闇夜の烏の変な世界

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低評価を受けた SKYACTIVE-D1.5 を自分なりに考える

2016-10-12 02:46:00 | 日記

​番組中、同じ1.5Lクラスの他車に動力性能で酷評を受けた アクセラの 15XD。

多少の予測はあったけど、ここまで差が出た理由を自分なりに考えてみた。

 

動力性能を数字で見ると、明らかに アクセラ の 15XDがドン尻になってる。

実際に走行しても、その印象は変わらなかったようです。

 

他の ミニ D や 308 Blue HDi にほとんど見られない、低回転域のダルさも マツダの一人負け。

 

はて、何でだろう??

 

注目したのが、「圧縮比」。

マツダの SKYACTIVE-D は超低圧縮比が最大の特徴です。

圧縮比を下げる事で、爆発時の衝撃を抑える事ができる。

なので、衝撃に弱いが軽量な アルミ でエンジンブロックが作れたり、ピストン他の質量を削って軽快な回転フィールを生み出せる。

 

実際、SKYACTIVE-D2.2 のシーケンシャルターボを持つエンジンに乗ると、静かで全回転域でスムーズ、非常識な高回転域まで一気に回ってみせる♪

ディーゼルの特徴である、厚いトルクもほぼ全域で享受できるし。

アルミの多用のせいか、エンジン自体も昔に比べると劇的に軽い(ガソリンよりは重いけど)。

 

ところが、SKYACTIVE-D1.5 の場合、可変ジオメトリーターボ という高価な部品を使っても、D2.2 の評価に及ばない。

何故だろう??

 

恐らくは 「絶対排気量」。

 

エンジンは、より沢山の燃料を、より高圧で爆発させる方が 大きな出力を取り出すことができるのは常識。

 

多分、D2.2 はこの 排気量 と 圧縮比 のバランスが取れていたのだと思う。

それをダウンサイジング化し、より小型の 「デミオ」 等に積もうと無理したのが D1.5 なんでしょうね。

 

実際、SKYACTIVE-D1.5には コンパクト化のために様々な工夫が施されている。

先の 可変ジオメトリーターボも その一つ。

最近では ポルシェ718 の水平対向4気筒と組み合わされて話題だが、高回転まで回る事が特徴のマツダ・クリーンディーゼルの帯域をカバーするために採用された。

D2.2のように、大小2個のターボチャージャーをシーケンシャルに繋げて搭載できれば良かったが、搭載スペースの問題で無理だったと聞く。

なので、特性を変化(可変ジオメトリ)させる事で、ターボを1個に抑えたD1.5。

 

でも、低回転域(~1,800rpm付近)のダルさと、突然そのあとに気持ち良く吹け切る特性は、この 可変ジオメトリーターボの 煮詰めの甘さか、制御の問題が引き起こしてるのではと睨んでいる。

DE精密噴射でかなり改善したものの(これは実感)、やはりまだまだ 段付き加速のクセ は残ってしまっている。

 

ターボで加圧された熱吸気を冷やすための 「インタークーラー」 も独特。

通常は配管を撮り回し、外気をインタークーラーに当てて冷やす 「空冷式」。

これも、インタークーラーを取り付ける空間が稼げなかった。

そこで、エンジンに空気を取り込む 「インテークマニホールド」 と、「インタークーラー」 を合体させて搭載している。

「水冷式 インテークマニホールド一体型インタークーラー」 なのです。

これなら、エンジンの外ではなく、一部にインタークーラーが内臓できるメリットがある。

冷やすために、冷却水を内部に通す必要はあるのだけど、スペース効率的にはかなり有利。

 

こうした地道な工夫で 「小型化最優先」 で生まれたのが SKYACTIVE-D1.5 なんだと思うのです。

 

ミスターエンジン 「人見さん」 も言われてるように、エンジンにはある程度の排気量があった方が効率がイイという話がこの辺りにも表れている気がする。

 

