コロナ禍で酒に弱くなったよっぱらい親父。古希を過ぎ、腰痛に悩みながら今は家庭菜園に精を出す。慰めは3匹の猫。
よっぱらい親父の独り言
チャドクガにやられた
職場のツバキのどの葉にも毛虫の行列ができていると言う。
チャドクガだ。
手の空いている職員が殺虫剤を手に退治に行った。
親父は、半袖で退治している姿を見て、「そんな格好じゃ痒くなるよ。」と注意した。
とりあえず退治を終え、室内に戻ったとたん、親父が一番早く痒くなった。
「見てただけなのに、一番ひどくやられましたね。」
そう言って笑っていた人もいる。
親父は、元来、皮膚がデリケートにできている。
なので、すぐに反応するのだ。
そのうち、若い人が親父の部屋に入ってきて「見せてください。」と言う。
上司に、後学のために見ておくように言われたと言う。
親父がぶつぶつで腫れた首を見せると、「痒そうですね。」と言って出て行った。
何人か、そんな人が来た。
夕方近く、5、6人の人が「痒い」と言い出した。
表に出てチャドクガ退治に参加した人のほとんどだ。
親父を笑った人も、親父のぶつぶつを見に来た人もいる。
他人の不幸を笑った罰と言える。
2日後、手術後の検診で職場を休んで病院に行った。
待ち時間を使って皮膚科に行った。
薬を処方してもらって、待合室に出ると、「あっ、親父さん。」と言う人がいる。
見ると、先日チャドクガ退治に参加した職場の人だった。
痒さに堪らず来たと言う。
この日の夜、宴会だった。
「もう、飲んでいいんですか。」「えっ、タバコも復活したんですか。」
親父の快復力に驚く人が多い。
宴会の後、数人といつものスナックへ行く。
お店のママもYちゃんも、親父を気遣って薄いウーロン杯しか飲ませてくれない。
そして、タバコも取り上げてしまった。
腕にまで広がってきたチャドクガの発疹が、すごく痒くなった。
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