はぐくみ幸房@山いこら♪

「森を育み、人を育み、幸せ育む」がコンセプト。株式会社はぐくみ幸房のブログです。色々な森の楽しさ共有してます♪

しおり

2021年01月27日 | 思いつくままの雑多なお話

 本を途中で読み終わるときに使う「しおり」。

 

 しおりの由来は、山の中を歩いた目印として、枝を折る「枝折り(しおり)」。

 

 僕は、はじめての林業現場を歩くとき、枝を折って、歩いた痕跡を残すようにしています。

 帰り道を迷わないようにという目的もありますが、後日、再び、現場を訪れたときの目印にもなるので、枝を折ったりしています。

 

 ちなみに、枝を折る樹種も、なるべく選ぶようにします。

 サカキ、ヒサカキ、シキミなど花木になる樹種は折らないようにします。

 

 主に枝を折る樹種として、シイノキ、ヤブニッケイ、シロダモ、イヌガシなど。

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光合成に適した温度

2021年01月26日 | 森林・樹木の基礎知識のお話

 日本に自生する植物の多くは、気温5℃以上で光合成を開始します。

 そして、もっとも盛んに光合成を行う最適温度は「25℃前後」と言われています。

 25℃以上になると光合成速度の低下が始まり、40℃を超えると急激に光合成速度が遅くなる傾向にあります。

 気温が低温の場合、光合成速度は低くなり、気温が高温の場合は、光合成速度よりも呼吸速度の上昇の方が激しくなります。

 光合成速度よりも呼吸速度の方が早くなると、樹木は休眠します。

 光合成は生産、呼吸は消費。

 気温が高くなると、光合成による生産よりも呼吸による消費が上回ってしまい、収支勘定が割に合わないので、光合成をやめて、休眠に入るってイメージです。

 

 もっとも成長が旺盛な季節は夏。

 朝日が良くあたり、正午を超えると徐々に陽があたりにくくなる場所で、野菜や苗木を育てると、良く育ちます。(人間と同じく、西日がイヤです(>_<)。)

 朝の日の出とともに光合成を開始するので、前日の夕方に、水をたっぷり与えておくと、さらにイイですね。

 

 ちなみに、樹木も呼吸しています。

 光合成によって、光・二酸化炭素・水が糖類に合成されます。

 そして、合成された糖類は、幹や枝などに運ばれ、糖類を分解し、セルロースやリグニンに作り替えるときに呼吸を行います。

 動物と同様、酸素を吸収し、二酸化炭素を排出しています。

 樹木は、光合成によって二酸化炭素を吸収し、酸素を放出するとともに、合成した糖類を分解・吸収するために酸素を取り入れ、二酸化炭素を放出しています。

 会社経営で言うと、光合成は収入で、呼吸は支出・・・みたいなもんですね(^_^;)。

 

 今回は、光合成に最適な温度のお話をしたかったので、光合成と呼吸の詳しいお話は、別の機会に・・・(>_<)。

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休眠打破

2021年01月23日 | 森林・樹木の基礎知識のお話

 ソメイヨシノなどサクラの開花についてのお話です。

 

 

 次の写真は、ソメイヨシノの冬芽と花芽で、丸みのある手前の芽が「花芽」です

 冬の花芽は休眠し、冬を越します。

 この休眠から目覚めることを「休眠打破」といい、花芽の休眠打破には低温による刺激が必要です。

 そして、日本の多くの樹木では、休眠打破に必要な低温刺激の有効温度は5℃以下と言われています。

 なお、この休眠打破は低温刺激、つまり温度が関係するもので、日長などとは関係ありません。

 

