今日偶然見つけた、内閣府のサイト。
PTAにおける防災への取組【神奈川県小田原市立酒匂中学校「父母と先生の会」】
ある中学校のPTAが中心となって、防災教育を担うという事例報告です。
中学生は災害弱者ではなく、むしろ頼りになる存在、
という認識は、私はよいと思います。
なぜなら、3.11の時、仙台市教育委員会にいて
市内各校の被害状況を 把握、現場を回って支援なさった方の
話を伺ったことがありますから。
中学生、本当に頼りになったそうです。
(そのレポートはWEB公開されていたのですが、
なぜかその号だけバックナンバーから 削除されています)
そして、3.11の時、東北地方の津波がちな地域で
中学生に防災教育を施し、
地域のお年寄り(災害弱者)の住まいを把握していて
中学生が声をかけながら避難した、という事例も存じています。
「釜石の奇跡」 「片田教授」で検索すると出てきます。
http://www.nhk.or.jp/sonae/mirai/program_sp03/
***
さて、防災教育を中学生やその親世代に施す、もとい
啓蒙することの意義やメリットが計り知れないものであろうことについて
私は異論はありません。
ただ、現状のPTAのあり方や運営の実態を考えると、
啓蒙実施役を PTAに担わせることは いかがなものだろうか?
と疑問を持ちます。
けっしてやってはいけない、と思います。
だって防災は国民全体の課題、PTAはただの権利能力無き社団、
つまり任意団体ですもの。 Association―志を同じくする人の集まりですから。
(2013.10.23 訂正追記)
PTA問題に関心を持って活動していると、社会教育法の精神から逸脱して
「なんだか便利な集団があるから、よきように使ってしまえ」という
傾向が行政側にあること、いくつも見聞してきました。
私たち、なったおぼえのないPTA会員は、べんりな労働力ですか?
かといって、高齢者中心の自治会に避難所運営や災害対応を
任せっぱなしでも、うまくゆきません。
NPO立の 防災士制度がありますけれど…
今のPTAに防災役を安易にゆだねる前に、
PTAのあり方見直しや、NPO化検討、など、いったん整理する方が良いと思います。
いざというとき行政はパンクします。
市民は力を合わせ、自分たちで自分を守らねばならない。
この現実は、阪神大震災の時にすでにはっきりしたことです。
***
先ほどご紹介した3.11当時仙台市教育委員会の方は、
ご講演当時、文部科学省PTA担当官でいらっしゃいました。
現場をご存知だったからでしょうか。
地域や学校を「顔の見える関係」 作りにして日ごろから良い関係を
保っていくために、
夏休みに、教員が、地域のお宅や企業を訪問して歩くように
とおっしゃってました。
いわば飛び込み営業ですね。
その過程で、社会的常識も身につくだろう、と。
短パンにビーチサンダルで企業訪問するようなことをしてのけるケースがあるそうですから。
PTAの ぴ の字も、ご講演では出されませんでした。
なぜでしょうか?
…私は、組織の目的がちがうから、だと考えます。
山がちな火山国に住んでいる以上、
災害はひとごとではありませんから、自分たちでどうすればいいか
考えて決めてゆかねばならない問題だと思います。
その時に、自分がどう動けるか。
万一の集合場所を決めておき、
まずは家族の安否確認をして、自分が元気なら それから 人のために働く。
この順序でよいだろうと思うのです。
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