はぐくみ幸房@山いこら♪

「森を育み、人を育み、幸せ育む」がコンセプト。株式会社はぐくみ幸房のブログです。色々な森の楽しさ共有してます♪

LVL

2020年08月31日 | 資源利用(木材・特用林産物)のお話

 ずーっと以前のことですが、LVL工場を見学させていただきました。

 LVLとは、丸太をかつら剥きした単板を、繊維方向をすべて平行(揃えて)に、積層接着した木材で、単板積層材ともいいます。

 図でイメージするとこんな感じ。

 ちなみに、単板の繊維方向を交互に重ねたものが「合板」です。

 

 機械に固定された丸太を回転させ、大根のかつらむき如く、単板を作っていきます。

 

 丸太は、みるみるうちに細くなっていきます(動画を撮っておけばよかった(T_T))。

 

 丸太があっという間に単板に。

 

 なんか、印刷工場みたいですね。

 

 単板を1枚ずつ、少しずらしながら重ねて、接着剤を塗布。

 

 そして、プレスして、単板を接着。これが1次接着です。

  

 こうして、出来たものを2つ3つと重ね合わせて、LVLになります。

 見学させていただいた当時の工場では、最大で、長さ1200cm×幅60cm×厚さ60cmのLVLを製造されていました。

 

 完成したLVL。

   

 こちらは合板。

 合板はLVLと同じく、丸太をかつら剥きにしますが、単板の重ね方が異なります。

 重複しますが、LVLは繊維方向を平行に、合板は繊維方向を交互に張り合わせます。

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外材

2020年08月26日 | 資源利用(木材・特用林産物)のお話

 約10年前、外材を取り扱う商社にお邪魔したときに、東京木材埠頭を訪ねました。

 いやー、ホントに、すっごい量の輸入製材(外材)が並んでました・・・。

 10年前の話になりますが、毎月、約15万㎥の外材がここに集められていました。

 ただ、この時は、例年の取扱量より少なかったから、実際は、これよりも多いんでしょうね。

 

 北洋材(ロシア材)のTMバイカル。

 

太陽のマークみたいな包装は、フィンランドとスウェーデンの木材会社、STORAENSO(ストラエンソー)。

 

  

 ここに集まる輸入製材は、実に多種多様で、集成材・合板・LVL・MDF・集成材用ラミナなどなど。

 さらに、カナダ、アメリカ、ルーマニア、フィンランド、インドネシアと、輸入元の国も様々です。

  

 サンタクロースのパッケージが印象的な「Anaika」。

 さすが、サンタの故郷、フィンランド(^o^)。

 10年前のことですが、初めて外材の流通規模に触れ、ホント、驚いた・・・・。

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川いこら♪ 2020

2020年08月22日 | 思いつくままの雑多なお話

 僕たちの地域は、とてもキレイな川が流れていて、お盆休みや大型連休になると、都市部から多くの方が遊びに来られます。

 いつもは、ひっそりとしている僕たちの地域も、この時期はワイワイ、ガヤガヤで、道路際に車が並びます(^_^;)。

 主要道路はバイクも走るし、大型トラックも走るので、川遊びに来た車が並ぶと、1.5車線になって、走る車も駐車する車も危ないので、毎回、見ているだけでヒヤヒヤします・・・。

 

 こんな時は、地元特権!誰も寄りつかない上流での川遊びを満喫(^_^)。

 

 まずはBBQ♪。

 川には流木が多く、暑い日が続くと、しっかりと乾燥しているので、燃料には困りません!

 現地調達で十分なので、炭なんて不要!

 子供達も、この時だけは、立ち食いOK!、手でつかんで食べてもOK!なので、嬉しそう(^_^)。

 何より、外で食べる食事ほど、美味しいものはない!!

 当然ですが、自分たちが生み出したゴミだけでなく、元々あったゴミも気づいたら、持って帰りましょう。

 来たときよりも美しくして帰ることが、自然の中で遊ぶときのルール・鉄則です!!

 

 食材を買ってきて、焼くのもいいけど、現地調達した魚も、最高に美味しい!

 アミの中にエサを仕掛けて、魚が近づくのを、水中で待ち続ける(^o^)。

 ちなみに、エサは素麺。

 網にべっとり付着するので、流されないし、魚の食いつきもvery good!

 

 わずか1~2分で、大量大量(^_^)v

 同時に6~7匹捕まえることも可能です。

 

 今回は、上流での川遊びだったので、GETした魚は、

 タカハヤ。

 頭と内臓を取り出して、塩焼き♪。

 川魚独特の香りはあるものの、美味です。

 

 あと、アマゴ。サイコー(^o^)

 し・か・し、漁業権とかあるといけないので、食べずに放流です(T_T)。

 

 下流だとカワムツやオイカワが多いけど、上流にいくとタカハヤやアマゴに出会える。

 遊ぶ川を変えて、色んな魚をGET&食べ比べは、ホント、楽しいです!

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ホテイアオイ

2020年08月21日 | 樹木・草花のお話

 水面を覆うホテイアオイ。

 カワイイ花を咲かせますが、このホテイアオイは外来種です。

 

 明治時代(中期)にアメリカから輸入され、繁殖力が旺盛なため、日本在来の水生植物を脅かしています(>_<)。

 外来生物法では、「要注意外来生物」に指定され、世界の侵略底外来種ワースト100と日本の侵略的外来種ワースト100にノミネートされ、オーストラリアでは持ち込み禁止になっています(^_^;)。

 一応、日本でも移入規制をしている地域もありますが、メダカの水槽や観賞用として、「ホテイソウ」、「ウォーターヒヤシンス」という名で販売されています。

 

 株から分かれていくので、どんどん増え、溜池・河川・水路の一面を覆い尽くしてしまいます。

 こんな感じに・・・

 ハスなど日本在来の水生植物は、ホテイアオイの侵略によって、住処を奪われてしまいます。

 植物の住処が奪われるだけではなく、漁業の障害や船舶の運航障害など産業にも影響を与えています。

 そして、水流阻害にもなるので、溜め池の水が必要!となったとき、大量のホテイアオイが邪魔になって、水を吸い出せない!なんてことも・・・。

 

 例えば、火事が発生し、溜め池の水で消火しようと思ったら、ホテイアオイが邪魔で、スムーズに吸水できない!なんて可能性も0ではないかもしれません(>_<)。

 

 自然環境や生活環境に影響を与えかねないホテイアオイ。

 身近に存在していたら、その影響を危惧して下さい。

 そして、家庭の水槽や池で鑑賞を楽しむ程度にし、要らなくなっても付近の水辺に捨てたりしないようにしましょう(^_^)。

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ヤギ

2020年08月16日 | 思いつくままの雑多なお話

 我が家では、ヤギを飼っています。

 

 飼育目的は「草刈り」!

 

 草を刈って欲しい場所に繋いでおくと、

 

 半日で、丸刈り!

 食休み中のヤギちゃん

 

 気をつけないと、作物も食べられちゃうけど、草刈りがめっちゃ楽ぅ~!

 アジサイとか彼岸花とか、食べてはいけないものもあるので、気をつけないといけませんが、ヤギ飼いサイコー!

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ニホンマムシ

2020年08月15日 | 爬虫類・両生類のお話

 日本の代表的な毒ヘビ「ニホンマムシ」。

 マムシはアオダイショウやシマヘビなどに比べると、動きが遅いヘビです。

 人が近づいても、マムシはジィーッしていることが多いので、意外とマムシの存在に気づきません。

 アオダイショウや同じ毒ヘビのヤマカガシなどは、すぐに逃げ出すので、存在に気付く前に離れてくれることが多々あると思います。

 個人的な考えですが、マムシとしては、「静かにやり過ごそうとしている」のではないかなーっと思っています。

 

 動画でもニホンマムシについて、簡単ですが、紹介しているので、よろしければ、こちらもどうぞ。

森の知識はぐくMOVIE「ニホンマムシ」

 

 

