だれにも気付かれないように
この惑星の自転と公転の速度が
早められているような妙なインスピレーションが働く。
とかく一日が早すぎる。
一週間が早すぎる。
一年が数ヶ月前のような気がする。
一切の不具合も証拠も残さず
着々と時間が早められている。
自分を含め全体が一緒に加速しているので
気付きようがないのだ。
こんなことが出来るのは神以外にはない。
この世には理由のないものは何一つないと
いわれているから
何らかの意図があって
時間が短縮されているのだろう。
月も太陽も変わらず現われたり沈んだりし
総ての時計が正確に時を刻んでおり
どこにも不具合はないのだが
それでも何だかおかしい。
蜻蛉の思惟の彼方の夕茜