ウバメガシ林の択伐施業地に行ったとき、ふと、ウバメガシの木に違和感が・・・。
よ~く見ると、オオバヤドリギが寄生。
実は、オオバヤドリギを見るのは初めて。
これが花。
九州では社寺林の古木に寄生し、樹勢を衰退させたり、枯死したりと、問題になっているようです。
ウバメガシにもがっつり着生してました。
和歌山県では絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。
ここのウバメガシ林では、2本ほど寄生されていたので、きちんと調べれば、まだあるのかもしれませんね。
希少な植物ですが、備長炭の原木として管理されているウバメガシ林なので、今後、適切な管理ができるのか・・・。
産業面でマイナスにならず、かつ希少植物を管理・・・。
両方を同時に実現ってのが難しいな・・・。
あと、ヒノキバヤドリギもありました。
モチツツジとかアセビに着生してました。
ヤドリギの種は鳥に運搬され、糞とともに排出されます。
鳥は、空を飛びながら糞をすることができず、必ず木か何かに止まらないといけません。
なので、ヤマザクラなど果肉質の種をつける樹木を自然に生やすためには、鳥が糞をできるように上層木の存在が不可欠です。
皆伐より、択伐のように上層木を残す施業を行う方が、鳥が散布する樹木も生えてくるので、いわゆる生物多様性が豊かになりやすいと思います。
(鳥散布に関する記事はこちら→ http://blog.goo.ne.jp/yamaikora/e/1fcbfc855de50959d25007b103d2669d )
サマツをいただきました。
マツタケに似たキノコで、香りもマツタケに似ています。
が、少し香りが弱い。
マツタケを金メダルとすると、サマツは銀メダルか銅メダル・・・?
食べ方はマツタケと同じ。
でも、香りが弱いので、マツタケご飯的なものは向かないかも・・・。
図鑑では、コナラなどの広葉樹林と紹介されていますが、和歌山県だと、ウバメガシ林にも生えています。
なので、炭焼きさんには一般的な食用キノコ。
サマツは、マツタケよりも早く生えるので「早松(さまつ)」が由来だそうです。
また、「バカマツタケ」と失礼な別名もあります。
あと、「ニセマツタケ」とか・・・。
ホント、失礼な呼び名しかないな・・・。
子どもの運動会だったので、お弁当のおかずに
でも、子供たちは食べないからおばあちゃんに・・・。
サマツはオーブンでホイル焼きにし、シンプルに塩で頂きました。
身の裂けかたもマツタケ似。
香りは・・・ちょっと劣るかな・・・
でも、おばあちゃん(子どものひぃおばあちゃん)は、懐かしい~と喜んでくれました
山に行ったら、下の写真のように何かの膜に覆われた木を見たことないですか?
これはコウモリガの幼虫が木の中に穿孔すると、このような膜を張ります。
加害する樹種は色々で、スギ、ヒノキ、アラカシなどカシ類、コナラ、クヌギ、クリ、プラタナス、ヤナギ類、キリ、ハンノキ、ヤシャブシ、ウツギ、アジサイ、カンキツ類などなど。
写真はクロバイに穿孔したコウモリガ。
あと、多年生の草本類にも穿孔します。
軟らかい木、堅い木と様々な樹種に穿孔するので、この上ない雑食性の虫ですね
膜を取り除くと、穴があって、その中に幼虫がいます。
コウモリガは、2年1回の発生で、成虫は、空を飛びながら、爆弾を落とすように卵をまき散らします。
卵のまま越冬し、翌春に孵化した幼虫が、近くの木や草に穿孔します。
2年目の冬は、幼虫で越冬し、翌年の夏頃に蛹になって羽化します。
コウモリガに穿孔された木や草は、穿孔部より上の部分から折れるなど、幹の強度が低下します。
防除方法としては、地表面にいる幼虫に薬剤散布か、樹幹に穿孔される前に薬剤を樹幹に散布する方法があります(一般的な薬剤は「スミチオン乳剤」かな。)。
※農薬を使用する場合は、農薬取締法に基づき使用してください。昔使っていた農薬でも、農薬登録から除外されている場合があるので、使用する場合は農薬登録の確認をしてください。(農薬の箱などに書かれています。)
とりあえず、虫ごと被害材をお持ち帰り
割ってみると、中に幼虫が
アップにするとこんな感じ
ほじほじ・・してみた
幼虫を取り出した。
さぁ、どうしようかな~
シカの調査で植栽地の調査に行って来ました。
半日以上、林内をウロウロし、下山したら・・・
あ~・・・マダニがいたよ~。
シカが歩いた道を歩いたからね・・・
タカサゴキララマダニ。
ちなみに、SFTS(重傷熱性血小板減少症候群)ウイルスの保有が確認されているマダニ
ズボンに喰いついていただけなので、とりあえず、強引に外す
牙はこんな感じ。
このマダニには、よくズボンに喰いつかれるんです。
が、一度も、体を咬まれたことはありません
いつも、ズボンの裾を靴下にいれて、地下足袋をはいて、脚絆を巻いているからかな~
これだと、足元からマダニが上がって来ても、裾から侵入されない・・・・かも
あと、上半身は、スポーツ用のフィットTシャツ(?)というのかな、身体機能を高める・・という体にピタッと張り付くような長袖のTシャツを着てます。
これも袖から侵入されないし、手首から侵入されても体の中まで侵入されにくい・・・気がする
身体機能も高まって、一石二鳥
首元はタートルネック・・・でも、夏は暑いからな~
ちなみに。
タカサゴキララマダニがお腹いっぱい吸血するとどうなるのか。
国立感染研究所のHPに写真があるので、見てみてね。
http://www.nih.go.jp/niid/ja/lab/478-ent/4682-testudinarium.html
体は何倍にも膨れ上がって、足なんて、体に埋もれてる。
気持ち悪いでしょ・・・。
山でよく見かけるクスノキ、ヤブニッケイ、シロダモ。
この3種類ともクスノキ科の樹木で、なかなか見分けられない・・・という方もいるかと思います。
慣れると、すぐにわかるんですが、慣れていないと、3種類とも同じように見えていると思います。
今回は、クスノキ ヤブニッケイ シロダモ この3種類を葉っぱだけで、簡単に見分ける方法をお話したいと思います。
まず、葉の裏を見て白っぽいのが「シロダモ」です。
クスノキやヤブニッケイの葉の裏は白くありません。
なので、葉の裏が白ければ「シロダモ」。
次に、クスノキとヤブニッケイの違い。
この2種類は、葉柄(ようへい)で見分けられます。
葉柄が真っ直ぐだと「クスノキ」、曲がっていると「ヤブニッケイ」。
左がクスノキ、右がヤブニッケイ。
見比べると、ヤブニッケイの葉柄が曲がっているのが分かるかと思います。
あと、葉の厚さもヤブニッケイの方が厚くて丈夫です。
また、葉の縁が波打っているのが「クスノキ」で、あまり波打っていないのが「ヤブニッケイ」。
でも、同じヤブニッケイでも、生えている環境によって、葉の厚さや波打ちに違いがあるので、見分ける決定打に欠けることがあります。
まず、葉の裏を見て、白かったら「シロダモ」
葉の裏が白くなかったら、葉柄を見て、真っ直ぐなら「クスノキ」
葉柄が曲がっていたら「ヤブニッケイ」
の順番で観察すると、3種類を見分けやすいと思います。
あと、「ヤブニッケイ」は、葉っぱを揉むと、「コカ・コーラキャンディ」の香りがします。
コカ・コーラではなく「コカ・コーラキャンディ」の香り
ヤブニッケイを見つけたら、葉っぱを揉んで、香りをかいでみてください。
なので、「コカ・コーラキャンディ」の香りなら、ヤブニッケイ。
「八ツ橋」っぽい香りなら、クスノキ。
という見分け方(嗅ぎ方?)もあります。
ちなみに、シロダモは、シカが食べない(嗜好性が非常に低い)ので、山の中では、結構、増えてきています。
クスノキ ヤブニッケイ シロダモ この3種類の見分け方、一度、試してみてください。
ミンミンゼミ続いて、今回はツクツクボウシ。
ツクツクボウシの鳴き声にも気に入らないところがあります
「ツクツクボ~シ、ツクツクボ~シ、ツクツクボシ、ツクツクボシ・・・・」ときて、最後に「ナニヨ~、ナニヨ~、ナニヨ~、イ"~」(イ"=イの濁音)と、まるで怒っているように聞こえるから。
女性にプロポーズをするも、相手にされず、最後に「何よ何よ何よイ"--」と怒る。
自分に原因があるんちゃうん?
