はぐくみ幸房@山いこら♪

「森を育み、人を育み、幸せ育む」がコンセプト。株式会社はぐくみ幸房のブログです。色々な森の楽しさ共有してます♪

キイロスズメバチの巣

2016年08月31日 | 危険な生き物のお話

 引っ越しのため、しばらくブログをお休みしていました。

 ネットの接続も完了したので、再び、色んなネタを掲載したいと思いますので、よろしくお願いします。

 4月末に完成した新居に、色々あって、ようやく8月に引っ越ししたわけですが、なんと、キイロスズメバチに先を越された

 子供もいるし、駆除を考えたわけですが、何せ、屋根の一番高いところに巣をつくられたので、届かない

  

 とりあえず、ボールを投げて巣を壊したものの、すぐに修復されてしまう・・・

 結果的に2回とも修復・・・・

 さて、どうしたものか・・・・

 

 ちなみに、自分でスズメバチの巣を駆除する場合・・・

 すみませんが、以下、自己責任で行ってください

 

 ポイント1

 雨の日に行う

 ハチの翅は水に濡れると飛ぶことができません。

 雨の日、スズメバチやアシナガバチの巣を観察すると、巣にくっついて、ジッとしています。

 

 ポイント2

 夜に行う

 夜も巣にくっついて、ジッとしています。

 一方から光を当て、その反対の位置から巣を叩くと、ハチは光の方に寄って行きます。

 

 野外に作られた巣に限りますが、雨の日の夜に行うとスズメバチに襲われるリスクが低いということになります。

 もちろん、刺されないために長袖長ズボンを着て、その上に雨合羽を重ね、足元は長靴、手元は防蜂用手袋もしくは、刺されない厚めの手袋をし、頭と顔は防蜂網を被ります。

 身につけるものは黒色は避けて、白色、赤色、黄色などがいいです。

 ハチの巣駆除は、ハチに襲われるリスクを下げるのが1つのポイントだと思います。

 繰り返しますが、実施する場合は、自己責任でお願いします

 

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帰化植物

2016年08月13日 | 樹木・草花のお話

 海外から人の手によって持ち込まれた植物のうち、野外の中で自然に育つようになった植物を「帰化植物」といいます。

 日本の帰化植物は、1,200種とも言われ、その中でも特に繁殖力の強い帰化植物は、在来種を駆逐するおそれがあります。

 身近な帰化植物として・・・・

 セイヨウタンポポ

 セイタカアワダチソウ

 メリケントキンソウ

 ※種が危険です。種にトゲがあって、グサッと刺さります。

 ヒメオドリコソウ

 ヨウシュヤマゴボウ

 ※実は有毒なので、食べないで下さい。

 ワルナスビ

 ※トゲがあるので、素手で引き抜くのは危険です。

 ホテイアオイ

 などなど。

 

 帰化植物の異常繁殖は、環境や生態系が崩れるor壊れるおそれもあるため、駆除に取り組み、元の環境や生態系を取り戻そうと頑張っている方々や団体さんもいます。

 なので、「帰化植物」って聞くと悪い植物をイメージしてしまう方も少なくないと思います。

 

 では、ちょっと、ここで視点を変えて。

 日本に帰化植物があるように、海外にも帰化植物があります。

 そして、海外でも、日本の在来植物が蔓延し、非難を浴びています。

 今、話題になっているのが「イタドリ」

 ” スカンポ ”や” ゴンパチ ”とも呼ばれ、道端に生えているポピュラーな山菜の「イタドリ」。

 子供の時、ポキッと折って、茎にかじりついたり、今も、真夏の山で喉が乾いたら、お口直し的にかじったり。

 あと、笛を作ったり、遊び道具にも使われます。

 和歌山県では、栽培をして、加工品向けに販売したり、山村地域の収入源にもなっています。

 

