ベンベエの詩的つぶやき

世の中をちょっと斜めに見て・・・

猫の恩返し

2013-06-18 19:44:19 | 日記・エッセイ・コラム

死期をさとった猫はある日、
突然屋敷から姿を消してしまう。

永い間世話になった飼い主へ
自分の骸をさらして悲しませたくないという
猫たちの最初にして最後の恩返し。
 なんと けなげな・・・・・。

しかし遠くには行っていない。
大好きな飼い主の声のとどく辺り
誰にも知られないよう
独りでじっと死を迎えている。

あの大きなアフリカ象も
死期をさとると
群れを出て「象の墓場」へ旅立つという。

家を建て替えた時 
茶の間の床下に猫の白骨体を見つけた
という話はよく聞く。

やさしい人たちの団欒を聞きながらひっそりと
息を引きとっていくのだ。

人間の社会でもこの頃 
孤独死という無惨な死が増えているが 
猫にとっても人間にとっても
死とはそもそも
孤独なのだ。

 葵咲く廃屋の軒に逞しく