はぐくみ幸房@山いこら♪

「森を育み、人を育み、幸せ育む」がコンセプト。株式会社はぐくみ幸房のブログです。色々な森の楽しさ共有してます♪

作業道 クラックと崩壊

2019年01月31日 | 現場技術・安全管理・道具のお話

 10年くらい前のお話で、どこの現場とは言えませんが、以前、僕が担当していた搬出間伐の現場であったお話です。

 ヒノキ林に設けられた作業道。

 上司に対し、つけ過ぎなので、これ以上の延長の中止を求めたものの、出材量が目標に届かず、聞き入れてもらえず、若さゆえに、怒り心頭、怒髪天を衝く!みたいな時がありました(笑)。

 

 で、そこの作業道が崩壊する!と気になって、搬出間伐の事業終了後も、定期的に観察をしてきました。

 事業終了から半年後、作業道の路面にクラックが発生。

←ラインはクラックが発生した部分

 

 嫌な予感が的中・・・と思った、その1年後に崩壊・・・。

 ヒノキ林で1伐2残という強度な間伐を行った上で、作業道を付け過ぎたので、崩壊しない方がおかしいです。

 かなり下の谷まで崩壊・・・

 崩壊したとき、ここの職場を辞めていたんですけど、受け持った現場には愛着があるので、気になって足を運び、この光景を目の当たりに・・・

 山が生み出す恩恵も弊害も、その山に、その地域に住む方たちに影響を与えます。

 だから、こんな無茶な施業をしてはいけないのになー

 

 ちなみに!

 出材量が目標に到達した途端、作業道を付け過ぎだ!どんな指導をしてたんだ!と怒られました。。。(*_*;

 いや~、現場監督の自分を通り越して、上司が業者に直接指導してたんでね・・・指導のしようが無かったんですけど・・・

 と言うわけで、辞めさせていただいた次第ですm(_ _)m

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風害 林業 完満材とうらごけ材

2019年01月27日 | 森林管理・森林空間・森林整備のお話

 今回は、「林業で育てる木は風の影響を受けやすい傾向にある」というお話です。

 林業は木材生産を目的とした産業です。

 木材を生産する上で求める立木の形状は「完満材」。

 完満材は、末口(先端側の木の断面)と元口(根元側の木の断面)の直径差がほとんどない木材のことを言い、反対に末口と元口の直径差が大きい材を「うらごけ材」と言います。

 簡単に説明すると、赤い点線が柱材となる部分、それ以外は端材になる部分で、左のイラストが理想とする木の形、完満材です。

 端材となる部分が少ない完満材は、歩留まりが良いので、木材生産は完満材を目指した施業を行います。 

 木材生産という観点で言うと、完満材はうらごけ材より優れていますが、うらごけ材は完満材より風の影響を受けにくいというメリットがあります。

 釣り竿を例に話をすると、釣り竿の形状は手元から先端に向かうほど細くなっています。

 そのため、釣り竿を大きく振りかぶったときに起こる衝撃は、先端がしなやかに曲がることで衝撃の力が分散され、手元への負担がほとんどありません。

 仮に、手元と先端の太さがほぼ同じ釣り竿があったとして、それを振り下ろす、というイメージをしていただくと、手首への負担がどうなるか、想像できるかなと思います。(この表現で、お分かり、納得いただけるでしょうか?)

 

 同様に、林業で育てる木の形状が、先端が細く、根元が太い形状(うらごけ材)の場合、風が吹いた時、先端がしなやかに揺れるため、衝撃が吸収され、木の根元に対する曲げの力の影響はほとんどありません。

 一方、末口の直径と元口の直径の差がほとんどない木(完満材)の場合、風が吹いた時、衝撃を吸収する力が弱く、”てこ”の原理が働き、根元に曲げの力が及ぶため、幹が折れてしまう可能性が出てきます。

 

 一般的に、「幹や枝の形状が先端から根元にいくほど、太くなる円錐形になると曲げの力が均等化される」と言われています。

 上図に示す矢印は、長い矢印ほど曲げの影響を受けているというイメージです。

 なので、木(幹・枝)の形状は、完満材よりも、うらごけ材の円錐形の方が、曲げの力を均等化することができるというのが、うらごけ材のメリットです。

 

 さて、木材生産を目的とする林業の主な森林は、スギやヒノキの人工林です。

 こうした人工林では、木が密集していることで、下枝が枯れるため、自ずと樹冠の位置が高くなります。(生きた下枝がびっしり生えているスギ・ヒノキ人工林って、ほとんどないと思います。)

【補足】

 下枝=したえだ。赤い矢印の部分。木に生えている枝の中で、最も根元に近い枝(一番下にある枝)。

 樹冠=じゅかん。青い線で囲った部分。枝葉が覆っている範囲

 

 樹冠の位置が高いと言うことは、枝葉の量が少ないという風にも考えられます。(絶対とは言い切れませんが。)

 枝葉の量が少ないと言うことは、葉で生産される光合成の生産量も少なくなります。

 光合成で生産されたエネルギーは、消費しながら、先端から根元に向かいますが、全体の生産量が少ないと、根元まで十分なエネルギーを送ることが出来ません。

 というのも、人工林内の木(以下、林木)は、高い位置にある樹冠全体を支えるため、幹上部でしっかり太らないといけません。

 そのため、根元の幹が太るために必要なエネルギーが少なくなり、結果、末口と元口の直径差が少ない完満材になります。

 ちなみに、人工林に限った話でも、針葉樹林に限った話でもなく、樹木が密集した環境であれば、天然林でも、広葉樹林でも、同じような現象が起こっています。

 

 

 樹木の成長に応じて、一定の密度を保ちつつ、樹冠をコントロールすることで完満材という木材を生み出す、というのが林業です。

 一方、孤立した木(以下、単木)の場合、下枝が枯れにくいため、樹冠の位置が低く、一番下の枝も光合成を行うため、樹幹下部も盛んに肥大成長し、結果、末口と元口の直径差が大きいうらごけ材になります。

 スギやヒノキなどの針葉樹を例にすると、樹冠の位置が低いうらごけ材は、下の写真の様な樹木です。

←メタセコイヤ

 

 単木はうらごけ材で、風が吹くと樹幹上部は激しく揺れますが、樹幹下部はほとんど揺れません。

 林木は完満材で、風が吹くと、はじめ樹幹上部が小さく揺れ、やがて樹幹下部で大きく揺れ出し、結果、立木全体が揺れます。

 さらに・・・

 単木は樹冠の位置が低いため、重心も低くなります。

 林木は樹冠の位置が高いため、重心も高くなります。

 音楽で使われるメトロノームと同じ理屈で、重心を高くすると大きく揺れ、重心を低くすると小さく揺れます。

 

 

 

 単木は曲げの力を均等化させる「うらごけ材」で、樹冠(重心)の位置が低いため、風が吹いても大きく揺れにくい。

 林木は曲げの力を均等化させにくい「完満材」で、樹冠(重心)の位置が高いため、風が吹くと大きく揺れやすい。

 

 林木は周囲に他の樹木があるため、お互いに風を遮りあう関係にあるので、簡単には倒れません。

 しかし、強風が吹き続けると、大きく揺れ出し、写真のように樹冠が絡むこともあります。

 

 また、数十年に一度の大型台風など、林木同士が互いに風を遮りあっている力以上の風が吹くと、一気に倒木することもあります。

 さらに、林木は、間伐により立木密度が下がったり、周囲が皆伐されたりすると、ちょっとした強風で簡単に倒れてしまうこともあります。

 

 単木の様な「うらごけ材」は、大きな節もあるため、林業では嫌われる木材です。

 しかし、樹木という観点では、下枝も光合成を盛んに行っている健康的な樹木と言えます。

 

 今回のお話で、理解して頂きたいのは、木材生産を目的とする林業で育てている樹木は、必然的に「風の影響を受けやすい樹木」に育つ傾向にあるということです。

 という風に考えると、強度間伐や皆伐を行うことで、林木に与える風の影響が大きく変化するというリスクに気づくことが出来ます。

 ただし、強度間伐や皆伐を否定しているわけでも、やってはいけないと指摘しているわけではなく、その行為が、林木に与える風の影響力を変えてしまうことを認識することが大切だと言うことです。

 林業は、必然的に風の影響を受けやすい樹木を育てているので、その点と現場の環境を考慮した上で、施業や整備を行うことが必要だということです。

 林業は産業であり、収益確保も重要なことなので、強度間伐や皆伐を、完全に否定してしまうと、施業の選択肢を狭めてしまい、経営面でマイナスになることもありえます。

 木は山主にとって資産です。

 そして、その資産は、風の影響を受けやすい資産なので、林業施業は現場に応じて、適した時期にその現地に適した施業を行う事が理想で、一律に35%間伐すれば、良いというものではありません。

 適した間伐率を見極めるって、ホントに難しいんですが、現地によって適した間伐率があるという認識をもつことが大切だと思います。

 知っていれば、それを目指すことが出来ますし、技術向上にも繋がります。

 

 脱線しましたが、今回のお話をまとめると・・・

・「うらごけ材」は、木材の歩留まりは悪いけど、曲げの力を均等化させるというメリットがある。

・「完満材」は、木材の歩留まりは良いけど、曲げの力を均等化させにくいというデメリットがある。

・単木の形状は「うらごけ材」で、下枝が枯れず、樹冠(重心)の位置も低くなるため、風が吹いても大きく揺れにくい。

・林木の形状は「完満材」で、下枝が枯れており、樹冠(重心)の位置も高くなるため、風が吹くと大きく揺れやすい。

・林業は「完満材」を生産したいので、必然的に「風の影響を受けやすい樹木」に育つ傾向にある。

・林木は、風の影響を受けやすいという欠点を、密集(密度)で補っているため、間伐や皆伐によって、林木に与える風の影響が変化する。

 

 林業で育てる木は、「風の影響を受けやすい傾向にある」という認識があれば、施業の重要性が見えてくると思います。

 このことは、間伐とも関係してくるんです、、、それは、また別の機会にお話ししたいと思います。

 

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風害 林業 もめ

2019年01月25日 | 森林管理・森林空間・森林整備のお話

 2018年の台風・・・。

 今も風倒木処理に追われている地域もあるかと思います。

 僕自身も、近所の方に「薪にしてエエで。」と・・・、裏を読めば「伐っといて。」ってことなんですが・・・。

 とにかく風倒木処理はおっかないので、出来ないモノのには手を出さないようにしています。

 

 と言うわけで、今回は風による林業被害「もめ」について。

 
 林業を営む上で、気象による自然災害、特に台風や豪雨の発生は、ホントに嫌なものです。
 台風が進行する中、現場の様子を思い浮かべながら、早く治まることを願わずにはいられません。
 木材を何十年と育てる林業にとって、風をはじめとする気象害は、避けては通れないものですが・・・。
 
 
 林業現場において、風による被害と言えば「もめ」。
 樹木が瞬間的に強くねじられたり、強く曲げられたりすると、木材の繊維が細かく断裂することを「もめ」と言います。
 もめは、部分的に発生することもあれば、幹全体に及ぶ場合もあります。
 
 盛り上がった部分が、断裂された箇所です。
 
 幹全体に及んでいると、いくつもの凸凹の盛り上がりができます。
 
 断裂された部分は損傷した部分なので、樹木はその傷を修復しますが、表面の凸凹は残ります。
 年月が経てば、表面上の変化は分かりにくくなるかもしれませんが、材部に受けたダメージは修復されないなので、木口面にはその傷痕がハッキリと残っています。
 また、断裂された部分から腐朽菌が侵入してしまうと、材部が腐朽する可能性もあります。
 
(上の写真は断裂した部分から樹液が漏出)
 
