しもの方から
地べたを打つ音が
ちかづいてくる
つられて犬が吼える
暗くさびしい町
婆ちゃん家からの帰り道
闇よりも月の色がこわかった
棺の中の顔のように
蒼い月
ひゅううと
首筋をヨタカがかすめ
口のとがった蒼い顔が
鎮守の森から
抜け出してくるころ
持ってけと
わたされた提灯だが
闇がゆらめいて
よけい気味悪い
石ころに足をとられ
なにも見ないようにして
やっと逃げかえると
流しで母が
鯉をさばいていた
くらい軒先
ぼおじぼを打つ
子供らの後ろ
口のとがった蒼い顔が
覗いている
地べたを打つ音が
ちかづいてくる
つられて犬が吼える
暗くさびしい町
婆ちゃん家からの帰り道
闇よりも月の色がこわかった
棺の中の顔のように
蒼い月
ひゅううと
首筋をヨタカがかすめ
口のとがった蒼い顔が
鎮守の森から
抜け出してくるころ
持ってけと
わたされた提灯だが
闇がゆらめいて
よけい気味悪い
石ころに足をとられ
なにも見ないようにして
やっと逃げかえると
流しで母が
鯉をさばいていた
くらい軒先
ぼおじぼを打つ
子供らの後ろ
口のとがった蒼い顔が
覗いている