はぐくみ幸房@山いこら♪

「森を育み、人を育み、幸せ育む」がコンセプト。株式会社はぐくみ幸房のブログです。色々な森の楽しさ共有してます♪

天然シイタケ

2019年11月24日 | キノコ・菌類のお話

 最も身近な食用キノコと言えば、シイタケ(かな?)

 

 一言にシイタケといっても、菌床シイタケ、原木シイタケ、天然シイタケに分けられます。

 

 スーパーで売られている大半のシイタケは、「菌床シイタケ」。

 簡単に言うと、固めた木くずにシイタケ菌を植え、発生させる方法。

 なお、この写真は、菌床ナメコです・・・。シイタケの写真がなかった(無くした?)ので。

 

 次に、コナラやクヌギを切った丸太(だいたい直径9~14cm、長さ1m)木に、シイタケ菌を植え付ける「原木シイタケ」。

 原木に直径1cmくらいの穴を開けて、そこにシイタケ菌を植え込みます。

 すると、そこからシイタケが発生。

 

 

 菌床シイタケは、香りが弱く、軟らかいので、シイタケとしては、比較的食べやすいと思います。

 原木シイタケは、香りが強く、しっかりした歯ごたえがあるので、シイタケ好きは、食べるなら原木シイタケ!でしょう。

 

 そして、自然に発生する「天然シイタケ」。

 春と秋に、山の中を歩いていると、天然シイタケに巡り会うことがあります。

 

 枯れたシイノキの立木に発生していたシイタケ。

 でも、残念なことに、腐り始めていたので、食べられませんでした・・・。

 

 山の中で切り捨てられたコナラに発生していた天然シイタケ。

 もちろん、この天然シイタケはいただきました!

 味は、原木シイタケと変わらない・・・というか、原木とシイタケ菌の相性にこだわって生産された原木シイタケの方が美味しい!!

 

 そして、地面の中から発生していた天然シイタケ

 見つけたときは、「えっ?」って、思いましたが、間違いなくシイタケでした。

 このシイタケの周囲に、枯れたシイノキが何本かあったので、地面の中で枯れた根からシイタケが発生したのではないかと思います。

 しかも、地面の中から発生した天然シイタケが3本(うち1本は朽ちてました・・・)。

 これは初めての体験!

 こういうレアな出会いがあるから、山は面白いっすね!

 ちなみに、なんか、イメージ的に、あまり食が進まなかったので、食べてません・・・。

 

 それと、シイノキを伐採し、放置していると、たまーに、シイタケが発生します。

 これも、自然の恵み。

 でも、天然シイタケの味は、原木シイタケとそんなに変わらないし、むしろ、原木シイタケの方が美味しい場合も。。。

 

 天然シイタケも原木シイタケも、自然と触れあったり、自然の中で生活をする喜びを感じることが出来る、身近な森の資源です。

 天然シイタケ。

 見つけると、テンション上がるので、皆さんも是非、探してみて下さい!

 湿気が多い場所で、枯れたコナラ、クヌギ、シイノキが狙い目です! 


糞生菌

2016年10月01日 | キノコ・菌類のお話

 お食事中の方には、大変申し訳ございません。

 タイトル通り「糞」に関することです。

 一言に「菌」と言っても、ハンパなく種類が多く、名もなき新種がたくさんあると言われています。

 菌の中には、動物の排泄物「糞」を栄養源にしているものもあります。

 これを「糞生菌(ふんせいきん)」といいます。

 糞をエサにする昆虫もいるように、菌もいるわけです。

 彼らが存在するからこそ、山の中が糞まみれにならない。

 糞をキレイに掃除し、豊かな土壌生成と樹木の育みに貢献してくれています。

 影ながら森林の生態を支えている1つの柱なんです。

 

 これは、国指定特別天然記念物ニホンカモシカの糞に発生していた糞生菌。

 「盤菌類」というだけで、詳しいことは明らかになっていないようです。


冬虫夏草 セミタケ

2016年09月22日 | キノコ・菌類のお話

 先日、山で作業をしていたら、セミの幼虫を発見!・・・かと思いきや、よくよく見ると、セミタケ、冬虫夏草でした。

 実は・・・初めて冬虫夏草を自力で見つけました。

 

