はぐくみ幸房@山いこら♪

「森を育み、人を育み、幸せ育む」がコンセプト。株式会社はぐくみ幸房のブログです。色々な森の楽しさ共有してます♪

バクチノキ

2024年10月25日 | 樹木・草花のお話

 樹皮が特徴的な樹木「バクチノキ」。

 バクチノキは、バラ科の高木性常緑広葉樹で、樹高10~15m・直径60~70cmくらいまで育ちます。

 本州は関東地方南部より以西、四国、九州、沖縄に分布し、山間の谷筋や沿海地に自生しています。

 

 バクチノキの樹皮は特徴的で、一度、出会うと忘れないんじゃないかな~ と思います。

 バクチノキは、成長(樹齢を重ねる)とともに、樹皮が部分的に剥がれ落ち、剥がれ落ちた部分から見える紅黄色の木肌が、まるで「博打に負けて身ぐるみを剥がされた様」の例えから、「バクチノキ」と名付けられたそうです。 (゚Д゚;)

 

 樹皮が部分的に剥がれ落ちるタイプの樹木って、バクチノキ以外にもリョウブやヒメシャラがあり、別名「サルスベリ」と呼ばれていますが、バクチノキはどうなんだろう? (^_^;) 

 

 

 バクチノキの葉は、厚くて硬く、形は長楕円形で、葉には毛が無く、縁にはギザギザの鋸歯をもちます。

 葉の生え方は互生(葉が互い違いに生えている)です。

 

 葉の葉柄には蜜腺があり、その蜜に寄せ付けられたアリが、葉を食べる害虫からバクチノキを守ってくれます。

 

 葉の裏は薄い緑色なので、表と裏で緑色の濃淡差も特徴的ですね。

 

 バクチノキの花は9~10月に咲き、当年に伸びた枝葉の脇から長さ3センチほどの花序を出し、白い花を房状に咲かせます。

 

 実は、翌年の初夏(5~6月頃)に、紫色を帯びた黒色に熟します(写真の実は熟していません (^_^;))。

 

 バクチノキは薬木として有名な樹木で、葉が杏仁水(キョウニンスイ)の原料になるそうです。

 バクチノキの葉は、新鮮な葉を揉むと青酸臭があり、この新鮮な葉を枝付きのまま水蒸気蒸留することで、杏仁水の原料とするようです。(ちょっと、いや、かなり雑な説明ですが・・・(-_-)。)

 

  樹皮が部分的に剥がれ落ちてる常緑広葉樹と言えばバクチノキ。というくらい限定される特徴なので、非常に覚えやすい樹木ではないかなと思います (^_-)-☆ 。

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タムシバとコブシ 違い

2024年04月11日 | 樹木・草花のお話

 前回のお話「タムシバ」の続編として、今回は「タムシバとコブシの違い」について。

 まずは、タムシバの葉とコブシの葉の違いです。

 

 タムシバの葉は、広被針形で、コブシと比べると細長い

 コブシの葉は、倒卵形or広倒卵形で、タムシバと比べると幅広い

 

 簡単に言えば、葉が細長いとタムシバで、葉が幅広いとコブシです。

 もう少しマニアックに言うと、タムシバの葉は真ん中あたりが最も幅広く、コブシの葉は先端付近が最も幅広い。

 幅広い位置の違いを記しますね (^_-)。

 

 次は花の違い。

 実は、これが一番分かりやすい (^o^)

 

 タムシバの花は、葉が開く前に咲くので、葉がない

 コブシの花には、葉が1枚付く

 

 花の裏を見て、葉がなければタムシバ

 花の裏を見て、葉が1枚付いていたらコブシ

 

 あっ、これもわかり易いですね。

 「葉をかじると少し甘い」がタムシバです (*´∀`)。

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タムシバ

2024年04月09日 | 樹木・草花のお話

 新しい葉がまだ開かれていない少し淋しい早春の時期に、大きな白い花を咲かせ、森林を色づけてくれる樹木「タムシバ」。

 ヤマザクラ同様、早春の淋しい感じの森林を色づけてくる代表的な樹木の1つですね。

 

 タムシバは、本州・四国・九州の山地に自生する在来種亜高木性落葉広葉樹です。

 樹高は10m程度と、亜高木層を担う重要な樹木の1つ。と、個人的には考えています。

 

 タムシバは、尾根などのやや乾燥した場所にも生育しており、アカマツやモミと混じって白い花を咲かせる姿をよく見かけます。

 おそらく、マツ枯れによってアカマツが減少し、伸び伸びと成長できるようになったのではないかな~、個人的に考えています。

 

 タムシバの花は、3月下旬から4月上旬に、葉が展開する前に開花します。

 花の色は白色、花弁は6枚、花径は6~10cmという特徴は、早春の森林の中では、ひときわ目立ちます。

 

 タムシバの葉は、長さ6~14cm、縁に鋸歯はなく、広被針形で細長い形をしており、葉の付き方は互生です。

 葉を咬むと少し甘いことから、「噛柴(カムシバ)」と呼ばれ、それが転訛し「タムシバ」になったのが名前の由来です。

 

 タムシバの樹皮は、灰色で滑らかで、これといった大きな特徴はありません。

 が、枝を切るとその切り口から、幹の樹皮を削るとその部分から、レモンに似た柑橘系のさわやかな香りがします。

 いい香りがする。と聞くと、ついつい、枝を折ったり、樹皮を傷つけてしまいたくなりますが、樹木の健康に悪い影響を与えます。

 どうしても、香りを楽しみたい場合は、剪定バサミなどの刃物を使って、枝先を少し切り取る程度にしてくださいね。

 

 タムシバの花を生薬の原料としても有名です。

 蕾を採取し、乾燥させたものを生薬の「シンイ (辛夷)」 として利用されています。

 ちなみに、辛夷の原材料として、タムシバ以外に、 ハクモクレンとコブシも規定されているそうです。

 辛夷の効用は、鎮静、鎮痛、頭重、鼻炎、蓄膿症など。

 ただし、原材料は「蕾」なので、開花する前に採取する必要があるため、花を楽しめなくなるというデメリットが・・・。

 タムシバを資源として利用する場合、観光資源か医薬資源か、悩むところなのかもしれませんね(^_^;)。

 

 僕は、淋しい早春の森林を彩りしてくれるタムシバの花が好きなので、断然、観光資源ですね!

 生薬としての原料は、コブシやハクモクレンでいきましょう (´▽`)。。

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春に咲く樹木の花たち

2024年04月03日 | 樹木・草花のお話

 春になると色とりどりの花が咲いています。

 春に咲く樹木の花と言えば「ヤマザクラ」。

 今回は「桜」以外に楽しめる樹木を一部ご紹介します。

 地域の気温や標高差によって、咲く時期や種類に多少の異なりはありますが、概ね4月上旬に見られる樹木の花をご紹介しますので、是非、山や森を巡って、花を咲かしている樹木を探してみて下さい。

 

 山の中の道路を車で走行していたら出会える、ぶどうの房のように垂れ下がった黄色い花。

 この花は「キブシ」。

 春の山菜の1つで、この花はおひたしや天ぷらで食べられますが、受粉した雌花を食べると苦いです・・・。

 

 キブシと同じように出会える黄色い花。

 これはアロマオイルの原料や和菓子の楊枝に使われる「クロモジ」。

 

 キブシとクロモジは、街から離れた森の中で見かけますが、街に近い森の中で見かける黄色い花を咲かせる樹木。

 この花は「エノキ」。

 国蝶であるオオムラサキの幼虫の食草です。

 

 次は白い花。

 

 まだ新しい葉っぱが芽吹いていない、少し淋しい森の中で目に入る大きな白い花を咲かせる樹木。

 この花は「タムシバ」。

 枝や材にはレモンに似た柑橘系の香りが漂う樹木です。

 

 常緑広葉樹も花を咲かせています。

 鐘状の可愛い花を咲かせている樹木は「アセビ」。

 アセビは有毒成分を含むため、ニホンジカも食べません。

 

 アセビと同じくツツジの仲間で、白い花を咲かせる「ヒカゲツツジ」。

 

 あと、この時期に咲く。というより、この時期まで花が残っているといった方が正しいのかな?

 紅くて大きな花が可愛らしい「ヤブツバキ」。

 

 可愛いというわけではありませんが、こんな花も咲いてます。

 名前にサクラとあるけど桜ではない「フサザクラ」。

 フサザクラは、土壌の移動が多い場所に群生しているので、フサザクラが集まっている場所は、崩壊が起こる可能性が高い場所です。

 

 この時期は、ヤマザクラが目立ちますが、実は、サクラの陰に隠れて開花している「クヌギ」。

 決して目立つ花ではないですが、クヌギも早い段階で花を咲かせています。

 

 以上、4月上旬前後に花を咲かせる樹木のご紹介でした。

 ほんの一部になりますが、サクラ以外にも花を咲かせている樹木たちがいるので、是非、サクラ以外の花を観察してみて下さい!!

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ヤドリギ

2023年12月25日 | 樹木・草花のお話

 クリスマスを代表する樹木「ヤドリギ」。

 冬の間でも、落葉樹に半寄生する常緑樹のヤドリギは、強い生命力という象徴として扱われ、ヨーロッパでは、昔から、宗教的に「神聖な木」とされたり、「幸運を呼ぶ木」とも言われているそうです。

 

 ヤドリギと言えば、「ヤドリギの木の下で出会った男女はキスをしても良い」という、なんか都合が良いような言い伝え(^_^;)がありますよね 。

 ケルト神話や北欧神話では、ヤドリギは幸福・安全・幸運をもたらす「聖なる木」とされており、非常に縁起の良い植物とされているそうです。

 そんなヤドリギの下を通るとき、幸福・安全・幸運を願うという習慣から、未婚の男女は幸せな結婚を願い「ヤドリギの下で出会った男女はキスをしても良い」という習慣が生まれたそうです。

 ロマンチックな感じがしますが、逆に、ヤドリギの下でキスを断ると、縁起が悪く、翌年は結婚できないとも言われています。

 「え~、私、そんな気、ないのにぃ・・・」という状況だとしたら、ちょっとした脅迫観念に囚われそうな言い伝え・・・・(゚Д゚;) 

 

 

 ヤドリギは「宿り木」と書き、その名の通り、他の樹木に寄生する樹木です。

 主な宿主は、ブナ、ミズナラ、サクラ、ケヤキ、ムクノキ、エノキなどの落葉広葉樹で、宿主から生きるために必要な養分を吸収します。

 時に多くのヤドリギに寄生された宿主は、衰弱し、最悪、枯死するものもあります。

 なので、ヤドリギを「病害」や「病気」とする考え方もありますが、僕自身は病気という認識を持っていません。

 というのも、宿主が枯死するとヤドリギ自身も枯死するので、宿主を衰弱・枯死させるような吸収はしません。

 ヤドリギ自身も光合成を行いますし、宿主から養分をいただく代わりに、宿主が水分や養分を吸い上げるための蒸散を助けています。

 だけど、多数のヤドリギが寄生すると、ヤドリギが宿主の葉を遮り、宿主の光合成を阻害し、宿主の衰弱に繋がります。

 なので、宿主を弱らせたいわけではなく、個々のヤドリギが密集してしまったがために起こった悲しい事故だと思っています。

 

 ヤドリギ自身は、「あっ、この樹木に寄生しよう~♪」と狙いを定めているわけではありません。

 ヤドリギの木の実を食べた鳥が、ヤドリギの種を運び、そこで糞を落とされ、そこに寄生したという結果にすぎません。

( ↑ 発芽した若いヤドリギ )

