はぐくみ幸房@山いこら♪

「森を育み、人を育み、幸せ育む」がコンセプト。株式会社はぐくみ幸房のブログです。色々な森の楽しさ共有してます♪

イシクラゲ

2020年03月31日 | 山菜・キノコなど食を楽しむお話

 最も身近に生えている食べられる植物「イシクラゲ」。

 砂利敷きの駐車場などで繁茂しているワカメの様な植物、皆さんも見たことがあるのではないでしょうか。

 雨が降って、水分を含むとヌメヌメし、足下が滑りやすくなった・・・なんて経験ないですか?

 晴れの日が続くと、パリパリに乾燥し、駆除してもなかなか減らない。

 

 実は、このイシクラゲ。

 食べられます。

 でも、生えている場所が、砂利敷きの駐車場のような場所が多いので、採って、食べることに抵抗はありますよね・・・・。

 それと、採取にあたって、採取場所に除草剤が使われていないか、が大事なポイントになります。

 砂利敷きの駐車場だと、除草剤を散布している可能性も考えられるので・・・・。

 

 さて、採取したイシクラゲは、しっかりと洗いましょう!

 小さい砂利とか枯れ草の切れ端などが付着しています。

 僕は、結構、気にするタイプなので、何度も何度も洗います!

 

 きれいに洗ったら、熱湯でサッと茹でるだけ。

 今回は、ポン酢に付けて食べました。

 

 イメージ的にはワカメ・・・だけど、少し歯応えが足りない。

 個人的な好みの話ですが、僕は好きじゃないです(^_^;)。

 食べやすいし、きちんと洗えば、臭みもない。

 手に入れやすいし、あく抜きも必要ない。

 食べられる手軽な野草なんですが・・・。

 ぶっちゃけ、この程度なら、ワカメで良くない?、ワカメの方が美味しい!

 あくまで、個人的な好みの話です。

 もちろん、美味しい!と好評価の方もいます。

 

 と言うわけで、興味をもった方は、一度、イシクラゲをご賞味ください。

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アカシデ イヌシデ クマシデ

2020年03月28日 | 樹木・草花のお話

 新米・森林インストラクターのときに、必死に覚えようとした「アカシデ」、「イヌシデ」、「クマシデ」の3種類。

 同じような悩みを持っている方がいるかもしれないので、僕が覚えた方法をお伝えしたいと思います。

 お役に立てれば、幸いです!

 

 アカシデの葉は、若葉の頃、葉や葉柄に毛はあるが、後に無毛となります。

 ポイントは、「葉柄や枝が赤い」ところです。

 

 

 イヌシデの葉は、若枝や新葉に、白い毛が表面に生えています。

 これは、次第に少なくなりますが、秋の落葉期でも残っているものが多いです。

 アカシデとイヌシデの見分け方は、

 葉柄と枝の色毛の有無がポイント。

 

 2種を比較してみます。

 左がアカシデ、右がイヌシデです。

 葉柄や枝を見て下さい。色の違いが明確ですよね。

 赤い方がアカシデです。

 

葉柄が赤いからアカシデ(最初、柄は有毛で、後に無毛となります。)

 

葉柄に毛があるからイヌシデ」。

 

 クマシデの葉は、アカシデやイヌシデよりも葉の側脈数が多いという点がポイントです。

 

 3種類の葉を比較してみます。

 写真は、クマシデ・イヌシデ・アカシデの順番です。

 葉の側脈の数が違いますよね。

 側脈が多い葉がクマシデです。

 

 次は樹皮。

 アカシデの樹皮。

 滑らかで、幹の肥大成長が均等でないため、表面が凸凹になるのが特徴です。

 

 イヌシデの樹皮。

 若齢木では平滑ですが、老齢木になると縦に割れ目が入ります。

 アカシデの様に表面は凸凹しません

 

 クマシデの樹皮は、若齢木では滑らかで、老齢木になると浅く割れ目が入ります。

 (※写真データが無いため掲載なしm(_ _)m。。。)

 

 アカシデ、イヌシデ、クマシデの花は、4~5月頃、葉の展開と同時に、垂れ下がるように咲きます。

 雌雄同株で、雌花は新枝(当年枝)から頂生垂下し、雄花は前年枝の側生垂下します。

アカシデの花

イヌシデの花

クマシデの花


 アカシデ、イヌシデ、クマシデの実は、10月頃にできます。

 種子には翼があり、風散布によって種子を運ぶタイプです。

 

イヌシデの実(種子)

クマシデの実(種子)

 

 以下、アカシデ・イヌシデ・クマシデのネタです。

 アカシデという名前は、「アカ」=新葉が赤い・秋に紅葉する、「シデ」=果穂が玉串や注連縄に垂れ下がる紙(四手)に似ているところからとされています。

 別名は、コシデで、イヌシデより樹形が小ぶりだからとか・・・。

 イヌシデという名前は、「イヌ」=シデと異なるという意味、「シデ」=上記同。

 別名は新葉に白い毛が多いことからシロシデ。外にもアオシデ、アオゾヤという呼び名があるそうです。

 クマシデの名の由来は、イヌシデより全体がより、壮大だからそうです。(^_^;)

 別名はイシシデ、カタシデ。

 

 盆栽ではシデ類を総称して「ソロ」と呼び、アカシデはアカメソロ、イヌシデはシロゾロと呼ばれるそうです。

 

 アカシデは、低地~丘陵地帯の二次林や湿った所に生育します(乾燥する瀬戸内地域では少ないそうです。)。

 イヌシデは、丘陵帯~山地帯に分布し、多くは二次林や山道の側などに生育します。

 クマシデは、アカシデやイヌシデよりも標高が高い所に生育し、沢筋や緩斜地によく生育しています。

 

 シデ類は、ある程度の耐陰性があり、適応性も高く、分布範囲も広いので、雑木林の構成樹種になりやすい樹木です。
 ただ、萌芽力は弱いので、コナラやクヌギなどのように、伐採後の回復は容易ではありません。


 アカシデの材は、器具材、床柱、傘の柄、下駄、紡績木管、シイタケ原木などに使われます。

 イヌシデの材は、床柱、ステッキ、薪炭、シイタケ原木などに使われます。

 クマシデの材は、農機具の柄、炭材、玩具、シイタケ原木などに使われ、成長が遅いので、材質は硬い。

 

 以上、アカシデ・イヌシデ・クマシデの3種類に関するお話でした!

 

※2016年12月の記事を改編

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クレソン

2020年03月19日 | 山菜・キノコなど食を楽しむお話

 食べられる野草(野菜?)クレソン。

 クレソンは、湿地に育つアブラナ科の多年草で、標準和名は「オランダガラシ」といいます

 食べ方としては、サラダ、煮浸し、和え物、味噌汁、鍋物など生で食べる・炒めて食べる・茹でて食べると、色んな食べ方を楽しめる優秀な野草です。

 味は「カイワレダイコン」に似ていますが、苦みと辛みは、カイワレダイコンの方が上かも。

 カイワレダイコンが好きな方は、クレソンも気に入ると思います。

 

 以下、僕好みの調理方法です。

 

 サラダとして食べる場合、太い茎は使わず、先端よりの柔らかい茎と葉を使います。

 柔らかい茎だけを使うことで、サラダに適したシャキシャキ感と一緒にクレソンの苦みと辛みが楽しめます。

 

 和え物の場合。

 サラダの様に茎が細い/太いとか、気にせず使います。

 サラダで使わなかった太い茎は、和え物にしてもOK。

 和え物としての歯応えを楽しむには、太い茎がベスト!

 今回は、出汁醤油で味付けし、ゴマを振りかけました。

 

 そして、煮浸しの場合。

 和え物同様、茎が細い/太いを気にせず・・・いや、太い茎は多い方が美味しいです。

 

 今回は、お揚げさんと一緒に炒め、みりんと醤油で味付け♬

 炒め物は、太い茎をたくさん使った方が、よりクレソンを楽しめます。

 

 クレソンは、湿地など水気の多い場所に生育しており、身近な食べられる野草として繁茂しています。

 クレソンの葉は奇数羽状複葉で、側小葉は1~4対(下の写真は3対)。

 そして、クレソンの葉は三行脈。

 葉の基部から3本に分かれる葉脈を「三行脈」といい、クレソンの葉は、まさにそれ。

 

 この三行脈、赤味がある・少し赤味がかる・赤味がないという3パターンがあります。

 上の写真と比較しながら、「クレソンかな?」と思ったら、葉を少しかじって、口の中で噛み噛みし、苦みと辛みを感じたら、クレソンかも・・・(このあたりは、個人の責任で試して下さい(^_^;)。)

 

 さて、クレソンを採取するにあたって、大事なこと。

 もし、クレソンを見つけて、採取する場合は、必ず土地の所有者などの許可を得て下さい。

 その辺にたくさん生えているし、野草だし、自然のものだし、という都合の良い解釈をして、勝手に採取しない様に。

 きちんと許可を得る・一言断りを入れてから採取する。それがマナーです

 

 クレソンは育て方も簡単です。

 採取したクレソンは、水に浸けておくだけで、根が出ます。

 

 根が出たら、ポットに植えてもイイし、水気が多い場所なら直接植えてもOKです。

 

 ただし、クレソンを植える・育てる上で大切なことがあります。

 クレソンは、ヨーロッパ原産の外来植物で、繁殖力が旺盛なため、水辺や湿地に生育する希少な在来植物を脅かす一面を持っています。

 このことをしっかりと理解した上で、育てて下さい。

 クレソンは、外来生物法において「要注意外来生物」に指定されています。

 地域によっては、水辺や湿地の植物を守る・維持するため、クレソンを駆除しています。

 

 クレソンは、食べやすくて育てやすい魅力的な自然の資源ですが、一方で、繁殖力が高い外来植物で希少な在来植物を脅かす存在であることも忘れないで下さい。

 「食べることの楽しみ」と「あるべき自然の姿」。

 このバランスを考えることが出来るクレソンは、教育的にも魅力的な資源ですね。 

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バイカオウレン

2020年03月12日 | 樹木・草花のお話

2020年2月末、森林調査のお仕事で、田辺市本宮町内の人工林へ行ってきました。

その林床にひっそりと咲く、小さくてかわいい白い花が、たくさん咲いていました。

 

 花の名前は「バイカオウレン」。

 2月下旬頃に開花するので、これくらいの時期に田辺市本宮町内の熊野古道を歩いていると、観察できると思います。

 ホント、小さなお花なので、踏まない様に気をつけて下さいね(^_^;)。。。

 バイカオウレンの群生に目を奪われ、ついつい、ひっそりと咲いてる数輪を踏んでしまうなんて事もありますので。。。

 

 バイカオウレンは、キンポウゲ科の植物で、山地から亜高山帯にかけて、スギなどの針葉樹林の下に生える多年草です。

 よく似たものに、ミツバオウレンやミツバノバイカオウレンという花もありますが、いずれも葉は3小葉で、バイカオウレンは5小葉なので、すぐに見分けられます。

 スギ林の林床に、絨毯を敷いたように咲きまくるバイカオウレンの群生地、なんかもあります。

 こういう素敵な場に巡り会えるのも、山歩き・森歩きの醍醐味です!

 摘み取ったりせず、写真に撮るだけにしましょう。

 もちろん、撮影で花に近づく際は、近づくまでの植物にも気をつけてあげて下さい。

 

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マンサク

2020年03月06日 | 樹木・草花のお話

 早春に花を咲かせるマンサク。

 樹木の名前の由来として、

  ほかの樹木より先駆けて、春になったら「まず咲く」って、ことで「マンサク」。

  または、たくさんの花が開花する姿が「豊年満作」って、ことで「マンサク」。

 と、言われています。 

 なお、漢字で表すと「満作」、「万作」です。

 

 マンサクと混同しやすいのが、シナマンサク。

 

 見た目、ほとんど同じです・・・。

 そこで、マンサクとシナマンサクの違いを、簡単に比較・・・

 ①開花時期は、シナマンサクの方がマンサクより早い。

 ②花弁の長さは、シナマンサクの方がマンサクより少し長い。

 ③花弁基部の色の違いとして、シナマンサクは暗赤色で、マンサクは鮮やかな赤色。

  (上の写真は、分かりにくいですm(_ _)m。。)

 ④シナマンサクの花は、前年の葉が枯葉となって残りやすい。

  この違いが一番、分かりやすいと思います。

 

⑤葉の表面が、シナマンサクは有毛でビロード状、マンサクは無毛。

 これはマンサクの葉。

 シナマンサクの葉の写真がなかったので、比較をお見せできず・・・m(_ _)m。

 

 あと、マンサクの枝と樹皮は、強靱で、筏や建築の結束材(ねそ)として利用されるほか、薪や刈柴を束ねたり、背負い籠の骨組みにも利用されたそうです。

 ザックリ言うと、縄の代用・・かな?

 そして、マンサクの材も、堅硬で強靱、曲げにも強いと言われています。

 

 二宮金次郎が背負っている薪や柴、桃太郎のおじいさんが集めた柴も、マンサクの枝や樹皮で、結束しているのかも~~(^o^)

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キブシ

2020年03月05日 | 樹木・草花のお話

 今年(2020年)は暖冬で、例年より春の訪れが早く、キブシの花が咲いている地域も。

 

 キブシはキブシ科キブシ属の落葉低木です。

 また、先駆性樹種(パイオニア)で、陽あたりが良い場所を好むため、林縁部や谷沿いの斜面などでよく見かけます。

 早春の時期は、林道など山道を車で走っていると、花を咲かせたキブシがよく目に付くんじゃないでしょうか?

 

 何気に見ている方、目に入っている方が多いと思いますが、実は、キブシの花。

 食べられます!

 早春の山菜として、天ぷらで楽しめます!(あと、おひたしとか。)

 ちなみに、受粉した雌花が苦いそうなので、開花後は、お早めに採取の上、ご賞味ください・・・。

 

 花をじっくり観察し、8本の雄しべが確認できたら、雄花(両性花)です。

 逆に、おしべが確認できない場合は、雌花です(雄しべが退化しています。)

 あと、雄花の方が雌花より、全体(花序)が長いです。

 

 キブシの葉。

 葉の縁にあるギザギザ(鋸歯:きょし)が内側に曲がる感じが特徴的です。

 

 

 そして、秋になると実を付けます。(写真は未熟です)

 キブシの実は、染料の原料である「五倍子(ふし)」の代用として使われたそうです。

 なので、名前が「キブシ(木五倍子)」。

 

 あんまり、関西では見かけない気がするんですが、庭木や公園の緑化樹として使われているらしく、キブシの苗も売られています!

 というか、インターネットで普通に販売されています。

 個人的には、キブシを庭とか公園に植えるってイメージがないので、けっこう驚きです(^_^;)。。。

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