 冬虫夏草は、セミやクモなどの虫に寄生したキノコの総称を言います。

 中国で漢方生薬として、最も重宝されているのは、コウモリガの幼虫から発生した「(学名)コルディセプス・シネンシス」1種のみだそうです。

 「冬虫夏草」という名の由来は、虫に寄生した菌は、昆虫の体内で成長しますが、冬の間は、姿形が虫なので”冬虫”、春の終わり頃から初夏にかけて、虫から菌の子実体が地面に出るので“夏草”、だそうです。

 

 ただ、今回見つけた冬虫夏草は子実体が形成されていないので、発芽に失敗したのかな~

 それとも、丸太を持ち上げた際、子実体をどこかにやってしまったのかな~


粘菌(変形菌)

2016年07月12日 | キノコ・菌類のお話

 長男の希望で、粘菌の観察会に参加してきました。

 主催は南方熊楠記念館。

 会場は、記念館のある番所山公園。

 粘菌は、南方熊楠が付けた愛称みたいなもので、正式名称は「変形菌」。

 ちなみに、南方熊楠は「変形菌」と知った上で「粘菌」とつけたそうです。

 南方熊楠や粘菌については、正直、長男の方が詳しい・・・。

 

 んで、公園内を探してみると・・・

 これはキノコやカビ?。

 

 これもキノコ。

 

 粘菌っぽいけど、キノコだったり、カビだったり、「全くよくわからない」ということが分かりました。

 

 なんとか、2種類の粘菌を発見。

 1つはこれ。

 名前は・・・聞きそびれた

 

 もう1つはこれ。

 名前は「ツノホコリ」。

 

 変形菌(粘菌)。

 奥が深い・・・。


ホンシメジ ブナシメジ

2015年10月08日 | キノコ・菌類のお話

 「香りマツタケ、味シメジ」というので、今回はシメジ

 ホンシメジもマツタケと同じ菌根菌で、コナラに寄生します。

 発生場所はマツ林に隣接するコナラ主体の広葉樹林やマツが交じるコナラ主体の広葉樹林の下です。

 図鑑によっては、コナラ主体の広葉樹林という風に書かれ、マツに触れていないものもあります。

 まぁ、個人的な経験では、マツが交じった混交林でよく見つけました。

 ホンシメジはお味噌汁で頂くのが一番好き

 香りと味、歯ごたえを同時に楽しめるので。

 あと天ぷらも最高ですね



 

 次にブナシメジ。

 このキノコは「木材腐朽菌」で、ブナやトチノキ、カエデ類の枯れ木や切株に発生します。

 ホンシメジより香りが劣ります(個人的な主観)が、美味しいキノコです。

 これもお味噌汁や天ぷらにするのが大好きです

 

 最近の菌床シメジは香り、味、歯ごたえ、サイズ、どれを見ても立派でレベルが高いですよね

 それでも天然の香り、味、歯ごたえにはまだまだかな〜

 あと・・・天然キノコを楽しむなら毒キノコを誤食するというリスクは承知の上でしょうが、単純にキノコを楽しむなら、正直、ちょっと値がはる市販の菌床キノコで十分じゃない?と思っています。

 天然の食用キノコって、味が微妙・・・が結構多い・・・これも個人的な主観ですが

 個人的には、食用キノコを見つけて、その場で鑑賞・撮影して、食べた気になって帰る方が楽しい

 あっ、でも、ホンシメジ、ブナシメジ、マイタケ、タマゴタケなどなど、本当においしいキノコはお持ち帰りします


マツタケ

2015年10月07日 | キノコ・菌類のお話

 今回もキノコネタ、最高級「マツタケ」。

 

