はぐくみ幸房@山いこら♪

「森を育み、人を育み、幸せ育む」がコンセプト。株式会社はぐくみ幸房のブログです。色々な森の楽しさ共有してます♪

ホオノキ 花

2023年05月18日 | 樹木・草花のお話

 大きな葉と大きな花がとても目立つ「ホオノキ」は、モクレン科モクレン属に属する樹木です。

 「ホオ」は”苞”という意味で、大きな葉で食物を盛ったことが名の由来になったそうです。

 大きな葉に食べ物を持って、”頬張る”という意味もあるとか・・・

 

 ホオノキは、高木性落葉広葉樹で、日本に生える樹木の中で、最もが大きい樹木です。

 樹高は15~30m、樹皮は灰白色。

 

 葉は単葉で、枝先に集中し、互生します。

 葉の長さは約20~40cm、幅は約10~25cmと、在来種の中で最も大きな葉をもつ樹木です。

 葉の表面は緑色、裏面は灰白緑色、葉縁は全縁で波を打ちます。

 
 4~5月頃、直径約15cmの大きな花を開花させます。

 強い芳香があって、個人的にこの香りは大好きです。!(^^)!

 

 ホオノキの花は、咲いた日は雌花(雌しべ)で、翌日に雄花(雌しべ)になるという面白い特徴を持っています。

 開花1日目が雌花。

 柱頭から反り返るように張り出しています。

 

 開花2日目が雄花で、花粉が出ています。

 昨日咲いていた雌花は柱頭にへばりついてます。

 雄花が咲く頃には、雌花が終わっています。

 

 なぜ、雌花と雄花、それぞれ咲く時期が違うのか・・・

 自分の花粉を自分で受粉しないようにするため、開花の時期をずらしています。

 簡単に言うと、自家受粉を避けるためですね。

 

 雌花は開花1日目しか見られません。

 なので、この時期(4~5月)に花開く、ホオノキの花は、雌花から雄花に変化する瞬間を楽しめます。

 僕も男ですからね、ホオノキの雌花に出逢うため、開花間近なホオノキを見つけたら、滅多に出会えない雌花と出会うため、頻繁に通います。

 車の運転中にホオノキを見つけたら、「雌花(女の子)かな?」と気になって仕方ない!( ゚Д゚)!

 

 ホオノキの花が咲きそうになったら、雌花と雄花の変化を見逃さないよう、毎日じっくり観察してみましょう!

※2016年4月記事再編

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奈良県フォレスターアカデミー 2023年度 -森林内活動における危険な生物-

2023年05月13日 | 株式会社はぐくみ幸房のお仕事

 5月11日、奈良県フォレスターアカデミーにて、森林内活動における危険な生き物をテーマとした講義に行ってきました。

 アカデミー生の皆さんには、5時間という短い(?)中で、哺乳類5種、節足動物20種、爬虫類10種、両生類3種、環形動物3種、植物多数、キノコ多数の情報を、頭の中に詰め込んでいただきました。

 

 危険な生き物との接触による死亡者は、年間20~30名。

 もし、効果的な予防方法を知っていたら、一命を取りとめた方がいるかもしれません・・・。

 

 そして、死亡者の8割弱がスズメバチなどハチによる被害です。

 

 さらに、野生動物を通じた感染症による死亡者も・・・。

 

 林業は労働災害が多い産業です。

 急傾斜で足元の悪い労働環境の中で、調査したり、伐採したり、ヒヤッとすることが多々あります。

 その中で、危険な生き物による被害の割合は少ないのかもしれません。

 

 しかし、危険な生き物に対する知識や処置を身につけることは、安全管理スキルの向上につながります。

 森林、林業、自然、生き物に関する取り組みや活動は、個人、団体、法人に関わらず、活発になる中、危険な生き物に関するスキルは重宝されます。

 なので、林業に限らず、農業や田舎暮らしといった場面でも、もちろん私生活においても活用することが出来ます。

 

 そして、危険な生き物を見極めるスキルがあれば、自然観察の幅も広がります♪

 

 講義中に出したクイズ「触っても大丈夫な毛虫」。

 これが分かると、子どもたちと一緒に毛虫に触れて楽しむ自然観察会が出来ます♪

 

 

 

 講義の後半は、グループに分かれてもらい、カードを使って、危険な生き物に対する応急処置のイメージトレーニング。

 被害を確認したら、制限時間4分以内に、取るべき行動と応急処置を行い、病院への搬送と救急車の要請有無を判断してもらいます。

 

 応急処置に必要な道具も選んでいただきます(引っ掛け道具もあります(^_^;))。

 

 そして、発表。

 

 また、講義中に、ポイズンリムーバーやエピペン(練習用)も使ってもらいます。
 起こってほしくないけど、一度でも使った経験があれば、もし、事が起こった時、サッと使えるようになったと思います。
 特にポイズンリムーバーは、初見で、使い方を間違う方が多いです。。(^_^;)
 
 
 ちなみに、アカデミー生の先輩たちは、よくマダニの被害を受けていたそうです。
 だけど、この講義がきっかけで、速やかに正しい処置が行えるようになったと、うれしい報告もありました。
 
 
 事故やケガは起こらないでほしいです。
 誰も望んでいないけど、それでも、起こるときは起こってしまう。
 そんな時に必要なスキルとして、危険な生き物の知識と対処を学んでいただきました。
 
 そして、2023年度のアカデミー生も、前向きな方が多かったので、2年生になる方への講義も楽しみです♪
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モチツツジ

2023年05月12日 | 樹木・草花のお話

 4~6月にかけて開花するモチツツジ。

 モチツツジは、低木性半常緑広葉樹です。あまり聞かないんですが、半落葉と表現するパターンもあるようです。

 春に出た葉は、秋に紅葉した後、落葉します。

 しかし、冬芽に取り巻く夏型の葉は落葉せず、そのまま春を迎えるので、「半常緑(半落葉)」。

 

 春に展開されたモチツツジの新しい葉は、粘着性の綿毛を持っているので、触ると「ネチョッ」とします。

 このネチョネチョ感が鳥もちに似ているので、「モチツツジ」という名前の由来になったそうです。

 

 ネチョッとするモチツツジの新葉は、花を食害する虫を捕まえ花を守る防衛手段の機能を備えています。

 花を食べようと近づいた虫は、写真の様に捕獲されてしまいます。

 食虫植物ではないので、捕獲された虫は、身動きが取れないまま死んでしまいます。。。

 しかも、花粉を媒介する虫は捕まらないという都合の良さ(^_^;)。(葉に止まらないのかな?)

 ちなみに、ヤニサシガメなどサシガメ類は、モチツツジの葉に付着した虫を食べに来ます。

←モチツツジの葉

 

 そんなネチョネチョの葉に対抗する能力を持った虫もいます。

 モチツツジの葉を専門に食害する「モチツツジカスミカメ」。

 この虫は、ネチョネチョの上も自由に歩ける!

 

 春、モチツツジの花を楽しむのもイイですが、新葉もじっくり観察すると、小さな生態系ストーリーを満喫できるので、是非、観察してみて下さい!

 

 そして、モチツツジの新葉を服に投げて、ひっつけさせるという遊びも。

 みんなで投げ合って、楽しく遊べるんですが、新葉を採り過ぎると、モチツツジが弱ってしまいます。

 なので、モチツツジの健康と命も考えて、自然観察を楽しんで貰えればと思います。

 遊ぶ楽しみと命の大切さ。

 その両方を学ぶ教材として、モチツツジは最適!かも。。。

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ウンゼンツツジ

2023年05月10日 | 樹木・草花のお話

 花が可愛いいが、名前が色々とややこしい「ウンゼンツツジ」。

 そう、ややこしいのです。

 

 名前の由来は、長崎県の雲仙岳。

 しかし、雲仙岳には自生していないとのこと。

 

 江戸時代、雲仙岳で保護していたツツジをウンゼンツツジと呼んでいたそうですが、そのツツジは標準和名で「ミヤマキリシマ」。

 この時点で、ややこしいですね!

 

 そして、和歌山県では、この「ウンゼンツツジ」を「コメツツジ」と呼んでいます。

 実際、僕もついつい「コメツツジ」と言ってしまいます・・・。

 そう、和歌山県は、さらにややこしい!

 

 標準和名はウンゼンツツジ。雲仙岳に生えてないけど!

 

 ウンゼンツツジは、低木性常緑広葉樹で、樹高は0.8~1.5mほど。

 春に展葉した葉の形は、長楕円形から狭楕円形、長さ5~10mm、葉先は丸く、基部は細まります。

 夏に展葉した葉の形は、長楕円形、倒披針形から倒卵形と形が幅広く、長さは3~8mm、葉先は丸く、腺状の突起が目立ちます。

 

 春の葉は、よく伸びた枝周りに互生し、夏の葉は、短い枝の先端に集中して付き、翌年まで残ります。

 春と夏で葉の形と付き方が少々異なるので、名前同様、葉もちょっとややこしい (^_^;) 。

 下の写真で言うと、左側の伸びた枝の葉が春に出た葉ですね(たぶん。)。

 

 花は4~5月に開花し、花柄は長さ1mmと非常に短く、花の径も1.3~1.5cmと小振りで、色は淡紅紫色。

 名前に関してはややこしいですが、とにかく、花はとても可愛いです。

 ヒカゲツツジを楽しんで、ウンゼンツツジも楽しむ。

 最高ですね !(^^)! 。

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事業費単価が上がれば、人は、危険行動を回避するのか。

2023年05月08日 | 人材育成・コミュニケーションのお話

 前回に続き、危険行動に対する人の心理について、今回は、保育間伐における伐倒を事例に。

 

 保育間伐の現場は、写真のように本数密度が高い現場が大半だと思います。

 写真の現場は、林齢が約35年生で、一度も保育間伐が行われていません。

 

 そして、このような現場では、ほぼ掛かり木が発生します。

 そのため、受口と追口による通常の伐倒方法ではなく、受口と追口を作らずに伐倒する「斜め伐り」や「元玉落とし」などと呼ばれている手法を、危険(違反)と分かっていても、行ってしまうことがあると思います。

 掛かり木の発生を回避するため、受口を作らず、元玉を斜めに伐って、そのまま真っすぐに伐り落とし、倒すという方法は、法律で禁止されていますが、実際に行っているか否かは、現場の痕跡を見れば、明らかに分かります。

 掛かり木の発生を回避する以外にも、事業費単価ベースで求められる1日当たりの事業量(ノルマ)があるので、それを達成するためにも、この手法が最も効率が良いと考えてしまい、この手法で保育間伐を行ってしまいます。

 

 さて、前回、「効率性や快適性など求められている利益が得られるなら、人は危険行動を選択してしまう」というお話をしました。

 

 では、禁止とされている伐採方法という危険行動を選択してしまう利益は何か?

 

 ①掛かり木が起こりにくく、伐倒しやすい

 ②1日あたりの事業量(ノルマ)がクリアできる

 

 主にこの2点になるのではないかと思います。

 ①は、「掛かり木にならない」という作業の効率性と、「フェリングレバーなど掛かり木処理の道具を持たなくていい」という快適性

 ②は、「サッサとノルマがクリアできる」という効率性と、金銭的な利益(労働者は給与、会社は利益)という利益が得られる。

 以上のような利益を得るために、危険行動を選択してしまいます。

 

 では、単純に事業費単価を上げると、人は、斜め伐り・元玉落としといった危険行動を回避するのか?

 

 例えば、保育間伐の事業費単価が、現場の実行経費ベースで30万円/haになったら、1日当たりの事業量(ノルマ)に余裕が出来ます。

 仮に、事業費単価UPによって、ノルマが今までの1/5になったら、人は危険行動を回避するのでしょうか。

 

 ここで、ポイントになるのが、「危険行動によって得られる利益」です。

 そして、この利益は、人によって、異なります

 

 例えば、先述した「②」という利益を得るために、禁止作業をしていた方は、事業費単価がUPすることで、危険行動を回避する可能性もありますが、同様に、危険行動を選択し続ける可能性も残ります。

 というのも、事業費単価が上がったから、引き続き、危険行動を選択すれば、利益はうなぎ登りになるから。

 

 次に、「①」と「②」という利益を得たい人は、事業費単価が上がっても、「①」の利益は得られないので、引き続き、危険行動を選択する可能性が非常に高いです。

 事業費単価が上がっても、掛かり木になるのがイヤ、フェリングレバーなど掛かり木処理道具を持つのがイヤなどの不利益を回避できないからです。

 その上、事業費単価が上がったのだから、利益もうなぎ登りなので、嬉々として、危険行動を選択するでしょう。

 

 事業費単価が上がったことで、危険行動を回避する可能性がある人としては、まず、「①」を利益として考えていません。

 そして、本音としては、安全行動を取りたいけど、そうすると「②」の利益を得られないから、やむを得ず、危険行動を選択している人。

 

 危険行動によって得られる利益を減らし、安全行動によってられる利益を増やすことが、危険行動を回避する最善の方法です。

 そして、ここで言う利益は、人それぞれによって異なるため、結果的に、各事業体によって異なることになります。

 

 そのためには、まずは、しっかりと話し合うことです。

 

 安全行動は、従業員や現場作業員に押し付けるものではありません

 従業員や現場作業員が、率先して、安全行動を取りたいと思うように仕向けないといけません

 そのためには、危険行動よりも安全行動の方が利益がないといけません。

 その利益が何なのか、従業員や現場作業員と話し合い、その利益を見極める必要があります。

 

 少なくとも、「積極的に安全行動とる者を評価する」という仕組みがないと、確実に安全行動は消えていきます

 

 積極的に安全行動を取っている職員を褒めていますか?

 

 「褒める」、「表彰する」、「昇給する」、「より機能性が高い安全道具を支給する」など、安全行動を取り続けることによって得られる利益を、従業員や現場作業員が感じ続けられる環境を維持することが必要です。

 これも「働き方改革」の1つではないかと思います。

 

 ちなみに、このようなお話を事業体や森林組合にした後、大半が「難しくて、出来ない。」と言われます。

 難しいことを実現するには、大変な労力と時間がかかります。

 なので、やらない方が楽だし、変わらない方が楽だから、「難しくて、出来ない」と、つい口にしてしまいます。

 従業員や現場作業員と話し合ってもいないのに、一人頭の中だけで考えて、挑戦する前から「難しい」と結論付けて、出来ない理由・やらない理由を作り、その本音は、「やりたくない」というのが大半です。

 これも、人間の心理の1つですね。

 

 かく言う僕自身も、「難しい」とか、「そのうちに・・・」とか言って、先送りしている(逃げている)案件が、いくつかあります。。。

 なので、水面下で少しずつ、少しずつ、表面的には見えず、徐々に、という感じで、ただいま暗躍中です(^_^;)。。。 

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