はぐくみ幸房@山いこら♪

「森を育み、人を育み、幸せ育む」がコンセプト。株式会社はぐくみ幸房のブログです。色々な森の楽しさ共有してます♪

ヤドリギ

2023年12月25日 | 樹木・草花のお話

 クリスマスを代表する樹木「ヤドリギ」。

 冬の間でも、落葉樹に半寄生する常緑樹のヤドリギは、強い生命力という象徴として扱われ、ヨーロッパでは、昔から、宗教的に「神聖な木」とされたり、「幸運を呼ぶ木」とも言われているそうです。

 

 ヤドリギと言えば、「ヤドリギの木の下で出会った男女はキスをしても良い」という、なんか都合が良いような言い伝え(^_^;)がありますよね 。

 ケルト神話や北欧神話では、ヤドリギは幸福・安全・幸運をもたらす「聖なる木」とされており、非常に縁起の良い植物とされているそうです。

 そんなヤドリギの下を通るとき、幸福・安全・幸運を願うという習慣から、未婚の男女は幸せな結婚を願い「ヤドリギの下で出会った男女はキスをしても良い」という習慣が生まれたそうです。

 ロマンチックな感じがしますが、逆に、ヤドリギの下でキスを断ると、縁起が悪く、翌年は結婚できないとも言われています。

 「え~、私、そんな気、ないのにぃ・・・」という状況だとしたら、ちょっとした脅迫観念に囚われそうな言い伝え・・・・(゚Д゚;) 

 

 

 ヤドリギは「宿り木」と書き、その名の通り、他の樹木に寄生する樹木です。

 主な宿主は、ブナ、ミズナラ、サクラ、ケヤキ、ムクノキ、エノキなどの落葉広葉樹で、宿主から生きるために必要な養分を吸収します。

 時に多くのヤドリギに寄生された宿主は、衰弱し、最悪、枯死するものもあります。

 なので、ヤドリギを「病害」や「病気」とする考え方もありますが、僕自身は病気という認識を持っていません。

 というのも、宿主が枯死するとヤドリギ自身も枯死するので、宿主を衰弱・枯死させるような吸収はしません。

 ヤドリギ自身も光合成を行いますし、宿主から養分をいただく代わりに、宿主が水分や養分を吸い上げるための蒸散を助けています。

 だけど、多数のヤドリギが寄生すると、ヤドリギが宿主の葉を遮り、宿主の光合成を阻害し、宿主の衰弱に繋がります。

 なので、宿主を弱らせたいわけではなく、個々のヤドリギが密集してしまったがために起こった悲しい事故だと思っています。

 

 ヤドリギ自身は、「あっ、この樹木に寄生しよう~♪」と狙いを定めているわけではありません。

 ヤドリギの木の実を食べた鳥が、ヤドリギの種を運び、そこで糞を落とされ、そこに寄生したという結果にすぎません。

( ↑ 発芽した若いヤドリギ )

 

 ちなみに、ヤドリギの種子は鳥にとって、貴重なエサ資源になります。

 ヤドリギが多いということは、多くの鳥が生育できると考えられるので、ヤドリギは生物多様性を支える1つの樹木ともいえます。

 

 なので、それぞれの見方によって、ヤドリギの評価は異なるんじゃないかなと思います。

 サクラの景観を重視する場合は、ヤドリギが発生すると、サクラの樹形を損なうし・・・・。

 多種多様なの鳥が集まれる環境では、ヤドリギがその環境を整える1つの要因になるし・・・・。

 

 結果的に、多数のヤドリギが原因で、宿主を衰弱・枯死させることに繋がりますが、決して、宿主から養分を吸収し尽くして、宿主の命を奪い取ろうという戦略をヤドリギが行っているわけではなく、不可抗力でたくさん集まった悲しき事故だと思っているので、ヤドリギは病気・・・ではないと、個人的には思っています。

 

※2016年12月の記事を改編

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

葉痕

2023年12月19日 | 森林・樹木の基礎知識のお話

 冬になって、葉が落ちた痕跡のことを「葉痕(ようこん)」といいます。

 

