7月9日から3日間、和歌山県農林大学校にて、「森林経営計画」の策定演習に関する講義をさせていただきました。
初日午前、生徒の皆さんは、和歌山県の林務職員から森林経営計画制度の講義を受けました。
その午後、弊社とバトンタッチするわけですが、正直、話を聴いただけで制度を理解できれば、苦労はしません (゚Д゚;)。
というわけで、午後一発目から、「森林所有者に対して、森林経営計画を説明するプレゼン」を作成してもらい、次の日の朝、皆の前で発表していただきました。
森林所有者に対して説明する目的は、森林経営計画の編入に必要な「森林経営委託契約書」にハンコを押してもらうこと。
これは、実際の仕事の中でも必要不可欠な場面となるので、それを想定した上で、プレゼン作成と説明を体験いただきます。
2日目の朝、森林所有者に向けて、森林経営計画を説明していただきます。
プレゼンの聴講者は、同じ生徒と和歌山県農林大学校の職員さん達。
職員さんも林務職員として、実際に業務として携わった経験もあるので、経験者ならではの質問を生徒さんへ。
他者の経験を自分のものにする、他者の経験を聴くことで疑似的な体験を得ることも、学習の上では、とても大切なことです。
2日目の午後は、いよいよ森林経営計画の策定です。
演習用に用意した山林をベースに属地計画を作成してもらいます。
それぞれの森林所有者から要望を受け、森林経営委託契約書に印鑑を押してもらいました(という設定)。
そんな森林所有者のために、どのようにして、森林経営計画を立てるのか、演習を通じて、しっかりと考えていただきます。
これも、実際の業務にあることなので、学ぶよりも実体験が一番です。
森林所有者の要望に1つ1つ丁寧に応えていると、
連続する皆伐面積が20haを超えてしまう (゚Д゚;)
主伐材積量の上限値を超えてしまう (T_T)
間伐計画の下限値がクリア出来ていない (; ・`д・´)
これも、実際に策定する上で、クリアするために思考を巡らせる必要があります。
そして、最終となる3日目の午前は、作成した森林経営計画の発表プレゼン。
前日の朝、森林所有者に説明した森林経営計画・・・。
実際に作成して、自分たちのプレゼンは、本当に良かったのか。ということも振り返っていただきました。
加えて、話を聴いただけの理解度と、実際に自分たちで策定したことによる理解度の違いや責任感についても振り返っていただきました。
3日目の午後は、伐採届や伐採証明など森林経営計画に関する事務を行っていただきます。
何より、伐採証明は、森林所有者にとって税制優遇される大事な事務です。
そして、最後はゲームを通じて、合意形成を体感し、合意形成に重要なものを学んでいただきました。
弊社の研修講義では、学ぶことよりも、実体験を通じて実感することを重視しています。
話を聴いただけでは、学習したことは身に付きません。
知識を知って、分かっただけでは、次の行動に繋がりません。
知識を知り、分かったことを、自分自身の中で実感、腑に落ちることで、次の行動へ繋がります。
森林経営計画は、補助金を得るための計画ではありません。
森林法に基づき、農林水産大臣・都道府県知事・市町村長が認められた計画です。
だからこそ、税制面や補助金の優遇が受けられます。
実際、制度や運用面について、納得いかないところがあったり、頭を抱えるところも多々ありりますが、そのことと森林経営計画の位置付けは全く別の話です。
森林経営計画は、結構、大切で重要なツールなんですけどね (^_^;)