 キノコは菌ですが、菌も何を栄養分にしているかは、当然種類によって異なります。

 前回のツキヨタケやシイタケは枯れた木を栄養源にする「木材腐朽菌」。

 これは枯れたり、倒れたりして、死んでしまった木に発生するキノコ。

 また、幹に傷がついたり、枝が折れたりして、一部死んでしまった部分にも発生します。

 なので、生きている木からキノコが出ていると、木の中に死んだ部分(腐った部分)が発生し、樹勢が弱っているというサイン・・・とも言えます

 

 他にも落ち葉を栄養源にする「落葉分解菌」、昆虫類やクモ類に寄生する「冬虫夏草」、動物の排泄物を栄養源にする「糞生菌」というのもあります。

 マツタケは「菌根菌」になります。

 

 「菌根菌」とは、生きた樹木の根に寄生して共生するキノコで、マツタケはマツ、ホンシメジはコナラの根に寄生し、共生しています。

 寄生というと、何か悪いイメージを持ってしまいますが、菌根菌は樹木の根が吸収できない・吸収しにくいミネラル分を吸収し、それを樹木に提供する代わりに、樹木が生産した栄養分をいただいているので、お互いにメリットがあるので、「共生」していると言われています。

 ただ、マツタケは、落ち葉が多い・腐葉土が発達したマツにはあまり生えません。

 落ち葉のないマツの下でないと、他の木材腐朽菌や落葉分解菌に負けてしまうようです。

 昔は、マツの葉は焚きつけの燃料として使われていたので、マツ林の下に落ち葉が少なく、マツタケがたくさん生えたそうです。

 僕の祖父も、若い頃は両手に抱えきれないくらいのマツタケを採ったと言って、その時の写真を見せてもらったことがあります。

 これマツタケ?って思うほど、大きいものもありました。

 

 あと、マツ枯れが進んで、マツ林が減少し、マツタケが発生する環境が非常に少なくなった・・・なんてことも。

 マツタケが発生しにくくなったという話は、「美味しんぼ」105巻を読んでください

 海原雄山がマツタケの先行きを憂いています(林業の将来も憂いています)

 あと、「こんなところでマツタケは採らん」とも怒ってます

 (どうでもいいことですが、マツタケの解説は、知り合いの樹木医です。長男の保育園の同級生のおじいさん。もっと、どうでもいいか

 

 昔(15年程前)、採ったマツタケ。

 今、あの松林はどうなっているのか・・・、当時でもシダや落ち葉が多かったからな~・・・。

 

 あと、マツタケアレルギーというものがあります

 触ると皮膚炎など、食べると頭痛などが起こったりするそうです。

 マツタケを食べてアナフィラキシーショックを起こしたという事例もあるくらいです。

 ちなみに、マツタケが腐るとヒスタミンが発生するそうです。

 なので、腐ったマツタケを食べてしまうと嘔吐・腹痛を起こしてしまいます。

 

 高級食材だからといって、絶対安心というわけではなさそうですね

 マツタケアレルギーを詳しく知りたい方は、こちら↓

  http://allergy.kaizen-taisaku.info/allergy/matsutake/


ツキヨタケ

2015年10月06日 | キノコ・菌類のお話

 キノコの時期になりました

 まぁ、キノコって春も夏も発生しているので、時期という表現は正しくないのかもしれませんが、「美味しいキノコが発生する時期」ってことで「キノコの時期」。

 で、毎年、毒キノコを食べてしまい、中毒になったというニュースも聞くわけですが、その中で最も誤食してしまう毒キノコ「ツキヨタケ」について。

 

 その名の通り、暗いところでぼんやりと光るキノコなので「月夜茸」。

 ブナの枯れ木に密集して生えている姿をよく見かけます。

 あまり、ブナの枯れ木がある山の中を暗い時に歩くことがないので、光ったところを見たことはありませんが・・・

 

 光ったら、キレイなんだろうな~・・・・と思いながら、この10数年間見に行こうとしたことがないんです・・・。(シイノトモシビタケは見に行くんだけど・・・)

 

