はぐくみ幸房@山いこら♪

「森を育み、人を育み、幸せ育む」がコンセプト。株式会社はぐくみ幸房のブログです。色々な森の楽しさ共有してます♪

クロバイ

2016年04月26日 | 樹木・草花のお話

 クロバイはハイノキ科の樹木で、4月~5月になると白い花を咲かせます。

 和歌山県では、この時期になると、山の中にポツポツと生えているこの白い花が、目に入ります。

 クロバイは、本州、四国、九州の暖帯林に分布し、感覚的には、アカマツが生えるような痩せた山より、少し肥沃な場所に多い・・・と思います。

 

 

 クロバイは、前年枝の葉腋に白い花が開花し、花期は4~5月頃、結構、いい香りがします。

 

 実は、11月~12月に紫黒色に熟します。ちなみに、食べられません。(たぶん

(長さは約6~7mm)

 

 葉は、長枝で互生、短枝で束生。

 葉の質は、革質で毛はなく、縁には鈍鋸歯があり、葉柄は赤紫色です。

 なお、葉が乾くと黄葉し、これが黄色の染料になるそうです。

 

 樹皮は灰黒色のものや、紫褐色のものがあり、滑らかで、灰色の皮目があります。

 老齢木になると縦裂が入ります。

 

 材は淡黄色で、緻密のわりに材質は軟らかく、主に器具材として使われます。

 

 名前の由来は、「黒灰」という意味で、樹皮が黒味を帯びており、枝葉を焼いて、黄色の染料として使う灰を作るために使ったことから・・・だそうです。

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森づくり塾(8期) 4月実習「山菜料理」

2016年04月24日 | 樹木医・森林インストなどの活動のお話

 今日は、和歌山県森林インストラクター会主催による森づくり塾の実習日。

 4月の実習は、毎年恒例の「山菜料理」

 皆で、ヨモギ、ウド、イタドリ、ユキノシタ、オチャ、ドクダミなどを採取し、自分たちで調理して、昼食を楽しみます。

 僕は、下の写真にある(左側から)、コゴミ(クサソテツ)、ユキノシタ、ウルイ、オオバギボウシ、ウワバミソウ、アオハナムグリを持参。

 

 これにシカ肉も添えて。

 あと、アシタバを用意してくれた方もいらっしゃいました。

 

 ほとんど、天ぷらにしましたが、ウドのきんぴら、タケノコご飯、イタドリジャムなどもみんなで調理しました。

 

 シカ肉は、セミ(背中の肉)はバンビ、モモは成獣のメス。

 スジを取って、焼肉に。

  

 焼肉には小さすぎる肉は、細かく切って、チャーハンに。

 シカ肉や山菜の下ごしらえ、天ぷらを揚げたりしていたので、写真を撮る間がなく、調理したものを詳しく紹介できないんですが・・・

 やはり、春の実習は「山菜料理」に限ります

 

 サラッと書き流しましたが、今回は「昆虫食」にチャレンジしてもらおうと、「アオハナムグリ」も天ぷらにしました。

 1つ残らず食べてくれました

 好評でしたよ。「エビみたい」って。ホントに

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マイホーム完成♪

2016年04月23日 | 思いつくままの雑多なお話

 念願のマイホームが完成

 

 

 まず、玄関を開けます。

 

 左に曲がって、8畳のリビングへ。

 

 キッチンはシンプルに。(システムキッチンとかに魅力を感じない派なので・・・。)

 スギの赤身がここにきて、一段と美しく

 階段を上って2階へ。

 アカマツの曲がり梁は、何度見てもイイ

 書斎の床は、アカネ材。

 

 歩いても気にならないし、見た目も気にならない。

 アカネのフローリングって、十分アリやと思います。

 この上に絨毯引いたら、まったく関係ないしね

 そして、12畳の子供部屋。

 

 何より柱が美しい

 見える柱ほとんどが無節

 こんな良い木材を育んでくれた林家さん、本当に感謝です

 

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コウヤマキ 挿し木

2016年04月18日 | 資源利用(木材・特用林産物)のお話

 今日はコウヤマキの挿し木技術の研修会に参加しました。

 挿し木が難しいと言われるコウヤマキ。

 なんと、発根率100%という驚異の技術を確立した方がいます。

 その方は、昭和40年頃からコウヤマキの栽培に取り組み、昭和60年頃から挿し木に挑戦され、平成20年に発根率100%の独自技術を開発されました。

 その方法がとても気になるかと思いますが、研修会の趣旨を考え、この場での紹介は控えさせていただきます。

 この技術を開発された方は、90歳で今も現役の生産者です。

 そして、平成27年に、日本特用林産振興会の特用林産功労者賞を受賞されました。

 一応、現場の写真だけ掲載します。

 挿し木技術は、これまでの常識にとらわれない手法でした。

 しかし、樹木のもつ治癒力を考えると、非常に理に適っていると思いました。

 この方法はコウヤマキに限らず、マツでもできそう。

 スギやヒノキも可能なのか、そして広葉樹では・・・などと考えてしまいます。

 やってみねば!

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トゲのないタラノキ

2016年04月17日 | 山菜・キノコなど食を楽しむお話

 春は芽吹きの季節で、お花見もいいですが、山菜も春ならではのお楽しみ

 春の山菜で代表的なものとして、タラノキ。

 トゲトゲしいタラノキですが、「トゲのないタラノキ」というものもあります。

 これは、職場で栽培されているタラノキ。

 左が普通のタラノキ(トゲあり)、右がトゲなしのタラノキ。

 

 トゲなしタラノキは、赤味がなく全体的に緑色で、別物のように見えます。

 トゲのないタラノキ・・・なんとなく違和感が・・・

 

 ちなみに、タラノキは根萌芽(こんぼうが)します。

 根を切って植えておくと、生えてきます。

 

 肝心な情報

 トゲなしタラノキのお味

 

 

 普通のタラノキと同じでした

 トゲがない分、採取しやすいですけど、個人的にはトゲある方が、タラノキっぽいし、山菜として楽しめると思いました

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樹木の観察会

2016年04月16日 | 樹木医・森林インストなどの活動のお話

 パナソニックさんが自然環境保全活動の一環として、田辺市龍神村で植樹活動を行っています。

 その活動が今年で10周年。

 そんなめでたい時期に、観察会の案内役としてお招きいただきました。

 今回のテーマは「10年前に植樹した森の今の様子」。

 赤いテープが、2007年に植えた木の高さを示しています。

 10年でどれだけ成長したか、一目で分かるように印付けをしています。

 

 10年経てば、立派な森になりつつあります。

 植栽された樹木は、ヒノキ、アラカシ、イロハモミジ、コナラ、ヤマザクラ、ケヤキ・・・かな。

 植樹した以外の樹種も生えてきています。

 ツブラジイ、アカマツ、スギ、タブノキ、ホウノキ、シキミなどなど。

 しかし、植樹した全ての樹木が、すくすくと順調に成長したわけではありません。

 シカに剥皮されたり、枝葉を食害されたり、枝を折られたり・・・

 ←コナラ

 ←イロハモミジ

 ←アラカシ

 このケヤキは植えられた当時から被害を受け続けたのでしょう。

 

 ケヤキの生き残りを見つけられたのは、この1本だけ。

 10年間、頑張って、生き残ってきたようです。

 植えられた樹木以外も、シカの被害を受けています。

 サカキ

 ガマズミ

 モッコク

 そして、順調に成長し、花を咲かせて参加者を迎え入れてくれた樹木の姿も。

 

 