 それでは、順を追って、説明します。

 1)花が咲き、やがて、夏になると、花芽を形成します。

 2)花芽は、次第に短くなる日照時間を感じ取ります。

 3)そして、葉が、冬芽の休眠を促す植物ホルモン「アブシシン酸」を作り、花芽に送り、翌春まで休眠させます。

 4)秋までに形成された花芽は一度休眠し、冬の気温が5℃以下になると、その低温刺激で休眠が解除(休眠打破)されます。

 5)春、気温上昇に伴い、花芽が成長して開花します。

 という感じです。

 簡単に言うと、「花芽は夏に作られ、冬になると休眠し、気温が5℃以下になると、低温刺激によって、休眠が解除され、気温が暖かくなると開花する」ということです。

 ちなみに、気温が高い日が続くと、サクラの花は早く散ってしまいます。

 

 しかし、花芽が作られる8~9月頃に、台風やモンクロシャチホコなどの虫害等によって、葉に大きな障害を受けたり、秋に気温が急激に上昇するなどが起こった場合、花芽の休眠作用が狂ってしまい、休眠が解除されてしまうことがあります。

 そして、10月頃、一度、気温が低下し、その後、気温が暖かくなったりすると、春でもないのに間違って、開花することがあります。

 これが「狂い咲き」と呼ばれる現象です。

 

 だけど、ソメイヨシノは、外部の影響による障害を受け、それでも素直に自然な気温の変化に反応しているだけなので、「狂い咲き」という呼び方は、ちょっと失礼じゃないかなーと思ってしまう(-_-)・・・・。

 

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光阻害

2021年01月20日 | 森林・樹木の基礎知識のお話

 通常、樹木は、光合成を効率良く行うため、光の当たる方向に枝葉を広げ、成長していきます。

 一方で、強すぎる光は、樹木の成長にマイナスの影響を与えることがあります。

 

 光合成を行う樹木にとって、「太陽の光」はとても大切なエネルギーです。

 しかし、強すぎる太陽の光は、樹木にとって、決して、良いエネルギーとは言えません。

 

 強い太陽の光を受けた葉は、そのエネルギーを使い切れず、余分なエネルギーとして貯まってしまいます。

 そして、貯まった余分なエネルギーから活性酸素が作られ、葉緑体を分解し、結果、光合成能力を低下させてしまいます。

 これを「光阻害」といいます。

 

 この光阻害に対して、樹木は、強すぎる光の過剰なエネルギーを熱として放出(蒸散作用)したり、活性酸素を消去する抗酸化物質(スカベンジャー)を生産するなど、植物の種類によって異なりますが、光阻害を防御する仕組みを持っています。

 ちなみに、光阻害の防御能力は、明るい環境で生育できる陽樹の方が、薄暗い環境で生育できる陰樹よりも高いです。

 

 また、光阻害は、低温や乾燥など植物の生育に最適でない状況では促進されます。

 

 一番わかりやすい例で言うと、冬になると葉が赤くなるスギ。

 写真は、育成中のスギの苗木です。

 常緑樹は、冬でも光合成を行うことが出来ます。

 しかし、低温によって光合成能力が低下しているため、冬の強い光エネルギーを使い切れないので、強い光から葉緑体を守るため、アントシアンを生成し、このように葉が赤くなります。

 スギなどの常緑樹は、葉を赤くすることで、強い光から葉緑体を守り、光阻害を防止しています。

 

 冬になって、常緑樹の葉に、少しでも赤色っぽさを感じたら、「光阻害を防いでいるのかなー」と、思って、観察してみてください。

 日陰の葉は緑色で、陽当たりの良い葉は赤色っぽくなっている常緑樹にも出会えると思います。

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光屈性

2021年01月19日 | 森林・樹木の基礎知識のお話

 前回の水分屈性に続き、今回は光屈性について。

 

 光という刺激を受けて、成長方向を変える現象を「光屈性」といいます。

 光に向かって、枝葉が伸びる現象は、正の光屈性。

 光を避けるように、枝葉が伸びる現象は、負の光屈性。

 

 光合成に不可欠な光ですが、状況次第では、樹木も光を避けることがあります。

 

 樹木は、陽あたりの良い部分に「陽葉」、陽当たりの悪い部分に「陰葉」という2種類の葉を光環境に応じて、着葉します。

 陽葉は、強すぎる光に対する抵抗力を備え、陰葉は、弱い光を効率良く光合成できる能力を備えています。

 

 例えば、林内の薄暗い環境で生育しているモミ。

 ある日、上層木が伐採されて、突然、薄暗い環境から明るい環境に変わったら・・・・

 光を避けるような葉の付き方に変わります。

 太陽の光・直射日光を避けるように、枝葉の広がり方が変わっていきます。

 写真の避け方が、「負の光屈性」ということになります。

 

 ちなみに、本来は、弱い光を少しでも受け取れるよう、こんな感じに葉を付けています。

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水分屈性

2021年01月15日 | 森林・樹木の基礎知識のお話

 山の中を歩いていると、岩の隙間に根を伸ばす樹木をよく見かけます。

 よく見かけているのか、そこに注目するからよく見かけるのか、定かじゃないんですが、「樹木の根は岩の隙間がお好き。」という偏見をもって、観察しています(^_^;)

 岩の隙間は、土壌よりも水が蒸発しにくくので、きっと水が溜まりやすいのでしょう。

 その上、草本類もなく、水の競争率が低いと思われるので、樹木の根は岩石の隙間に溜まる水を求めて、のばしているのではないのかなーと。

 

 植物がある刺激によって成長方向を変える現象を「屈性(くっせい)」といいます。

 屈性は2種類あって、ある刺激の方向に向かって成長する正の屈性、刺激の反対方向に向かって成長する負の屈性があります。

 水を求めて岩の隙間に根を伸ばすのは、正の屈性ですね。

 逆に、土壌水分が多すぎる場所に根を伸ばさないのは、負の屈性となります。

 

 このように、水(湿度)という刺激による屈性を「水分屈性」といいます。

 

 

 小さな岩の隙間に根を伸ばし、分岐した小さい根も、小さな岩の隙間に根を伸ばしています。

 ほぼ直角に右側の小さい隙間に向かって伸ばす姿は、まさに正の水分屈性ですね。

 

 岩の隙間にヒノキが根を伸ばしていますが、これも、正の水分屈性。

 

 ヒノキ人工林に囲まれたアカガシの巨木。

 アカガシの樹勢調査を行ったとき、根の広がりを調べてみると、大きな岩石や集水地になってる岩石の谷に向かって、根を伸ばしています。

 

 水を求めて、樹木が根を伸ばすのは、正の水分屈性。

 逆に、水分が多すぎる場所には、樹木が根を伸ばさないのは、負の水分屈性。

 

 樹木も、イヤな物はイヤ!と主張しています。

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薪ストーブ 着火

2021年01月05日 | 資源利用(木材・特用林産物)のお話

 「薪ストーブ」。

 薪ストーブを使われている方、それぞれ、色々な工夫で着火されているんじゃないのかな~と思います。

 これから薪ストーブを購入しようと考えている方の参考も兼ねて、我が家の着火方法を。

 

 ①薪を設置します。

 

 ②その上に、燃えやすい小割した薪や端材を乗せます。

 

 ③さらに、その上にスギの枯れ葉を乗せ、着火します。

 ※我が家の着火剤は、スギの枯れ葉です。

 もし、市販の着火剤を使用する場合は、②で乗せた小割した薪や端材の上、もしくは間に入れて、着火して下さい。

 

 ④この順番で設置することで、煙が効率良く排気口から出ていくので、炎が無駄なく広がっていきます。

 結果、小割した薪や端材の使用量を抑えることが出来ます。

 

⑤ストーブの扉を少し開くと、さらに空気が流れ、炎の勢いも増します。

 

⑥ドンドン、燃え広がります。

 

⑦気流のように炎が広がり、一番下に設置した薪にも燃え広がります。

 

⑧最初にセッティングした状態から、途中で薪を入れたりとかの作業も必要なく、小割した薪や端材も節約できます。

 もし、この方法で着火されていない方は、一度、お試し下さい。

 