 と、日本では馴染み深く、そして親しみ深い植物である「イタドリ」がイギリスで大問題に

 イタドリは、荒れ地などに真っ先に芽吹く植物の1つで、養分が少ない土地でも根をはり、何年もかけて葉を茂らせ、少しずつ土壌を作り、別の植物が生える土台を作ってくれます。

 いわゆる植生遷移の中で、大切な役割を担っている1つの植物がイタドリ。

 この養分の少ない荒れ地でも育つことが出来るイタドリの生命力・繁殖力が、イギリスで仇になったようです。

 イギリスで繁殖したイタドリは、コンクリートやアスファルトを突き破り、住宅などの建物、防波堤など生活に影響を与える被害を出しているほか、道路やコンクリートの基礎など建設現場への被害も出ているそうです。

 イギリス政府がとったイタドリ対策は、「イタドリマダラキジラミ」の輸入。

 いわゆる生物防除。

 外来種に外来種をぶつける・・・ん~なんか、国内でも聞いたような対策だな~と思いつつ、思いつつ・・・。

 もともとは観賞用に輸入されたイタドリ。

 イギリスでは、「見たくもない!」っていうくらい繁殖しているんでしょう・・・

 日本では、イタドリを食べる習慣もあるし、今は、シカの増加で、真っ先にシカが食べちゃうから、イタドリを柵で囲って育てるというイギリスとは真逆の動きが見られています。

 

 次に「クズ」。

 北アメリカで建物を覆い尽くし、「グリーンモンスター」とか「ジャパニーズ・グリーンモンスター」とか呼ばれています。

 砂漠での緑化効果を期待して、輸入したそうですが、砂漠ではなく、建物を緑化してしまった・・・

 日本でもクズが繁茂しているところはありますが、シカはクズが大好物なので、シカのいないところ、シカが食べに行けないところでクズが繁茂しています。

 クズもイタドリ同様、繁殖力が裏目に出たようです。

 

 最後に「ワカメ」。

 お味噌汁に入れる「ワカメ」。

 でも、海外では「ワカメ」を食べる習慣がないので、海の中で大繁殖。

 日本の船底にワカメの胞子が付着したのが繁殖の原因らしいです。

 

 この3種の共通点は「日本の食文化」であること。

 ある意味、人が食べることでバランスが取れていたのかも・・・。

 実際、シカが少ないところでは、クズが繁茂しているわけだし・・・(イノシシもクズの根食べるし。)。

 

 あとこれら3種は、世界の侵略的外来種ワースト100にもランクインされています。

 

 この3種ほどではないようですが、「アケビ」、「ススキ」なども海外の帰化植物になっているようです。

 日本も、海外から持ち込まれた帰化植物に悩み、四苦八苦していますが、実は、海外でも同じように日本の在来種が、悩ませ、四苦八苦させているようです・・・。

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木質バイオマス発電用燃料材 皆伐作業の生産性と収支について

2016年08月07日 | 現場技術・安全管理・道具のお話

 今回は研究論文のご紹介を。

 高知大学が、「木質バイオマス発電事業への供給を想定した架線集材による広葉樹皆伐作業の生産性と収支」という論文を森林利用学会誌(第31巻2号P85-91)で報告されていました。

 色々と課題のある木質バイオマス発電事業。

 広葉樹資源に手を出している方、出すことを考えている方もいるかと思います。(個人的には、何でもかんでも広葉樹を未利用材に含んでいいものなのか、という疑問を持っていますが・・・)

 (写真はイメージです)

 今回、広葉樹を皆伐・架線集材した場合の生産性と収支に関する調査報告で、いい調査だな~、参考になるな~と思ったので、簡単に内容を整理して、ご紹介します。

 ちなみに、原文を一字一句書き写したものではなく、個人的に分かりやすいかな~という表現に修正している箇所もあります。

 なので、以下の内容に誤りがあった場合、著者ではなく、僕個人の読解力不足による誤りですので、その点はご容赦下さい。
 

【目的】
 高知県では、薪炭林放棄地など未利用広葉樹林の割合が多く、このような広葉樹林を団地化し、森林経営計画を立て、認証未利用材としての利用が検討されているとのこと。
 そこで、木質バイオマス発電への出荷を目的とした広葉樹林の皆伐による生産性や収支に関する試験を行うことに。