 断裂具合にもよりますが、伐採中に、断裂部分から幹が折れることあります。
 「もめ」がひどい現場では、作業中に幹折れが発生するリスクがあると知っておくことも重要です。
 また、表面上の修復が完了していても、内部の断裂がひどければ、強風が吹いた時、伐採の時に幹が折れる場合もあります。
 風害が激しいと、上の写真の様に、年輪に沿うように材が剥離されることがあります。
 
 断裂した部分は、修復されますが、それは、表面的な修復であって、樹幹内部の断裂までは修復されません。
 なので、樹幹内部の断裂が激しいと、上記の写真のように、幹が裂けることがあります。
 
 図はシンプルに表現していますが、実際は、何か所でいくつも断裂していると思います。
 
 「もめ」は、幹が曲げられたとき、圧縮の力が働いて発生します。
 風によって、幹が左右に揺さぶられます。
 下の図で言うと、左に揺さぶられたときに圧縮されて、盛り上がります。
(圧縮されたイメージ)
 盛り上がった部分は、圧縮された部分の細胞が押しつぶされたり、切断されて生じたものです。
 風が吹いて、引っ張る力が働いて、ブチブチっと断裂したと、いうわけではありません。
 表面上、もめが発生していなくても、「ヤニ壺」や内部の材が剥離する「目回り」が発生している可能性もあります。
 
 「目回り」をイメージするとこんな感じで、赤いラインが損傷した部分になります。
 
 スギやヒノキを造林するとき、普段から風が通りやすい場所という情報も重要です。
 そういう場所に造林する場合は、長伐期施業は風害リスクが高まり、不利になる可能性が高いですし、風の影響で、あまり樹高が伸びず、材積の蓄積も望めない可能性も考えられます。
 元々、林縁部のスギやヒノキは、枝を残して、風から守る工夫もしていました。
 深根性の広葉樹を植えて、風の力を緩和するという方法もアリかなと思います。
 
 あと、個人的な考えになりますが、風の影響が受けやすい環境下では、獣害対策の単筒は、あまりオススメできません。
 高い可能性で、単筒が飛ばされたり、倒れると思います。
 
 過去の被害情報や気象情報をもとに、風の影響を受けやすい森林エリアを抽出する事が出来れば、風害リスクの高い/低いを加味した上で、どのような林業経営を目指すべきか、判断できるツールになるかもしれません。
 特に長伐期を目指す場合は、心強いツールになるなと思いますし、災害対策を視野に入れた森林整備の着手にも必要な情報だと思います。
 
 個人的な考えですが、過去の被害や気象情報を取り入れて、森林GISなどのシステムとマッチングさせ、林業経営の判断できるツールを作成できないかな~って妄想しています。
 
  って、どこかで実践してる事例ないですかね? 
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カニムシ

2019年01月24日 | 昆虫類+αのお話

 山の中には、サソリに似た小さな虫「カニムシ」という生物がいます。

 体長は5ミリ以下の小さな虫で、さらに小型の虫、ダニやトビムシなどを捕食します。

 落ち葉の下など土壌で生活するタイプ、スギやヒノキなどの樹皮下で生活するタイプがいるそうです。

 上記写真の本種は、ヒノキの樹皮で見つけたカニムシで、名前は分かりません。

 「トゲヤドリカニムシ」かな~と思っているところです。

 

 さて、2018年6月、国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所が「マダニを捕食するカニムシ」を発見したと報告されました。

 マダニの新たな天敵とされるカニムシの名前は、「オオヤドカリカニムシ」。

 このカニムシは、アカネズミと共生し、主にコナダニなどを食べているとのことです。

 このオオヤドリカニムシに、マダニの幼虫を与えたところ、ハサミでガッと捕まえて食べたそうです。

 さらに同じサイズのマダニの成虫も捕食するとのことです。

 しかも、オオヤドリカニムシがマダニを捕食する、世界で初めて、天敵であることが示されたそうです

 ちなみに、アカネズミはオオヤドリカニムシを食べないのか?