 マムシは、周囲の色にとけ込むような色と模様なので、落ち葉が多い場所では、見つけにくい(>_<)。

 人が近づいても、素早く逃げない上、ジッとしていて、色と模様が周囲にとけこんで、見つけにくい

 結果、気づかないうちに「マムシと接近」というニアミスが起こり、咬まれる・・・という事例が多いのではないかと思います。

 捕まえようとして、咬まれる事例もありますが、一応、それは論外で(^_^;)・・・

 

 山菜やキノコを採ろうとした時。

 休憩しようと地面に手をついて、座ろうとした時。

 登ろうと岩の隙間に手を入れた時。

 など、地面に手を近づけたときに咬まれる事例が多いようです。

 

 他にも、素足+サンダルという状態で、茂みの中を歩いてガブッ、マムシの目の前を歩いたしまいガブッ、マムシを踏み付けてしまいガブッ、といった事例も。

 

 マムシに咬まれないための対策としては、

  ・長袖・長ズボン、手袋・靴下を着用し、素肌を露出しないこと。

  ・ハイカットの靴を履き、足下の咬まれる箇所を減らすこと。

  ・地面に手を近づけるときは、必ず周囲を確認すること。

  ・茂みなど視界の悪い場所を避けて歩くこと。

 

 なお、周囲にマムシがいないか、確認するときは、1m以上の棒などで地面を撫でるように、ゆっくりと振り回してください。

 上から叩き付けるように振り回すと、逆に、マムシを興奮させてしまいます。

 ヘビは地面を這う生き物なので、上からの攻撃には敏感です。

 なので、ヘビを見つけたら、1m以上の長い棒で、ヘビのお腹を優しくすくう様に押し出してあげると、あまり興奮させずに、ヘビを追い払うことができます。(というか、ヘビが自ら移動してくれます。)

 

 なぜ、棒の長さが1m以上なのか?

 ヘビの攻撃範囲は、体長の1/3~1/2と言われています。

 例えば、2mのハブなら攻撃範囲は約66cm~1m

 マムシの体長は最大で60cm程度なので、攻撃範囲は20~30cm。

 つまり、1m以上の長さの棒があれば、2m近くのヘビも十分に追い払うことが出来るからです。

 

 ちなみに、僕の師匠は、「マムシは、すれ違う直前に、一瞬、体を引くから、その音でわかる。」らしく、一緒に山へ行くと、よう捕まえていましたね・・・(^_^;)

 師匠の後ろを歩くとマムシを捕獲できないし、前を歩くと「見逃したな~」とからかわれる・・・そんな悔しい思い出が・・・(T_T)。

 あっ、でも、その音を意識しながら、毎日、山を登っていたら、分かる様になりましたよ(^o^)。

 今は、8割事務仕事なんで、その勘はほぼ失われつつありますが、調子が良いときは、その音を聞く(感じる?)ことが出来ます(^_^)v

 

 マムシの模様はくさり模様で、非常に特徴的です。

 この模様を見ると、何となく、ゾッとする方もいるんじゃないでしょうか?

 あと、お腹の模様も特徴的。(見たいからと言って、捕まえたりしないで下さいね。(^_^;))

Mamusi_hara

 マムシの特徴はクサリ型の模様に加え、しっぽが短いこと。

 まずは、くさりっぽい形した模様で、しっぽが短い感じのヘビと思ったら、直感的にマムシと覚えましょう。

 

 マムシの幼蛇も成蛇と似たような感じです。

 

 

 マムシのお顔はこんな感じ。

Mamushi_kao

 よ~く見ていただくと、目と鼻の間に、もう1つ穴があります。

 これが熱を感知する器官「ピット官」で、1秒間に千分の二~千分の三の温度差を見極めることが出来るそうです。

 

 そして、毒牙。

Mamusi_kiba02 

 大きな2本の前歯が毒牙です。

 この牙の中に毒腺があり、牙の先端に小さな穴があって、そこから毒が出てきます。

 牙に咬まれると、その穴から毒が注入される・・・ちょうど注射器のように毒が注入されます。

 注射器のように・・・といっても、牙の先端に穴があるわけではありません。

 人の指を牙に例えると、爪あたりの位置に穴があります。

 なので、マムシの牙をつっつくと、顔に向かって毒液が飛んできます・・・が、絶対にマネしないで下さい。

 