【調査内容】
 架線は、エンドレスタイラー式(3胴集材機、直引力4t、支間斜距離603m、主索24mm)

 伐採面積は10.39ha(広葉樹7.25ha、ヒノキ3.14ha)

 そのうち、標準地プロット(20m×20m)を7箇所設置し、単位面積当たりの蓄積量を算出(推定)。

 伐木作業は2人(チェーンソー2台)。

 集造材作業は集材機運転手1名、荷掛手1〜2名、荷外手1名。(集材機運転手と荷外手がグラップルとチェーンソーで造材。)

 伐採作業の分析は、プロット内の作業を、集造材作業の分析は、プロット内とその付近の作業を対象に実施。

 調査対象は、伐区4(0.66ha)、伐区6(0.54ha)、伐区8の一部(0.52ha)。

 搬出された材は、長さ2mの丸太及び枝葉とし、11tトラックで運搬。

【結果】
 出荷量は、丸太が402.1t(37車分)、枝葉が22.2t(4車分)、混焼向け枝葉が148.0(26車分)t。

 合計572.2t

 丸太の買取価格は、工場着時の含水率(湿量基準含水率5%wb刻み)による変動制。

 価格は5,800円/t(46.1%wb)〜7,400円/t(39.2%wb)の間。

 平均価格にすると6,963円/t

 枝葉の買取価格は、3,800円/tの定額。

 混焼向け枝葉の買取価格は、証明書付き一般材で1,000円/t(35.0t)、証明書付き未利用材で1,500円/t(113.0t)。

 運搬費は、丸太も枝葉も23,000円/車、混焼向け枝葉は、土場買い取りのため0円/車。
 運搬費をt換算すると、丸太は2,117円/t、枝葉は4,153円/t、混焼向け枝葉は0円/t。

 運搬費を差し引いた販売収支は、丸太4,846円/t、枝葉−353円/t、混焼向け枝葉1,382円/t
(この時点で、枝葉は赤字。)

 出荷量あたりの事業経費は、伐木集造材作業のみで、9,984円/t

 架設を加えると、11,976円/t

 さらに作業道を加えると、13,215円/t



 全体の収支

 利益率の高い丸太のみで、4,846円/t平均3,749円/t
 架設と作業道作設を含めた経費で差し引きすると、3,749円/t-13,215円/t=9,466円/t赤字

 利益率が高い丸太4,846円/tと伐木集造材のみの事業費9,984円/tでも、5,138円/t赤字


 次に生産性(詳細は省略)。

 今回は、伐木集造材作業のみで2.55t/人日
 これに、架設作業を加えると、2.08t/人日

 平均買取価格の3,749円/tの場合、架設作業を含む生産性を6.65t/人日(3.2倍)にしないと採算が合わない
 利益率が高い丸太買取価格の4,846円/tで、作業経費を伐木集造材のみとした場合、生産性を5.26t/人日(2.06倍)にしないと採算が合わない。

 これに対し、改善策も書かれていましたが・・・・

・径の小さいものを現地に残し、径の大きいもののみ集材する、1度の集材量を増やす、架線作業の習熟度がまだ高くないので、技術向上が必要、路網と簡易架線・車両系の活用の検討など。

 今回の事例地は、地形条件により架線集材となったが、材価が低い広葉樹の皆伐作業では、可能ならば路網を整備して、簡易架線や車両系による集材方法を行えるようにすることが望ましい。