 薪ストーブには、メリットとデメリットが色々ありますが、石油ストーブにはない暖かさがあります。

 遠赤外線の力なんですかねー、ホントに体の芯から暖まります(^_^)v

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もくロック

2021年01月04日 | 資源利用(木材・特用林産物)のお話

 僕がオススメする木のおもちゃ「もくロック」。

 サクラ、ホオノキ、イタヤカエデ、シデノキ、カバノキ、ケヤキの6種類の国産広葉樹で作られたブロックが「もくロック」です。

 ブロック自体は、非常にシンプルです。

 左から順に、サクラ、ホオノキ、イタヤカエデ、シデノキ、カバノキ、ケヤキ。

 120ピース入りで10,000円(税抜き)程度。

 

 非常にシンプルなブロックなので、自分で考えて、作りたい物を作って、遊ぶようになります。

 

 我が家の三男(当時5歳)の大作。

 草食恐竜の親子に、肉食恐竜が襲ってくるというストーリー。

 

 そして、素材が「木」なので、丁寧に扱わないと・・・

 ブロックを分解したり、取り外すときも、力加減を考えたり、工夫したり、調整したり。

 おもちゃが壊れたときのショックな気持ちを理解するので、大切に扱ってくれるようになります。

 

 「木」のおもちゃ、だからこそ、育まれるものがあるかも!!

 お子さんやお孫さんの贈り物に「もくロック」、オススメ(^_^)v!!

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アルカロイド

2021年01月03日 | 森林・樹木の基礎知識のお話

 アルカロイドの定義というか、線引きは明確になっていないようですが、天然由来の窒素成分を含む有機塩基類で、生物活性をもつ化合物をアルカロイドと言うそうです。

 植物毒はアルカロイド系が多く、アルカロイドと聞くと、薬よりも有害・有毒なイメージを強く持ってしまいます(^_^;)。

 だけど、アルカロイドは、植物だけでなく、微生物、真菌、魚類や両生類などの動物といった色々な生物が生産しています。

 

 例えば、動物が生産するアルカロイドで言うと・・・、

 フグやニホンイモリの「テトロドトキシン」。

 

 あと、有名な毒ガエル「ヤドクガエル類」がもつ毒の種類の1つである「バトラコトキシン」。

 実際は、まだまだ、あります。。。が、専門家ではないので・・・(^_^;)

 

 アルカロイドを生産する植物をあげると、キリがないし、専門家じゃないので、そんなにたくさん知っているわけではありませんが、代表的なものとしては・・・・

 

 じゃがいもの芽に含まれる「ソラニン」。

 

 トリカブトの「アコニチン」(写真はミヤマトリカブト。)

 

 針葉樹のイチイの種子に含まれる「タキシン」。

 赤い果肉の中にある黒い種子は有毒で、これにタキシンが含まれています。

 

 ヒガンバナの「リコリン」。

 

 このほか、チョウセンアサガオ、イヌサフラン、スズラン、スイセン、青梅など

 

 と、ここまでに上げた植物例は、強い毒性を示すアルカロイドです。

 

 一方で、カフェインなどのように嗜好品として使われるアルカロイドもあります

 (あと、僕は吸わないけど、タバコに含まれる「ニコチン」も・・・)。

 

 実は、ラベンダーの花の香り成分も、アルカロイドの一種。

 

 植物は、動物や昆虫などの外敵から葉や花を守るためにアルカロイドを生産していると言われています。

 それでも、葉を食べられたり、花の蜜を吸われたりしているし、タネを運んでもらうため、実を食べてもらう必要もあります。

 

 なので、外敵から身を守るためにアルカロイドを生産していると考えるよりも、「植物自身が描いている生存戦略を実現するため、アルカロイドを生産している」と考えた方が、面白いかも。

 植物にも好きな動物と嫌いな動物があって、嫌いな動物を寄せ付けないために効果的なアルカロイドを生産している。(あっ、それだと、外敵から身を守ると一緒か(^_^;))

 

 植物も好きな動物と嫌いな動物がいるって、考えると・・・、植物も人間みたいや (^_^;)。 

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