 

 ちなみに、ヤドリギの種子は鳥にとって、貴重なエサ資源になります。

 ヤドリギが多いということは、多くの鳥が生育できると考えられるので、ヤドリギは生物多様性を支える1つの樹木ともいえます。

 

 なので、それぞれの見方によって、ヤドリギの評価は異なるんじゃないかなと思います。

 サクラの景観を重視する場合は、ヤドリギが発生すると、サクラの樹形を損なうし・・・・。

 多種多様なの鳥が集まれる環境では、ヤドリギがその環境を整える1つの要因になるし・・・・。

 

 結果的に、多数のヤドリギが原因で、宿主を衰弱・枯死させることに繋がりますが、決して、宿主から養分を吸収し尽くして、宿主の命を奪い取ろうという戦略をヤドリギが行っているわけではなく、不可抗力でたくさん集まった悲しき事故だと思っているので、ヤドリギは病気・・・ではないと、個人的には思っています。

 

※2016年12月の記事を改編

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樹木の蛍光物質 × ブラックライト

2023年07月27日 | 樹木・草花のお話

 バットに使われる樹木で有名な「アオダモ」。

 その「アオダモ」や「マルバアオダモ」を水に漬けて、ブラックライトを当てると青く、美しく光ります。

 

 なぜ、樹木は、このような蛍光物質をもつのか。

 光合成の関係で、蛍光物質が光エネルギーの伝達に役立つそうですが、それは一部らしく、積極的に蛍光物質を備える理由は、明確になっていないそうです。

 

 まー、そんな難しい話は置いといて、気になるのは、「他の樹木も光るのか?」ということです。

 

 いろいろ試してみたので、その動画がこちら ↓ ↓ ↓ 

 

 

 ご覧いただいたウメ、ウバメガシ以外にも、アカメガシワ、ノグルミ、ウツギ、クサギも光りました。

 それでも、やっぱり、アオダモが一番美しいですね !(^^)!

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ヤマモモ

2023年06月21日 | 樹木・草花のお話

 初夏に甘酸っぱい赤い実を付けるヤマモモ。

 ヤマモモは、ヤマモモ科の高木性常緑広葉樹です。

 本州(関東以西)、四国、九州、沖縄に分布し、温暖地域の低山地や海岸沿いに自生し、公園や街路樹としても植栽されています。

 日本だけでなく、中国、韓国、台湾などにも自生しています。

 ちなみに、中国名は「楊梅」と書いて、ヤンメーと言われています。

 

 ヤマモモの名前の由来は、「山に生えてモモのような実がなるから」、「葉がモモに似ているから」といった説があるそうです。

 いわゆる「桃」のような実と言われると、いささか「えっ?」と思いますが、「桃の葉」に似ていると言われれば、「まぁ、そうやな」って、感じですね。

 

 

 ヤマモモの葉は互生または束生し、長さが4~10センチ、葉柄はほとんどなく、葉質は厚みのある革質といった感じです。

 

 若木の葉は葉縁にギザギザ(鋸歯_きょし)があり、成木になるとギザギザが無くなります。

 ちなみに、萌芽更新したヤマモモの葉にも鋸歯があります。

 

 

 ヤマモモは雌雄異株で、街路樹などに植えられるヤマモモのほとんどは雄株で、たまに雌株が混ざったり。

 花期は3~4月。

 雄花は、黄褐色の芋虫に似た形状の花を出し、雌花は紅色で、花柱が2裂して突き出た花を出します。

 開花の順番は、先に雄花が咲き、その後に雌花が開花します。

 

 ヤマモモの雌花

 

 

 6月になると濃い紅紫色の実を着け、実の表面には小さな凹凸があり、そのまま食べることが出来ます。

 ついつい何度も口に運びたくなる甘酸っぱい味で、個体によって松やにのような風味・雑味があります。

 