可変ジオメトリーターボを使い、DE精密制御を組み合わせても、絶対排気量(出力)の足りない部分は操縦者がアクセルを 「踏み増し」 しないと稼げない。

それだけ 「余分な燃料」 を吹く必要が生じる。

 (この点で15XDと22XDのカタログ燃費に大差が無いのかも)

小排気量ゆえに、こうした不利な点が、加速初期のダルさや、絶対出力の小ささを生み、海外の同排気量勢に劣る評価に繋がったと想像してます。

 

いろいろな意味で、理想的に作られてるのはやはり SKYACTIVE-D2.2 だと思う。

欠点らしいところがほとんど見当たらない。

ただし、今回の改良で DE精密制御が施された事で、踏んだ瞬間から ガルルッ! って車が前に引きずられる感じがスムーズな加速感に対して、逆効果だと感じている。

既存のアクセラXDなら、回せば同様に豪快な加速を見せたけど、低回転域のパワーはやや控えめ(レスポンスは良い)で、滑らかにスムーズな加速ができた。

それが、踏んだ瞬間に唐突な加速が始まるようになり、私的にはマイナスの印象(扱い辛い面)。

今回AWDが設定されたが、22XDで雪道の発進を想像すると、いきなりトルクが立ち上がって危険なシーンが予想された。

 

実は自身がアクセラを選ぶ際、この強烈な初期トルク感の扱い難さが 15XDの方を選択した理由の一つ。

15XDなら、ガソリンエンジン感覚で少し回転を上げ気味にして走れば、さして扱い難く感じなかったし。

まぁ、理由の大半は 「高くて手が届かない」、でしたが(汗。

 

根本的な疑問、「なら圧縮比を上げれば他車と同様のパフォーマンスが稼げたのでは」?

 

そう考えると、「その通り」 だと思います。

でも、あえてマツダは しなかったのだと思う。

 

超低圧縮比とすることで、高温高圧で大量に発生する 窒素酸化物(NOx)を 抑え込み、特別な後処理装置(これが高い!)無しで唯一、ガス検をクリアしてる!

恐らく、マツダ以外のクリーンディーゼルはほぼ例外無く、尿素だの何だのと 高価な後処理装置で汚れた排気ガスを浄化させている。

エンジン単体でクリーンな排気を達成できてるのは、マツダだけなんですね ←だから世界中から注目されてるらしい♪

 

等々考えると、SKYACTIVE-D1.5 を搭載した 「アクセラ 15XD」 が ミニやプジョーに動力性能で負けたのは 「当然」 だったのでしょう。

下げ過ぎた排気量で、初期加速のダルさが残っているのも仕方無いのかも。

 

まぁ、それでも マツダが気になってしまうのです。

奇想天外な発想で、次々と面白い事をやるメーカーだし、小手先の対処に頼らず、根本的な部位にメスを入れる。

恐らく、今の国内では数少ない技術屋 の集団な気がするのです♪

そう思えるから、また次の一手に期待してしまう。

 

SKYACTIVE-D1.5 の 中回転域より上の動力性能は、私的に 「必要にして十分」 。

きっと、今後は初動域のダルさや、段付き加速(1,800rpm付近)のクセを改良したものが登場すると思う。

 

そう思えるのが、私にとっての マツダ なのですw


「カーグラフィックTV」 小型クリーンディーゼル特集1 に思う

2016-10-12 01:37:00 | 日記

​今回の 「カーグラフィック TV」 は小型クリーンディーゼル特集。

(次回は中型クリーンディーゼル特集らしい)

 

比較に用意されたのは、

・ミニ クーパー D

・ミニ クーパー SD

・プジョー 308 アリュール Blue HDi

・アクセラ 15XD プロアクティブ

こんな顔ぶれ♪

 

クーパー SD のみ別格で、2L の四気筒ディーゼル。

クーパー S のみ 3気筒だが、排気量はほぼ1.5L~1.6L と揃えてますね。

 

TV CMでも 過激なクリーンディーゼルをアピールする 「ミニ」 のクリーンディーゼルは、かなりの高評価!