Mamusi_kiba01

 口の下側にある穴は、空気を吸うための管です。

 獲物を飲み込むときは、この管から空気を吸い込んでいます。

 

 マムシに咬まれると10~15分以内に痛みや腫れなどの症状が出てきますが、致死率は1%と非常に低いので、まずは、咬まれたら落ちつくこと

 これが1番大切です。

 興奮すると血流が早くなるので、毒の巡りも早まります。

 咬まれた箇所を心臓より高い位置にしたり、軽く縛る方法もあります。

 ただし、強く縛ると悪化する恐れもあるので、包帯など幅広いもので、軽く縛るようにします。

 毒を吸い出す「吸引器(ポイズンリムーバー)」があれば、それで毒液を吸い出します。

 絶対に、口で直接、毒液を吸い出すようなことはしないで下さい。二次感染につながる恐れがあります。

 あと、冷やす行為症状を悪化させるので、冷やさないで下さい

 咬まれたら、落ち着いて、すぐに病院へ搬送してください。

 「何もせず、落ち着いて、すぐに病院へ行く」が最大の処置とも言われています。

 

 処置も重要ですが、まずは咬まれないための対策と予防が一番重要です。

 そして、マムシを捕まえようとしないことです!

 

■関連記事■

 マムシ酒

 マムシのかば焼き

 

※2017年8月の記事を改編

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カシノナガキクイムシ サクラに穿孔

2020年08月14日 | 樹木の病気・森林被害のお話

 ナラ枯れ被害を引き起こす「カシノナガキクイムシ」(以下、カシナガ。)。

 コナラやクヌギ、ウバメガシ、アラカシなどのブナ科樹木に穿孔しますが、実は、間違って(なのか?)、ヤマモモやソメイヨシノなどに穿孔し、そのまま死んだりしています。

 

 ソメイヨシノに穿孔し、樹液に取り込まれてしまったカシナガ。

 

 フウに穿孔し、樹液で固められてしまったカシナガ。

 

 アラカシに穿孔したものの、やはり、樹液でガードされてしまったカシナガ。

 

 カシナガに穿孔されたコナラやウバメガシなどの近くにあるソメイヨシノは、間違って穿孔されていることも多々あります。

 ちなみに、穿孔されたソメイヨシノやフウは枯れません。

 

 もし、幹から樹液が流れているソメイヨシノを見つけたら、観察してみてください。

 きっと、樹液に埋もれたカシナガを見つけることが出来ると思います。

 でも、カシナガ以外の虫で、サクラに侵入する「コスカシバ」という虫もいます。

 その子は、サクラの害虫です(>_<)。

 カシナガは樹液が出るだけ、コスカシバは樹液と虫糞が出ているので、一目瞭然・・・だと思います(^_^;)

 

※2015年8月の記事を再編

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ナラ枯れ ブナ科樹木萎凋病

2020年08月13日 | 樹木の病気・森林被害のお話

 山を見ていると、ポツポツと枯れ木を見かけます。

 

 このような枯れ木に近づいて、幹に直径2ミリほどの小さな孔から、きな粉の様な木くずが、

 見つかったら、それは「ナラ枯れ」です。

 ナラ枯れの被害を受けるのは、ブナ科の樹木、つまり「ドングリの木」なので、ナラ枯れの正式名称は「ブナ科樹木萎凋病」と言います。

 そして、ナラ枯れの原因になるのは、「カシノナガキクイムシ」と言う非常に小さな昆虫です。

 拡大すると、こんな感じの昆虫です。

 

