ると、キイロスズメバチが悶えていた!!

 ハチに刺されたと認識し、近くに巣があると判断し、直ちにその場を避難。

 幸い、ハチの追撃はなく、安全確保が出来たと判断し、その場で応急処置。

 

 ちなみに、キイロスズメバチには珍しく、土の中に巣を作っていました。

 巣がありそうな地面に大きな石を投げつけたら、ブゥワァーって、ハチが湧いて出てきたので (^_^;)

 (マネしないでくださいね。絶対に。)

 

 ハチに刺されたら、刺された箇所からハチの毒を吸い出すことが重要です。

 ポイズンリムーバーがあればいいんですが、今回のように手の甲だと、刺された箇所によっては、上手く毒を吸引できないこともあります。

 というわけで、今回は、刺された箇所を指の爪先でグッと強く押さえて、毒を吸い出します。

 刺された箇所から血が流れ出るくらい、強くグッと押して押して、毒を出してください。

 同時に、刺された箇所に水をかけて下さい。

 ハチの毒をはじめ、虫の毒は水溶性 なので、流水で洗うと効果的です。

 

 応急処置が終わったら、安静にし、ショック症状が出ないか観察してください。

 下記の症状が出たら、ショック症状なので、直ちに病院へ向かう必要があります。

 

 刺されてから8時間後の様子。

 見た感じ分かりませんが、腫れています。

 

 そして、翌日の朝。

 パンパンに腫れてる・・・

 でも、それよりも、とにかく痒くて痒くて (;゚Д゚)。

 

 以下、余談ですが、絶対にマネしないでください!!

 ハチに刺された日、仕事終わりにサウナに行く予定でした。

 どうしてもサウナに行きたくて、刺された翌日、サウナに行ってしまいました。

 実は、「体を温めて、血流をよくすると、毒の分解が早まって、早く治る。」という勝手な持論を持っていまして (^_^;)

 サウナに行ったら早く治る!と言い聞かせ、サウナに行ってしまいました。

 案の定、手がパンパンに腫れて、結果、肘まで腫れてしまいました (゚Д゚;)

 が、翌日には腫れが少し収まり、2日後の朝には完治 (^_^;)。

 正しい治療法ではないので、絶対にマネしないでくださいね。

 ハチ毒のアレルゲンが体に広がって、肘まで腫れているので、普通に考えると良くないと思います。

 

 とにかく冷やしてください。

 それが正しい治療法です。

 温めると、症状が悪化する方もいます。

 ムカデもお湯に付けると治りが早いという方もいますが、悪化する方もいます。

 なので、虫に刺されて、腫れたら、冷やしてくださいね (^_^;)

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