はぐくみ幸房@山いこら♪

「森を育み、人を育み、幸せ育む」がコンセプト。株式会社はぐくみ幸房のブログです。色々な森の楽しさ共有してます♪

ベニナギナタタケ

2024年10月24日 | キノコ・菌類のお話

 猛毒キノコ「カエンタケ」によく似た赤いキノコ「ベニナギナタタケ」。

 こんな感じに赤いキノコが生えていたら、「カエンタケ!」と思ってしまうのも無理ないですよね・・・ (^_^;)。

 僕自身、まだカエンタケに出会ったことはありませんが、ベニナギナタタケは、それはもう頻繁に (^_^;)。

 

 

 ベニナギナタタケは、夏~秋にかけて、林内に発生するキノコです。

 キノコの形状が薙刀(なぎなた)に似ていること、キノコの色がピンク色~淡い赤色であることから、見た目そのままに「ベニナギナタタケ」と名付けられたそうです。

 森や山の中を歩いていて、地面から非常に鮮やかな赤色系のモノが発生していたら、ものすごく目立つので、自然と目を向けてしまいますよね。

 

 この形状で赤色系のキノコを見つけてしまうと、真っ先に「カエンタケ」という猛毒キノコの名前が浮かぶ方も多いと思います。

 ちなみに、ベニナギナタタケは、一応食べられるキノコとして紹介されているので、カエンタケと間違って食べてしまうというような事故もあるようです。

 ベニナギナタタケを食べた方の感想では「特に味も香りもなく、可もなく不可もなく。」ということなので、カエンタケと間違って食べてしまうかもしれないというリスクを考えると、採取してまで食べる必要はないな~と個人的には思います。

 

 そもそも、「美味しい!キノコ!」であれば、巷で有名になっているでしょう。

 なっていないということは・・・・ (゚Д゚;)

 

 さて、そんなベニナギナタタケとカエンタケの違いについて。

 

ベニナギナタタケは、カエンタケと異なり、軟らかいキノコです。

 カエンタケは触れるとかぶれる・ただれると言われているので、落ちている木の枝などでつっついて、「硬ければカエンタケ / 軟らかいとベニナギナタタケ」 という風に確認できると思います。

 

カエンタケは広葉樹の根株から発生するに対し、ベニナギナタタケは腐植土から発生しています。

 

カエンタケは成長していくと枝分かれしますが、ベニナギナタタケは枝分かれしません

 

 以上の点で判別いただければと思います。

 ですが、ベニナギナタタケ自体は、無味無臭と、決して美味というわけではないそうなので、カエンタケと間違うかもというリスクを背負ってまで食べる必要はないかな~と個人的には思います (^_-)-☆

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キクラゲ

2024年10月22日 | キノコ・菌類のお話

 前回の「アラゲキクラゲ」に続き、今回は、秋の代表的な美味しいキノコ「キクラゲ」。

 コリコリした触感がクラゲに似ているが由来で「キクラゲ」だそうです。

 中国では「木耳」と書くらしく、耳に似ていると言えば、似ているかも (^_^;)。

 

 キクラゲは、初夏~初秋にかけて、広葉樹の枯れ木に発生するお椀型または半円形のキノコです。

 ゼラチン質で柄がないというとっても分かりやすい特徴をもつ、美味しいキノコですね。

 キクラゲはゼラチン質で軟らかいに対し、アラゲキクラゲはキクラゲよりも固く、表面にモフっとしたうっすらした短い毛が密生するので、違いは一目瞭然ですし、触るとその違いは明確です。

 

 キクラゲは枯れ木に発生するキノコなので、下の写真のように生きた樹木の一部に・・・

 キクラゲが発生していると、その部分は枯れていると判断できるため、樹木の強度が大きく低下している可能性があります。

 キクラゲは言わば、それらを示す指標キノコですね。

 というわけで、写真のような枝は、強風や積雪によって枝が折れて、人身事故や物損事故を招く恐れが潜んでいます。

 

 さて、キクラゲは広葉樹の枯れ木以外にも、枯れた竹にも発生します。

 少し湿り気のある環境で伐採した竹を積み上げておくと、キクラゲが発生します。

 

 ちなみに、伐採した竹の切株からも発生します。

 

 竹を伐採する際は、少し高い位置で伐採すると、環境次第ではキクラゲが発生します。

 竹林整備を進める際、キクラゲの発生を楽しみ、期待に胸を躍らせるのもアリですね (^^)

 

 なお、キノコを採取する際は、山の所有者または管理者の承諾を得て採取してくださいね。

 また、森林法という法律で指定されている保安林の場合、キノコの発生場所やその採取方法によっては、許可の申請が必要になるので、事前に管轄する都道府県の出先機関で確認することをお勧めします。

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アラゲキクラゲ

2024年10月09日 | キノコ・菌類のお話

 キノコの季節真っ只中!

 「これは食べられるの?」、それとも「毒キノコ?」みたいなやりとりが増える季節ですね。

 僕自身、警戒心がとても強いので、基本的に、「美味しくて、絶対に毒キノコと間違うことのないキノコ」しか口にしません (^_-)-☆。

 

 というわけで、その中でもお勧めの天然キノコが「アラゲキクラゲ」。

 スーパーでも販売されているキノコ ”キクラゲ” ですね。

 名前にアラゲ(荒毛)と付いているように、実際、手で触ってみるとビロード状の毛っぽいものを感じます。

 

 アラゲキクラゲは、1年中出てるって感じのキノコで、特に初夏~初秋にかけての発生が多く、広葉樹の枯れ木に発生します。

 山の中はもちろん、湿気と影のある環境で、広葉樹の枯れ木があれば、畑でも発生するキノコです。

 広葉樹を30~50cmくらいの長さに伐って、日陰と湿気のある場所に放置すると、運が良ければ、大量に発生することもあります。

 ムクノキに発生したアラゲキクラゲ。 

 こんな感じで発生しているアラゲキクラゲを、すべて採り尽くさず、小さいキクラゲを残しておくと、それが大きくなって、継続的に採り続けることも出来ます。

 もちろん、アラゲキクラゲが発生している丸太や枯れ木を持って帰って、枯れ木が乾燥しない様、気をつけて管理すれば、しばらくの間、キクラゲを楽しむことも出来ます。

 

 ただし、キノコを採取する場合、山の所有者または管理者から許可を得た上で、持って帰るようにしてくださいね。

 ちなみに、保安林など法的な制限がある場合は、所有者の許可を得ても、持ち出すことは出来ない、キノコ採取には許可申請が必要な場合があるので、気をつけてください。

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エントモファガ・グリリ

2024年09月24日 | キノコ・菌類のお話

 皆さんは、草の先端や木の枝葉などにしがみついたまま息絶えたバッタ、そんなバッタの変死体を見たことはありませんか?

 これは、「エントモファガ・グリリ」(糸状菌の一種)という菌に侵されたバッタです。

 

 寄生されたバッタは、体を操られ、草の先端や枝の先など高い場所にしがみつき、そのまま息絶えます。

 そして、バッタの死体から菌の胞子が放たれ、再び、別のバッタへと寄生し、感染を広げます。

 わざわざ草の先端や枝の先など高い場所にバッタを移動させるのは、「胞子をより遠くへ飛ばせるようにする」菌の戦略のようです。

 

 寄生されたバッタは、

 菌:「高いところへ登れ!」

 バッタ:「はい!了解しました。」

 菌:「よし!ここで待機。」

 バッタ:「はい!了解しました。」

 菌:「胞子の散布が完了するまで、何があっても動くな!」

 バッタ:「はい!了解しました。」 

 と、こんな感じに、忠実に従っていると思います。きっと。 

 人間に置き換えて考えると、おっかないですね・・・・  (゚Д゚;)。

 

 ちなみにエントモファガグリリに寄生され、まだ生きているバッタやイナゴ達。

 指でつつくと、少し逃げようとしますが、大ジャンプ!みたいな逃げ方はしない・・・。

 

 この子は、完全に乗っ取られていました。

 逃げないし、体をピクッとするだけ・・・( ゚Д゚)

 

 植栽されたヒノキの枝に抱き着いたまま離れないイナゴ・・・

 ヒノキ大好き💛!って、くらい、離れない・・・

 

 

 そんな、エントモファガグリリに感染したバッタの動画はご覧になりたい方へ・・・ (-ω-)/

株式会社はぐくみ幸房 | エントモファガグリリ | Instagram

 動画をご覧のとおり、指でつついても、逃げ方が異常ですよね (^_^;)

 たま~に逃げるバッタもいますが、再び登り始めるので、ホント、菌に忠実です (゚Д゚;)

 

 ズラ~っと生えたススキの穂先にしがみついたままのバッタ達が、これまた、ズラ~っと並んでる現場に出会えると、「おぉ~」って、テンション上がる(^_^)v。

※2016年9月改編1

※2020年9月改編2

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ヌメリイグチ

2020年11月18日 | キノコ・菌類のお話

 夏から秋にかけて、松林の林床に生えるキノコ「ヌメリイグチ」。

 その名の通り、カサの表面がヌメヌメしているキノコです。

 

 ヌメリイグチは、カサの直径が約3~9cm。

 湿気が多いと、カサの表面全体が粘液に覆われ、乾燥している時は、乾いた感じのちょっとネチョっとした粘液?があります。

 カサの色は黄褐色~チョコレート色。

 

 キノコの裏側は、”ひだ”ではなく”管孔(かんこう)”。

 これが、イグチ類のキノコの特徴ですね。

 管孔の色は淡い黄色から黄色味を帯びた褐色。

 柄の長さは、約5~10cmで、根元から上部までの太さはほぼ同じです。

 

 柄の上部には、ツバがあるけど、消失しやすいので、ツバがなくなっているものもあります。

 この写真では、うっすら、ツバが残っているって、感じですかね(^_^;)。

 

 食べると美味しいキノコで、ナメコと同じようにお味噌汁など、ぬめりを楽しむ食べ方が一番だと思います。

 ちなみに、僕は、ヌメリイグチを食べたことがありません(^o^)。

 理由は「食が進まない」だけで、ぬめりが嫌いとかではありません。ナメコは大好きです(^_^)v。

 見つけたら、「ヌメリイグチは美味しいよ。僕は食べたことがないけど。」といって、差し上げています(^_^;)。

 

 一般的に美味しいキノコですが、食べ過ぎると消化器系にダメージを与えるそうなので、ほどほどにお楽しみください(>_<)。

 何度も申し上げますが、キノコとしては、確実に美味しい部類に入ります!(^o^)

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アイカワタケ

2020年10月29日 | キノコ・菌類のお話

 夏から秋にかけて、ナラやカシ類など広葉樹の枯れ木に発生するサルノコシカケ系キノコの「アイカワタケ」。

 アイカワタケは、全体的に鮮黄色で、群生するこもあります。

 若いときは、肉質が柔らかく、一応、食べられますが、生食すると中毒を起こします。

 ちなみに、僕は食べたことはありません(^_^;)。

 

 アイカワタケは、時間が経過すると固くなります。

 固くなったアイカワタケは、残念ながら食べることが出来ません。

 若いときは柔らかいけど、老いると固くなる特徴はサルノコシカケの仲間だなーと感じますね。

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スギヒラタケ

2020年10月16日 | キノコ・菌類のお話

 スギやヒノキの人工林で、よく見かける白いキノコ「スギヒラタケ」。

 スギヒラタケは、スギやヒノキ、アカマツなど針葉樹の切り株や倒木に発生する毒キノコです。

 傘は2~6 cm程度の大きさで、写真のように扇形の白いキノコがいくつも重なり合って、群れるように生えます。

 発生時期は、夏~秋(8月~10月頃)にかけて発生します。

 

 冒頭に毒キノコと書きましたが、昔は、よく食べられていたキノコです。

 僕が林業関係の職に付いた時、真っ先に教えてもらい、真っ先に覚えた食べられるキノコが、この「スギヒラタケ」で、お味噌汁に合うとてもおいしいキノコでした。

 しかし、平成16年と平成19年に、スギヒラタケを食べて、急性脳症(意識障害やけいれん)が発生するという多数の報告があげられるようになりました。

 当初は、腎臓機能が低下している人がスギヒラタケを食べると、急性脳症が発症すると考えられていましたが、その後、腎臓機能に異常がない人も、スギヒラタケを食べた後に、急性脳症を発症し、死亡する事例も報告されました。

 そのため、厚生労働省が、「念のため、原因が究明されるまでの間、腎臓機能が低下していない人も含め、一般の方に対して、スギヒラタケを食べない」よう注意喚起を行っています。

 あわせて、農林水産省も、毎年のキノコ狩りシーズンに合わせて、スギヒラタケを食べないよう自治体や関係団体に注意喚起しています。

 
 厚生労働省や農林水産省が原因究明の調査研究を行いましたが、今もスギヒラタケが安全かどうか、現時点ではわかっていないようです。

 元からスギヒラタケに含まれる複数の成分が関与して、急性脳症が起きるのではないか・・・とも考えられています。

 昔は食べていたから大丈夫。

 自分は食べたけど大丈夫だった。

 そんな曖昧で科学的な根拠もない理由で、人に勧めたり、食べたりしないようにしましょう。

 

 前回大丈夫だったとしても、今回も大丈夫と言い切れますか?

 自分は大丈夫だけど、他の方も大丈夫と言い切れますか?

 言い切るなら、その根拠は何でしょうか?

 スギヒラタケが食べられないことは、残念なことかもしれませんが、人命の方が大切です!

 

※2016年12月の記事を改編

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ドクツルタケ

2020年10月09日 | キノコ・菌類のお話

 ”殺しの天使”という異名を持つ毒キノコ「ドクツルタケ」。

 広葉樹林だけでなく、針葉樹林の林床にも生え、非常に身近で、よく見かける毒キノコです。

 全体が白色のキノコで、”ツバ”と”ツボ”がある特徴的な毒キノコです。

 

 食べてしまうと、嘔吐、腹痛、下痢、肝臓や腎臓の機能障害といった症状を起こし、最悪、死に至ることもある本当に恐ろしい毒キノコです。

 

 基本的に、ツバとツボがあるキノコは、毒キノコが多いので、絶対的な自信がない場合は、食べないことをオススメします(^_^;)。

 「これ、美味しいよ~」と勧められても、キノコにツバとツボがあって、見分ける自信が無い場合は、絶対に食べないことをお勧めします。

 安易に「キノコに詳しい方が大丈夫って言うから安心♪」は危険です。

 実際、それで中毒を起こした事例は多くあるので・・・・(>_<)。

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オオワライタケ

2020年10月04日 | キノコ・菌類のお話

 シイノキ、ミズナラ、ブナなど広葉樹の枯れた幹に発生する毒キノコ「オオワライタケ」。

 発生時期は、夏~秋(8~10月)。
 カサの直径は5~15cm、色は褐色~黄褐色で基本的に黄色を帯び、真ん中の色が濃くなります。
 
 オオワライダケは、はじめ饅頭型で、成長していくと徐々にカサが開き、平らになります。

 オオワライタケの柄は、色は淡黄色、長さ5~15cm、全体的にささくれており、柄の上部にツバがあります。
 
 オオワライタケの肉を噛むと、とても苦いです。
 シイノキなどの広葉樹に発生する黄色っぽいキノコで、囓ってみると苦いキノコは、オオワライタケって、覚えてイイと思います。
 ただし、オオワライタケは、神経系の毒キノコなので、絶対に食べないで下さい。囓っても、はき出して下さい。
 
 
 オオワライタケを食べてしまった場合、異常な興奮、幻覚、意識障害などが起こると言われています。
 なので、絶対に食べないで下さい。
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ボーベリア・バッシアーナ(Beauveria bassiana)

2020年09月30日 | キノコ・菌類のお話

 山の中で、真っ白になった虫の死体を見かけませんか?

 この菌は虫に寄生する菌で、「ボーベリア菌」といいます。

 正式には、Beauveria bassiana(ボーベリア・バッシアーナ)といい、「白きょう病菌」や「黄きょう病菌」とも言います。

 昆虫に感染するボーベリア菌は、生物農薬としても研究されています。

 森林・林業分野で言うと、マツ枯れを引き起こす「マツノマダラカミキリ」に対する研究の1つとして進められ、生物農薬として登録されています。

 ボーベリア菌は、カミキリムシだけでなく、セミ、カマキリ、バッタなどにも感染します。

 

 この時期は、キノコ観察やキノコ狩りもいいけど、菌に寄生された昆虫観察も楽しいです。

 ちょっと、悪趣味なのかな(^_^;)。

※2016年9月の記事を改編

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