ボルボP1800ESワゴンの想い出。
ワーゲン・ベンツ・BMW・
ボルボ・ローバーなど
関わりのあった車には
其々の甘く酸っぱい想い出があり
私の賑やかな経歴にもなりそうなので
いつか纏めてみたいと考えている。
1979年12月、
街中に聖樹が赤く青く点滅し
クリスマスソングでにぎわうころ
遊び人の先輩に誘われて
はじめてのBARに入った。
キツイ階段を上ったところの英国調のBAR。
華奢な体に黒いワンピースが良く似合うママさんに
迎えられボックスに座る。
当時としては結構高級なスコッチ「バランタイン」を
ちびちび舐めながら
とりとめのないお喋りをしていたそのとき
ママさんと私がほぼ同時に顔を見合わせ
「あっ!あのときの・・・」と小さく声をあげた。
なんと、10日ほど前に
市内の路上ですれ違っていたのだ。
赤信号の前
私の車に並んだ真っ赤なフォルクスワーゲン。
ドライバーは黒づくめの華奢な女性。
「おお!カッコイイ」。横目でちらちら。
彼女の方も
隣りの黄色いボルボと
チェックのマフラーに見とれていたという。
その二人が偶然、
この小さなBARで出会った・・・・・。
盛り上がる二人を尻目に
先輩はバランタインのがぶ飲み。
帰りぎわ
「友だち、途中でまいちゃって」
そっと耳打ちしながら
電話番号を書いたメモを渡された。
そのときの上品な香水の匂いと
ボルボの黄色い曲線を今でも想いだすことがある。
紅をぬるポインセチアに負けまひと