 見た目がムキタケやヒラタケ、シイタケに似ているので、間違って食べてしまうようです。

 しかも、食べた人の話によると「美味しい」らしいです。

 テングタケも美味しいらしいのですが、美味しい毒キノコって多いそうです・・・

 

 以前、ツキヨタケに群がる人がいたので、見ていると、袋に入れていました・・・

 見過ごすわけにもいかず、「あの~、それ毒キノコですけど・・・・」と声をかけると、

 案の定「そうなの?ヒラタケじゃないの?」と・・・。

 「キノコを半分に割いて、柄の部分が黒いと、毒キノコのツキヨタケなんです。」

 

 「そういえば、聞いたことあるわ~」

 ・・・・・・

 

 意外と判別方法を知っていながら、ヒラタケと思い込んでしまい、試そうとしない?、忘れる?・・・・

 それが、食べてしまう原因なのかな?

 確かにツキヨタケの見た目は美味そう。

 

 ムキタケとかヒラタケを採るときは、必ず、上の方法でツキヨタケの判別をしてください

 大量に採った後、ツキヨタケと知って、枯れ木の根元に大量に捨てられるのは、ちょっと・・・・


サマツ

2015年09月23日 | キノコ・菌類のお話

 サマツをいただきました

 マツタケに似たキノコで、香りもマツタケに似ています。

 が、少し香りが弱い

 マツタケを金メダルとすると、サマツは銀メダルか銅メダル・・・?

 食べ方はマツタケと同じ。

 でも、香りが弱いので、マツタケご飯的なものは向かないかも・・・

 

 図鑑では、コナラなどの広葉樹林と紹介されていますが、和歌山県だと、ウバメガシ林にも生えています。

 なので、炭焼きさんには一般的な食用キノコ。

 

 サマツは、マツタケよりも早く生えるので「早松(さまつ)」が由来だそうです。

 また、「バカマツタケ」と失礼な別名もあります。

 あと、「ニセマツタケ」とか・・・。

 ホント、失礼な呼び名しかないな・・・

 

 子どもの運動会だったので、お弁当のおかずに

 でも、子供たちは食べないからおばあちゃんに・・・。

 サマツはオーブンでホイル焼きにし、シンプルに塩で頂きました。

 身の裂けかたもマツタケ似。

 香りは・・・ちょっと劣るかな・・・

 でも、おばあちゃん(子どものひぃおばあちゃん)は、懐かしい~と喜んでくれました 


タモギタケ

2015年08月16日 | キノコ・菌類のお話

 すでに発生の時期が終わっていますが「タモギタケ」というキノコのお話です。

 タモノキ(ヤチダモ)に生えるキノコだからタモギタケといいますが、調べてみるとニレ科の倒木や枯れ木に発生し、トチノキにも発生するそうです。

 なので、「ニレタケ」とも呼ばれているそうです。

 

 東北地方や北海道では、一般的な食用キノコですが、最近では和歌山でも市販されている菌床キノコをスーパーで見かけるようになりました。

 タモギタケも菌床栽培と原木栽培が行われています。

 個人的には、原木栽培の方が肉厚で、色味も香りも強く、美味しいので、好きですね

 

 ただし、タモギタケは、北海道や東北地方が一般的というだけあって、寒冷というか涼しい環境でないと原木栽培は難しいそうです。

 和歌山県は温暖な気候なので、あまりタモギタケの原木栽培には向いているとは言えませんが、龍神村や紀美野町で生産されている方がいます。

 はじめて知ったタモギタケも、龍神村で生産している方に教えていただいたからです。

 そのとき、原木栽培のタモギタケを少しいただきました

Tamogitake01 Tamogitake02

(原木はサクラを使用。)

 

 いただいたタモギタケは、クリームシチューとか、クリームパスタなどクリーミー系の洋風料理に合うキノコで、僕はクリームパスタ(ベーコン入り)にして、いただきました

Photo

 最近では、タモギタケに含まれる成分が、免疫力を高め、ガンの予防に効果があるといわれており、注目されています。

 もし、スーパーでタモギタケを見かけたら、一度ご賞味ください。

 オムレツにしてもおいしいですよ