 伐採された空間に木を植えられ、その木が大きくなる。

 大きくなった木に、鳥が止まって糞をする。

 その糞の中には樹木の種がある。

 こうして、他所から運ばれてきた種が芽を出し、新たな木が育ち、色々な樹種で構成される森が出来上がる。

 風で運ばれる種もあれば、リスやネズミが運ぶ種もあります。

 樹木が順調に育ち、様々な樹種が入り混じることで、少しずつ森林の姿が変化していきます。

 このまま自然任せにするのもいい。

 残したい木を選び、間伐して、自分たちが作りたい森に育てるのもいい。

 個人的な考えですが、いつも思うことが、目的が環境保全でも木材生産でも、森づくりに大切なことは、「どのような森林にしたいのか」という目標を持つことだと思っています。

 

 

 イベントには多くの社員さんが集まっており、皆さん、非常に熱心でした。

 毎度のことながら、「龍神は~と」さんのお弁当は最高

 

 楽しい1日でした

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混芽(こんが)

2016年04月11日 | 森林・樹木の基礎知識のお話

 サクラをはじめ、マルバアオダモやガマズミなどの花が開き、コナラやカシ類も開花の準備を着々と進めています。

 山を見渡すと、白色、桃色、赤色、黄緑色、緑色などが様々な濃淡で多様な色を表現してくれています。

 

 よ~く樹木を観察してみると、葉と花を同時に開く樹木、葉が開くより先に花を咲かす樹木、葉を開いても花が咲かない樹木(葉を開いた後に花を咲かす樹木)という違い見かけます。

 間近で観察してみると、花だけが出ている芽、葉だけが出ている芽、花と葉が同時に出ている芽を見ることができます。

 これらの芽を「花芽(かが、はなめ)」、「葉芽(ようが)」、「混芽(こんが)」といいます。

 樹木の種類によって、どの芽を持つかが決まっています。

 分かりやすい樹木だと、早々と花だけを咲かす「ウメ」は、花芽と葉芽を持っています。

 

 「混芽」をもつ樹木は?

 身近な樹木で言うと、コナラやカシ類です。

 ←コナラ(クヌギも同じ)

 ←ウバメガシ

 ←ツブラジイ

 これらの写真をよ~く見ると(クリックすると画像が大きくなります)、葉と花が同時に出てきているのが分かります。

 ウバメガシの写真が一番、分かりやすいかもしれません。

 

 これは、アラカシ。

 葉と花が同時に出てきて、しばらくすると・・・

 こんな感じに。

 出てきた葉の付け根あたりに花が出てきてます。

 ちなみに、コナラやカシ類でも、花が付いていないものもあるので、それは「葉芽」。

 

 と、このように、春のこの時期ならではの、観察が楽しめます。

 葉と花が同時に出ている芽があれば「混芽」で、花が出ている芽は「花芽」、葉が出ている芽は「葉芽」。

 花が咲いた樹木を遠くから眺めるだけでなく、たまには間近で見てください。

 また、間近で花だけを見るのではなく、「芽」も探してみてください。

 

 でわ、少し観察の事例を・・・

 ヤマザクラも葉と花が同時に出てきます。

 間近で見てみると・・・

 ヤマザクラは、花芽と葉芽が別々。

 

 次にクマシデ。

 これも早春に花が咲きます。

 葉も同時に出ていますが・・・

 これも花芽と葉芽が分かれています。

 

 最後はウリカエデ。

 これも早春に花が咲き、葉も同時に出ます。

 あまり、目立つような花ではないのですが、間近で見てみると・・・

 これは混芽。

 という風に、「混芽」はこの時期にしか、観察することが出来ないので、ご興味のある方は是非、観察してみてください

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ニホンマムシGET!

2016年04月09日 | 爬虫類・両生類のお話

 日向ぼっこしてるニホンマムシと出逢いました

 んで、気がついたら…

 捕まえてた

 冬眠明けで、このサイズはデカイ

 食べようかと思ったが、やはり、お酒に

 まずは、水に浸けて、体の中にあるものを排泄させ、きれいにし、水が汚れたら、きれいな水に変えます。

 水に浸ける期間は、だいたい1ヶ月から2ヶ月くらい。

 ちなみに3ヶ月や4ヶ月、水に浸けたことあるけど、マムシは死なない

 あの生命力、本当に凄い

 夏になったら、焼酎に浸けよう

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コガタブチサンショウウオ

2016年04月08日 | 爬虫類・両生類のお話

 今日は、山で一作業していると、伐倒木の下に・・・

 コガタブチサンショウウオ!

 しかも・・・

 2匹も発見!

 

 2008年から「コガタブチサンショウウオ」と「ブチサンショウウオ」に分けられました。

 なので、古い図鑑だと「コガタブチサンショウウオ」は載っていないと思います。

 

 コガタブチサンショウウオは・・・

 中部地方・近畿地方・四国地方・九州地方のに生息し、山地の源流域やその枝沢周辺、林内の林床で見かけます。

 体長は8~15cm。

 

 一方、ブチサンショウウオは・・・

 中国地方と九州地方北部のみに生息します。

 

 形態的や遺伝的な研究が進み、これまで同一とされていたブチサンショウウオが、コガタブチサンショウウオとブチサンショウウオに分かれたとのこと。

 どちらも流水性のサンショウウオ。

 ブチサンショウウオは見たことありませんが、今まで、コガタブチサンショウウオは林床でよく見つけました。

 

 以前、奈良県にいたときも、天川村の標高1300mの林床で見つけたことがあります。

 今日の場所(和歌山県旧大塔村)は、標高400m程度の林床で見つけましたが、標高約1100mの大塔山(和歌山県)でも見つかっていますし・・・

 

 流水性というものの、近くに川が流れていない林床や尾根でも見かけます。

 あまり、川の近くで出会ったことがないゆえに、「頑張って、ここまで歩いてきたのかな?・・・」と、いつも不思議に思います。

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広葉樹林化は獣害リスクを高めるのか。

2016年04月07日 | 現場技術・安全管理・道具のお話

 スギ林やヒノキ林を伐採した後に広葉樹を植栽すると、その周辺の林分で獣害被害のリスクが高まるのか?

 という研究が第127回森林学会大会にてポスター発表されていました。

 参考までに発表ポスターの写真は撮影させていただきましたが、ここへの掲載は控えます。

 広葉樹林化を進めた場合、シカやクマによる剥皮被害が高まる地域を色分けマップにして、分かりやすく、まとめておられました。

 シカによる剥皮リスク。

 関西をはじめ西日本は、ハイリスクの赤色が多く、九州(熊本県・宮崎県あたり)や四国(特に徳島県)も赤色が目立ちました。

 東日本は関東に赤色が固まり、北海道も赤色が多かったです。

 東北などの東日本では、シカの生息頭数が、今はまだ少ないものの、広葉樹林化が進めば剥皮を受けるリスクは高くなるとのこと。

 クマによる剥皮リスクは、全体的にハイリスクの赤色は少なかったです。

 

 さて、環境志向が高まる中、広葉樹林化の取り組みは進められています。

 しかし、この取り組みを進める裏側で、実は、獣害リスクを高めているということの認識を持つことが、これからは重要だと思いました。

 決して、広葉樹林化を否定しているわけではありません。誤解しないで下さい。

 植栽樹種がスギやヒノキであろうが、サクラなどの広葉樹であろうが、結局のところ、植栽地や伐採地、伐採跡地にシカは集まります。

 そして、伐採や植栽、作業道開設など山で行う施業は、「シカを増やす」ということに繋がっています。

 これから広葉樹林化を進めようが、再造林を進めようが、そういった行為そのものが、シカの繁殖を促していることを認識する必要があると思います。

 今回のポスター発表は、それを裏付ける1つの根拠になるな~と思った次第です。

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