はぐくみ幸房@山いこら♪

「森を育み、人を育み、幸せ育む」がコンセプト。株式会社はぐくみ幸房のブログです。色々な森の楽しさ共有してます♪

エントモファガ・グリリ

2024年09月24日 | キノコ・菌類のお話

 皆さんは、草の先端や木の枝葉などにしがみついたまま息絶えたバッタ、そんなバッタの変死体を見たことはありませんか?

 これは、「エントモファガ・グリリ」(糸状菌の一種)という菌に侵されたバッタです。

 

 寄生されたバッタは、体を操られ、草の先端や枝の先など高い場所にしがみつき、そのまま息絶えます。

 そして、バッタの死体から菌の胞子が放たれ、再び、別のバッタへと寄生し、感染を広げます。

 わざわざ草の先端や枝の先など高い場所にバッタを移動させるのは、「胞子をより遠くへ飛ばせるようにする」菌の戦略のようです。

 

 寄生されたバッタは、

 菌:「高いところへ登れ!」

 バッタ:「はい!了解しました。」

 菌:「よし!ここで待機。」

 バッタ:「はい!了解しました。」

 菌:「胞子の散布が完了するまで、何があっても動くな!」

 バッタ:「はい!了解しました。」 

 と、こんな感じに、忠実に従っていると思います。きっと。 

 人間に置き換えて考えると、おっかないですね・・・・  (゚Д゚;)。

 

 ちなみにエントモファガグリリに寄生され、まだ生きているバッタやイナゴ達。

 指でつつくと、少し逃げようとしますが、大ジャンプ!みたいな逃げ方はしない・・・。

 

 この子は、完全に乗っ取られていました。

 逃げないし、体をピクッとするだけ・・・( ゚Д゚)

 

 植栽されたヒノキの枝に抱き着いたまま離れないイナゴ・・・

 ヒノキ大好き💛!って、くらい、離れない・・・

 

 

 そんな、エントモファガグリリに感染したバッタの動画はご覧になりたい方へ・・・ (-ω-)/

株式会社はぐくみ幸房 | エントモファガグリリ | Instagram

 動画をご覧のとおり、指でつついても、逃げ方が異常ですよね (^_^;)

 たま~に逃げるバッタもいますが、再び登り始めるので、ホント、菌に忠実です (゚Д゚;)

 

 ズラ~っと生えたススキの穂先にしがみついたままのバッタ達が、これまた、ズラ~っと並んでる現場に出会えると、「おぉ~」って、テンション上がる(^_^)v。

※2016年9月改編1

※2020年9月改編2

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ヌメリイグチ

2020年11月18日 | キノコ・菌類のお話

 夏から秋にかけて、松林の林床に生えるキノコ「ヌメリイグチ」。

 その名の通り、カサの表面がヌメヌメしているキノコです。

 

 ヌメリイグチは、カサの直径が約3~9cm。

 湿気が多いと、カサの表面全体が粘液に覆われ、乾燥している時は、乾いた感じのちょっとネチョっとした粘液?があります。

 カサの色は黄褐色~チョコレート色。

 

 キノコの裏側は、”ひだ”ではなく”管孔(かんこう)”。

 これが、イグチ類のキノコの特徴ですね。

 管孔の色は淡い黄色から黄色味を帯びた褐色。

 柄の長さは、約5~10cmで、根元から上部までの太さはほぼ同じです。

 

 柄の上部には、ツバがあるけど、消失しやすいので、ツバがなくなっているものもあります。

 この写真では、うっすら、ツバが残っているって、感じですかね(^_^;)。

 

 食べると美味しいキノコで、ナメコと同じようにお味噌汁など、ぬめりを楽しむ食べ方が一番だと思います。

 ちなみに、僕は、ヌメリイグチを食べたことがありません(^o^)。

 理由は「食が進まない」だけで、ぬめりが嫌いとかではありません。ナメコは大好きです(^_^)v。

 見つけたら、「ヌメリイグチは美味しいよ。僕は食べたことがないけど。」といって、差し上げています(^_^;)。

 

 一般的に美味しいキノコですが、食べ過ぎると消化器系にダメージを与えるそうなので、ほどほどにお楽しみください(>_<)。

 何度も申し上げますが、キノコとしては、確実に美味しい部類に入ります!(^o^)

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アイカワタケ

2020年10月29日 | キノコ・菌類のお話

 夏から秋にかけて、ナラやカシ類など広葉樹の枯れ木に発生するサルノコシカケ系キノコの「アイカワタケ」。

 アイカワタケは、全体的に鮮黄色で、群生するこもあります。

 若いときは、肉質が柔らかく、一応、食べられますが、生食すると中毒を起こします。

 ちなみに、僕は食べたことはありません(^_^;)。

 

