はぐくみ幸房@山いこら♪

「森を育み、人を育み、幸せ育む」がコンセプト。株式会社はぐくみ幸房のブログです。色々な森の楽しさ共有してます♪

ヒナカマキリ

2023年11月27日 | 昆虫類+αのお話

 体長2cmに満たない日本最小のカマキリ「ヒナカマキリ」。

 出会うと、テンションが上がり、ついニンマリしてしまう可愛いカマキリです (^_^) 。

 

 ヒナカマキリは、体長1.2〜1.8mmと日本最小のカマキリで、本州(東北以南)、四国、九州、沖縄に分布します。

 常緑広葉樹林に棲息する森林性のカマキリで、主に林床や落ち葉の下など地面を徘徊しますが、サイズが小さいので、なかなか出会えない(見つけられない?)カマキリです。

 オオカマキリやコカマキリなど他のカマキリと違って、成虫になっても、跳ぶことが出来ないため、地面を徘徊しながら、トビムシなどの土壌生物を捕食します。

 たまに、ショウジョウバエなどを捕食する姿も。

 ヒナカマキリが最大サイズになる10〜11月くらいに、常緑広葉樹林の林床や落ち葉の下を観察すると、出会えるかなと思います。

 11月頃に2cm未満の小さいカマキリに出会ったら、きっとヒナカマキリだと思います!

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ハリガネムシ

2023年11月21日 | 昆虫類+αのお話

 カマキリに寄生するハリガネムシ。

 

 ちなみに、ハリガネムシは、カマキリだけに寄生するわけではなく、カマドウマやキリギリスにも寄生します。

 

 ハリガネムシの生態は、非常に興味深く、そして、面白い!

 

 ①ハリガネムシに寄生されたカマキリは、体を操られ、川の中に入水自殺させられます。。。

 ②川の中に飛び込んだカマキリの内臓から、ハリガネムシが出てきます。

 ③川の中で、ハリガネムシは交尾し、産卵します。

 (どのようにしてメスとオスが出会うのか、謎ですが・・・(゚Д゚;) )

 ④孵化したハリガネムシの幼虫は、カワゲラなどの水生昆虫に寄生します。このとき、水生昆虫は中間宿主として、寄生します。

 ⑤水生昆虫は、羽化するために陸上へ上がります。

 ⑥陸上に上がった水生昆虫、または陸上で成虫になった水生昆虫が、肉食性のカマキリ、雑食性のカマドウマやキリギリスに食べられます。

 ⑦このとき、ハリガネムシがカマキリなどの内臓に寄生します。

 ⑧寄生したハリガネムシは、カマキリの体内で成長します。

 ⑨成長したハリガネムシは、カマキリを操り、水の中へ・・・・という風に再び①へ

 

 本来、カマキリは、泳ぐことが出来ないので、水に飛び込むようなことはしないのですが、ハリガネムシによって、本来起こさない行動を取るようになってしまいます。

 恐ろしい・・・と感じる生態ですが、実は、このハリガネムシが川の生態系を支える重要な生き物であることが証明されています。

 

 通常、カマキリやカマドウマは、川の中に飛び込むような行動はしません。

 ところが、ハリガネムシに寄生されることによって、川の中に飛び込んでしまいます。

 すると、肉食性の川魚などの生き物にとって、格好のエサとなります。

 もし、ハリガネムシがいなければ、肉食性の川魚たちは、川の中に生息する水生昆虫だけがエサとなってしまいます。

 つまり、ハリガネムシが存在することで、陸生昆虫が肉食性川魚たちのエサ資源となり、その分、水生昆虫の被害が抑制され、川の中の生態系が豊かになる一助となっていることが、研究によって明らかにされています。

 

 いかにも寄生生物っぽい、うねうねした動きのハリガネムシですが、実は、川の中の生態系を豊かにする貴重な生き物です。

 

 まさに、見た目で判断してはいけないとは、このことですね (^_^;)。

 

 最後に、とっても珍しいハリガネムシの写真です。

 入水自殺させるハリガネムシが、なぜか、木の上で、引っかかっている・・・

 不思議な現象 (´▽`)。

 これだから、自然観察は面白い !(^^)!

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フクラスズメ

2023年10月05日 | 昆虫類+αのお話

 この時期になると大量発生する毛虫「フクラスズメ」。

 フクラスズメの幼虫が、大量に発生すると、秋が来たなと感じてしまいます。

 ちなみに、フクラスズメという名前ですが、スズメガ科の蛾ではなく、ヤガ科の蛾です。

 外部から刺激を与えると、体を激しく揺らし、捕まえると、口から食べた葉を大量に吐き出します。

 

 「捕まえると」・・・?

 フクラスズメは、無毒な毛虫なので、捕まえて、触ることが出来ます。

 実は、この時期の自然観察では、フクラスズメを見つけたら、必ず捕まえて、ツルツルのお肌を体感してもらっています。

 

 フクラスズメは、道路脇など日当たりの良い場所に生えるカラムシ(イラクサ科)に発生します。

 大葉に似た感じの草なので、よく見かける植物ではないかと思います。

←カラムシ

 

 フクラスズメが大量に発生すると、見た目によるメンタル的な被害 (;゚Д゚)、糞による生活衛生面での被害 (゚Д゚;) を受けてしまいます。

 

 道路脇にワッサーって、生えていたカラムシが、秋になると、カラムシが茎だけの姿になる様子は、まさに圧巻です(^_^;)。

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クズノチビタマムシ

2023年08月30日 | 昆虫類+αのお話

 クズに集まるとっても小さいタマムシ。

 クズノチビタマムシ。

 

 名前の由来は分かるけど・・・

 名前の中に「クズ」や「チビ」という単語が含まれるって、なんだか、気の毒だな。と個人的に思ってしまう昆虫です (^_^;) 。

 

 クズノチビタマムシは、成虫・幼虫共にクズの葉を食べます。

 幼虫はクズの葉の中に潜り込んで葉をモグモグと食べ、成虫はクズの葉の上で葉をモグモグと食べます。

 なので、クズの葉が虫に食べられたような痕があると、クズノチビタマムシが潜んでいるかもしれません。

 しかし、体長3~4mmと非常に小さいので、見慣れていないと、意外と気づかないかも・・・。

 不用意に近づくと、葉からポロッと落ちて、そのままどこかへ飛んで行くこともあります。

 

 非常に小さい昆虫なので、見つけにくい(見落としやすい)ですが、実は、本州、四国、九州、屋久島、種子島と幅広く分布しています。

 穴がたくさん開いているクズの葉を見つけたら、クズノチビタマムシがいるかもしれません。

 一度、探してみて下さい!

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ミズカマキリ

2023年07月31日 | 昆虫類+αのお話

 代表的な水生昆虫の1種「ミズカマキリ」。

 名前にカマキリと付いていますが、カメムシ目の昆虫で、陸生のカマキリとは全く別の昆虫になります。

 ミズカマキリの体長は40~45mm、体は細長く、体の色は灰褐色~暗褐色で、前脚は捕獲用、中後脚は遊泳用になっています。

 肉食性で、捕獲用の前脚を使い、オタマジャクシや小型の魚類、水面に落下した陸生昆虫などを捕獲し、体液を吸い取ります。

 体液を吸い取る食事の方法は、アメンボやマツモムシといった肉食性カメムシ目の昆虫だな~と思うので、陸生のカマキリとは全く異なりますね。

 

 ミズカマキリは、日本全国に分布し、水田や池、沼などに生息し、ある程度の水質汚濁には耐性があるものの、農薬に対しては弱いので、減少傾向にある水生昆虫の1つです。

 最近は、無農薬や減農薬でお米を育てる方も増えているので、少しずつですが、ミズカマキリを見かける機会も増えてきました。


 ミズカマキリは、常に水の中で生活しているわけではなく、天気の良い日には、水中から飛び出し、空を飛ぶこともあります。

 僕自身、飛び立つ姿を見たことはありませんが、ある日、車の上で亡くなっているミズカマキリがいました・・・。

 何が起こったのか、分かりませんが、水の中から飛び出して、着陸した場所が車の上だったのかな・・・。

 そして、あまりの暑さで、亡くなってしまった、のかな (T_T) 。

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ルリタテハ

2023年07月30日 | 昆虫類+αのお話

 瑠璃色の模様が素敵なチョウ「ルリタテハ」。

 ルリタテハはタテハチョウ科のチョウで、名前のとおり「瑠璃色の模様がある」ところが名前の由来となっています。

 体長は25~45mm、森林の中でも平地やその周辺に生息し、森林以外にも里山や農地、都市部の公園や緑地と幅広い環境で出会うことがあります。

 瑠璃色の模様が特徴的で、その上、ルリタテハに似たチョウがいないので、すぐに覚えられるチョウですね。

 しかし、瑠璃色の羽の裏は、落ち葉や樹皮に似た模様なので、見失うほど景色に溶け込んでしまいます。

 瑠璃色の派手な模様が目立つ分、羽を閉じると全く目立たないので、そのギャップを利用して、外敵から身を守っているのかもしれませんね。

 

 次はルリタテハの幼虫。

 ルリタテハの幼虫は、サルトリイバラやユリ科の植物の葉を食べます。

 森林の中では、サルトリイバラの葉を観察すると出会えると思います。

 農地や公園などでは、ユリをターゲットに観察すると、出会えると思います。

 見た目は刺々しく、毒をもっているイラガのような姿にひるみますが、毒はないので、触っても大丈夫です。

 

 本ブログ恒例、毛虫を触る (^_^;)。

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センノキカミキリ

2023年06月28日 | 昆虫類+αのお話

 ウコギ科の生木をホストにする「センノキカミキリ」。

 センノキとは、「ハリギリ」のことで、ハリギリはウコギ科の落葉広葉樹です。

 センノカミキリは、ハリギリ、タラノキなどウコギ科樹木の新しい枝の樹皮を食害(後食)するカミキリムシです。

 

