はぐくみ幸房@山いこら♪

「森を育み、人を育み、幸せ育む」がコンセプト。株式会社はぐくみ幸房のブログです。色々な森の楽しさ共有してます♪

挿し木 サクラ

2019年05月27日 | 樹木医・森林インストなどの活動のお話

 100年ぶりに紀伊半島で発見されたサクラの新種「クマノザクラ」。

 実は、和歌山県古座川町では、昔から「古座川町のヤマザクラは早く咲いて、桃色で美しい。」、「古座川町のヤマザクラは二度咲く。」などと言われていました。

 桃色で美しく早く咲くヤマザクラが、おそらくクマノザクラのことだと思います。

 ヤマザクラが二度咲くというのも、一度目はクマノザクラ、二度目がヤマザクラということだと思います。

 クマノザクラの方がヤマザクラよりも早く開花するので。

 

 自分なりにクマノザクラを探し歩いて、お気に入りを見つけたので、挿し木に挑戦しました。

 サクラの挿し木は品種によって、発根率が異なり、ソメイヨシノやオオシマザクラは挿し木が容易なんですが、ヤマザクラは難しい・・・。

 クマノザクラはというと・・・ヤマザクラ同様、難しいぃー。

 

 2019年の春、クマノザクラの穗木を31本採取し、挿し木しましたが、葉が開いたのは、たった5本・・・。

 まぁ、確率的にはそんなもんでしょう。

 

 しかし!

 我が家のニワトリが穗木を抜いたので、全滅・・・。

 

 これが、生き残っていた5本のクマノザクラ。

 

 穗木の切り口をよーく見てみると・・・

 カルス(癒合組織)が出来ていた!

 

 上手くいけば、5本とも発根したかもね。。。

 抜かれてしまっては、どうしようもないんだけど。残念・・・。

 

 また、来年の春、挑戦しようかなー。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

クサイチゴ

2019年05月21日 | 樹木・草花のお話

 5月の連休明けくらいから赤く熟す、一番おいしい野イチゴ「クサイチゴ」。

 

 クサイチゴは陽当たりの良い環境を好む植物で、陽当たりが良ければ、畑や道端、林地でも普通に見かける野イチゴです。

 個人的に、クサイチゴは野イチゴの中で一番おいしいと思っていて、我が家の畑や近くの道端に生えてきたクサイチゴを大切に育てています。

 クサイチゴは簡単に増やすことが可能です。

 株を抜き取り、1年間、鉢で育てて、翌年の春に植え付ければ、お好みの場所で育てることも可能です。

 出来れば、異なる場所に生える複数のクサイチゴの株を掘り取ったほうが良いですね。

 実るためには、花の受粉が必要なので、同じ株だけでなく、異なる株と合わせて育てたほうがいいですね。

 株の掘り取りは春または秋で、植え替えは春。

 

 クサイチゴの実は、そのまま食べても美味しいですし、ジャムや果実酒に使ってもいいです!

 

 クサイチゴを育てて3年目のこの春、ボールがいっぱいになるくらい実を収穫することが出来ました。

 クサイチゴ。

 超オススメです!

 我が家の息子たちも、クサイチゴ大好きです!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

早材 晩材

2019年05月13日 | 森林・樹木の基礎知識のお話

 一般的に、針葉樹は「年輪幅が狭いと木材の強度が高い」と言われ、広葉樹は「年輪幅が広いと木材の強度が高い」と言われています。

 しかし、木材の強度と年輪の関係について、針葉樹は狭い、広葉樹は広いと、真逆のことを言っている点に疑問を感じたこと、ありませんか?

 今日は、そのお話をしたいと思います。

 

 まずは、早材と晩材について。

 早材は、春から初夏に作られる材です。

 早材は、根から吸い上げられた水分を運ぶ機能を高めるため、導管や仮導管の細胞壁が薄いので、材は軟らかい材となっています。

 次に、晩材は、夏から秋にかけて作られる材です。

 晩材は、材の強度を高めるため、細胞壁が厚くなっており、早材のように水を通す機能に特化していないため、材は早材より硬くなっています。

 

 木口を観察して、早材の幅が広く、晩材の幅が狭い場合、春から夏にかけて温暖で湿潤なイイ気候が長かったと考えられます。

 逆に、早材の幅が狭くて、晩材の幅が広いと、春から温暖で湿潤なイイ気候が短く、初夏から秋にかけて冷温(冷夏)または乾燥(雨量が少ない)など、あまり良くない気候が続いた、という風に考えられます。

  早材と晩材の1組で1年になるので、数えればその木の年齢が分かります。いわゆる、それが「年輪」です。

 

 針葉樹では、年輪幅が狭いと木材の強度が高いと言われています。

 これは、「材が柔らかい早材の幅が狭い」という風に考えてもいいのかなと、個人的には考えています。

 というのも、材が柔らかい早材の幅が狭くて、材が堅い晩材の幅が広いと、必然的に木材の強度は高くなると思います。

 

 

 さて、続いて、広葉樹では、年輪幅が広いと木材の強度が高いと、なぜ言われているのか。

 その前に、広葉樹全般と言うより、環孔材の広葉樹に限定されている・・・と考えた方がわかりやすいかなと思います。

 環孔材とは、導管が環状に配置された木材のことで、ケヤキ、コナラ、クリなどがこれに該当します。

 上の写真はコナラの木口で、きれいに並んでいる小さい丸い穴が導管です。

 この導管が年輪に沿うようにグルッと回るように配置されているので、環孔材と言われています。

 広葉樹では、導管の配置によって、環孔材や放射材などと分類されます(詳細は別の機会に)。

 

 環孔材の導管は、早材の部分に作られます。

 ただ、針葉樹と異なり、成長の良し悪しに関わらず、早材の幅はほとんど一定です。

 その後に作られる晩材は、成長が良ければ幅が広く、悪ければ幅が狭くなります。

 硬い晩材の幅が広いと強度も高くなるので、広葉樹の年輪幅が広いと強度が高いと言うことになります。

 つまり、還孔材の樹木を育てる場合、成長が旺盛になるよう育てれば、強度の高い木材が得られるということになると言えます。

 

 年輪の性質で考えれば、強度が高い木材を育てたい場合、早材が大きくならないようスギやヒノキはゆっくり育て、晩材が大きくなるようケヤキやコナラは盛んに成長するように育てる。

 同じ樹木でも、針葉樹と広葉樹の性質の差が、真逆の施業になるとは、なんとも面白い!

 

 ただし、針葉樹も広葉樹も、年輪幅が広いと乾燥の時に狂いが生じやすいので、年輪幅が狭い方が好まれます。

 広葉樹は、年輪が狭い方が、加工もしやすいというメリットもあります。

 ただし、あまり狭すぎると、強度も下がり過ぎてしまうので、狭すぎるのも問題だと言われています。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マイマイガ

2019年05月05日 | 昆虫類+αのお話

 時々、町中でも大発生する毒々しい姿をした毛虫「マイマイガ」。

 多種多様な植物を食べる毛虫なので、良く見かける代表的な毛虫ではないかなと思います。

 常緑樹や落葉樹、草本類と様々な植物を食べる上、体の模様やその色にも差が見られるので、違う毛虫かなと思ってしまうほどです。

 

 さて、毒々しい姿をした毛虫「マイマイガ」ですが、実は、触れます!

 「いや、触りたくねぇよ!」と思う方が大半でしょうね。

 でも、見た目の割に、フワフワしていて、意外と気持ちいい。

←僕の息子も平気で触ります。

 

 ちなみに、僕が行う観察会では、毛虫を触る体験もしています。

 毛虫を触る体験の雰囲気は、朝日放送の「みんなの木」の動画をご参考ください♪

 https://www.youtube.com/watch?v=eHeC6PDKEmY&list=PL9cXa9v--niU9rIPrFm8_gaSJ7RKAWdoy&index=2&t=0s

 

 ところで、「マイマイガって、毒はないの?」と思いませんか?

 毒々しい姿ですからね。

 マイマイガは1齢虫の時、毛に毒があります。

 マイマイガ1齢虫による皮膚炎も報告されています。(日本皮膚科学会雑誌、2010年、120巻6号)

 脱皮して、2齢虫になると毒毛はなくなります。

 

 ただし、毒毛が無くなっても、抜けた毛が皮膚に刺さり、人によっては、チクチクしたり、痒みが発生する場合があります。

 これは個人差があるので、触る場合は、この点に注意する必要があります。

 チャドクガのように長期間、痒みが続くといったことはなく、1日程度で治まります。

 もしかすると、体質によっては、痒みなどが1日以上続く場合もあるかもしれませんが。。。

 

 もっともよく出会う毛虫「マイマイガ」。

 触ると意外とフワフワしているので、観察会では、ついつい触ってしまいます。

 1齢虫は毒毛を持ち、2齢虫からは毒毛がなくなるものの、抜けた毛でチクチクしたり、多少の痒みが伴う場合があります。

 触る場合は、この点を十分に留意したうえで、触る必要があります。

 

 まぁ、触る必要はないんですが、子どもの豊かな感性を育むという点で、イモムシや毛虫を触るって、イイんじゃないのかな~

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする