糸とんぼを見た。
数年ぶりのこと。
中庭をそっと横切っていった。
何かとても大切なものを発見したような喜びと
そのくせちょっぴり哀しい気分。
糸とんぼ・・・・絶滅種の最たるものであろう。
もしかしたら今横切っていったものが最後かも・・・・・
そうやって今の僕も誰かにとっては
最後の自分かもしれない。
そう思うと周囲の何もかもが愛おしく見えてくる。
今年初もののトウモロコシをたべる。
ミルキーな汁と乾いた土の匂いが口中にひろがる。
バーグマンてふ薔薇薫りけり寡婦の家
音曲のこぼれ散るらむ桐の花