 アイカワタケは、時間が経過すると固くなります。

 固くなったアイカワタケは、残念ながら食べることが出来ません。

 若いときは柔らかいけど、老いると固くなる特徴はサルノコシカケの仲間だなーと感じますね。

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スギヒラタケ

2020年10月16日 | キノコ・菌類のお話

 スギやヒノキの人工林で、よく見かける白いキノコ「スギヒラタケ」。

 スギヒラタケは、スギやヒノキ、アカマツなど針葉樹の切り株や倒木に発生する毒キノコです。

 傘は2~6 cm程度の大きさで、写真のように扇形の白いキノコがいくつも重なり合って、群れるように生えます。

 発生時期は、夏~秋(8月~10月頃)にかけて発生します。

 

 冒頭に毒キノコと書きましたが、昔は、よく食べられていたキノコです。

 僕が林業関係の職に付いた時、真っ先に教えてもらい、真っ先に覚えた食べられるキノコが、この「スギヒラタケ」で、お味噌汁に合うとてもおいしいキノコでした。

 しかし、平成16年と平成19年に、スギヒラタケを食べて、急性脳症(意識障害やけいれん)が発生するという多数の報告があげられるようになりました。

 当初は、腎臓機能が低下している人がスギヒラタケを食べると、急性脳症が発症すると考えられていましたが、その後、腎臓機能に異常がない人も、スギヒラタケを食べた後に、急性脳症を発症し、死亡する事例も報告されました。

 そのため、厚生労働省が、「念のため、原因が究明されるまでの間、腎臓機能が低下していない人も含め、一般の方に対して、スギヒラタケを食べない」よう注意喚起を行っています。

 あわせて、農林水産省も、毎年のキノコ狩りシーズンに合わせて、スギヒラタケを食べないよう自治体や関係団体に注意喚起しています。

 
 厚生労働省や農林水産省が原因究明の調査研究を行いましたが、今もスギヒラタケが安全かどうか、現時点ではわかっていないようです。

 元からスギヒラタケに含まれる複数の成分が関与して、急性脳症が起きるのではないか・・・とも考えられています。

 昔は食べていたから大丈夫。

 自分は食べたけど大丈夫だった。

 そんな曖昧で科学的な根拠もない理由で、人に勧めたり、食べたりしないようにしましょう。

 

 前回大丈夫だったとしても、今回も大丈夫と言い切れますか?

 自分は大丈夫だけど、他の方も大丈夫と言い切れますか?

 言い切るなら、その根拠は何でしょうか?

 スギヒラタケが食べられないことは、残念なことかもしれませんが、人命の方が大切です!

 

※2016年12月の記事を改編

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ドクツルタケ

2020年10月09日 | キノコ・菌類のお話

 ”殺しの天使”という異名を持つ毒キノコ「ドクツルタケ」。

 広葉樹林だけでなく、針葉樹林の林床にも生え、非常に身近で、よく見かける毒キノコです。

 全体が白色のキノコで、”ツバ”と”ツボ”がある特徴的な毒キノコです。

 

 食べてしまうと、嘔吐、腹痛、下痢、肝臓や腎臓の機能障害といった症状を起こし、最悪、死に至ることもある本当に恐ろしい毒キノコです。

 

 基本的に、ツバとツボがあるキノコは、毒キノコが多いので、絶対的な自信がない場合は、食べないことをオススメします(^_^;)。

 「これ、美味しいよ~」と勧められても、キノコにツバとツボがあって、見分ける自信が無い場合は、絶対に食べないことをお勧めします。

 安易に「キノコに詳しい方が大丈夫って言うから安心♪」は危険です。

 実際、それで中毒を起こした事例は多くあるので・・・・(>_<)。

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オオワライタケ

2020年10月04日 | キノコ・菌類のお話

 シイノキ、ミズナラ、ブナなど広葉樹の枯れた幹に発生する毒キノコ「オオワライタケ」。

 発生時期は、夏~秋(8~10月)。
 カサの直径は5~15cm、色は褐色~黄褐色で基本的に黄色を帯び、真ん中の色が濃くなります。
 
 オオワライダケは、はじめ饅頭型で、成長していくと徐々にカサが開き、平らになります。

 オオワライタケの柄は、色は淡黄色、長さ5~15cm、全体的にささくれており、柄の上部にツバがあります。
 
 オオワライタケの肉を噛むと、とても苦いです。
 シイノキなどの広葉樹に発生する黄色っぽいキノコで、囓ってみると苦いキノコは、オオワライタケって、覚えてイイと思います。
 ただし、オオワライタケは、神経系の毒キノコなので、絶対に食べないで下さい。囓っても、はき出して下さい。
 
 
 オオワライタケを食べてしまった場合、異常な興奮、幻覚、意識障害などが起こると言われています。
 なので、絶対に食べないで下さい。
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ボーベリア・バッシアーナ(Beauveria bassiana)

2020年09月30日 | キノコ・菌類のお話

 山の中で、真っ白になった虫の死体を見かけませんか?

