季節はすっかり秋。
山だけでなく、近所の平地でも木々が紅葉真っ盛りです。
この季節になると、親父に連れられ 「銀杏(ぎんなん)」 を拾いに行ったのを思い出します。
子供の頃、我が家の暖房器具は 石油ストーブ でした。
今では臭いや安全性、使い易さが優先され あまりメジャーな暖房器具では無くなった様子。
でも、電源を必要としないシンプルな構造は、災害に強く、お湯を沸かしたり簡易料理に使えたりと なかなかに便利なものですよね。
当時、我が家の周りには昔からある イチョウの大木が何本もありました。
なので、この時期は下に銀杏の実が沢山落ちてたものです。
先日のTVでやってたのですが、最近の街路樹等に使われるイチョウの木は 「雄」 だそうで、銀杏はならないのだそうですね。
近代になって知られた事ですが、イチョウは非常に原始的な木で、雄 と 雌 が別々に存在する珍しいものだそうな。
そんな背景もあるのか、街中のイチョウのほとんどは 銀杏 がならないのだそうです。
紅葉も良いですが、紅葉狩りに出かけたら 是非 自然のイチョウの下で ご家族で銀杏拾いなんて如何かと思ってしまうのですw
実がなる木が郊外にしか存在しないなら、ちょっとしたミニイベントになる木がします。
最近は身近にビニール袋がありますから、これを何枚も準備すれば、あの強烈な 「臭い」 は防げるかな。
当時、買い物では 「紙袋」 が一般的でしたから、ビニール袋は貴重でした。
なので、親父はこのイベントのために、何かで出たビニール袋をストックしてたっけw
拾った事のある方なら容易に想像できますが、あの落ちてる銀杏の実の強烈な臭いは凄いですよね(汗
下手に素手で触ろうものなら、暫く指先から臭いが取れないホド。
なので、親父はゴム手袋か、火ハサミみたいなのを使ってました。
私は子供用の軍手、でもこれって臭い付くんですよね~。
袋イッパイに拾ってきた銀杏の実。
先ず最初にやるのは 「干す事」。
庭や縁側の下に新聞紙を広げて飛ばないようにし、そこに拾ってきた銀杏を干しました。
数日すると、周りの臭い果実の部分が腐り出します(臭いが物凄い…)。
ここから大騒ぎ。
ゴム手袋とマスクでガードしながら、柔らかくなりだした周りの部分を一つずつ取っていきます。
捥いだ果実の部分は、隔離しつつ捨てました。
まだ種の周りに実が少し残りますが、ここからまた数日干して、最後は「靴ブラシ」でゴシゴシと洗い落とします。
硬い種の状態になったら、冬場まで陰干しして食すのを待ちました。
ココまですれば、臭い部分は取り去ってるので屋内に干しても人的被害は無いですねw
冬到来。
居間の石油ストーブを前に、親父が銀杏にハンマーで縦(横だとバラバラになる)に亀裂を入れていきます。
こうしておかないと、内圧が逃げ場を失うのか、銀杏が破裂して大変な事になりますから…。
あとは銀杏を石油ストーブの上(アルミホイルひいたな)に乗せ、焼きあがるのを待ちました。
程なく、香ばしいあの銀杏の臭いがしてくると、家族が集まって銀杏に舌鼓を打ったものですww
我が家は一人もお酒をたしなむ人が居なかったけど、冬場の酒のつまみを好む人には格別なモノになってたのかもしれませんね。
最近は銀杏は面倒な手順を省けるので、お店で買うモノになった気がします。
お値段するからってのもありますが、小さいお子さんとかに 自然の恵みを自力で得る機会を的な感じで、思い出作りと一緒に挑戦してみるのもアリな気がします。
なんでもお金さえ出せば手に入るこのご時世。
昔ながらの面倒な手順を踏み、手に入れる 「銀杏」 なんて 意外と楽しいかもしれませんね。