22日(土)は日差しがあっても雲が多い一日で、昼間は過ごしやすい体感でしたが、朝晩は冷え込みました。
議会視察研修の3日目は、宿泊先のホテルを9時30分に出発し、1時間ほど掛けて美馬市のアースシップ美馬へ視察に行きました。
アースシップ美馬を造り上げ、今住まわれている倉科智子さんから説明していただきました。
倉科さんは、美馬市の地域おこし協力隊員として着任し、東日本大震災を契機に、自然と共存できる暮らしはできないものかと調べていて、広いサンルームで植物を育てている美しい写真が目に留まったのが、アースシップとの最初の出会いでした。
アースシップの特徴は、太陽光や風力などの自然エネルギーで電気を自給自足すること、生活用水は雨水でまかなうこと、おもな建築資材は廃タイヤや空き缶、空き瓶を使うこと、デザイン性に富み美しいことを兼ね備えた、他に類を見ない家とのことです。
電気は南向きのガラス窓の上に設置された12枚のソーラーパネルで発電した電気を、車のバッテリー10個に蓄電し、保温をして放電を抑えながら、ほぼすべての電力を賄っていました。
飲料水や生活用水は雨水で賄うために、屋根で集水した雨水を貯水槽に全部6トン溜めて、何度もろ過し塩素で滅菌した後、台所やお風呂、洗面所などで使用し、台所以外の生活排水は室内に設けられた菜園の根元を通るように設計され、排水に含まれる養分を吸収して野菜や果物などの植物を育て、最後はポンプアップして水洗トイレの水として使われていました。
今まで、雨が降らない日が続くなどで、2回給水車をお願いしたとのことでした。
ガスはプロパンガスを使い、お風呂やキッチンのお湯は太陽温水器を使用して、天気が悪い日が続くことやドライヤーなど一気に電圧が掛かる場合は、電気が落ちることがあり、ポータブル電源も用意されていました。
自然エネルギーを循環させている仕組みの説明をお聞きすると、太陽が出ているときに電力消費の高い洗濯機などを使い、飲料水や生活用水は雨水で補っていることから、オフグリットハウスでの暮らしは、天気次第で生活が左右されますので、地球の自然の恩恵を人一倍受けていると感じました。
この家の土台となる建築資材には廃棄物を利用していて、北側にあるリビングルームのそれぞれ北半分は土に埋まったような設計で、壁は土を詰めた廃タイヤを積み重ねたもので、タイヤと土にはすぐれた蓄熱と放熱効果があるということでした。
部屋以外の壁に埋め込まれているのは空き缶と空き瓶で、壁の強度を高めたり、明かりとりになったりと、新たな役割を果たしていて、使用した廃棄物は、廃タイヤは約800本、空き缶は約13,000個、空き瓶は約4,000本とのことでした。
部屋は温度変化を受けて熱を蓄えたり、放出したりするので、年間を通して、室温はほぼ21℃に保たれていて、この家にはエアコンがなく、部屋の形は耐震にすぐれた円形になっていて、漆喰で覆われた壁の奥は土を詰めた廃タイヤが積み重なっているとのことでした。
太陽の恵みを最大限に活用するため、南側には大きなガラス窓を設けて、広いサンルームにし、ガラス窓の下側は菜園になっていて、アボカド、いちじく、ハーブなどを植えてありました。
太陽の光を浴び、生活排水の養分を吸収して育った野菜や果物を食べることで、ここで暮らす人も地球とこの家の循環に加わっていました。
当村は現在、雲根地区において「創造の森プロジェクト」の一つとして、アースオーブンの製作を通じ、村民の皆さんに対し脱炭素型ライフスタイルを提唱する取組を進め、今後オフグリットハウスを建設予定ですので、実際に日本で第1号のオフグリットハウスを視察し、そのハウスの良さ、課題などを研修出来、とても勉強になりました。
お忙しい中、視察対応をしていただきました倉科智子さんには、親切に詳しくご説明いただき御礼を申し上げます。
視察後は、道の駅くるくるなるとで、各自昼食とお土産を買い求めたのち、神戸空港に向かいました。
神戸空港からは予定時刻で離陸し、信州まつもと空港に無事に着いたときには、すっかり暗くなっていました。
お世話になりました議員各位、池本代表監査委員さんには3日間の視察研修大変お疲れ様でした。
▽ 毎朝恒例の写真は、6日(日)に天気が良かった上空からと、清い流れの犀川を撮影した山清路の風景です。
山清路の風景
その他生坂村では、中学校で2年生標津町交流学習②・3年生が修学旅行②、少年少女バドミントン教室などが行われました。