 発生する時期は6~10月頃、体長は20~36mm、分布は北海道から沖縄まで日本全土に渡ります。

 

 幼虫は、生木の心材部を食害するので、タラノキを栽培する者にとって、センノキカミキリは代表的な害虫 ( `ー´)ノ 。

 弊社も ”トゲのない” タラノキ「メダラ」を育てているので、センノキカミキリにやられて、樹液がダラダラと流れ出ています ( ゚Д゚)。

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ゲンジホタル

2022年07月11日 | 昆虫類+αのお話

 日本固有種のホタル「ゲンジボタル」。

 

 最初の2秒間、画面左下でゲンジボタルが飛来してます。。。チラッとで、見にくいけど・・・(^_^;)。

 

 ゲンジボタルは、5~6月頃、曲線的な動きで光りながら飛来します。

 オスは飛来しながら、メスは草木の上に止まりながら光ります。

 オスとメスがお互いに光りながらコミュニケーションをとるって、素敵だなー。

 

 

 ゲンジボタルは、川岸にある石に生えたコケの中に産卵し、約1ヵ月で卵が孵化します。

 幼虫は肉食でカワニナという巻き貝を食べ、成虫は水だけ補給します。

 

 幼虫は、川の中で過ごし、そのまま越冬し、春になって大きく成長した幼虫は、川岸に上陸し、川岸の柔らかい土に潜り込んで蛹になります。

 ゲンジボタルの幼虫は成虫に育つまで、カワニナを50匹以上食べるそうです。

 そのため、ゲンジボタルが生息するためには、エサとなるカワニナが大量に生息できる水がきれいな環境が必要になるというわけです。

 加えて、蛹になるためには、川岸が土でないとダメなので、コンクリートで固められてしまうと、幼虫が蛹になることが出来ず、結果、ゲンジボタルが生息できなくなります。

 

 カワニナが生息できるよう水汚染に気をつけないといけませんが、コンクリートによる護岸工事もゲンジボタルを減らす要因なので、このような工事も配慮する必要があります。

 

 ゲンジボタルが光る期間は10日~2週間程度ですが、寿命は1年です。

 光らなくなっても、ひっそりと、どこかで生息しています。

 

 ゲンジボタルは、体が平たく、全体的に黒色ですが、胸の部分だけ赤色で、十字形のような黒い模様があるところが一番の特徴です。

 ちなみに、ヘイケホタルは、赤い胸の部分の黒い模様は十字形ではありません。太い線形?って感じです。

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アシダカグモ コアシダカグモ 見分け方

2022年05月09日 | 昆虫類+αのお話

 家の中で見かけると「ギョッ」としてしまう手足が長~い「アシダカグモ」と「コアシダカグモ」。

 アシダカグモやコアシダカグモは、ゴキブリやムカデを捕食してくれる衛生害虫ハンターなので、我が家では、大切なパートナーとしてお付き合いしています。

 

 なので、ついつい、見つけてしまうと、触れあいたくなります。

 アシダカグモやコアシダカグモは、巣を張って捕食するタイプのクモではなく、素早い動きで捕食するタイプです。

 だけど、糸を出さないわけではありません。

 実際に触れあってみると、結構、糸を出しています。

 

 アシダカグモとコアシダカグモの見分け方ですが、

 

 アシダカグモは、眼の下に白いライン模様があります。

 コアシダカグモは、眼の下に白いライン模様がありません。

 

 コアシダカグモの腹部には、白っぽい三角のような模様があります。

 アシダカグモの腹部には、白っぽい三角のような模様がありません。

 

 アシダカグモとコアシダカグモを見分けるには、この2点がとても分かりやすいかなーと思います。

 

 ゴキブリやムカデを捕食してくれるので、是非、大切なパートナーとして共存して下さい。

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ホシベニカミキリ

2021年05月16日 | 昆虫類+αのお話

 赤い彗星を思わせるような全身が赤く、黒い斑点をもつ、非常に特徴的な「ホシベニカミキリ」。

 ちなみに、上の写真は、蜘蛛の巣にかかった死体、ではありませんよ。。。(^_^;)

 体長は18mm~25mm程度のカミキリで、5~8月くらいの時期に出現します。

 クスノキ科樹木をホストにするカミキリムシで、特にタブノキで発見することが出来ます。

 

 本州、四国、九州の温暖な地域に分布するカミキリムシで、内陸部よりも海岸部に近い森林に生息しています・・・というか、タブノキが内陸部よりも海岸部に多いからだと思いますが・・・・。

 

 ホシベニカミキリは、クスノキ科樹木の葉や枝を食べるので、タブノキの枝葉を観察すると、出会えると思います。

 幼虫もタブノキなどの枝に穿孔し、材部を食べています。

 きっと、ホシベニカミキリの幼虫を炒めて食べたら、樟脳っぽい味がするんじゃないかなー。

 

 僕の中では、好きなカミキリムシBEST3に入る「ホシベニカミキリ」。

 これからの時期、タブノキを観察してみてください。

 そして、タブノキの枝に虫が囓ったような痕跡があれば、高確率でホシベニカミキリに出会えるかも!

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