 ちなみに、通常のヤマモモよりも大きな実をつける改良された品種あります。

 たまに、産直系のお店に並んでいることがありますが、基本的に日持ちが良くないので、出店されたその日にご購入下さい。

 なので、基本的にジャムや果実酒といった加工品に使われることが多いかと思います。

 

 ヤマモモの樹皮。

 実は、ヤマモモの樹皮は「染物」として利用されます。

 以前、ヤマモモの樹皮採取の依頼を受け、ひたすら樹皮を剥いて、採取したことがあります・・・・。

 ちょっと倒れたり、樹幹折損すると不都合な場所に生えていたヤマモモを伐採した際、タイミングよく、樹皮採取の依頼があったので、その時に対応しました。

 実は、ヤマモモは裂けやすい樹木なので、変に曲がっているヤマモモは、伐採の時、結構、慎重になります (^_^;) 。

 

 

 さて、ヤマモモの根は、窒素を固定する根粒菌と共生しています。

 そのため、肥料木として、砂防用や荒廃地の回復用樹木として植栽されます。

 

 和歌山県の特産品である「紀州備長炭」。

 その原木であるウバメガシ。

 ウバメガシを伐採する際、ウバメガシの再生を促すため、ヤマモモを伐らず、残すという山づくりの技術が伝わっています。

 ヤマモモに根粒菌があるとか、そういった知識があったわけでなく、ただただ昔から引き継がれた現場の知識。

 現場で培った山づくりの経験と科学的な根拠が結び付く事例が多々あるので、そういう話は本当に面白い!!!

 

※2015年6月の記事改編

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ホオノキ 花

2023年05月18日 | 樹木・草花のお話

 大きな葉と大きな花がとても目立つ「ホオノキ」は、モクレン科モクレン属に属する樹木です。

 「ホオ」は”苞”という意味で、大きな葉で食物を盛ったことが名の由来になったそうです。

 大きな葉に食べ物を持って、”頬張る”という意味もあるとか・・・

 

 ホオノキは、高木性落葉広葉樹で、日本に生える樹木の中で、最もが大きい樹木です。

 樹高は15~30m、樹皮は灰白色。

 

 葉は単葉で、枝先に集中し、互生します。

 葉の長さは約20~40cm、幅は約10~25cmと、在来種の中で最も大きな葉をもつ樹木です。

 葉の表面は緑色、裏面は灰白緑色、葉縁は全縁で波を打ちます。

 
 4~5月頃、直径約15cmの大きな花を開花させます。

 強い芳香があって、個人的にこの香りは大好きです。!(^^)!

 

 ホオノキの花は、咲いた日は雌花(雌しべ)で、翌日に雄花(雌しべ)になるという面白い特徴を持っています。

 開花1日目が雌花。

 柱頭から反り返るように張り出しています。

 

 開花2日目が雄花で、花粉が出ています。

 昨日咲いていた雌花は柱頭にへばりついてます。

 雄花が咲く頃には、雌花が終わっています。

 

 なぜ、雌花と雄花、それぞれ咲く時期が違うのか・・・

 自分の花粉を自分で受粉しないようにするため、開花の時期をずらしています。

 簡単に言うと、自家受粉を避けるためですね。

 

 雌花は開花1日目しか見られません。

 なので、この時期(4~5月)に花開く、ホオノキの花は、雌花から雄花に変化する瞬間を楽しめます。

 僕も男ですからね、ホオノキの雌花に出逢うため、開花間近なホオノキを見つけたら、滅多に出会えない雌花と出会うため、頻繁に通います。

 車の運転中にホオノキを見つけたら、「雌花(女の子)かな?」と気になって仕方ない!( ゚Д゚)!

 

 ホオノキの花が咲きそうになったら、雌花と雄花の変化を見逃さないよう、毎日じっくり観察してみましょう!