 失礼ながら、生産性を2~3倍にしないといけないなら、非常に苦しい改善策案だな~と思いました。

 でも、この試験・調査自体は非常に良いものだな~と感じました。

 あくまで一事例でしかありませんし、違う現場なら結果は違ったかもしれません。

 が、販売収支と生産性を数値化することで、木質バイオマス発電事業がいかにハードルの高いモノなのか、改めて痛感することができました。

 「天然更新できる広葉樹でバイオマス利用!」と安易に考えず、こういうデータも見ながら、慎重に進めないといけない・・・と思った次第です。

 この結果は、それを示す1つの指標になりそうだな~と思いました。

 

 専門的かつ堅苦しい内容の上、長文にも関わらず、最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。 

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植栽地に生えた樹木

2016年08月06日 | 森林管理・森林空間・森林整備のお話

 先日、植栽地の下刈りに。(僕が作業したわけでは、ありません

 シカやウサギの食害もなく、ひと安心。

 植栽木以外にも色んな木が生えてましたので、ちょっとご紹介を。

 ミズメ

 サロメチールの香りがする木で、木目も色合いもきれいな木材。

 サクラ材に劣らないと、個人的に思ってます。

 我が家のテーブルもミズメ。

 製材側はミズメザクラとも言います。

 

 シロモジ

 クスノキ科の樹木で、恐竜の足跡みたいな形の葉が特徴。

 材は器具材くらいかな?

 これといった特徴的な用途はなかった・・・ように思います。

 

 ヒサカキ

 ビシャコとも言い、花木に。

 花の香りは臭い。

 

 リョウブ

 シカにひどく剥皮されても、生き残るがんばり屋さん。

 昔は、飢饉の時にこの新芽を食べたとか。

 僕は食べたことないけど、格別に美味しいと言うわけではないらしい。

 ウリハダカエデ 

 シカも食べないし、伐採跡地でも生えてくるパイオニア(先駆性樹種)。

 最近、メープルシロップが採れると知ってから、がっつり注目している樹木。

 特用林産物界に新しい風を起こしてくれる…?

 

 タラノキ

 代表的な山菜。

 この時期、白い花を咲かせてるので、来年の春、採取したいなら、この時期に採取場所をチェック。(ヌルデもこの時期なんで見間違えないように)

 タラノキも伐採跡地や植栽地など日当たりの良い場所で、真っ先に生える先駆性樹種(パイオニア)。

 

 アカマツ

 これも、代表的な先駆性樹種(パイオニア)。

 早生樹であり、最近、出番がない(人気がない?)けれど、建築材として利用される。

 我が家の曲り梁もアカマツ。

 そして、アカマツといえばマツタケ!

 マツ枯れなんかに負けず、成長してほしい!

 

 カナクギノキ

 クスノキ科の樹木。

 名前に「金釘(鉄釘)」とつくので、堅いのかと思いきや、実は軟材。

 名前からして、釘の材料になりそうな名前だが、軟材なので、釘の材料にはならなそう。

 (材が強いように書かれてもいるけど、実際、採材しても堅いとはいい難いかな・・・)

 

 

 ナガバモミジイチゴ

 黄色く熟すキイチゴで、甘い。

 真夏の植栽地では、暑い上に痛いばかりだけど、初夏の植栽地では、その甘さに癒される。(トゲ痛いけど・・・)

 

 モミ

 主に建築材として利用されるが、スギやヒノキに比べると強度は劣る。

 建築材と言っても、構造材ではなく造作材などが主。

 でも、モミを梁に使うところもある。

 「強度的にどうなのかな~」っと思うけど、ホワイトウッドの柱で家を建てるんだから、問題ないか~

 僕は不安なので、使いませんが・・・・

 僕の中では、「桶」のイメージ。

 寿司桶にも使われ、昔は棺桶に使ったそうです。

 

 シカの食害を受けなければ、色々な樹種が生える。

 柵がなくても安心して、植栽や天然更新が進む。

 そんな日が、いつか、来るのかな・・・・。

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