 この菌は虫に寄生する菌で、「ボーベリア菌」といいます。

 正式には、Beauveria bassiana(ボーベリア・バッシアーナ)といい、「白きょう病菌」や「黄きょう病菌」とも言います。

 昆虫に感染するボーベリア菌は、生物農薬としても研究されています。

 森林・林業分野で言うと、マツ枯れを引き起こす「マツノマダラカミキリ」に対する研究の1つとして進められ、生物農薬として登録されています。

 ボーベリア菌は、カミキリムシだけでなく、セミ、カマキリ、バッタなどにも感染します。

 

 この時期は、キノコ観察やキノコ狩りもいいけど、菌に寄生された昆虫観察も楽しいです。

 ちょっと、悪趣味なのかな(^_^;)。

※2016年9月の記事を改編

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天然シイタケ

2019年11月24日 | キノコ・菌類のお話

 最も身近な食用キノコと言えば、シイタケ(かな?)

 

 一言にシイタケといっても、菌床シイタケ、原木シイタケ、天然シイタケに分けられます。

 

 スーパーで売られている大半のシイタケは、「菌床シイタケ」。

 簡単に言うと、固めた木くずにシイタケ菌を植え、発生させる方法。

 なお、この写真は、菌床ナメコです・・・。シイタケの写真がなかった(無くした?)ので。

 

 次に、コナラやクヌギを切った丸太(だいたい直径9~14cm、長さ1m)木に、シイタケ菌を植え付ける「原木シイタケ」。

 原木に直径1cmくらいの穴を開けて、そこにシイタケ菌を植え込みます。

 すると、そこからシイタケが発生。

 

 

 菌床シイタケは、香りが弱く、軟らかいので、シイタケとしては、比較的食べやすいと思います。

 原木シイタケは、香りが強く、しっかりした歯ごたえがあるので、シイタケ好きは、食べるなら原木シイタケ!でしょう。

 

 そして、自然に発生する「天然シイタケ」。

 春と秋に、山の中を歩いていると、天然シイタケに巡り会うことがあります。

 

 枯れたシイノキの立木に発生していたシイタケ。

 でも、残念なことに、腐り始めていたので、食べられませんでした・・・。

 

 山の中で切り捨てられたコナラに発生していた天然シイタケ。

 もちろん、この天然シイタケはいただきました!

 味は、原木シイタケと変わらない・・・というか、原木とシイタケ菌の相性にこだわって生産された原木シイタケの方が美味しい!!

 

 そして、地面の中から発生していた天然シイタケ

 見つけたときは、「えっ?」って、思いましたが、間違いなくシイタケでした。

 このシイタケの周囲に、枯れたシイノキが何本かあったので、地面の中で枯れた根からシイタケが発生したのではないかと思います。

 しかも、地面の中から発生した天然シイタケが3本(うち1本は朽ちてました・・・)。

 これは初めての体験!

 こういうレアな出会いがあるから、山は面白いっすね!

 ちなみに、なんか、イメージ的に、あまり食が進まなかったので、食べてません・・・。

 

 それと、シイノキを伐採し、放置していると、たまーに、シイタケが発生します。

 これも、自然の恵み。

 でも、天然シイタケの味は、原木シイタケとそんなに変わらないし、むしろ、原木シイタケの方が美味しい場合も。。。

 

 天然シイタケも原木シイタケも、自然と触れあったり、自然の中で生活をする喜びを感じることが出来る、身近な森の資源です。

 天然シイタケ。

 見つけると、テンション上がるので、皆さんも是非、探してみて下さい!

 湿気が多い場所で、枯れたコナラ、クヌギ、シイノキが狙い目です! 

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糞生菌

2016年10月01日 | キノコ・菌類のお話

 お食事中の方には、大変申し訳ございません。

 タイトル通り「糞」に関することです。

 一言に「菌」と言っても、ハンパなく種類が多く、名もなき新種がたくさんあると言われています。

 菌の中には、動物の排泄物「糞」を栄養源にしているものもあります。

 これを「糞生菌(ふんせいきん)」といいます。

 糞をエサにする昆虫もいるように、菌もいるわけです。

 彼らが存在するからこそ、山の中が糞まみれにならない。

 糞をキレイに掃除し、豊かな土壌生成と樹木の育みに貢献してくれています。

 影ながら森林の生態を支えている1つの柱なんです。

 

 これは、国指定特別天然記念物ニホンカモシカの糞に発生していた糞生菌。

 「盤菌類」というだけで、詳しいことは明らかになっていないようです。

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冬虫夏草 セミタケ

2016年09月22日 | キノコ・菌類のお話

 先日、山で作業をしていたら、セミの幼虫を発見!・・・かと思いきや、よくよく見ると、セミタケ、冬虫夏草でした。

 実は・・・初めて冬虫夏草を自力で見つけました。

 

 冬虫夏草は、セミやクモなどの虫に寄生したキノコの総称を言います。

 中国で漢方生薬として、最も重宝されているのは、コウモリガの幼虫から発生した「(学名)コルディセプス・シネンシス」1種のみだそうです。

 「冬虫夏草」という名の由来は、虫に寄生した菌は、昆虫の体内で成長しますが、冬の間は、姿形が虫なので”冬虫”、春の終わり頃から初夏にかけて、虫から菌の子実体が地面に出るので“夏草”、だそうです。

 

 ただ、今回見つけた冬虫夏草は子実体が形成されていないので、発芽に失敗したのかな~

 それとも、丸太を持ち上げた際、子実体をどこかにやってしまったのかな~

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