グッとくるようなプロポーズをしなさいよ
と、思ってしまいますね。
ちなみに、図鑑では、鳴き声を「ジュクリヨ~、ジュクリヨ~、ジュクリヨ~、ギ~」などと書かれていました。
でも、僕には「ナニヨ~、ナニヨ~、ナニヨ~、イ"~」って聞こえるわ・・・
今、ミンミンゼミが鳴いてます
まぁ、他にもヒグラシやツクツクボウシも鳴いてますが、今回はミンミンゼミのお話を・・・
「ミーン、ミーン」と鳴くからミンミンゼミ。
「セミの鳴き声」と言われたら、一番最初に「ミ~ン、ミ~ン、ミン、ミン、ミン、ミ~~・・」を思い浮かべる方が多いかと思います。
鳴くセミはオス。
鳴く理由は、メスを誘うため。
人間でたとえるなら、男性が女性にプロポーズをしているようなもの。
な・の・に
ミンミンゼミの鳴き声は、真剣にプロポーズをしているとは思えない
「ミ~ン、ミ~ン、ミン、ミン、ミン、ミ~~・・・」の最後の「ミ~~・・・」が下がるところが気に入らない
1~2週間という短い寿命の中で、天敵にも襲われないように気を付けないといけない人生なのだから、そこは、「ミ~~」ではなく、「ミ~~」やろ
もっと、やる気を出しなさい
もっと、真剣に女性にプロポーズをしなさい
そんな生半可な気持ちで、女性にプロポーズしてはいけない
と、思ってしまうので、ミンミンゼミの鳴き声を聞くと、少しイラッとしちゃいます
でも、ミンミンゼミの鳴き声が聞こえるのも、あとほんのわずかですね・・・・
山をウロウロしていたら・・・・
ツマグロヒョウモンの幼虫を発見
イラガのような棘を持っていますが、触っても大丈夫
というか、”なでなで”したくなる程、気持ち良い
成虫はこんな感じ。
これはオス。
メスは翅の両端が黒色・白色・灰青色の模様が入ってます。
ツマグロヒョウモンは、本州(関東以南)・九州・四国に分布する比較的よく見かける蝶です。
幼虫の食草はスミレなので、スミレを観察しているとよく見かけます。
そして、近くの枯草や枯れ枝で蛹化します。
人家の壁とか植木鉢でも、蛹を見かけたりしますね。
調べてみると、暖かい地方だと年4~5回の発生で、成虫も3~11月とほぼ年中見かけることができるそうです。
うちの次男がツマグロヒョウモンの幼虫が大好きで、庭に生えているスミレを調べては、幼虫をかき集めています。
そして、この時期のイベント「運動会」をツマグロヒョウモンで再現し、幼虫を一斉に並べて、「徒競走」をさせて、遊んでいますね・・・・
見た目から想像できない気持ちいい毛並(?)をあの子たちは持っているんです
皆さんも、ツマグロヒョウモンを見かけたら、優しく撫でてみてください
(でも、触り過ぎると、幼虫が弱るので、ほんの少しに留めてくださいね)