 冬になると、ほとんどの生き物は冬眠をしたり、植物は落葉や地上部が枯れたりと、寂しい感じになります・・・・。

 そんな時、樹木の葉痕を観察すると、寂しい感じが一転して、楽しい気持ちに変わることがあります。

 

 今回は、そんな面白い葉痕の一例をご紹介します。

 

 葉痕は、枝に着いていた葉の柄が落ちた痕跡なので、葉が大きいほど、葉痕も大きくなります。

 そのため、葉痕の大きさや形は、樹種によって、大きく異なるので、それぞれの違いを観察しても面白いかなと思います。

 

 さて、枝に着いた葉は、枝と葉の間で水分・養分のやり取りを行っています。

 この水分・養分をやり取りする器官を「維管束(いかんそく)」といい、葉が落ちた後も、この維管束の痕が残ります。

 この痕跡は、点や線のような形で残るので、それが目や鼻、口に見えたりするので、動物の顔や笑っている顔に見える、そんな面白い葉痕に出会えます。

 

 ネジキの葉痕。

 飛行中のムササビを、真上から見下ろしたような葉痕。

 僕には、気持ちよさそうに滑空しているムササビの後ろ姿に見えてきます !(^^)! 。

 

 オニグルミの葉痕。

 オニグルミの葉痕は、「サルの顔」に似ているので、とても有名です。

 個人的には、この写真の葉痕は「ヒツジの顔」に見えます (^_^;) 。

 同じ樹種でも、縦に長い葉痕があったりするので、また表情が違ってきます。

 

 トゲトゲが多くて、林業の造林地でとても迷惑な樹木の1つカラスザンショウの葉痕。

 刺々しいのに、めっちゃ笑ってる (゚Д゚;)。。。

 

 こっちは、愛想笑い・・・か?

 

 なんか、悪いことを考えてそうな笑み・・・(^_^;)

 

 という感じで、同じ樹種でも葉痕に現れる表情が違います。

 

 葉が大きいと、葉痕も大きくなります。

 なので、葉が大きい樹木の葉痕を観察すると、面白い葉痕たちに出会えるかも・・・。

 

 ホオノキ、キリ、アカメガシワなども大きな葉をもっています。

 ちなみに、オニグルミやカラスザンショウなどのように「複葉」というタイプの樹木も、大きな葉痕をもつものが多いです。

 ウルシ、ネムノキ、センダンなども葉が複葉の樹木ですし、身近に生えていることも多いので、是非、どんな葉痕なのか、観察してみて下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コミュニケーションの研修

2023年12月12日 | 株式会社はぐくみ幸房のお仕事

 ㈱はぐくみ幸房では、コミュニケーションの重要性を実感いただく、参加型の研修を行っています。

 今回は、林業の現場班長や班長候補の方々を対象に行うフォレストリーダー研修にて、コミュニケーションの研修を行いました。

 

 写真は受講生の感想です。画像をクリックすると拡大されます。

 

 

 心理学者のアルフレッド・アドラーの有名な言葉の中に、「すべての悩みは対人関係の悩みである」、「人間の悩みの90%が人間関係」とあるように、私たちの日々の悩みの大半は、人間関係です。

 

 中には、「いや、お金だ!」という方もいますが、実は、お金の悩みも対人関係です。

 請求する人と請求される人との人間関係があって、お金の悩みになります。

 

 例えば、請求する人が期限までに支払えと言ってくるから、お金という悩みが生まれます。

 もし、請求する人が5年以内に支払ってくれたらいいよ、お金に余裕が出来たらでいいよと、自分のペースに合わせてくれると、お金の悩みが解消されます(個人的に「早く支払わないと・・・」とソワソワするのは、個人の問題です(^_^;) 。。)。

 逆に、被請求者が、約束通り支払ってくれない、全然支払ってくれないという状況も、お金ではなく、払ってくれない被請求者との人間関係の悩みです。

 

 脱線しましたが、「人の悩みの90%が人間関係(対人関係)である」としたら、人間関係を良くするためのツールが「コミュニケーション」です。

 

 では、コミュニケーションとは何なのか?

 コミュニケーションとは、「自分の伝えたい情報を正確に、上手に伝える。」ことと「相手に伝えたい情報が正確に、上手に伝わる。」こと、この双方向が成立することをコミュニケーションといいます。

 自分の伝えたいことが、相手に正しく伝わって、はじめて、コミュニケーションが成立します。

 相手の想いや気持ちを無視して、一方的に自分の考えや思いを語ることは、コミュニケーションとは言えません。

 

 コミュニケーション能力が高い人が話す場合、相手の反応を見つつ、伝える方法を工夫しながら、伝えたい情報を正確に伝えようとします。

 逆に、聞く側に回った場合、相手が伝えようとする情報を理解しようを耳を傾け、自分が受け取った情報が正しいか、相手に確認をとろうとします。

 これがコミュニケーション能力が高い人材の特徴です。

 つまり、初対面の方ともすぐに仲良くなってお話できる人が、コミュニケーション能力が高いと言うわけではありません。

 

 さて、弊社の研修では、「意識する」と「無意識」をキーワードに「コミュニケーションの大切さ」を実感するグループディスカッションを取り入れています。

 例えばグループディスカッションの1つとして、2人1組になって、話し手と聞き手に分かれ、あるテーマについて、2分間話し合ってもらいます。

 

 1回目は、相手の話を聞くポイントを意識しながら相手の話を聞きます。

 

 2回目は、相手の話に対して一切の反応をしないと意識して、相手の話を聞かないようにします。

 

 1回目と2回目の違いを研修生同士で話し合ってもらいます。

 2分という体感時間の違い、話しやすさの違いなどなど。

 特に2回目は、意識して相手の話を無視するので、お互いに精神的ストレスがかかります。

 通常、日常生活において、意識して相手を無視することは、ほとんどありません。

 しかしながら、実は、日常生活の中で、無意識で相手を無視したり、無視に近い行動をとっています。

 そのことに気づいてもらうことが、このグループディスカッションの目的です。

 

 実際、2回目の時は、教室全体の雰囲気が恐ろしいほど暗くなるので、講師の立場である僕自身も、気が滅入ります(゚Д゚;)。。。

 

 

 林業界において、よく言われている

 ・生産性を向上したい

 ・生産コストを下げたい

 ・人材を育成したい

 ・労働安全の向上を図りたい

 ・職場の離職率を下げたい

 ・職場の定着率を上げたい

 といったことは、コミュニケーションという土台がしっかりと出来ていることが前提です。

 

 「こうすべきではないか」、「こうした方が良かったのではないか」、「次は、こうしてみようか」などなど、お互いの意見を言い合える雰囲気が出来ることで、それが信頼関係の構築へと繋がっていきます。

 「いいから、黙って言うとおりにやれ!」なんて、言葉が行き交う関係では、信頼関係を構築することは、とてつもなく難しいです。

 上司や先輩にカリスマ性があり、かつ、部下や後輩に恵まれないと信頼関係の構築は難しいと思います。

 

 生物多様性の重要性が言われるように、人の多様性も重要です。

 僕自身、「人の多様性=価値観の多様性」だと考えています。

 人の多様性が多いほど、色々な視点から物事を考えられ、色々な価値観に触れ合うことができます。

 逆に、人の多様性が多いほど、話が平行線になったり、もめたりすることもあるので、その場合は、明確な目的を設定し、全員がその目的に向かう必要があります。

 いわゆる「バックキャスト(バックキャスティング)」という思考で、未来・目的・目標・ゴールを統一しておけば、それぞれの価値観を最大限に発揮できるのはないかと思います。

 そのためのツールが「コミュニケーション」です。

 

 それを実感していただくため、全員の生き残りを賭けた(という設定の)ゲームをしていただきます。

 

 

 従業員は組織の資産です。

 従業員が成長すると組織の価値が上がります。

 従業員の成長志向が高くなると、その組織は成長し続けます。

 

 これからは、人が働きたい組織を選べる時代。

 「この組織で働きたい!」と思ってもらえる組織になるためのツールがコミュニケーションです。

 

***************

 

 この記事を最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 研修等のご依頼や詳しい内容を知りたいという方は、「morikatsu108108108@gmail.com」まで、メールください。

 なお、迷惑メール防止のため、先述したアドレスは、数字と@が全角になっています。

 

***************

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする