はぐくみ幸房@山いこら♪

「森を育み、人を育み、幸せ育む」がコンセプト。株式会社はぐくみ幸房のブログです。色々な森の楽しさ共有してます♪

昆虫食「スギノアカネトラカミキリ幼虫」

2015年11月30日 | 資源利用(獣類・昆虫食)のお話

 木材界の憎き害虫と言っても過言ではない「スギノアカネトラカミキリ(以下、アカネ)」。

 
 仕事の関係で、幼虫が入ったヒノキ材をゲット

 

 材内に潜む幼虫を取り出し…
  合計4匹をゲット

 

 そして、ふと上を見上げると、トンビが集まっている・・・

 

 もしや

 アカネの幼虫を狙って、集まってきたのか

 素早く、アカネの幼虫4匹を握りしめ、家の中へ

 

 
 トンビから逃れ、落ち着いたところで、いつものごとく、フライパンで炒める。

 今回は、ストーブの熱を利用しました



 幼虫がコロコロしたら完成

 いただきま~す

 お味は…



 表面はパリッ

 中身はクリーミーでジューシー


 美味〜い

 しかも、ヒノキの香りがする

 口の中で広がるヒノキの香りがミントみたく爽快

 これはハマる

 

 アカネの新たな防除は「喰う」ですね

 そもそも、アカネの幼虫なんてなかなか手に入らない

 ましてや、食べるなんて機会、滅多にない

 付加価値の高い昆虫食として期待大

 これで、枝打ちの費用も回収できる

 あ〜、でも枝打ちしたら食べられへん

 

以下、アカネに関する記事

「アカネ材を使おう!・・・・」

  http://blog.goo.ne.jp/yamaikora/e/402b4e269199c80756055d55a6676e3d

 

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タマミズキ 実

2015年11月29日 | 樹木・草花のお話

 この時期になると、和歌山県の常緑樹林では、赤い実が良く目立つ「タマミズキ」という樹木が目につきます。

 正確には、10月~11月頃に赤い実を付けているんですが、ヤマザクラやウルシなどの紅葉に混じって、目立ちません。

 なので、それら樹木の葉が落葉した、この時期に目立つというわけです。

 我が家の裏山にも何本か生えています

Tamamizuki01 拡大→ Tamamizuki02

Tamamizuki04(落ちてた実)

Tamamizuki03(落ち葉)

 

 タマミズキはモチノキ科の樹木で、常緑樹に紛れて、よく生えています。

 裏山にあるタマミズキは、シカによって、剥皮されていましたが、枯れずに生きています

Tamamizuki_shikahakuhi

 これだけ、剥皮されても生き残っています

 

 ちなみにタマミズキのほかにも「イイギリ」という木も、この時期に赤い実が残っています。

Iigiri(ブドウみたいな付き方なので、違いは一目瞭然

 

 タマミズキもイイギリも、年を明けても残っていることが多く、あまり鳥たちが「好まない実」なのかもしれません

 

 ここからは、僕の(いつもの)妄想ですが、あまり鳥たちが好まない実をつけるのは、タマミズキやイイギリが子孫を残す1つの戦略ではないか。

 いくら鳥たちが好まないとはいえ、エサが少ない冬の時期に、木の実を残すなんて勿体ない

 ということは、タマミズキやイイギリの実を食べなくても、エサが豊富にあるのではないか?

 となると、エサが少ない年だと、仕方なく、タマミズキやイイギリの実を食べるしかない。

 そしt、え食べられた木の実は、鳥の糞とともに種も排出される。

 ほかの木の実が少ない時期、つまり、ライバルが少ない時期に、タマミズキやイイギリの実が食べられて、種を鳥たちに散布させるという戦略

 

 それっぽく聞こえますが、あくまで、妄想です。

 真剣に探せば、正しく書かれた文献があるかもしれませんね・・・・。

 知っている方、いらっしゃいましたら、教えて下さい

 

 ※2014年1月5日 初回投稿

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素人でも、伐採が上手になるため、伐採後に確認すべきこと

2015年11月26日 | 現場技術・安全管理・道具のお話

 たま~に、仕事やプライベートで、立木を伐採することがあるんですが、素人なりに、伐採技術を高めるために意識していることがあります。

 素人でも、上手になりたい

 

 今回、ヒノキ林で、何本か伐採をしました。

 伐採後は、いつも、伐採した株を真上・真正面・真横から事後確認を行います。

 

 まず、真上。

  

 青線が追い口、赤線が受け口、緑線がつるの部分を示しています。

 真上から見る場合、緑線で表す「つる」がきれいな形になっているか。

 写真上側と下側の、つるの幅に差があって、形が崩れていると、伐倒方向に狂いが生じます。

 これは、まぁまぁ・・・。

 イマイチだったものが、下の写真。

 黄緑色で囲った部分が「つる」にならないといけなかった事例。

 手前の追い口を伐りすぎた・・・。

 

 次に、真正面。

 青線が追い口、赤線が受け口。

 平行になっているか、確認します。(これも、まぁまぁの出来。)

 下の写真で示す点線のようになると、伐倒方向に狂いが生じます。

 点線のようになっているなら、チェーンソーがまっすぐに使えるように意識をしないといけません。

 例えば、よく手前が下がり気味になっているなら、少し手元を上に上げるように意識しないといけません。

 

 最後に真横。

 これも、青線が追い口、赤線が受け口。

 真正面と同様に、色で示した追い口と受け口のラインが平行になっているかを確認します。

 下の写真のように、下になったり、上になったりすると、伐倒方向に狂いが生じます。

 

 

 と、このように、伐採したら、必ず切り株を確認し、チェーンソーを思うように扱っていることが出来ているかを確認しています。

 何度も確認し、意識しながら扱い方を直し、それを体で覚える。

 思うような伐採が出来たり、きれいな切り株が出来ると、楽しいし、嬉しい。

 逆に、はずかしい切り株ができると、株を切り直して、その部分を消去証拠隠滅

 技術の未熟さを露呈する証拠物を現場に残すなんて、しかも十数年も・・・恥ずかしい

 

 立木の伐採は、倒れるときの快感がたまりません。

 でも、その後の切り株確認を怠ると、なかなか技術は上達しないと思っています。

 最近は、倒れるときの快感より、自分が理想とする切り株に近しいものが出来たときの方が快感

 

 ちなみに、上らの写真を見ていると、つるが効いていないように見えますが、今回の伐採現場は、すぐに掛かり木になるような現場でしたので、そのように見えているだけで、つるはきちんと効きましたよ(弁明)。

 思うように伐倒することができたものも多く、中には、倒れる直前に「あ~・・」と感じて、枝が絡み合うような掛かり木もありましたが・・・。

 

 機械を思うように扱える。

 カッコエエ~ですね

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クガビル シーボルトミミズに喰らい付く!

2015年11月23日 | 昆虫類+αのお話

 雨の日に現場に出るからこそ、出会える生き物「クガビル」

 ミミズを丸呑みするグロい姿で有名な環形動物です。

 名前にヒルって付きますが、吸血はしません。

 ただただ、ミミズを丸呑みします

 この日は、でっかいミミズ「シーボルトミミズ」に喰らい付いているクガビルに出会いました

 

 

 最後まで丸呑みする様子を見ていたかったのですが、仕事中だったので・・・

 ヘビもミミズを丸呑みしますが、クガビルの丸呑みは、さらにグロい

 

 目がない生き物が目がない生き物を丸呑みする。

 グロイわ~・・・

 

 ちなみに、以前のクガビルに関する記事はこちら → http://blog.goo.ne.jp/yamaikora/e/13a9034a1d24c642ddc7ea51698ef1f6

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ヒノキの黄葉・・・

2015年11月22日 | 樹木の病気・森林被害のお話

 和歌山県の話で、恐縮ですが・・・、9月から10月にかけて、雨がほとんど降らなかったためか、ヒノキの黄葉が目立ってます。

 黄葉・・・というと誤解を受けそうですが、イチョウのような黄葉ではなく、幹に近い、一部分の葉が黄葉してるヒノキが多い。



 雨が少なかったから衰弱してるんかな~と思いながら、観察してます

 水分不足になった樹木は、葉からの水分の蒸発を防ぐため、葉の気孔を閉じます。
 気孔を閉じるとガス交換が出来ないので、光合成が行えません。
 光合成ができないと養分が生産できません。
 葉を維持するため、エネルギーを消費してるので、養分が生産できない不要な葉は落とされます。

 つまり、光合成で生産した養分が、その葉を維持するために必要なエネルギーを下回る(マイナス収支になる)と、不要と見なされ、落葉します。
 その前に、葉の中にある養分を回収し、その過程で、カロチノイドが現れて、黄葉すると…いうことですね。

 数日前に、雨が降ったので、元気になって欲しいですね。

 ガンバレ黄葉ヒノキ

 (枯れたら、山主の資産が下がってしまう。枯れたらアカン何としても這い上がれ

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ツチハンミョウ②

2015年11月21日 | 昆虫類+αのお話

 先日、シカの調査で植栽地の周辺を徘徊していたら・・・

 

 ツチハンミョウを発見

 ず~と前にもツチハンミョウネタを紹介したので、重複してしまいますが、野外では気を付けたい昆虫の1つです。

 ”カンタリジン”という成分を含む毒液をもち、うっかり触ってしまうと、水膨れがおこり、ただれてしまいます(ヒェ~

 ツチハンミョウをツンツンすると脚の関節部分から黄色い毒液を出します。

 しかし、毒だけではありません。

 悪性腫瘍や皮膚病の治療に使う漢方薬にもなるそうです。

 あと、ウソかホントか分かりませんが、ツチハンミョウを粉末にし、それをご飯粒を混ぜて、頭に塗ると発毛するそうです・・・

 そう。

 ツチハンミョウは、漢方薬と発毛剤になる昆虫なのです。

 

 もう1つ、恐ろしいお話

 江戸時代では吹き矢の毒にも使われていたらしい・・・
 
 よく図鑑などにも「吹き矢の毒はハンミョウの毒を使用した」と書かれていますが、このハンミョウとは、通常のハンミョウではなく、このツチハンミョウのことを言います。

(←普通のハンミョウ。毒はありません。)


 この毒液が体内に入ると、ヤバイとのこと。
 致死量は30mg

(この黄色い毒液が危険・・・)

 
 あと、ツチハンミョウは、種類にもよりますが、産卵数が5千個~1万個、1万7千個というデータもあります。

 幼虫の死亡率が非常に高いので、卵をたくさん産みます。

 簡単に生態を説明すると・・・・

 ・成虫は、早春に大量の卵を地中に産卵。

 ・幼虫は、約3週間ほどで孵化。

 ・孵化した幼虫は、タンポポなどの花の上に登り、ハナバチが来るのを待つ。

 ・やってきたハナバチの脚に幼虫がしがみつき、そのままハナバチの巣へ向かう。

 ・巣に運ばれた幼虫は、ハナバチの卵を食べ、巣にある蜜や花粉も食べて、成虫になる。

 ・しかし、ツチハンミョウの幼虫は、花にやってきた虫なら何にでもとりつく。
  ミツバチが来たらミツバチに、ハナアブが来たらハナアブにとりつく。

 ・ハナバチ以外にとりついた時点で、その幼虫はOUT
  ハナバチが一生来ないことも・・・

 というわけで、幼虫は絶対にハナバチの巣に辿り着かないと、生き残れないというミラクルな生活スタイルをもっています。
 ハナバチが減少すると、ツチハンミョウが絶滅する危機に陥るとということですね

 個人的には、このミラクルな生活スタイルに惹かれ、ツチハンミョウが好きです。

 見つけたら、とりあえず毒液を絞り出す。

 でも、見つけても、絶対に素手で捕まえたり、触ったりしないでくださいね
 危険ですよ 

 

 あっ、毒液は絞り出すだけで、集めたりしていませんよ・・・・

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CLT製造原価のシミュレーション

2015年11月19日 | 現場技術・安全管理・道具のお話

 2015年11月14日~15日、和歌山大学で林業経済学会秋季大会が開催されました。

 林業経済に関わる報告・・・という、お金が絡みそうなお話が聞きたくて、2日間とも参加してきました。

 ウバメガシ林の経済評価、家具の流通、市町村の林務行政、木材価格予測分析など面白い話はいくつもあったんですが、その中で、CLT製造原価のシミュレーションの試みという報告を聞いて、複雑な気持ちに・・・

 

 新たな木材需要を生み出せるとして、期待・注目されているCLT。

 (CLTをご存知ない方は、こちら→http://clta.jp/clt/

 昨年の今頃?に林野庁が、CLTの普及に関するロードマップを発表しました。

 その中に、「CLTの生産体制を構築・・・CLTの製造価格が7~8万円/m3となり、RC造等と価格面で対抗可能」と書かれています。(左下の方です。)

 

 で、今回お聞きした「CLT製造原価におけるシミュレーションの試み」のご報告は、製造単価7~8万円/m3をベースに行われた発表です。

 ざっくり、内容をまとめますと、

 設定には、変数値・固定値があるんですが、ここでは省略させていただき、「CLTの製造単価を7万円/m3にするには」という、単純な結果だけのお話にします。

 シミュレーションの結果としては、販売単価の内訳として、KDラミナ単価が大きく占めるため、製造原価はKDラミナの単価が大きく響くということ。

 コストに影響を与える変数値は、「KDラミナ単価」と「歩留り」で、それ以外は1%前後か、1%未満・・・。

 今回行われたシミュレーションの試算結果は、生産量の増加、KDラミナ単価の引き下げ・歩留りの向上が重要で、低質ラミナの利用やラミナの安定供給が課題であるとご報告されました。

 最終的にはCLT工法とRC等他工法の建築物としての生涯費用を比較していくとのことです。

 (製造原価で対抗できても、全体工事費で対抗できなければ、本末転倒ですから。)

 

 

 KDラミナの単価が34,000円/m3(別の試算でも38,000円/m3)。

 ということは、山元に残る、山主さんに残るお金は、何円/m3なのか?

 RC造と価格帯で対抗できれば、CLTによる木材の需要拡大は図れるとかもしれませんが、肝心の山元にお金が残らないのでは?

 まぁ、試算しなくてもラミナ単価がキーポイントであることは、百も承知でしたが、改めて、数字で表されてみると、恐ろしい話だなと思いました。

 加えて、低質ラミナにまで手を出せば、バイオマス発電用の材とも競争しそうです(というか、する。)

 

 この報告を聞いて、改めて疑問に思ったんですが、

 

  CLTを普及して、木材の新規需要を拡大したいだけなのか?

  CLTを普及して、少しでも山元にお金が残るように(林業復興の一助に)したいのか?

 

 少なくとも、ラミナ単価34,000円/mと言われたら、目的は前者なのかなと思ってしまいます・・・。

 CLTの素材を生み出すのは山元です。

 その山元にお金が残るような仕組みにしないと・・・

 RC造と対抗するために価格帯を下げようとするのであれば、やはり目的は前者・・・になるのかと。

 34,000円/m3と言われれば、色々と不安に。

 

 さらに、

  山元にお金が残らないなら、素材(木)を出さない。

  出さないとなると、木材が安定的に供給されない。

  安定的に供給されないということは、素材が集まらないから、製造できない。

  製造できないと、工場は困る。

  工場を稼働させるために、なんとか素材を集めたい。でも、安い値段で・・・すると、山から木がでてこない。

  山から木が出てこないなら、海を渡ってくる木を使おう。

  海を渡る木は、ラミナの状態で品質が均一で大量に入ってくる。

  工場で外材のCLTが作られる。

 ということにもなりかねない・・・。

 

 とまぁ、シミュレーション結果をお聞きして、色々と不安になった次第です。

  

 ところで、以前から気にしていることがあります(というか、危惧していること。)。

 近年、CLT、LVLと無垢以外の使われ方の普及が多いような気がします。

 今の20代、そして次代を担う子供たちが、「木造建築物はCLT・集成材・LVLが当たり前」という認識になってしまわないか・・・ということです。

 要は「木材を無垢で使う」という発想がなくなってしまうのではないか・・・ということです。

 「無垢って何?」

 「節?、無節?、上小節?」

 「接着剤を使っていないの?この柱、大丈夫?」

 って、言われないのか?

  ※今の20代に黒電話やピンクの公衆電話を使わせてみると、ダイヤルを回さずに、押すって言うじゃないですか。

  以前に、長男と次男に同じことをさせてみたら、ダイヤルを回さずに押した!!

 

 木材需要の底上げとして、CLTの普及もいいと思いますが、やはり、同時進行で無垢材の普及にも取り組まないと

 

 良い木材で良いものを作る。

 良い木材を使った後に残った原木や木材で、ラミナなどそこそこの物を。

 最終的に残った質が低めの木材は、チップなどに。

 良いものから順々に作って、余すところなく使うのが「カスケード利用」のハズ。

 

 と、最後はシミュレーションとは、無関係な話になりましたが・・・。

 あくまで、シミュレーションですが、ラミナ単価34,000円/㎥って、恐ろしい話です。

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再造林における植栽樹種の選択

2015年11月16日 | 森林管理・森林空間・森林整備のお話

 以前にお話した低コスト造林に関連して、再造林でスギ・ヒノキ以外に適した樹種とは・・・。

 という妄想に、今回は、お付き合い下さい

 しかも、長いんです。ゴメンナサイ

 まず、ここでいう適した樹種とは、林業経営としてスギ・ヒノキ以外に適した樹種という意味です。(スギ・ヒノキとありますが、カラマツなど一般用材に向けの樹種も広義的に含みます。)

 まぁ、以前にも同じような事を書きましたが、シイタケ原木のコナラやクヌギ、和歌山県なら紀州備長炭の原木のウバメガシが現実的かと。

(その時の記事はこちら → http://blog.goo.ne.jp/yamaikora/e/4e02a1eeb5e28ab9c7c907813ce8e9ef )

 以下、僕の妄想。

■理由1(妄想)
 スギ・ヒノキの価値とコナラ・ウバメガシの価値に差がない(というか逆転してる?)。

 ウバメガシの根拠は、先日(11/14-15)行われた林業経済学会2015年秋季大会において、「持続可能な備長炭原木生産に向けたウバメガシ育林の経済性評価」というタイトルで発表が行われました。

 結論的には、スギ・ヒノキ林よりもウバメガシ林の方が経済性が高いとなっています。

 (その内容については、学会HPの「要旨(統合)」または「要旨(A会場)」からご確認できます。

  学会HPはこちら→ http://www.jfes.org/kenkyukai/JFES_2015_Fall/2015_fall.html

 ※この要旨を見て、「ん?」と思う方がいるかと思いますが、気にせず、サラッと流してください。

 次に、コナラやクヌギ。

 林野庁の統計で発表されているシイタケ原木の単価と製材用のスギ・ヒノキ中丸太の単価を比較してみました。

 

 昭和45年から平成25年までの単価の変動が分かりやすいようグラフにしてみました。

 見比べると差がない・・・というか、コナラやクヌギの方が高くなってます。

 スギ・ヒノキの単価自体が相場制で、季節変動もあるし、比較対象も製材用の中丸太(直径14cm以上30cm未満)なので、一概には言えませんが・・・

 でも、スギ・ヒノキの伐期とコナラ・クヌギの伐期、再造林のコストを考えると、ウバメガシ林同様、経済性は後者の方が高いかなと・・・あっ、それは次の理由ですね。

■理由2(妄想)

 植栽から主伐までの1サイクルがコナラ・ウバメガシの方が圧倒的に短い。

 スギ・ヒノキの1サイクルを50年とした場合、コナラ・ウバメガシなら2〜3サイクルできるかな。

 加えて、萌芽更新が可能だから、伐採後の再造林が不要

 逆に、スギ・ヒノキは伐採したら植栽は必須

 この時点で植栽という投資費用の差が出る。



 

■理由3(妄想)

 需要と流通ルートができてるので、乗っかかりやすい。

 シイタケ原木は東日本大震災以降、安定供給が難しくなってます。

 営業先は生産者やJA、菌種メーカーかな。

 ただし、原木シイタケの生産者が減少しつつあるので、対応が遅れた分だけ損するかも…?

 何にせよ、供給できる体制を整え、信頼を得ないといけないので、早い者勝ち的なとこはある…?

 

 とまぁ、コナラ・ウバメガシを再造林の樹種として、選択する理由はこんな感じかと…

 簡単にまとめると…

 ①スギ・ヒノキとの価値に差が少ない(というか逆転してる?)。

 ②萌芽更新で再造林が不要。

 ③需要もある。特に備長炭はブランド品という強みがある。

 しかし、課題もあります。

●課題1(妄想)

 需要と供給のバランスがわかりにくい。
 市場というものがあまり存在しないので、問題点が浮き彫りになりにくいかな・・・。

●課題2(妄想)

 伐採と萌芽更新という循環かつ安定供給が可能な山になるまでに必要な施業とその期間、経費に関する情報が少ない。

 ましてやスギ・ヒノキの後に植栽となると…。

 

課題3(妄想)

 循環かつ安定供給が可能なな山づくりを目指すには伐採者の技術や意識が重要。

 次も、この山で伐らしてもらうなら、山主との信頼関係を築かないといけないと思う。

 

 ちなみに、この妄想の発端は、和歌山県に多い大規模山主が、スギ・ヒノキ以外で安定的な副収入を得る方法がないか…と考えていたとき、

 と、同時に、

 ナラ枯れ対策をどうしよう・・・と考えていたら・・・

 2つの悩みが出会い、回答がぴったりと寄り添え会えたからです。

 もう・・・3〜4年越しの妄想になるかな〜

 ウバメガシ林の循環施業を可能とする択伐技術を取り入れている炭焼きさんなら、年間で1〜1.5haのウバメガシ林が必要だそうです。

 ウバメガシ林の回帰年数を20年としたら、20〜30haのウバメガシ林があれば1人の炭焼きさんを一生雇えますので、毎年、炭焼きから収入が入ることになります。

 (2人なら収入が2倍、3人なら3倍!)

 しかも、立木売りなので、山主負担は0。

 得た利益でインフラ整備してもいいし、蓄えてもいいと思います。

 

 また、スギ・ヒノキとコナラ・ウバメガシは、生育環境を住み分け出来るので、スギ・ヒノキに適さない痩せ気味の土地にコナラ・ウバメガシを植えると言う手もアリかと思います。

 今のスギ・ヒノキの需要や価格を考えると、スギ・ヒノキだけの林業経営では、色々とリスクが高いと思うので、リスク分散と安定的な副収入を視野に入れ、コナラ・ウバメガシが再造林の対象樹種として十分に考えられる。

 そんな妄想です。

 最後までお付き合いいただいた方

 本当にありがとうございます

 m(_ _)m。

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マムシ酒

2015年11月08日 | 資源利用(獣類・昆虫食)のお話

 マムシ酒って、飲んだことありますか?

 

 マムシをGET!したら、絶対に作ってしまう(^o^)。

 とういか、マムシを見つけたら、お酒にしか見えない(^_^;)。

 

 マムシを捕まえたら、3ヶ月ほど水に漬け、排泄物など体内のものを出させます。

 3ヶ月間、水が汚れたら入れ替える、を繰り返すだけです。

 マムシを入れる容器は、一升瓶やペットボトルでOKです。

 マムシをお酒に漬けるとき、入れ替えるのが面倒なので、僕は初めからお酒に漬ける瓶にマムシを水に浸けています。

 

 マムシ酒に使うお酒は、アルコール度数35%以上なら何でもOKです。

 果実酒と同じで、35%未満だと中身が腐敗したり、カビが生えたりしてしまうので。

 マムシそのものの香りを楽しみたい方は、ホワイトリカーがオススメです(^_^;)

 

 トクトクトク・・・と、ホワイトリカーを注いだら完成です。

 お酒を注ぐときは、「じょうご」を使って、瓶の口からマムシが飛び出さない様にして下さい。

 そのまま注いでしまうと、お酒を嫌がるマムシが、口からポーンっと、出てきます(>_<)。

 

 あとは、この状態で冷暗所に1年間寝かせたら完成です(^o^)

 

 なお、マムシ酒は、お酒として楽しむものではなく、お薬です。

 風邪の引き始めとか、体調が優れないときに飲むと、元気になります。

 臭いけど・・・。

 

 あと、ブランデーで作ってもオシャレですよ。

 マムシ酒にオシャレとか、あるのか、分からないけど・・・。

 でも、ホワイトリカーよりブランデーの方が、僕は飲みやすい(^_^)v

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シカ肉カレー

2015年11月07日 | 資源利用(獣類・昆虫食)のお話

 今、仕事の関係でシカを捕獲してるんですが、目的が徐々にお肉を求めるように・・

 前回、焼肉でセミの美味さを知ってしまったからかな・・・

 

 個人的には、シカは捕獲した時点で「山の資源」だと思っているので、お肉は美味しくいただきたい

 美味しくいただくには、色々なシカ肉料理にチャレンジしたい

 というわけで、今回は「シカ肉カレー」にチャレンジ

 残念ながら、セミがないので、もも肉で

 もも肉は、いつも通り、すじを取り除いて、一口サイズに。

 もちろん、長男と次男が食べられるような一口サイズに

(右上が取り除いたスジ。今日のもも肉はスジが少なかった

 臭みを消すために、30分ほど日本酒に漬けこみます。

 ついでに、お肉を軟らかくするために、”羅漢果顆粒”も加えます。

 羅漢果顆粒?と思った方は、こちらをご覧ください。 → http://rakanka.mobi/

 我が家では、いつも、砂糖の代わりに羅漢果顆粒を使っています。

 

 ジャガイモとタマネギを加えて、一緒に煮込みます。

 ニンジンがなかったので、色合いが少し寂しいけど・・・。

 

 で、完成。

 

 長男と次男の感想は・・・・

 「美味しい

 

 特に次男は味にうるさいので、少しでも変な味や香りがすると食べません・・・

 お肉が固いと、ガムのように噛んでから、捨てられます

 そんな次男も完食

 「お肉軟らか~い」と合格点だったようです。

 さらに長男は、パンにつけて食べだしたり・・・

 

 お二方も大喜びで、お父ちゃんは何よりです

 これだけ喜んでくれたら、シカも喜んでるよ

 きっと、「僕も捕まえて」って、思っているかも。待っているかも

 ふふふ・・。

 

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