はぐくみ幸房@山いこら♪

「森を育み、人を育み、幸せ育む」がコンセプト。株式会社はぐくみ幸房のブログです。色々な森の楽しさ共有してます♪

カジカガエル

2023年08月06日 | 爬虫類・両生類のお話

 とっても美しい声で鳴く”清流の歌姫”「カジカガエル」。

 とても言葉(文章)では表現できないくらい美しい鳴き声で、「本当にカエルですか?」と思ってしまうほど、惚れ惚れする美声です。

 

 そして、美声だけじゃない!顔もカワイイ

 

 カジカガエルは、渓流や河川に生息するアオガエル科のカエルです

 オスは体長約3.0cm~4.5cm、メスは体長約4.0cm~8.0cmmと、メスの方が大きいです。

 メスは「本当に同じカジカガエル?」って、疑いたくなるくらい、オスより大きい!

(←メス)

(←上:オス、下:メス)

 

 「カジカガエル」という名前の由来は、鳴き声がシカに似ており、川の鹿という意味で「河鹿(かじか)」とのこと。

 個人的には、シカに似てないし、シカより美声やで( `ー´)ノ・・・って感じです。

 カジカガエルの方が、断然、カワイイし、美声!

 

 体は灰褐色で、普段は、川の岩や石に溶け込んでいます。

 鳴き声は聞えど姿は見えず、といった感じで、川沿いを探しても、なかなか見つけることはできません。

 そして、まだまだ小さいカジカガエルJrは、もっと見つけにくい!!

 そんなカジカガエルを見つけ出す事も、川遊びの醍醐味(^_^)v

 

 オスの「フィフィフィフィー」と美しい鳴き声を楽しむため、昔の人は、カジカガエルを籠で飼育し、鳴き声を楽しんだそうです。

 僕の師匠は、子供の頃、修験者にカジカガエルを売って、小遣いを稼いでいたそうです。

 たまーに、間違ってメスを売ってしまい、「鳴かへんかったゾ!」と言われたこともあるそうです。

 このお話を聞いて、僕も鳴き声を楽しもう!と言うことで、夏になると、カジカガエルを捕まえて、水槽で数日ほど飼育し、カジカガエルの鳴き声を楽しんでいます。

 

 さらに、カジカガエルは、万葉集の中でも「かはず」と歌われて、登場します。

 昔の人も「美声」と感じていたんですね。

 早ければGWの連休明けには、「フィフィフィフィー」と美しい声が聞こえます。

 この美声を聞きながら、川を眺めたり、川沿いを歩くのが本当に楽しい!

 聞きなれてくると、川の流れる音と「フィフィフィフィー」という鳴き声を聞き分けることも出来ます。

 

 4月~8月くらいまで鳴いていますが、個人的には、7~8月が一番涼しげに聞こえるので、今の時期が一番カジカガエルの美声を楽しめるのではないかと思います。

 

 ちなみに、ヒノキの樹皮の中にいたレアなカジカガエル。

 川から遠く離れた山の中で、カジカガエルを見かけるって、超レア★★★★★です 

 

 カジカガエルはキレイな川を好むので、いないところには、本当にいないけど、いるところにはめっちゃいるぅ~(^o^)

 カジカガエルの声が当たり前のように聴くことが出来る生活って、とっても贅沢だと思います。

 まさに、田舎ならでは、山村ならではの生活です。

 

 8月になり、夏休みもこれから!

 川へ行って、カジカガエルを探そう!

※2020年7月の記事を改編

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ニホンアマガエル

2022年06月01日 | 爬虫類・両生類のお話

 日本で一番有名なカエルといっても過言ではないアマガエル。正式なお名前は「ニホンアマガエル」。

 地域によっては多少前後すると思いますが、4~8月にかけて繁殖を行います。

 

 この時期、夜中に田んぼの周りを歩いていると、アマガエル・パラダイスですね(^_^)v

 

 鳴く時、口?顎?の下にある鳴のうを膨らませます。

 人が近づくと、鳴のうを膨らませた状態でジッとしてます。

 じ~っと、見ていると、疲れてくるのか、プシューって、鳴のうが萎みます(^_^;)。

 

 特に田んぼで良く見かけますが、もちろん、森の中にも生息しています。

 森の中では、湿地など水が流れていないような場所に産卵します。

 

 体長は2.0~4.5cm、オスよりもメスの方が大きい。

 