※2016年4月記事再編

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モチツツジ

2023年05月12日 | 樹木・草花のお話

 4~6月にかけて開花するモチツツジ。

 モチツツジは、低木性半常緑広葉樹です。あまり聞かないんですが、半落葉と表現するパターンもあるようです。

 春に出た葉は、秋に紅葉した後、落葉します。

 しかし、冬芽に取り巻く夏型の葉は落葉せず、そのまま春を迎えるので、「半常緑(半落葉)」。

 

 春に展開されたモチツツジの新しい葉は、粘着性の綿毛を持っているので、触ると「ネチョッ」とします。

 このネチョネチョ感が鳥もちに似ているので、「モチツツジ」という名前の由来になったそうです。

 

 ネチョッとするモチツツジの新葉は、花を食害する虫を捕まえ花を守る防衛手段の機能を備えています。

 花を食べようと近づいた虫は、写真の様に捕獲されてしまいます。

 食虫植物ではないので、捕獲された虫は、身動きが取れないまま死んでしまいます。。。

 しかも、花粉を媒介する虫は捕まらないという都合の良さ(^_^;)。(葉に止まらないのかな?)

 ちなみに、ヤニサシガメなどサシガメ類は、モチツツジの葉に付着した虫を食べに来ます。

←モチツツジの葉

 

 そんなネチョネチョの葉に対抗する能力を持った虫もいます。

 モチツツジの葉を専門に食害する「モチツツジカスミカメ」。

 この虫は、ネチョネチョの上も自由に歩ける!

 

 春、モチツツジの花を楽しむのもイイですが、新葉もじっくり観察すると、小さな生態系ストーリーを満喫できるので、是非、観察してみて下さい!

 

 そして、モチツツジの新葉を服に投げて、ひっつけさせるという遊びも。

 みんなで投げ合って、楽しく遊べるんですが、新葉を採り過ぎると、モチツツジが弱ってしまいます。

 なので、モチツツジの健康と命も考えて、自然観察を楽しんで貰えればと思います。

 遊ぶ楽しみと命の大切さ。

 その両方を学ぶ教材として、モチツツジは最適!かも。。。

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ウンゼンツツジ

2023年05月10日 | 樹木・草花のお話

 花が可愛いいが、名前が色々とややこしい「ウンゼンツツジ」。

 そう、ややこしいのです。

 

 名前の由来は、長崎県の雲仙岳。

 しかし、雲仙岳には自生していないとのこと。

 

 江戸時代、雲仙岳で保護していたツツジをウンゼンツツジと呼んでいたそうですが、そのツツジは標準和名で「ミヤマキリシマ」。

 この時点で、ややこしいですね!

 

 そして、和歌山県では、この「ウンゼンツツジ」を「コメツツジ」と呼んでいます。

 実際、僕もついつい「コメツツジ」と言ってしまいます・・・。

 そう、和歌山県は、さらにややこしい!

 

 標準和名はウンゼンツツジ。雲仙岳に生えてないけど!

 

 ウンゼンツツジは、低木性常緑広葉樹で、樹高は0.8~1.5mほど。

 春に展葉した葉の形は、長楕円形から狭楕円形、長さ5~10mm、葉先は丸く、基部は細まります。

 夏に展葉した葉の形は、長楕円形、倒披針形から倒卵形と形が幅広く、長さは3~8mm、葉先は丸く、腺状の突起が目立ちます。

 

 春の葉は、よく伸びた枝周りに互生し、夏の葉は、短い枝の先端に集中して付き、翌年まで残ります。

 春と夏で葉の形と付き方が少々異なるので、名前同様、葉もちょっとややこしい (^_^;) 。

 下の写真で言うと、左側の伸びた枝の葉が春に出た葉ですね(たぶん。)。

 

 花は4~5月に開花し、花柄は長さ1mmと非常に短く、花の径も1.3~1.5cmと小振りで、色は淡紅紫色。

 名前に関してはややこしいですが、とにかく、花はとても可愛いです。

 ヒカゲツツジを楽しんで、ウンゼンツツジも楽しむ。

 最高ですね !(^^)! 。

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