 幹の中に侵入したカシノナガキクイムシは、エサとなる酵母菌を増やします。

 メスの体に「菌のう」という菌を保有する器官があり、菌を繁殖できるのはメスなので、メスが侵入しない限り、ナラ枯れは発生しません。

 オスがメスを呼び込み、カップル成立!になると、夫婦共同作業で幹の中に孔道を掘り進み、幼虫を育てます。

 カシノナガキクイムシの体長は5ミリ程度なので、こんな小さな虫が、1匹、2匹、幹に侵入したくらいで、木は枯れたりしません。

 カシノナガキクイムシの恐ろしいところは「繁殖力」と「数」です。

 1カップルで100匹以上の幼虫を育て、環境が良ければ500匹以上もの幼虫を育てることもあります。

 

 地域差はありますが、5~6月頃、カシノナガキクイムシのオスが飛び立ち、集合フェロモンを出します。

 

 

 この集合フェロモンは、オスもメスも呼び集めます。

 7~8月あたりが、もっともカシノナガキクイムシの数が多くなる時期です。

 

 こうして、多くのカシノナガキクイムシが、幹の中に侵入し、孔道を掘り進みます。

 

 カシノナガキクイムシのメスが持ち込んだ酵母菌類が、幹の中で繁殖します。

 これに対し、樹木の防御機能が働き、水を運ぶ導管を自ら塞ぎます(チロース)。

 侵入したカシノナガキクイムシの数が多いほど、多くの導管を塞いでしまうため、水分を吸収できず、木が衰弱します。

 

 特にコナラやミズナラといった環孔材(導管が環状に配置される木材のこと)は、水分を運ぶ機能が高い年輪の最も外側の導管が、カシノナガキクイムシによって被害を受けやすいので、枯れるリスクも非常に高いです。

 

 9月、10月になるとカシノナガキクイムシの活動もだんだん鈍くなり、侵入した幹の中で、越冬します。

 

 そして、翌年の5~6月に、新しい成虫が飛び出し、次の樹木へと侵入します。

 ナラ枯れは、発生から5~6年後、もっとも被害が大きくなると思います。

 ピークを過ぎると、徐々に被害が収まっていきます。

 収まると言うより、枯れてしまったら、2度と侵入できないし、枯れなかった木に侵入しても、上手く繁殖できないので、被害が収まっていくという感じです。

 そして、繁殖に適した別の地域に徐々に移っていきます。

 

 ご神木や天然記念物など大切なドングリの木から、ナラ枯れ被害を防ぐ一番の方法は、カシノナガキクイムシの侵入そのものを防ぐことです。

←ただいま穿孔中

 カシナガブロック、カシナガホイホイなど侵入を物理的に防ぐ資材を使うことが一番です。

 人の手が届く範囲に限られてしまいますが、それでも、侵入を防ぐことが一番の対策です。

 ただ、悲しいことに、被害を受けてから対策をとることが多いので、後手にまわるというパターンが多いです。

 事前対策の重要性を訴えても、マジ相談は侵入された時が大半です。。。

 侵入されたら、枯れない様に祈りましょう・・・・。

 侵入された数が少なければ、まずは、これ以上の侵入を防ぐ様に努めましょう。

 

 森林のように広範囲で守りたい場合は、ナラ枯れが発生する前に、しっかりと計画を練って対策に望まないと、後手後手の非効率な手段に陥る可能性が・・・(^_^;)。

 ナラ枯れによって起こる問題は何か、何のためにナラ枯れ被害から守るのか。

 それを実行するための課題は何か。

 決して、ナラ枯れ被害を防ぐという行動そのものが目的にならない様に。

 

■関連記事

ナラ枯れ カシノナガキクイムシ

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オシロイバナ

2020年08月12日 | 危険な生き物のお話

 赤い花を咲かせるオシロイバナ。

 しかし、オシロイバナにはがあります(>_<)

 

 オシロイバナは多年草の植物で、メキシコ原産の外来種です。

 江戸時代に観賞用として輸入され、栽培されていたものが各地で野生化しています。

 花が夕方に開花するので、「ユウゲショウ(夕化粧)」とも呼ばれています。

 オシロイバナの送粉(花粉を運ぶ)には、スズメガの吸蜜が大きく関わっていることが有名です。

 夕方に開花するオシロイバナと、日中はじっとしていることが多いスズメガの相性は、抜群なんでしょうね(^_^)!

 

 赤い花が咲くのに、名前はオシロイバナ。

 この名前の由来は、「種」にあります。

 この黒いものが、オシロイバナの種です。

 この種を割ると、白い粉状の胚乳が出てきます。

 これを「白粉(おしろい)」に見立てて、白粉花→オシロイバナ。

 

 昔、オシロイバナの種から白い粉をとって、顔に塗るお化粧遊びをした方もいるのでは?

 だけど、オシロイバナの種子は有毒なので、遊ぶときは気をつけて、絶対に口に入れないで下さい!

 

 オシロイバナには、「トリゴネリン」という成分が含まれており、間違って口に入れてしまうと、「強い利尿作用、嘔吐、頭痛、激しい下痢」などの症状を起こします。

 なお、種子だけではなく、オシロイバナ全草が有毒で、特に種子と根の毒性が強いので、種子から白い粉をとって、「白粉のお化粧遊び」をする際には、十分に気をつけましょう。

 そして、遊んだ後は、必ず手をしっかりと洗って下さいね!

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スズメバチ 予防と対策

2020年08月11日 | 危険な生き物のお話

 毎年20名前後の死亡者を出している野外で最も危険な生き物と言える「スズメバチ」。

 この季節になると、次第に大きくなった巣が目立ち始め、「いつの間に!?」と思うような場所で、巣が見つかっているところもあるかと思います。

 今回は、スズメバチに刺される時、刺された時の症状、刺されないための対策と予防などについてのお話です。

  

■スズメバチに刺される原因■

 大きく分けて2つ。

  ①スズメバチを攻撃した

  ②スズメバチの巣に刺激を与えた

 主に②で刺される事例が多いと思います。

 直接、巣を刺激しなくても、振動を与えた・触れた枝の先端が巣に触れた・巣の近くを歩いて振動を与えたなど間接的に巣を刺激した場合も刺されます。

 巣を刺激するつもりはなくても、スズメバチが攻撃されたと判断すれば、(理不尽ですが・・・)刺されます。

 ホント、こんな垣根の中に巣を作るな!と、訴えたい ( `ー´)ノ。。。

 

■スズメバチに刺されたときの症状■

 一般的な話になりますが、刺されたときの症状です。 

  ①刺された箇所が腫れる

  ②ショック症状

 ショック症状は、さらに3段階に分かれます。

  軽度:顔や体が赤くなる、吐き気、発汗、めまい、全身にじんま疹など。

  中度:喉が詰まった感じ、喉の痺れに渇き、胸の苦痛、腹痛、下痢、嘔吐、頭痛、めまい、全身のむくみなど。

  重度:呼吸困難、血圧低下、動悸、口から泡を吹く、手足が痺れる、唇の失血、脱力感、耳が聞こえにくくなる、目が見えにくくなる、体がうずくまるなど

 

 一番、危険な症状で、配慮すべき症状が「ショック症状」です。

 刺された直後は、なんともない場合が多く、ショック症状は刺されてから15分以内に発症するとされています。

 なので、刺されてから15分以上経過し、ショック症状が出なければ、腫れで終わる場合が多いと言われています。

 ただし、ショック症状が出たら、速やかに病院へ運ぶしかありません。

 救急車など車が横づけできる場所はともかく、山の中では、刺された人を運び出さないといけません。

 そして、一番怖いのは「アナフィラキシーショック」。

 昔から「ハチに1度刺されたら2度目は死ぬ」と言いますが、これは正しくありません。

 アナフィラキシーショックはハチ毒に対するアレルギーの有無が関係しています。

 そして、アレルギー体質は人によって異なるため、本当に2回目で亡くなる方、10回刺されても大丈夫な人、20回刺されても平気だった方が21回目で命を亡くすこともあります。

 

■スズメバチへの予防■

 スズメバチに刺されるリスクを抑える・被害を最小限に抑えるため、予防は必要です。

  ①巣に近寄らない、触らない

   見つけたら危険表示を行い、注意喚起を行う(駆除業者へ依頼。)。

 ②黒いものを身に着けない

  ハチは、黒いものに対する攻撃性が高いので、森の中では、黒いものを身につけないようにしましょう。

  そのため、髪の毛や顔辺りは標的になりやすく、もっとも被害を受けやすい部分になります....。

  頭を覆い隠せる深めの帽子をかぶり、少しでも黒い部分の露出を抑えましょう。

  ちなみに、ミツバチは、あまり黒いものに反応しません。

 ③近寄ってきたハチを追い払ったり、殺虫スプレーをかけない

  攻撃された!と思って、反撃してくることもある。

 ④香水、整髪料、清涼飲料水、柔軟剤など甘い香りがする物は避ける

  ハチは匂いでコミュニケーションを取ります。

  そのため、整髪料、香水、清涼飲料水、柔軟剤など香りが強いものは、ハチの攻撃性を高めるおそれがあります。

  森の中では、香りが強いものを持たない・身につけないようにしましょう。

 

■スズメバチの攻撃パターン■

 スズメバチに刺されないため、もう1つの予防策として、スズメバチの攻撃パターンを知ることです。

 ①スズメバチは巣に近づく者がいると、巣の見張りバチが警戒し、近づく者や巣の周辺を飛び回る。

  もし、自分の周辺をぐるぐると飛び回るハチがいたら、巣に近づいている可能性があるため、気を付けること。

 ②それでも、さらに巣に近づくと、警戒飛行中の見張りバチが、羽音と牙を使って、「ガチガチ」という警戒音をだし、「近づいたら刺すぞ!」と脅す。

 ハチを刺激せず、ゆっくりと低い姿勢になり、その場から離れる。

 もし、ハチの巣を見つけたら、「巣が近くにある」という、危険表示をしておく。

 

 

 ↑ この牙を「ガチガチ」ならす・・・コワイ・・・。

 

 ③間接的に巣を刺激した(振動を与えた等)時、ハチの威嚇を無視・威嚇に気づかず、そのまま巣に近づいた時、巣から大量のハチが飛び出し、警戒バチ・威嚇バチが先頭に刺しにくる。

 直接巣を刺激したり、巣を壊したりすると、問答無用に襲いかかってくる。

 「こいつは敵だ!」というフェロモンを出し、次々と巣からハチが襲ってくる。

  噛みついて何度も刺しまくったり、毒針から直接毒液をかけたりする。

 

  頭上でタオルなどを振りまわしながら、姿勢を低くし、早くその場から離れる。

  このとき、殺虫スプレーがあれば、まきながら逃げる。

 ただし、スズメバチが近寄ってきただけの場合は、殺虫スプレーをまいてはいけない。

  =ハチを刺激し、反撃するおそれがあるから。

 でも、スズメバチに攻撃されたら、殺虫スプレーをまきながら逃げる。

  =何をしても、刺しにくるので、スプレーをまいて、攻撃を緩ませる。

 

 

■刺された時の対策■

 スズメバチに刺された時の一般的な対策について

  ①刺された時、ハチの巣が近くにある場合は、その場から避難する

  避難したら、日陰で、横になって休ませる。

  ベルトやボタンなどをはずして、楽な姿勢にしてあげる。

 ②毒針が残っていたら、吸引器で取り除く(同時に毒も取り除ける)

  ▶指などで摘み出さない。針に毒液が残っていると、さらに体内に毒液が入ることに・・・。

  ▶口で直接、毒液を吸い出したりしない。二次感染の防止。

 ③毒は水に溶けやすいので、傷口を摘んで、毒を出しながら洗う。 

 ④患部に、抗ヒスタミン剤含有のステロイド軟膏を塗って、冷やす。

 ⑤吐き気、下痢、じんま疹、全身のむくみ、呼吸困難などショック症状と思われる症状が出たら、すぐに病院へ運ぶ。

 

 ハチに刺されたら「おしっこをかける」と言いますが、これは、間違った処置です。

 ハチ毒に対して、アンモニアが良いという科学的な根拠はありません。

 このような応急処置は、不適切なので、決して行わないで下さい。

※2017年8月の記事を改編

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