 ニホンアマガエルは、体の色を緑色・灰色・茶色に変えることが出来ます。

 基本的に、周囲の色に合わせて、身を溶け込ませるために色を変えますが、休息中などアマガエルの状態によっても体色を変化させるそうです。

 灰色と茶色の時は、雲形模様が出ます。

 

 緑色の時は、雲形模様が出るときと出ないときがあります。

 雲形模様は、人間で言うと「迷彩服」と同じ効果があるようです。

 

 個人的には、緑色の迷彩が一番目立つと思うんですが、ヘビとか鳥とかの天敵には、きっと、周りに溶け込んだように見えるんでしょうね(^_^;)。

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アカガエル(悲)

2020年12月20日 | 爬虫類・両生類のお話

 ヒノキ人工林にて、立木調査中に見つけたアカガエルの悲しき姿・・・・。

 

 樹皮の下に潜んでいたアカガエルが、何らかの理由で圧死したようです。

 アカガエルの下側に、幹が傷付いた痕があり、その隙間から、樹皮の下に潜り込んで、おそらく冬を越そうとしたのかもしれません。

 死体はほぼ乾燥しており、ミイラみたいな感じ。

 少なくとも、今年の冬に亡くなったものではない。

 周辺では、最近、間伐した形跡もない・・・というか、最低でも5年は何もされていない。

 

 何が起こったのかなー。

 悲劇のアカガエル(T_T)。

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ニホンヒキガエル

2020年09月14日 | 爬虫類・両生類のお話

 ゴトヒキ、ガマガエルなどの別名をもち、自来也(児雷也)が操る妖術としても有名なカエル「ヒキガエル」。

 体長は約8cm~17cmで、日本在来種のカエルの中では最大級です。

 何より、カエルとは思えない「のそのそした動き」が特徴的です。



 見た目がイボイボしていて、カエルの中でも特にヒキガエルはダメ!苦手!って方も、多いんじゃないでしょうか?

 デカイ図体にイボイボの体は、外国でもNGらしいです。

 英語で、アマガエルなど可愛らしいカエルをfrog(フロッグ)と呼ぶのに対し、ヒキガエルをtoad(トード)と、使い分けられています。

 さて、ヒキガエルには毒があります。
 鼓膜の後ろにある突起部を刺激すると・・・・

 白い毒液が飛び出ます。

 この毒は、結構強力で、あのヘビもヒキガエルの捕食を避けるくらいです。

 

 そんな中、ヤマカガシはヒキガエルが大好物!

 ちなみに、ヤマカガシは、ヒキガエルを食べて、ヒキガエルの毒を取り込んでいます。

 

 ヒキガエルの毒は、勢いよく飛び出します。

 下刈り作業中に、刈払機の刃がヒキガエルの突起部にあたり、毒液が目に入ったという被害事例もあります。

 ヒキガエルの毒が目に入ると、「結膜炎」や「虹彩炎」を引き起こします。

 また、ヒキガエルの毒が口に入ると、粘膜に刺激を与え、飲み込むと嘔吐します。

 「犬がヒキガエルをくわえて、死んでしまう。」という事故事例もあるくらい、ヒキガエルの毒は強力です。

 

 もし、ヒキガエルを触りたい衝動を抑えられず、触った場合は、毒が飛び出す突起部には触れないように

 触った後は、必ず手を洗いましょう。
 もし、毒液が目に入ったら、こすらず、真水で洗ってください。
 それでも痛むようなら、必ず眼科医へ。
 もし、毒液が口に入ったら、真水でうがいをしてください。
 絶対に飲み込まないでください。
 もし、飲み込んでしまい、吐き気がある、嘔吐したという場合は、病院(内科?)へ行ってください。

 ということを念頭に、ヒキガエルと正しく接してください。



 最後に、ヒキガエルの毒液が飛び出す動画です。
 ホント、勢いよく飛び出すので、気をつけて下さい。

 なお、動画の様な行動は、皆さんは、絶対にマネしないで下さいね(^_^;)

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ニホンマムシ

2020年08月15日 | 爬虫類・両生類のお話

 日本の代表的な毒ヘビ「ニホンマムシ」。

 マムシはアオダイショウやシマヘビなどに比べると、動きが遅いヘビです。

 人が近づいても、マムシはジィーッしていることが多いので、意外とマムシの存在に気づきません。

 アオダイショウや同じ毒ヘビのヤマカガシなどは、すぐに逃げ出すので、存在に気付く前に離れてくれることが多々あると思います。

 個人的な考えですが、マムシとしては、「静かにやり過ごそうとしている」のではないかなーっと思っています。

 

 動画でもニホンマムシについて、簡単ですが、紹介しているので、よろしければ、こちらもどうぞ。

森の知識はぐくMOVIE「ニホンマムシ」

 

 

 マムシは、周囲の色にとけ込むような色と模様なので、落ち葉が多い場所では、見つけにくい(>_<)。

 人が近づいても、素早く逃げない上、ジッとしていて、色と模様が周囲にとけこんで、見つけにくい

 結果、気づかないうちに「マムシと接近」というニアミスが起こり、咬まれる・・・という事例が多いのではないかと思います。

 捕まえようとして、咬まれる事例もありますが、一応、それは論外で(^_^;)・・・

 

 山菜やキノコを採ろうとした時。

 休憩しようと地面に手をついて、座ろうとした時。

 登ろうと岩の隙間に手を入れた時。

 など、地面に手を近づけたときに咬まれる事例が多いようです。

 

 他にも、素足+サンダルという状態で、茂みの中を歩いてガブッ、マムシの目の前を歩いたしまいガブッ、マムシを踏み付けてしまいガブッ、といった事例も。

 

 マムシに咬まれないための対策としては、

  ・長袖・長ズボン、手袋・靴下を着用し、素肌を露出しないこと。

  ・ハイカットの靴を履き、足下の咬まれる箇所を減らすこと。

  ・地面に手を近づけるときは、必ず周囲を確認すること。

  ・茂みなど視界の悪い場所を避けて歩くこと。

 

 なお、周囲にマムシがいないか、確認するときは、1m以上の棒などで地面を撫でるように、ゆっくりと振り回してください。

 上から叩き付けるように振り回すと、逆に、マムシを興奮させてしまいます。

 ヘビは地面を這う生き物なので、上からの攻撃には敏感です。

 なので、ヘビを見つけたら、1m以上の長い棒で、ヘビのお腹を優しくすくう様に押し出してあげると、あまり興奮させずに、ヘビを追い払うことができます。(というか、ヘビが自ら移動してくれます。)

 

 なぜ、棒の長さが1m以上なのか?

 ヘビの攻撃範囲は、体長の1/3~1/2と言われています。

 例えば、2mのハブなら攻撃範囲は約66cm~1m

 マムシの体長は最大で60cm程度なので、攻撃範囲は20~30cm。

 つまり、1m以上の長さの棒があれば、2m近くのヘビも十分に追い払うことが出来るからです。

 

 ちなみに、僕の師匠は、「マムシは、すれ違う直前に、一瞬、体を引くから、その音でわかる。」らしく、一緒に山へ行くと、よう捕まえていましたね・・・(^_^;)

 師匠の後ろを歩くとマムシを捕獲できないし、前を歩くと「見逃したな~」とからかわれる・・・そんな悔しい思い出が・・・(T_T)。

 あっ、でも、その音を意識しながら、毎日、山を登っていたら、分かる様になりましたよ(^o^)。

 今は、8割事務仕事なんで、その勘はほぼ失われつつありますが、調子が良いときは、その音を聞く(感じる?)ことが出来ます(^_^)v

 

 マムシの模様はくさり模様で、非常に特徴的です。

 この模様を見ると、何となく、ゾッとする方もいるんじゃないでしょうか?

 あと、お腹の模様も特徴的。(見たいからと言って、捕まえたりしないで下さいね。(^_^;))

Mamusi_hara

 マムシの特徴はクサリ型の模様に加え、しっぽが短いこと。

 まずは、くさりっぽい形した模様で、しっぽが短い感じのヘビと思ったら、直感的にマムシと覚えましょう。

 

 マムシの幼蛇も成蛇と似たような感じです。

 

 

 マムシのお顔はこんな感じ。

Mamushi_kao

 よ~く見ていただくと、目と鼻の間に、もう1つ穴があります。

 これが熱を感知する器官「ピット官」で、1秒間に千分の二~千分の三の温度差を見極めることが出来るそうです。

 

 そして、毒牙。

Mamusi_kiba02 

 大きな2本の前歯が毒牙です。

 この牙の中に毒腺があり、牙の先端に小さな穴があって、そこから毒が出てきます。

 牙に咬まれると、その穴から毒が注入される・・・ちょうど注射器のように毒が注入されます。

 注射器のように・・・といっても、牙の先端に穴があるわけではありません。

 人の指を牙に例えると、爪あたりの位置に穴があります。

 なので、マムシの牙をつっつくと、顔に向かって毒液が飛んできます・・・が、絶対にマネしないで下さい。

 

Mamusi_kiba01

 口の下側にある穴は、空気を吸うための管です。

 獲物を飲み込むときは、この管から空気を吸い込んでいます。

 

 マムシに咬まれると10~15分以内に痛みや腫れなどの症状が出てきますが、致死率は1%と非常に低いので、まずは、咬まれたら落ちつくこと

 これが1番大切です。

 興奮すると血流が早くなるので、毒の巡りも早まります。

 咬まれた箇所を心臓より高い位置にしたり、軽く縛る方法もあります。

 ただし、強く縛ると悪化する恐れもあるので、包帯など幅広いもので、軽く縛るようにします。

 毒を吸い出す「吸引器(ポイズンリムーバー)」があれば、それで毒液を吸い出します。

 絶対に、口で直接、毒液を吸い出すようなことはしないで下さい。二次感染につながる恐れがあります。

 あと、冷やす行為症状を悪化させるので、冷やさないで下さい

 咬まれたら、落ち着いて、すぐに病院へ搬送してください。

 「何もせず、落ち着いて、すぐに病院へ行く」が最大の処置とも言われています。

 

 処置も重要ですが、まずは咬まれないための対策と予防が一番重要です。

 そして、マムシを捕まえようとしないことです!

 

■関連記事■

 マムシ酒

 マムシのかば焼き

 

※2017年8月の記事を改編

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ヌマガエルとツチガエルの違い

2020年08月10日 | 爬虫類・両生類のお話

 見た目が似ている「ヌマガエル」と「ツチガエル」。

 ちなみに、この子はヌマガエル。

 この子は、「ツチガエル」。

 ツチガエルの方が、いぼいぼの突起が大きいのですが、どっちが大きいかなんて、2匹同時に捕まえて、比較しないと、なかなか分からないと思います。

 そこで、ヌマガエルとツチガエルを一発で、見分ける方法をご紹介します(^_^)v。

 

 お腹が白いとヌマガエル。

 お腹に黒い斑紋があるとツチガエル。

 

 ヌマガエルかな?ツチガエルかな?

 気になったら、お腹を確認!

 白くてキレイなお腹だったら、ヌマガエル

 お腹に黒い斑紋があったら、ツチガエル

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ツチガエル

2020年08月09日 | 爬虫類・両生類のお話

 体中がイボイボのカエル「ツチガエル」。

 その姿から「イボガエル」とも呼ばれていて、「触るといぼが出来る」という都市伝説がある(^_^;)。

 触ってもいぼは出来ないので、ご安心下さい。

 いぼは出来ないけど、触ると皮膚から粘液を出すので、それが、ちょっと臭います(>_<)。

 体質によっては、この粘液で皮膚がヒリヒリすると感じる人もいるかもしれないです。

 

 ツチガエルは、本州、四国、九州(大隈諸島や五島列島を含む)、国外では朝鮮半島や中国東北部などに分布しています。

 北海道では、1985年頃に初めて確認され、養殖用のコイに混じって、幼生が持ち込まれた可能性が高いと言われています。

 なので、北海道に生息するツチガエルは国内外来種という扱いになっています。

 ツチガエルの体長は、オスが30~47mm、メスが45~60mm。

 ご覧の様に、背中は灰褐色で、いぼがたくさんあって、触るとざらつく感じがあります。

 お腹にも細かい斑紋が一面にあって、黒っぽく見えることも。

 平地から山地と幅広いエリアで生育し、沼や河川、渓流など水辺に依存するタイプのカエルですね。

 

 アリやバッタなど小さな昆虫やクモを捕食します。

 「ギュー、ギュー、ギュー、ギュー」と、低音の声で鳴きます。

 

 触ってもいぼは出来ない。

 触ったときのいぼいぼ感が、ちょっと好き(^_^)v

 だけど、ちょっと臭い粘液を出すので、気をつけて下さいね!

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ヌマガエル

2020年08月05日 | 爬虫類・両生類のお話

 田んぼで良く見かけるカエル。「ヌマガエル」。

 ヌマガエルは、アカガエル科のカエルで、体長約3~5cm、お腹が白く、背中に黒いまだら模様といぼっぽい突起があります。

 昆虫類、クモ、ミミズ、ダンゴムシなどを食べますが、意外とどう猛?なのか、共食いすることもあります(^_^;)

 田んぼへの依存性が高いカエルなので、田んぼにいるカエルの中でヌマガエルがダントツじゃないかな?

(若い個体Ver)

 鳴き声は「キャウ、キャウ、キャウ」と連続で鳴きます。

 本州中部以西(静岡以西)・四国・九州・沖縄県に分布していますが、1990年代になって神奈川、千葉、栃木、群馬でそれぞれ確認され、現在は、東京にも定着しています。

 自然分布は、本州中部以西(静岡以西)だったのが、人為的な移入によって、関東地方にも広がり、定着したようです。

 そのため、ヌマガエルは「国内外来種」に指定されています。

 国内でも、人為的な移入によって、自然分布域を超えると、これまでの生態系が崩れるおそれもあります。

 「在来種だからいいでしょ。」という安易な考えが、地域固有の生態系や種を損なうリスクがあることを教えてくれる、そんな身近なカエルだなー、と個人的には感じています。

 ぽっちゃりした感じの体型。めっちゃ、カワイイわ

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毒ヘビ ヤマカガシ

2020年08月03日 | 爬虫類・両生類のお話

 今回は、ニホンマムシと同じくらい毒ヘビとして認知された「ヤマカガシ」についてのお話です。

 マムシと違い、ヤマカガシは、非常に愛らしい顔をした毒ヘビです・・・(^_^;)。

 

 そんな、ヤマカガシに咬まれた事例ですが、ほとんどが、ヤマカガシを捕まえた時捕まえようとした時です。

 座ろうと地面に手をついた時、山菜やキノコを採ろうとした時など、地面に手を近づけた時に咬まれたという報告は、ほとんどありません。

 僕自身も、子供の頃、川で見つけたヤマカガシを捕まえ、川の水面に叩き付けて、気絶させ、川へ放り投げ、そのまま流れるヤマカガシを見て、楽しんでいました。

 そのため、ヤマカガシに咬まれたという事例の多くが子ども (゚Д゚;).....。

 

 

 なので、ヤマカガシに咬まれないための一番の対策は「捕まえないこと」です。

 基本的には、ヤマカガシは「大人しい性格のヘビ」なので、人が近づくと、真っ先に逃げ出します。

 そんな逃げる姿を追いかけて、捕まえようとすると、咬まれてしまいます。

 なので、「捕まえないこと」が一番の対策となります。

 

 ヤマカガシに咬まれたら、絶対に毒がまわるというわけではありません。

 マムシやハブのように「前歯の牙=毒牙」ではないからです。

 ヤマカガシの上顎にある大きな奥歯があり、そこまで深くかまれると、毒にやられてしまいます。

 この奥歯に咬まれると毒にやられてしまいます。

 ヤマカガシは、マムシのように昔から有名な毒ヘビとして扱われていませんでした。

 それは、人と出会えばすぐに逃げ出す習性、奥歯まで深く咬まれないと毒にやられない、つまり、咬まれる危険性が低い・咬まれても毒にやられる可能性が低いという背景があったからではないかと思います。

 

 ヤマカガシは、小魚・カエル・ドジョウなどを好むので、水辺に生息していることが非常に多いです。

 普通に川の水面で泳ぐ姿を見かけますし、水路や田んぼでも、よく姿を見かけます。

 山の中だと、小さな小川付近にもいます。

 カエルがいそうなところは、ヤマカガシもいると考えて、いいかもしれませんね。

 

 じゃあ、山の頂上や尾根筋なら大丈夫・・・と思いたいところですが、ヤマカガシはヒキガエルが大好きなので、頂上や尾根筋でヒキガエルを見かけると、ヤマカガシもいると考えてください。

 ちなみに、奈良県の大峰山系では、大きなヤマカガシによく出会います (^_^;)。

 ヒキガエルも毒を持っているので、積極的にヒキガエルを襲う生き物は少ないのですが、ヤマカガシはヒキガエルを好んで捕食します。

 

 最近の研究で、ヤマカガシは、ヒキガエルを食べて、ヒキガエルの毒を体に蓄えるそうです。

 実際にヒキガエルが生息していないヤマカガシを調べると、毒を貯蔵する器官はあるのに毒がないそうです。

 

 そんなヤマカガシが持つ、もう1つの毒。。。

 ヤマカガシの頸部(頭?首?)を刺激すると毒液を飛ばします。(これ、ヒキガエルから蓄積した毒です)

 この毒液が眼に入ると、結膜炎など眼に障害を与えます。

 ヤマカガシを捕まえようとして、頸部を強く押さえると、毒液が飛ぶ!

 ヤマカガシを捕まえようとして、反撃に合い、深く咬まれると、毒にやられる!

 いずれにしろ、「捕まえないこと」が一番の対策です。

 

 ヤマカガシは地域によって、その模様や体色が異なると言われており、特に、関西と関東のヤマカガシは模様や体色の変異が違うようです。

 僕は関西しか知りませんが、ヤマカガシの写真をいくつか載せますので、ご参考ください。

 まずは、成蛇。

 

 次は、幼蛇。

 この幼蛇は、脱皮前なので目の色が変色しているだけです。

 

 あと、黒いタイプ(黒化型)。

 

 とは言え、いくら写真を見ても、実際に遭遇した時にm一発で見分けることは困難です。

 なので、ヤマカガシの成蛇、幼蛇、黒化型、いずれも、首とか、アゴとか、「頭周りが黄色い」ので、それで判断しましょう。

 「頭周りが黄色いヘビ」=「ヤマカガシ」。

 「頭周りが黄色いヘビ」は捕まえないよう、子供たちに伝えましょう 

 

 

 ちなみに、毒ヘビの頭は三角形と言いますが、それは、正しくありません。

 それだけでは、毒ヘビか否か、見分けることは出来ません。

 ちなみに、毒を持っていないシマヘビやアオダイショウを怒らせると、頭を三角形にします。

 

 そして、ヤマカガシの頭は三角形ではありません。

 ちなみに、ヤマカガシは威嚇するとき、首を平たく広げて、持ち上げます。

 平たい首で、ゆらゆらする姿は、少し、コブラを思わせますね。

 

※2017年8月の記事を改編

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ウシガエル

2020年07月05日 | 爬虫類・両生類のお話

 食用蛙で有名なウシガエル。

 ウシガエルは1918年にアメリカから移入され、食肉用として養殖されました。

 ちなみに、ウシガエルを養殖するためのエサとして移入されたのが、アメリカザリガニです。

 そもそも、日本ではカエルを食べる習慣も無く、カエルの養殖事業が廃れるとともに、ウシガエルが野に放たれ、野生化し、外来生物として、各地で問題を起こしています。

 IUCNの「世界の侵略的外来種ワースト100」、日本生態学会の「日本の侵略的外来種ワースト100」にも選定されるほどの嫌われ具合(^_^;)。

 

 ウシガエルは、沖縄県から北海道まで幅広く定着しています。

 体長は110mm~185mmと大型で、口に入る大きさであれば、ほとんどの動物をエサとして捕食します。

 ウシガエルは、日本に生息する全てのカエルの中で最大のカエルで、しかも、アメリカでも最大のカエルだそうです。

 動きは素早く、後肢の水かきも発達し、泳ぎも達者です。

 オタマジャクシも大型で、全長で150mm。

 ウシガエルの繁殖期は5~9月で、6,000~40,000個の卵を産卵します。

 大型で、口に入るなら何でも食べるウシガエル。

 オタマジャクシも大型で、産卵数も桁違い。

 警戒心が強く、動きも素早いため、捕まえにくい。

 ウシガエルは、本当に貪欲な捕食者で、昆虫、ザリガニなどの甲殻類、小型の哺乳類、鳥類、爬虫類、魚類まで食べてしまいます。

 口に入れば、カメも、そしてヘビさえも、食べてしまうウシガエル・・・。

 モリアオガエルがいなくなった地域もあり、ウシガエルが与える日本の生態系へのダメージは計り知れません。

 

 ウシガエルは、低く響く声で「ブォーン、ブォーン」と牛の様に鳴きます。

 牛に似た鳴き声から「ウシガエル」という名前がついたようです。

 ウシガエルに気づかれること無く、そーっと、近づいて、驚かせると、高い声で「キャウ~ン」と鳴いて、水の中に飛び込みます。

 雨が降る夜中、たまーに、ウシガエルが道ばたに出てくることがあります。

 

 肝心な情報を1つ、忘れていました!

 ウシガエルの唐揚げは美味しいです!

※カエルの後肢

 機会があれば、是非、ご賞味下さい(^o^)

 

 あと、昔、小学校の理科の授業で、解剖に使われたカエルもウシガエルでしたね。。って、僕の小学校時代に蛙の解剖はなくて、解剖されたカエルの写真を見たくらいけどね。

 

 僕の地域にも、農業用のため池にウシガエルが生息しています。

 ウシガエルの捕獲がてら、アメリカザリガニをエサに、子どもと、カエル釣りを始めようかなー

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