(前回、最後にヘビとトカゲの違いに触れたので、今回は、そのお話を・・・)
ヘビとトカゲの違いは?
と、聞かれたら、「手足がない」と、普通に答えると思います。
でも、実は、「手足がない」トカゲもいます。
その名もアシナシトカゲ。
なので、ヘビとトカゲの違いは「手足がない」ではありません。
まぁ、日本のトカゲは「手足がない」ので、それで十分なのですが、観察会などを盛り上げる1つのネタとして、「実は違うんですよ~」ともっていきたい。
では、ヘビとトカゲの違いとは・・・
その1「ヘビの眼にはまぶたがない」
ヘビの眼は、「眼鏡板(がんきょうばん)」という透明なウロコで覆われています。
(←シマヘビ)
なので、ヘビの眼には、まぶたがありません。
眠るときも、眼が開いたままの状態です。
トカゲをよ~く見ていると、瞬きをしますが、ヘビは、一切瞬きをしません。(ちなみ、ヤモリにも”まぶた”がないので、絶対的な違い・・とは言い切れないところではありますが・・・。)
眼はウロコで覆われているので、眼を覆うウロコも脱皮します。
(←アオダイショウの脱皮)
あと、脱皮前の眼は、濁ります。
(←シマヘビ)
こんなヘビを見かけたら、「脱皮が近いんだな~」と思って下さい。
ちなみに、この状態のヘビは、視界が悪いため、気性が荒く、咬みつきます。
しかし、捕まえやすいので、つい、捕まえてしまう
ただし、視界が悪いから、あまり、ウロウロしていないので、見つけることが出来たら、ラッキーかも
その2「ヘビには耳の穴がない」
人間にも耳に穴があります。
トカゲにもあります。
でも、ヘビには、ありません。
(←ジムグリ)
しかし、耳が聞こえないというわけではありません。
音というのは、音波が空気を通じて聞こえます。
ヘビの場合、音波を皮膚で感じ、筋肉から骨へ、そこで振動を受け、内耳から聴覚細胞へと伝わります。
なので、「音→皮膚→筋肉→骨→内耳→聴覚→聞こえる」といった感じです。
この2つを覚えておけば、観察会などを盛り上げる十分なネタになるかと・・・
(←アオダイショウ幼蛇)
実際に、ヘビを捕まえて、説明すると、一層盛り上がります
と、ここまで語っておきながら、実は・・・この2つも絶対的な違いというわけでもありません
実は、トカゲは多様な分岐をしており、脚のないトカゲ、まぶたのないトカゲなど環境に適応し、分岐してきた結果、非常にヘビと似た形態・特徴をもつ種もいます。(ヤモリも”まぶた”ないですし。)
ヘビ独特の特徴は、表面のみの観察では分かりにくいものが多く、解剖学的な部分がほとんどらしいです。
例えば、「左の肺がない(もしくは、機能していない)」、「下あごが真ん中で分かれている」など。
表面的な違いとしては、耳の穴・・・だったかと思います。(曖昧で、すみません・・・。)
機会があれば、一度、そういう視点で、ヘビとトカゲを見比べてください。
最後に1つだけ。
ヘビを真正面から観察すると・・・・
すっごくカワイイ
(←ヤマカガシ。毒ヘビ。)