ともかく元気よく走り、3気筒の クーパーD であっても滑らかで気持ち良い走りだそうです。

エンジンが大きくなる クーパー SD はやはり別格なようで、相当過激な走りを披露していた(汗。

ここまで進化してくると、下手なガソリンスポーツカーもウカウカしてられませんね。

パワー感のみならず、クリーンディーゼル特有のトルクもあって 余裕の走りが番組では高評価。

 

308 Blue HDi は 1.6L の四気筒。

ベースの 308 自体が VW ゴルフ より上の賞を得たりと世界的に見てもこのクラスでハイエンドな車。

それに定評あるクリーンディーゼルが乗ったら、これまた物凄く番組中の評価が高い!!

力強く、車自体の走りもレベルが高く、快適さも持ち合わせる。

プジョーが昔から特徴とする 「猫足」 は、現代のクリーンディーゼルであっても健在なようで、番組のカメラの揺れ方を見ても別格感が漂う。

走り、乗り心地、共に評価が最高(ミニは硬過ぎるらしい)となったのが、この 308 Blue HDiです。

 

そして、私も注文中の アクセラ 15XD プロアクティブに。

クリーンディーゼルの評価番組のハズが、のっけからハンドリングや乗り心地のベタ褒めとなる(汗。

松任谷さんの、久しぶりに出た 「アクセラって国産車の中で最も好き」 に苦笑。

ともかく、シットリと滑らかで自然なハンドリングと、国産車らしからぬ質の高いシャーシ(乗り心地)に話が良く。

や~っとエンジンに話が行ったと思ったら、予想以上に 「残念」 という評価。

まず、アクセルを踏み始めて 反応が薄い状態(ラグと言われてる)が結構長いと酷評。

レスポンスで完全に先の3台に後れをとってる。

これは、実際に自身も 「デミオ」 以降の搭載車全てのハンドルを握ってきたけど、完全に同意見。

およそ1,800rpm付近までは、ほとんどやる気を見せないのが多少は改善されてきたけど まだまだ ダルい…。

 

今回の比較4台の中で、アクセラ 15XD は 最も 「線が細い」 で、「遅い」 という評価。

ディーゼルらしい 芯が太く、豪快な加速 とは対極って事に、予想はされたけど結構ガックリw

挙句の果てに、「ガソリンみたいなディーゼル」 とまで言われてる。

多分、トルクが細いから回転数を上げ気味にして走るタイプ、って事を言いたいのでしょうね。

これも何となく実感なのです。

22XDと違い、借り出した15XDで峠を走った時は、コーナーを抜ける度にアクセルをかなり踏み込んで速度をのせ気味にしてやる印象があったから。

22XDならつま先の動きで余裕に走るんだけど…。

 

という事で、今回の番組では クーパー SD の豪快無比な動力性能、 クーパー D の軽快かつスポーティーな楽しさ、308 Blue HDi のエンジン、車体、乗り心地と全ての高次元バランス、アクセラ 15XD のちょっとタルくて車体の出来に負けてるエンジン、みたいな結論となりましたね。

 

個人的には 最近のクリーンディーゼルは、小排気量化しても随分とレベルが向上してるんだなってのが感想。

昔の ガラガラと煩くて、ビリビリと振動が気になり、そのワリには走りがドン亀な 「ディーゼル」 とは全くの別物なんですね。

残念ながら、輸入車メーカーのほぼ大半がクリーンディーゼルを次々と送り込む中、国内を見回せば マツダ以外は 「ハイブリッド」 だの 「EV」 だのと 完全に手薄。

 

まぁ逆に マツダ は現状、クリーンディーゼルメインで展開してるからバランスは取れてるの、かな?

旧態依然なディーゼルエンジンを手直しして使い続ける三菱、現状撤退したニッサン、プラド以外は船に展開して動きの無い トヨタ。

こうして見ると、国内のクリーンディーゼルは空洞で、海外勢がガンガンそこに売り込んで成果を奪われてるって印象です。

 

まだまだ技術の伸びしろが多いと言われる 「ディーゼルエンジン」。

マツダには、まだまだ頑張って、より良いエンジンにチャレンジして欲しいものです。