カマキリに寄生するハリガネムシ。
ちなみに、ハリガネムシは、カマキリだけに寄生するわけではなく、カマドウマやキリギリスにも寄生します。
ハリガネムシの生態は、非常に興味深く、そして、面白い!
①ハリガネムシに寄生されたカマキリは、体を操られ、川の中に入水自殺させられます。。。
②川の中に飛び込んだカマキリの内臓から、ハリガネムシが出てきます。
③川の中で、ハリガネムシは交尾し、産卵します。
(どのようにしてメスとオスが出会うのか、謎ですが・・・(゚Д゚;) )
④孵化したハリガネムシの幼虫は、カワゲラなどの水生昆虫に寄生します。このとき、水生昆虫は中間宿主として、寄生します。
⑤水生昆虫は、羽化するために陸上へ上がります。
⑥陸上に上がった水生昆虫、または陸上で成虫になった水生昆虫が、肉食性のカマキリ、雑食性のカマドウマやキリギリスに食べられます。
⑦このとき、ハリガネムシがカマキリなどの内臓に寄生します。
⑧寄生したハリガネムシは、カマキリの体内で成長します。
⑨成長したハリガネムシは、カマキリを操り、水の中へ・・・・という風に再び①へ
本来、カマキリは、泳ぐことが出来ないので、水に飛び込むようなことはしないのですが、ハリガネムシによって、本来起こさない行動を取るようになってしまいます。
恐ろしい・・・と感じる生態ですが、実は、このハリガネムシが川の生態系を支える重要な生き物であることが証明されています。
通常、カマキリやカマドウマは、川の中に飛び込むような行動はしません。
ところが、ハリガネムシに寄生されることによって、川の中に飛び込んでしまいます。
すると、肉食性の川魚などの生き物にとって、格好のエサとなります。
もし、ハリガネムシがいなければ、肉食性の川魚たちは、川の中に生息する水生昆虫だけがエサとなってしまいます。
つまり、ハリガネムシが存在することで、陸生昆虫が肉食性川魚たちのエサ資源となり、その分、水生昆虫の被害が抑制され、川の中の生態系が豊かになる一助となっていることが、研究によって明らかにされています。
いかにも寄生生物っぽい、うねうねした動きのハリガネムシですが、実は、川の中の生態系を豊かにする貴重な生き物です。
まさに、見た目で判断してはいけないとは、このことですね (^_^;)。
最後に、とっても珍しいハリガネムシの写真です。
入水自殺させるハリガネムシが、なぜか、木の上で、引っかかっている・・・
不思議な現象 (´▽`)。
これだから、自然観察は面白い !(^^)!