はちみつと青い花 No.2

飛び去っていく毎日の記録。

 映画「Ryuichi Sakamoto: CODA」

2017年11月23日 | 映画
2017/11/23

坂本龍一のドキュメンタリー映画を見てきました。
2012年からの5年間の密着の記録です。

東日本大震災の被災地に行く、放射能の高濃度汚染地帯を歩く、
自分のガンについて語る、原発反対の運動・・・
戦メリのあの音楽も映像も、YMOの海外ツアーの映像も出てきて、ほんとうに懐かしい。

映画音楽の作曲逸話や、自宅での作曲シーンも興味深いものでした。

彼は人が頭で作曲した音楽から離れて、街の雑踏、雨の音、森の中、北極圏の水の音まで
自然の中に音を求めて録音する。

2009年3月に坂本氏のコンサートに行ったときに、
北極圏の氷河の中で音を採取したと話していた記憶がありますが、映画でその映像を見て思い出しました。


冒頭に東日本大震災の津波で被害を受けたピアノを弾くシーンが出てきます。
ゴミで汚れ、音が狂っています。
あとになって、このピアノについて語るシーンがあります。

「津波によって調律されたピアノの音はいい。」
(正確な言葉には覚えていませんが、こんな言葉)

私は、ああ、そうだったなあと思いました。
ピアノの12音律は人間が便宜上決めたものに過ぎない。
絶対的なものではないのに、音がずれているとか、チューニングがあっていないとか言う。

人が生きていると自然に聴いているであろう環境音、それはそのまま音楽なのかも。

あらかじめ作ったもの、決めたものではなく、偶然にできたものがいいのだと。



コメント
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