 研究によると、カニムシが近寄ってきても、少しニオイをかぐだけで、カニムシが毛をつかんで、背中に乗っても、アカネズミは振り落とすようなことはしないそうです。

 ネズミを吸血するマダニを食べてもらうためではないか・・・と推測しており、ネズミとカニムシは共生関係にあるかもしれないということです。

 

 SFTSなどの感染症を媒介するマダニを食べてくれるカニムシ。

 体長5ミリととても小さい虫ですが、マダニの天敵、頼もしいですね。

 サソリに似た虫「カニムシ」。

 山や森に行ったとき、一度、探してみてください。

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シカの糞 カモシカの糞 ウサギの糞 見分け方

2019年01月23日 | 狩猟・獣害のお話

 秋から冬にかけて、シカをはじめ、色々な「糞」を見る機会が多くなります。

 夏でも、全く見れないというわけではありませんが、センチコガネなどが「糞」を分解するので、見かける糞のほとんどが新鮮な糞かなと思います。

 

 なので、シカの推定個体数を調査する糞粒法糞塊法は、糞を分解する生き物の活動が停止する秋から冬にかけて行われます。

 余談ですが、大阪府立環境農林水産総合研究所(幸田良介 氏)が糞塊除去法というシカの推定個体数を調査する新たな方法を開発しました。

 

 今回は、シカの糞、カモシカの糞、ウサギの糞、それぞれの見分け方について。

 シカの糞とカモシカの糞の形は「俵状」で、糞の大きさは個体の大きさによって異なります。

 ウサギの糞の形は「球形」です。

 写真を並べて比較します。

 

 左の写真「俵状」の糞がシカ、カモシカで、右の写真「球形」の糞がウサギです。

 

 では、同じ俵状の糞をする「シカとカモシカの違い」は?

 シカは、食べながら、歩きながら、ポロポロと糞をします。

 なので、シカの糞はパラパラと点在することが多いです。

 一方、カモシカは、腰を落として糞をするため、一ヵ所に糞が集まる「ため糞」になります。

 左の写真は「シカの糞」、右の写真は「カモシカ」の糞です。

  

 俵状の糞が、パラパラとあちこち点在すると「シカの糞」、一ヵ所に集中したため糞になっていると「カモシカの糞」になります。

 

 おさらいします。

 球形の糞は「ウサギ」。

 俵状の糞がパラパラと点在していたら「シカ」。

 俵状の糞が一ヵ所に集中したため糞になっていたら「カモシカ」。

 

 という覚え方で、一度、糞の同定を行ってみてください。

 山に行って、動物の糞を探して、どんな動物がいるのか、想像するのも一興です。

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フユイチゴ

2019年01月20日 | 樹木・草花のお話

 冬の貴重な?山の味覚「フユイチゴ」。

 11月から1月頃に赤く熟し、そのまま食べることが出来ます。

 少し、毛が気になりますが、甘酸っぱくて、美味しい野イチゴです。

 そのまま食べてもいいんですが、ジャムや果実酒に利用しても楽しめます。

 ちなみに、草ではなく、低木性の藤本類になります。

 

 フユイチゴは、森林の土壌環境を示す指標植物です。

 常緑樹林帯において、林床植物にフユイチゴが多い森林は「土壌が肥沃な森林」です。

 土壌が肥沃ということは、養分が豊富で、樹木の成長も良い!ということになります。

 

 個人的な考えですが、重要なことは、「フユイチゴが多い山は土壌が良い山」ではなく、「フユイチゴが多くなるくらい良い土壌環境が整った」ということ、だと思います。

 土壌環境は一朝一夕で整うものではなく、きっと、上層木の樹種や林相、林種、森林整備なども関係し、長い年月が積み重なって、整っていくものだと思います。

 良好な土壌環境を維持しながら、森林利用や森林づくりを進めることが出来ているのか。

 フユイチゴは、その成果を示す植物ではないかなーと思っています。

 皆さんは、どう思われますか?

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