庭のさくらが一斉に歓喜の大合唱。
大空を染めて咲き誇っている。
桜の花のころになると
いくつもの想い出がよみがえる。
つらい想い出、悲しい想い出、嬉しい想い出、
楽しい想い出・・・・・。
桜の花にからめた想い出は
人生の中で最も多いかもしれない。
最初の想い出は小学一年生。
100本の大桜に囲まれての運動会。
それぞれの根元には花むしろが敷かれ
家族らの応援合戦。
50メートル駈けっこで足を挫き
そのままフミ先生の背中でゴールイン。
先生の髪、いい匂いしていたなあ。
市ヶ谷から飯田橋までのお堀端。
遠くで安保闘争のシュプレヒコール。
さくら吹雪に背中を押され青春とは寂しかったなあ。
夜桜に頬を染めてすれ違う今は人妻の幼馴染み。
いつまでもドキドキしていたなあ。
退院後の松葉杖を頼りの奈良ホテル。
飛鳥仏のほほ笑みと
目覚めの茶粥が六腑に沁みたなあ。
花ぐもりの中を運ばれていく献体の父。
見送りながら
たくさんの不安に潰されそうだったなあ。
さくらさくら ああ、我が人生の節目の花。
飛花落花ひねもす悩みゐるロダン
西行は「花の歌人」と言われているようですが、ベンベエさんは「花の詩人」になれそうですね。
いいえ、わたしは「花の惑い人」です。
惨い雨風は贅沢な演出をします。
マイナスをプラス思考に・・・・
バオバオさん見事です。